情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト(STAR-Eプロジェクト)

研究課題③(研究代表者:東北大学 加納将行)

データ同化断層すべりモニタリングに向けた測地データ解析の革新

研究概要

本課題では、プレート沈み込み帯の断層すべりの現状把握と短期推移予測を実現し、将来の巨大地震の発生に与える影響を評価する、断層すべりモニタリングシステムを構築する。この実現に向けて、統計学・機械学習に基づく革新的な測地データ解析手法を開発し、地殻変動検知能力の向上・観測ノイズ特性の理解の深化を通した、断層すべり把握手法の高度化を図る。これらの成果と断層面の摩擦の物理法則を考慮したデータ同化手法の融合により、断層すべりモニタリングシステムの実現を目指す。

図1 研究概要



図2 2003年十勝沖地震の余効すべりを対象とした断層すべりの現状把握と短期推移予測の例



図3 スパース推定を用いた短期的スロースリップ検出



実施体制図



研究代表者メッセージ

  • 研究代表者メッセージ
  • 「データ同化断層すべりモニタリングに向けた測地データ解析の革新」の研究代表を務めます、東北大学の加納です。本課題では情報科学を駆使した革新的な測地データ解析手法を開発し、沈み込み帯の断層すべりモニタリングシステムの構築を目指します。本課題は、本年度採択された5課題のうち、唯一測地データを主として扱う課題です。様々な研究に利用可能な測地データ解析手法の開発を通して、地震・火山関連現象の理解に新たな展開をもたらすことができるよう、課題を推進していきます。また測地データを扱う若手研究者や大学院生は少なく、将来の測地データ解析を数理的な観点から支える人材の育成は急務です。本課題では測地データ解析に関連する基礎的な勉強会を定期的に開催し、若手人材育成にも力を入れています。本課題に興味のある皆様の積極的な参画をお待ちしております。

    東北大学 加納将行


関連リンク

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