2.我が国が保有すべき海洋研究船について

(2)我が国の海洋研究船が持つべき施設・設備

 以上のニーズを踏まえると、我が国の海洋研究船全体として整備すべき機能、性能を抽出することができる。なお、船舶の施設・設備は、船体に整備される大型の施設(ウィンチ、クレーンなど)と、研究区画等に設置される中型・小型の設備(分析機器など)に分類され、船舶の整備とともに、これらの施設・設備についても計画的かつ継続的な整備が求められる。
 各分野の研究に必要となる主な船上の施設・設備をまとめると、以下のとおりとなる。

 これらの施設・設備に加え、分野によらずに共通的に整備することが求められる機能として、沿岸のそばに深海が存在するという我が国周辺海域の特徴を踏まえた7,000メートル級のウィンチ、観測点における船舶操縦の省力化及び自動化のためのダイナミック・ポジショニング・システム(DPS)があげられる。
 以上の研究施設・設備は、船上で研究を行うことが必要であるという海洋研究の特色を踏まえ、世界最先端の研究設備・装備を常に保持することが重要である。また、船内に研究用の十分なスペースを確保しつつ可能な限り多くの研究者や学生が乗船できるよう、十分な規模を持つとともに、数多くの運用を行うことが必要である。更に、研究船が教育、国際的共同研究に果たす役割を考慮しながら船内設備を整える必要がある。

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