量子ビーム

(1)SPring-8ってなあに?

 大型放射光施設SPring-8は、太陽の100億倍もの明るさに達する「放射光」という光を使って、物質の原子・分子レベルでの形や機能を調べる事ができる研究施設です。
  SPring-8は、兵庫県の西部、播磨科学公園都市にあり、直径約500mの大きな円形をしています。この大きな施設の運転は、施設の所有者である国立研究開発法人理化学研究所(理研)と利用者への様々な支援を担当する公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)により行われています(平成29年7月現在)。

SPring-8(円形)とSACLA(直線型)
写真:SPring-8(円形)とSACLA(直線型) (提供:理研)

 SPring-8では、光の速さほどに加速した電子ビームを曲げて放射光を発生させています。それが、57本※もの「ビームライン」と呼ばれる研究装置を通って、それぞれの実験スペースに届けられます。この放射光を使うため、国内外から産学を問わず、毎年のべ1万6千人もの研究者がやってきており、運営開始19年目にあたる平成28年には累計利用者数が20万人を突破しました。
※平成29年7月現在。最大62本設置可能。 

高速の電子ビームを磁石で曲げると、光が出るという自然現象があります。これが放射光です。

図:放射光の発生原理(「エイトハカセ」第5話の1コマより)(C)TOMOTOMO

 放射光施設は、生命科学や環境・エネルギー、新材料開発など様々な分野の研究開発に貢献していることから、世界中でその重要性が認識されています。各国においても次々と建設や稼働が進む中、SPring-8が作り出すビームは世界最高レベルのエネルギーや明るさ、安定性を誇っており、世界的にもとても重要な施設です。

SPring-8と同規模の施設は、米国APSと欧州ESRFのみ
図:世界の放射光施設

【SPring-8公式ホームページ】
 SPring-8(※SPring-8ホームページへのリンク)
【SPring-8紹介動画】
 「豊かな未来を照らす光 - SPring-8-」
SPring-8における放射光発生の仕組みの説明やSPring-8を活用して成果を挙げている4人の研究者から、SPring-8の活用事例についてインタビュー。SACLAにも触れています。
 「豊かな未来を照らす光 - SPring-8-」(YouTubeへのリンク)

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(2)なにができるの?

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子研究推進室

(科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子研究推進室)

-- 登録:平成24年02月 --