私立学校法

 私立学校法はその目的を「私立学校の特性にかんがみ、この自主性を重んじ、公共性を高めることによって、私立学校の健全な発達を図ること」(同法第1条)と定めています。この「私立学校の特性」とは国公立の学校と異なり、私立学校が私人の寄附財産等によって設立・運営されることを原則とするものであることに伴う特徴的な性格です。私立学校において、建学の精神や独自の校風が強調されたり、所轄庁による規制ができるだけ制限されているのもこの特性に根ざすものです。
 「私立学校の自主性」とは、上記のとおり、私立学校が私人の寄附財産等により設立されたものであることに伴い、その運営を自律的に行うという性格をいいます。私立学校法は私立学校の自主性を尊重するため、所轄庁の権限を国公立の学校の場合に比べて限定する(同法第5条)とともに、所轄庁がその権限を行使する際にも、大学設置・学校法人審議会又は私立学校審議会の意見を聴かなければならないこととし、私立学校関係者の意見が反映されるような制度上の措置がなされています(同法第8条、第31条、第60条、第61条、第62条)。
 一方、私立学校といえども公教育の一翼を担っている点においては国公立の学校とかわりなく、「公の性質」(教育基本法第6条第1項)を有するものとされています。この観点から私立学校にも「公共性」が求められており、私立学校法は私立学校の「公共性」を高めるため、私立学校の設置者として旧来の民法の財団法人にかわって学校法人という特別の法人制度を創設し、その組織・運営等について次に述べるように民法法人と異なる法的規制を加えています。その第一は、学校法人が解散した場合の残余財産の帰属者は学校法人その他教育の事業を行う者のうちから選定しなければならないこととし、残余財産の恣意的処分の防止を図っていることです(同法第30条第3項)。第二は、学校法人の運営の公正を期するため、役員の最低必要人数を法定するとともに、役員が特定の親族によってのみ占められることを禁止していることです(同法第35条第1項、第38条第7項)。第三は、学校法人の業務執行の諮問機関として評議員会の設置を義務づけ、学校法人の運営について意見を反映させることとしていることです(同法第41条~第44条、第46条)。
 このほかにも、私立学校法は私立学校の公共性を高めるためにいくつかの規定を置いています。
 私立学校はその自主性を尊重するとともに、公共性にも十分配慮することにより、その健全な発達が期待されているものです。

私立学校法の一部改正(平成26年法律第15号)

私立学校法の一部改正(平成16年法律第42号)

私立学校法の英訳  (PDF:387KB) PDF
<注釈>
英訳(試案)の作成に当たっては、できる限り正確な訳出を試みましたが、日本語と英語の間の微妙なニュアンスの差や予期し難い誤りなどが全くないことを保証するものではありません。
したがいまして、この英訳(試案)は、あくまで参考資料としてお使いいただき、このページの利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねます。
なお、今後、この試案を精査したものが、日本語法令外国語訳データベースに掲載される予定です。

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(高等教育局私学部私学行政課)

-- 登録:平成21年以前 --