3.政策評価の結果の政策への反映状況(1)実績評価(施策目標5-5)


主管課及び関係課 基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成16年度以降の取組)
施策目標5−5 研究開発基盤の整備
【主管課】
研究振興局研究環境・産業連携課
【関係課】
研究振興局情報課・基礎基盤研究課・ライフサイエンス課、大臣官房文教施設企画部計画課
独創的・先端的な研究開発を進めるため、施設整備はもとより、知的基盤(1研究用材料、2計量標準、3計測方法・機器等、4データベース)、研究情報基盤などの研究開発基盤の整備を図る。 2010年を目途に、知的基盤整備計画(科学技術・学術審議会阿部前会長より遠山大臣に平成13年8月30日に答申)に記載された重点的に整備する知的基盤(1研究用材料(微生物等の生物遺伝資源等)、2計量標準、3計測方法・機器等、4データベース)の整備について、6指標に示されているような整備目標を達成する。 ・微生物数(国立大学、独立行政法人等の研究機関において保存されている微生物数)
・計量標準・標準物質
・ライフサイエンス分野の計測方法・機器
・材料物性データベースのデータ数
○研究用材料(特に生物遺伝資源)、計量標準、データベースについては、それぞれ、1微生物数、2計量標準・標準物質の整備数、4材料物性データベースのデータ数が増加しており、概ね順調に整備が進められているが、3計測方法、機器については、依然としてライフサイエンス分野の計測方法、機器等の多くを海外に依存しており、一定の成果は上がっているが一部については想定どおり達成できなかった。
 今後の課題として、計測・分析機器については、日本の国内市場における国内企業のシェアは依然と低いため、将来の研究活動を先導する先端計測分析技術・機器について、産学官の能力を結集して開発する事業を推進することが必要である。
○知的基盤整備については、研究活動を先導する計測分析技術・機器の開発を産学官連携で推進するプロジェクトを平成16年度より開始。平成17年度は新規開発領域を追加し新規課題を募集するなどプロジェクトのさらなる充実、強化を図る。
多様な物質・材料の構造解析をはじめとして、従来の光源では達成できない未踏の科学技術領域の開拓に寄与する施設である大型放射光施設(SPring-8Super Photon ring 8ジェブの略称)の共用利用をさらに促進し、優れた研究成果を社会に還元するため、施設整備等を進め、利用者数が前年度に比べて拡大するよう運用を図る。 ・大型放射光施設(Spring-8)の利用者数 ○大型放射光施設の整備については、利用者の多様なニーズに対応すべく、大型放射光施設整備を実施してきたことにより、利用者数は確実に増加しており、また、平成15年度までに、光の受容センサーとして働くタンパク質であるウシロドプシンの立体構造の解明や、DNAの遺伝情報を伝達する反応を直接担っている重要なタンパク質であるRNAポリメラーゼなどの研究成果について、ネイチャーやサイエンスに26件の論文が掲載されるなど、世界的に高く評価される研究成果を挙げているものの、産業界の利用の利用者全体に占める割合は不十分であるとともに、新規利用者の更なる拡大を図るべきではないかと指摘もある。今後の課題として、利用者数・利用分野の更なる拡大を図るため、新規ユーザーに応えることができる施設・設備の整備を一層推進していくことが必要である。 ○本格的利用期にあたり、利用者数の更なる拡大と利用分野の拡大を図ることを目的に、利用研究の進展に伴い高度化する利用ニーズに対応し、利用実験の効率化・高精度化、実験データ解析手法・ツールの開発と提供に係る経費として、高度利用実験技術開発費を措置。
 また、平成16年4月の財務省予算執行調査を受け、多様化する利用者ニーズに応えるべく、運転・維持管理要員を技術支援要員に振り替えることで、解析支援を含む技術支援範囲の拡大を図るとともに、更なる支援体制の強化を図ることにより、産業利用の一層の拡大を目指す新規施策「先端大型研究施設戦略活用プログラム」に係る経費を措置(17年度)。
観測実験・シミュレーション等で大容量のデータを扱い、超高速・広帯域のネットワークを必要とする高エネルギー・核融合科学をはじめとする先端分野の研究を一層推進するため、先端的研究機関を最速10ギガビット・パー・セコンドの回線で接続する超高速研究ネットワーク(スーパーSINET)のノード(接続拠点)数を平成15年度までに28機関において整備し、さらに順次拡充する。 ・スーパーSINETのノード数(接続拠点) ○スーパーSINETについては、ノード(接続拠点)を平成16年3月までに28機関において整備しており、順調に進捗している。情報通信分野の研究開発を推進するという観点から、引き続き、その整備の充実と活用を推進していくことが必要。 ○スーパーSINETについては、平成16年度中に新たに1大学、1国立試験研究機関にノードを整備。平成17年度も引き続き、運営体制の充実等により活用の推進を図る。
世界水準の教育研究成果の確保を目指し、国立大学等施設緊急整備5か年計画に基づき、平成17年度までに約600万平方メートルの国立大学等の施設整備を重点的・計画的に行う。(再掲) ・国立大学等施設緊急整備5か年計画の達成状況 ○「国立大学等施設緊急整備5か年計画」の整備目標の約600万平方メートルに対し、平成15年度までに約329万平方メートル(55.1パーセント)の整備を実施している。整備対象別に見ると、「大学院施設の狭隘解消等」(86.9パーセント)、「卓越した研究拠点等」(83.8パーセント)、「先端医療に対応した大学附属病院」(72.0パーセント)、「老朽化した施設の改善」(40.2パーセント)となっており、「老朽化した施設の改善」については当初想定した整備水準を下回っているものの、全体としては大学等の多様な教育研究活動を支える施設環境基盤の整備・充実は概ね想定どおりに達成。
 今後は、必要予算の確保に努めるとともに、進捗に遅れが見られる「老朽化した施設の改善」を一層推進していくことが必要。
○5か年計画の所要経費として最大約16,000億円を見込んでおり、平成16年度予算において、1,433億円(うち補正分359億円)を確保。
 また、平成17年度予算案においては、事業費ベースで901億円を計上。

前のページへ 次のページへ

-- 登録:平成21年以前 --