持続可能な開発のための教育(ESD)に関する2018年ユネスコ/日本ESD賞の公募について

1.概要

(1)ESDとは
「ESDは学習者が、現在そして将来の世代のために環境保全、活力ある経済そして公正な社会を実現するため、文化多様性を尊重しつつ、情報に基づいた意思決定と責任ある行動をとるよう促すものです。これは生涯を通じた学習であり、また質の高い教育に欠かせないものです。ESDは総体的で変容をもたらす教育であり、学習内容やアウトカム、教育学(教授法)や学習環境を注視します。ESDの目的は、社会の変容によって達成されるのです。」(2014年持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)実施のためのユネスコロードマップより)

(2)ユネスコ/日本ESD賞の概要
この賞は、ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)の枠組みの中で、ESD活動に取り組んでいる団体、学校又は個人について、ESDに関する特筆すべきプロジェクトに着目して表彰するものです。
ユネスコの第195回執行委員会(2014年)で創設が承認されたもので、ESDに関するユネスコ世界会議 閣僚級会合及び全体のとりまとめ会合(2014年11月10-12日 愛知県名古屋市)で、賞の創設が正式に発表されました。 日本政府の支援を得て、毎年3件の受賞者に各50,000USドルが贈られます。

2.ユネスコへの推薦

ユネスコ加盟国又はユネスコと公的な協力関係にあるNGOが、推薦案件をユネスコ事務局長に提出します。推薦は、候補者が行うESDに関する特定の事業に着目して行います。日本からは、毎年3件までユネスコに推薦することができます。なお、団体、個人によるユネスコ本部に対しての自薦は受け付けられません。

3. 選考基準

ユネスコが選んだ世界5地域からの5名から成る審査会が以下の基準により審査を行い、ユネスコ事務局長が3件の受賞を決定します。

a. 変容 (transformation):ESDが持続可能な開発を支える変容をもたらす教育として行われており、個人及び社会の変化につながっていること。
ESDは、学習者が自身や社会を変容させる能力を付与するという意味において、変容をもたらす教育である。推薦される事業は、学習者に、より公正で、より平和に満ち、より持続可能な世界のために変化をもたらすことを可能にさせるものとすべきである。例えば、気候変動に対して行動を起こすこと、人々の消費パターンを変化させること、社会的な起業家精神や持続可能な生活を発展させること、貧困に苦しんでいる人々を支援することが挙げられる。

b. 統合(integration):持続可能な開発に関係する社会、経済、環境の三つの側面を統合的に取り扱っていること。
持続可能な開発には、開発の社会的、経済的、環境的な側面の統合が求められる。推薦される事業は、この持続可能な開発の定義に沿った取組とすべきである。本事業は、三つの側面(社会、経済、環境)に対処するとともに、学習者が三つの側面の相互依存関係を理解し、然るべく行動することに資するとすべきである。

c. イノベーション (innovation):ESDに対するイノベーティブなアプローチを実証していること。
持続可能な開発は、従来どおりの考え方や既存のものではないというのみの考え方を超えていくことが求められる。推薦される事業は、カバーするテーマや用いる手法、あるいは、学習環境の設定であれ、ESDに対するイノベーティブかつ先進的な取組を実践することが求められる。教育以外のセクターへのアウトリーチ、新たなパートナーとの協働は、イノベーションを示唆するものとなり得る。

その他、以下の点が考慮されます。
・当該プロジェクトが、最低4年は継続していること
・投じられたリソースに関連した高いインパクト及び結果の存在を示すこと
・他の実践者のモデルとなり得ること
・プロジェクトを通じて実現される、持続可能な未来に向けた価値観・行動・ライフスタイルの変容について、具体的に記載されていること
・GAPの優先行動分野※のいずれか、又は複数の領域に貢献していること
※ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)の五つの優先行動分野
1.政策の推進    
2.学習環境及び訓練環境の変革  
3.教育者及びトレーナーの能力の構築
4.ユースの強化及び動員
5.地域レベルでの持続可能な解決の促進

なお、応募にあたり、これまでのユネスコ/日本ESD賞の受賞団体のプロジェクトに関する情報を参照したい場合は、以下をご参照ください。
2015年度 UNESCO-Japan Prize on ESD (※ユネスコのホームページにリンク)(英語のみ)
2016年度 UNESCO-Japan Prize on ESD (※ユネスコのホームページにリンク)(英語のみ)
2017年度 UNESCO-Japan Prize on ESD (※ユネスコのホームページにリンク)(英語のみ)

4. 応募

(1)応募資格
団体、学校は日本国内に主たる事業所(本社等)が所在すること、また、個人は日本国籍を有する者又は日本に永住を許可されている外国人とします。

(2)応募方法
英語のESD賞応募用紙(様式1)を全て記入するとともに、日本語版概要(様式2)を記入してください。
その際、英語のESD賞応募用紙(様式1)への参照として、3.Supporting materials の欄に参考資料(例:出版物)のリンクを記載することができます。また、参考資料がウェブ上にない場合は、参考資料をPDFで添付することも可能です(ファイルの総計350MBまで)。
英語のESD賞応募用紙(様式1)記入の際には、字数制限(スペース含む)を厳守ください。字数制限を超えて記載されている部分については、審査の対象外とします。
なお、ユネスコでの審査は英語又はフランス語でのみ行われ、日本の国内審査に関しても、英文応募用紙(様式1)を対象に行われます。日本語版概要(様式2)は国内の審査会及び同事務局の参考として使用します。このため、日本語版概要以外に日本語での資料を添付することは任意です。

応募する事業は、複数団体による共同事業でも可能です。この場合、応募用紙の「1 団体/個人の情報」欄のうち、「名前」、「団体/個人の種別」、「住所」、「国名」、「ホームページ」、「団体/個人の概要」には、それぞれの団体について記載してください。

(3)提出期限 平成30年3月5日(月曜日)12時【正午】

(4)提出方法
以下の連絡先に電子メールにて提出してください。
E-mail:jpnatcom@mext.go.jp
※1 メールのタイトルは「【団体名又は個人名】ユネスコ/日本ESD賞国内公募」としてください。
※2 添付ファイルの容量が大きい場合(おおむね10MBを越える場合)は、別途、大容量ファイル送信の方法を御連絡いたします。
※3 応募を受け付けましたら受付確認のメールを送付します。受付確認メールが届かなかった場合は、下記6.の問合せ先までお問い合わせください。

なお、参考までに、ユネスコ本部による国際公募の募集要項(英語)も添付しておりますので、必要に応じて御参考ください。

5. 選考及び結果通知

ESDに関する有識者等を審査員とし、応募書類に基づいてユネスコに推薦する3件(最大)を選考します。なお、ユネスコ本部に提出する前に被推薦団体に確認をさせていただくことがあります。選考結果は、4月下旬に被推薦団体・者に対して通知するとともに、被推薦団体・者をホームページに掲載します。

6. お問合せ先

文部科学省国際統括官付ユネスコ第二係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
TEL:03-5253-4111(内線3402)
FAX:03-6734-3679
E-mail:jpnatcom@mext.go.jp


お問合せ先

国際統括官付

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