3.政策評価の結果の政策への反映状況(1)実績評価(施策目標4-8)


主管課及び関係課 基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成16年度以降の取組)
施策目標4−8 海洋分野の研究開発の推進
【主管課】
研究開発局海洋地球課
地球全表面の7割を占め、多様な資源・空間を有する海洋に関する調査研究を行うことで、気候変動、地殻変動等の地球変動現象を解明し、国民生活の質の向上など経済社会への貢献を目指す。 エルニーニョ源である西太平洋からインド洋にかけての暖水プール域における熱収支の変動機構を明らかにするために、海洋観測ブイシステムにより、海洋・大気と淡水の空間分布と時間変化を把握する。 該当なし ○暖水プール域に展開したトライトンブイやADCP流速計ブイを用いて、長期観測を行っており、概ね順調に進捗している。
 エルニーニョ源である西太平洋からインド洋にかけての暖水プール域における熱収支の変動機構を明らかにするために展開している海洋観測ブイシステムを着実に運用して、観測研究を継続的に進めて行く。また、10年実施計画による包括的で持続的な地球観測体制の構築に向けて、我が国がこれまでの実績を生かしつつアジアモンスーン地域における観測の空白域の解消等に積極的に貢献していくことが必要。
○平成17年度は、16年度に引き続きトライトンブイやADCP流速計ブイを効率的に運用し、長期観測を継続するとともに、観測の空白域の解消に向け研究開発を推進する。
地球規模の高度海洋監視システムを国際協力により構築し、地球変動予測の実施に不可欠な海洋データを全地球規模で収集する。 ・ARGO計画による塩分水温データ取得数 ○海洋地球研究船「みらい」の南半球一周航海において、これまで観測の空白域だった南半球に日本の中層フロートを投入するなど、南半球における空白域の解消に向けて貢献した。概ね順調に進捗している。
 気候変動の機構解明とその予測能力向上を目指し、そのために必要不可欠な海洋データを全地球規模で収集するため、中層フロート観測網を用いた観測研究を着実に進めていく。
○平成16年度は、地域的、時間的に限られたサブシステムモデルの更なる改良を図った。各モデルのパラメタリゼーションの一層の高度化を図るとともに、各個別プロセスのフィードバック効果等全球モデルの開発に重要なサブシステムの開発を進めた。
 平成17年度は引き続き各モデルのパラメタリゼーションの一層の高度化を図るとともに、各個別プロセスのフィードバック効果等全球モデルの開発に重要なサブシステムの開発を継続するとともに、高解像度結合モデルの開発に向けて、着実に研究開発を進める。
地球温暖化等の精度良い予測を実現することを目的として、約10キロメートルメッシュスケールの全球大気・海洋各モデル及び高解像度結合モデルを開発する。 該当なし ○10キロメートルメッシュ全球モデルの開発に不可欠な各要素過程の組み込みのための(地域的、時間的に限られた)サブシステムモデルの開発が進むとともに、60キロメートルメッシュの高解像度結合モデルの開発に向けて、一段分解能の低い120キロメートルメッシュの大気・海洋モデル結合を進めた。また、大気モデル及び海洋モデルを地球シミュレータ上で駆動させ、そのパフォーマンスの改良を行っており、概ね順調に進捗している。
 地域的、時間的に限られたサブシステムモデルの更なる改良により、各モデルのパラメタリゼーションの一層の高度化を図るとともに、各個別プロセスのフィードバック効果等全球モデルの開発に重要なサブシステムの開発、改良を進めることが必要。
○平成16年度は、地域的、時間的に限られたサブシステムモデルの更なる改良を図った。各モデルのパラメタリゼーションの一層の高度化を図るとともに、各個別プロセスのフィードバック効果等全球モデルの開発に重要なサブシステムの開発を進めた。
 平成17年度は引き続き各モデルのパラメタリゼーションの一層の高度化を図るとともに、各個別プロセスのフィードバック効果等全球モデルの開発に重要なサブシステムの開発を継続するとともに、高解像度結合モデルの開発に向けて、着実に研究開発を進める。
日本列島の地殻変動に密接に関係するフィリピン海プレート・太平洋プレートの沈み込み帯及び伊豆・小笠原・マリアナ弧に重点を置いて構造イメージングを進め、プレート沈み込み帯に伴う流動・変形・破壊過程を含む時空間スケールの異なるプレート挙動並びに島弧地殻の形成過程を表現する新しいプレート挙動モデルを開発する。 該当なし ○日本列島の地殻変動に密接に関係するフィリピン海プレート・太平洋プレートの沈み込み帯及び伊豆・マリアナ弧に重点を置いて、沈み込み帯に関する知見が確実に深まった。概ね順調に進捗している。
 プレート沈み込み帯に伴う流動・変形・破壊過程を含む時空間スケールの異なるプレート挙動並びに島弧地殻の形成過程を表現する新しいプレート挙動モデルの開発を目指し、日本列島の地殻変動に密接に関係するフィリピン海プレート・太平洋プレートの沈み込み帯及び伊豆・小笠原・マリアナ弧に重点を置いた構造イメージングを着実に進めることが必要。
○平成16年度は、地球シミュレータを活用した地震発生サイクルシミュレーション研究や個別要素法に基づく新たな解析手法を開発し、沈み込み帯におけるプレートのダイナミクス研究を推進した。
 平成17年度は、引き続き地球シミュレータを活用した地震サイクルシミュレーションや個別要素法によるミクロ現象のシミュレーション等の研究開発を推進する。また、プレート沈み込み帯におけるミクロ−マクロ現象を統一的に理解するモデルの構築を図る。
深海に生息する微生物を対象に、高圧下でのみ発現する遺伝子群や好圧性微生物だけが持つ特殊な遺伝子の発現調整機能の解明、極限環境特性のひとつである超臨界水中の分子特性並びに環境応答生物機能の解明、さらに解析を完了した深海微生物のゲノム情報を利用した産業応用技術の開発を行う。 ・ゲノム解析を終了した微生物の種類 ○目標に向け順調に研究が進んだ。既に3種の極限環境生物のゲノム解析を完了している。また、民間企業との接点となるバイオベンチャーフォーラムを年1回開催するとともに、民間企業との共同研究を実施し、研究成果の還元も行った。概ね順調に進捗している。
 深海をはじめとする極限環境に棲む生物の機能解明をさらに進めるとともに、極限環境生物を利用した産業応用技術の開発を目指し、研究成果の還元を図るため、民間企業との共同研究や特許の共同出願をさらに進める。
○平成16年度は、新たにゲノム解析が終了した1種を加え合計3種のゲノム情報を公開した。また、新たな特許を取得するとともに、民間企業等と共同研究を行った。
 平成17年度は、引き続き新たな極限環境生物の探索とゲノム解析を行うともに、産業応用技術の開発を目指す。また、11月には国際極限環境生物シンポジウムを開催し、研究及び研究成果還元のための民間企業等との連携を促進する。
地球環境変動、プレートテクトニクス、地震発生メカニズム等の地球科学に関する研究を促進するために、最終的に海底下の地層からマントル物質を含む有用な試料を採取できる地球深部探査船の建造を行う。 該当なし ○世界初のライザー科学掘削船である地球深部探査船「ちきゅう」の建造を進めた。概ね順調に進捗している。
 今後は、着実に建造を進め、完成後には国際運航の開始に向けた慣熟訓練を開始する。
○平成16年度は、地球深部探査船「ちきゅう」の海上公試を無事終了し、着実に建造を進めた。
 平成17年度前半までに建造を終了し引き渡しを受けたのち、直ちに試験運用を開始し、慣熟訓練等を行うことにより、国際運航の開始に備える。
自律型無人潜水機の研究において、動力源として燃料電池を用い、最大使用深度3500メートル、航続距離300キロメートルという性能を持つ技術試験1号機を開発し、基本性能の技術を確立する。 ・自律型無人潜水機の航続距離 ○自律性能の確認のため、技術的に確立しているリチウム電池を動力源として用いて試験を行っていたが、航続距離132.5キロメートルの自律航行に成功するなど、必要な自律性能についての確認を行った。一方、300キロメートルという航続距離の長距離化のためには、リチウム電池では持続性に限界があるため、自律性能の確認と並行して、さらなる長距離航行を目指した閉鎖型燃料電池を開発していたが、15年度には世界で初めて燃料電池による潜航に成功した。概ね順調に進捗している。
航行距離の長大化等に関する研究を進めるとともに、海洋観測に供しながら、自律性能や観測性能を充実させ、実運用化を図る。
○平成16年6月には、台風接近のため航続試験を途中で切り上げざるを得なかったものの、燃料電池を用い航続距離220キロメートルを達成した。引き続き、16年度内に300キロメートルの長距離航続を達成することを目指す。17年度からは、300キロメートルの長距離航続を目指すとともに、実運用化に向けて試験運用を開始する。

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-- 登録:平成21年以前 --