1つ目は、ハイテク顕微鏡の機能を使って期待できる研究成果を紹介します。
例えば、より高性能・高品質な電池の開発です。
現在普及するリチウムイオン電池は携帯電話や、ノートパソコン、電気自動車等の私たちの身の回りにあるいろいろなものに使われていますが、長期間使っていると劣化してしまったり、値段が高かったりするといった課題があります。
中性子ビームを使えば、分解したりせずにリチウムイオン電池の中のリチウムイオンの動きを観察することができます。リチウムイオンの動きを把握することで、電池の容量の低下や電極の劣化の仕組みを解明することができ、容量や寿命、コスト、性能の面で更に高品質な電池の開発につながります。平成28年には、リチウムイオン電池の3倍以上の出力特性を持つ、全固体セラミックス電池が開発され、その性能の実証が行われました。
このほかにも、世界的に高い関心が寄せられ集中的に研究が進められる鉄系超伝導体に関する研究や、創薬につながるタンパク質の観察など、基礎研究から産業応用に至るまで幅広い分野における研究開発が進められています。
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(4)どんな成果があるの?パート2
科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子研究推進室
-- 登録:平成24年02月 --