第2編 第5節 韓国

　2001年1月、韓国政府は「教育部」を各省庁の人的資源政策部門を統括・整理する機関として「教育人的資源部」に改編した。同部は、2001年12月に国レベルの中長期人的資源政策のビジョンと戦略を示すため、「第1次国家人的資源開発基本計画（2001年〜2005年）」を発表した。2002年8月26日には、同計画を実施するための法的根拠として「人的資源開発基本法」が制定された。
　さらに、2006年1月、「第1次国家人的資源開発基本計画」に継いで、「第2次国家人的資源開発基本計画」が策定され、5年間（2006年〜2010年）の教育振興策を発表した。

　知識基盤社会の進展に伴い‘人’と‘知識’は個人や企業の成長はもちろん、国家の経済力と運命までも左右する重要な要素になってきた。また、労働、資本による要素投入型成長の限界、低出産、高齢化による成長鈍化、人的資本投資の格差による所得二極化の進行を克服するためには、‘人的資源’と‘技術革新’を拡大させる新たな国家成長戦略が必要であるとの認識から、政府は2001年12月に第1次国家人的資源開発基本計画を策定し、2005年までの5ヵ年計画を推進した。
　この計画により、人的資源開発政策のサービス領域を既存の教育体制の視点からばかりではなく、教育、労働市場、産業界にまで拡大して法的、制度的な基盤ができたことは大きな成果であった。推進の結果、政府の14省庁が横断的に政策課題を議論し、重複投資の解消や新規投資分野の発掘ができたこと、5年間で202件の合同審議ができたことなどが評価される。一方、基本計画には人材需給展望や成果指標がなく、人的資源開発会議も各省庁の事業評価や予算調整権限を持っていなかったため、人的資源開発政策を統合推進していくことに限界があったと評価されている。

　政府は1次基本計画が2005年度に終了したことにより、政府の20の省庁が共同で2006年から2010年までの国家レベルで推進する人的資源開発の政策課題を解決するため、第2次国家人的資源開発基本計画（2006年〜2010年）を策定した。
　第2次基本計画では、人的資源開発基本法の第5条に従って策定された人的資源開発分野の法定総合計画として‘学習社会と人材強国の建設’を政策ビジョンに掲げ、‘人’と‘知識’主導型の成長を目指して、人的資源分野の国家競争力が10位圏内に入ることを大きな目標に掲げている。
　このような目標を実現するため、第2次基本計画では、国際的に競争力ある核心人材の育成、全国民の生涯学習能力の向上、格差社会の是正及び教育・文化・福祉の増進、人的資源開発のためのインフラ拡充の4大政策領域に20の政策分野、67の主要政策課題を含めた200の政策課題を推進することになった。特に、第2次基本計画に含まれた政策課題では、計画期間内の達成成果目標、政策内容、推進日程、財政投資計画などを具体的に提示して、政策推進の実用性を一層高める方策が採られている。

2005年2月	第2次国家人的資源開発基本計画の議題選定諮問委員会構成 ＊全経連（韓国の経済団体）などの経済団体代表、大学総長など参加
2005年3月	第2次国家人的資源開発基本計画の策定視点確定及び関連省庁に通報 ＊2005年度終了の第1次国家人的資源開発基本計画の審議
2005年4月	基本計画方向性、政策課題に対する意見収斂及び関連省庁協議、関連省庁協議会とワークショップの開催 ＊基本計画推進企画団、領域別専門家委員会、関連省庁共同協議会などの基本計画策定の推進団を構成
2005年5月	省庁別の所管分野に対する企画案作成、統合
2005年6月	省庁別の企画案追加
2005年8月	第2次基本計画方向性及び政策課題の中間報告 ＊2005年度第4次人的資源開発会議の審議 　省庁別第2次基本計画の財政投資計画の補完
2005年10、11月	人的資源開発の実務調整会議の開催
2005年10月	基本計画公聴会の開催 ＊ホームページ及び世論調査を通じて国民の意見を収斂（10〜11月）
2005年12月	第2次基本計画の人的資源開発会議の審議、確定
2006年1月	国務会議報告

2006年〜2010年の5ヵ年計画となっている。

　第2次国家人的資源開発基本計画は、学校教育分野、生涯学習分野、教育基盤分野を網羅しており、以下の4大政策領域と20の政策分野、200の細部課題が計画の骨格になっている。
　基本計画の副題は‘人材強国コリア（Creative Korea）’となっており、内容は7章で構成されている。第1章は、第1次国家人的資源開発基本計画の成果と反省、2章は、計画の現況、3章は、未来環境の展望と示唆点、4章は、国家人的資源開発のビジョンと政策基礎となっている。5章が、基本計画の政策課題になっており、下記図表のような具体的課題が掲載されている。6章は、財政投資及び法令整備計画、7章は、今後の推進日程になっている。

教育分野	政策領域	政策分野	細部課題　件数
学校教育分野	1）国際的に競争力ある核心人材の育成	1．　未来の有望産業を牽引する核心人材の育成	26	74
		2．　知識サービス分野の専門人材の量産	14
		3．　大学教育の産業現場との適合性の向上	14
		4．　人的資源開発及び活用の国際化	14
		5．　英才教育や水準別教育課程の拡大	6
生涯学習分野	2）全国民の生涯学習能力の向上	1．　人的資源開発の最適化を図るための教育制度の改編	2	50
		2．　国民の基本核心能力の涵養	9
		3．　職業教育、訓練、生涯学習体制の革新	24
		4．　地域の人的資源開発の促進	7
		5．　軍・公務員の人的資源開発の活性化	8
教育基盤　整備分野	3）格差社会の是正及び教育・文化・福祉の増進	1．　女性の人材資源開発の活性化	12	45
		2．　青少年及び中高年層の人材開発の推進	11
		3．　雇用支援サービス及び雇用慣行の革新	3
		4．　社会的信頼、協力ネットワークの構築	10
		5．　社会的公平性を提供する教育、文化、福祉の増進	9
	4）人的資源開発のためのインフラ拡充	1．　人材需給の情報収集体制構築	7	31
		2．　人的資源の技術革新情報の収集、提供	5
		3．　知的所有権の保護体制の確立	6
		4．　人的資源の評価、認証体制の構築	7
		5．　人的資源開発政策の総括、調整基盤	6
合計数	4	20	200

　基本計画の細部課題200は、学校教育分野、生涯教育分野、教育基盤整備分野にほぼ均等に件数が挙げられており、重点分野の判断は難しい。ただ、解決しなければならない主要課題として、下記の6項目が挙げられており、6項目のうちの4項目（下記（1）〜（4））は学校教育分野である。

• 　科学技術分野の量的な学士人材は超過供給が予想されているが、先端分野の一部の博士級人材の供給不足が予測されている。また、全般的に質的不足も予想されている。
  • ＊科学技術人材の供給（2005〜2015）：学士112千名、専門学士176千名
• 　高付加価値サービス産業の専門職の規模が相対的に低く、高級人材の国際競争力が脆弱で、人的資源の海外流出度が増加している。
  • ＊専門職規模：韓国19.2パーセント（2002年）、ドイツ39.4パーセント（2000年）、英国37.2パーセント（1999年）
  • ＊海外留学生と外国人留学生の比較（2005年4月）：192,254名対22,526名
• 　国家基幹産業及び製造業部門での産業機能人材の不足
  • ＊中小企業の人材不足129千名（2004）：製造業113千名、サービス業16千名
  • ＊外国人勤労者の現況：355千名（2005年6月）

• 　大学進学率は世界最高水準だが、大学教育の質は国際水準に達しておらず、輩出人材に対する需要者の満足度も低い
  • ＊世界200位圏内の国内大学数：3大学（The Times 2005）
  • ＊大学の経済要求符合度：52位（全体60カ国、IMD（注1）2005）
• 　核心専門人材の育成による大学の教育基盤の集約
  • ＊教授1人当りの学生数：韓国39名（2004）、日本11名（2002）、米国14名（2002）
  • ＊高等教育財政のGDP比率（2005）：韓国0.3パーセント、OECD平均1.1パーセント
• 　海外論文発表数、米国特許登録件数などが持続的に増加しているが、大学の研究結果の技術移転を通じた事業化支援の質的不足
  • ＊海外論文発表数（2004）：世界13位、米国特許登録（米国特許庁2003）世界6位
  • ＊共同部門の保有技術の民間移転比率（2003）：大学4.7パーセント

• （注1）国際経営開発院（IMD：International Institute Manegement Development）。スイスにある国家競争力などの格付けを行う調査機関。

• 　大学を活用した企業の基礎的技術開発の比重が低調
  • ＊企業のR&D投資中、大学への使用金額比率：2.4パーセント（2000）から1.7パーセント（2003）
• 　産業界の需要を反映した教育課程の不足により、企業などで必要とされる知識と技術を備えた人材の不足（Skill Mismatch）
  • ＊大卒の就業者中55パーセントが、勤務先と専攻が一致しないと思っている（統計庁2004）
• 　中長期的な人材需給の情報収集体制の構築及び市場需要反応型の人材政策の不足

• 　勤労者の労働生産性は、世界41位（IMD2005）であり、企業の社員教育に対する重要度も中間水準（25位、IMD2005）
• 　生涯学習の必要性にも拘わらず、成人の生涯学習参加度はOECD平均の半分程度
  • ＊生涯学習参加率（2002）：韓国21.6パーセント（2004）、OECD平均36パーセント

• 　2005年11月現在、青年層（15〜29歳）の失業率は7.2パーセント（34万名）水準であり、全体の失業率3.3パーセントの2.2倍水準であり、全失業者の39パーセントを占める
• 　女性の経済活動参加率は、OECD平均（約60パーセント）に達していない
  • ＊フランス（50.7パーセント）、英国（55.6パーセント）、米国（59.5パーセント）など（2003）
• 　中高年層の低い知識訓練参加
  • ＊在職勤労者の職業訓練参加率（2004）：20歳代46.1パーセント、30歳代25.3パーセント、40歳代5.9パーセント、50歳代以上0.1パーセント

• 　初・中等教育の創意力の培養による教育課程の改編及び授業方法の革新

　5ヵ年計画における政策領域別の主要施策の内容は、以下のとおりになっている。

• 　全省庁の協力を通じた次世代の成長分野や国家の戦略分野事業を連結した先端革新人材を新規に1万人育成する（2006〜2010）。10代から成長産業の製品や技術開発の研究プログラムに参加させ、理論と実務を兼備した高度融合技術を習得させる。
• 　重点研究開発分野の開発及び基礎技術開発の研究人材を育成する。具体的には、毎年3,000億ウォン規模の投資により、研究開発人材を2006〜2012年間で3万名育成するとともに、2012年までに世界水準の研究中心大学を10大学以上育成する。
• 　知識創出の根幹になる基礎学問の育成及び基礎研究を強化する。一例としては、優秀研究センター（SRC，ERC，MRC，NCRC）育成などの目的志向的基礎研究の強化を通じて基礎科学分野及び学際融合分野の研究を支援する。
• 　基礎、応用、商品開発研究の融合化の促進による産学連携体制を構築するとともに、優秀人材要員を強化する。一例としては、国内外のIT専門家によるIT中小企業ベンチャーに対する研修（Fellowship）を、2008〜2010年で250名実施する。

• 　高付加価値知識サービス分野の専門人材の育成体制を構築する。2010年までに国際基準にあった経営専門大学院（MBA）を10以上育成する。
• 　知識サービス関連の教育、訓練プログラムの多様化、専門化を図る。
• 　専門人材の育成の支援インフラを構築する。知識サービス分野の専門人材育成による省庁間のネットワーク構築や関連資格制度の拡充及び教育、訓練プログラムの認証制を導入する。

• 　経済、社会的要求を反映した大学別の特性化を推進する。学齢人口の減少、地方大学の定員不足率、人材需給の不均衡を考慮した大学定員の調整（国立大学は2009年までに15パーセントの定員削減）をする一方で、大学別の強み分野の特性化による大学構造改革を推進する。
• 　大学教育の現場適合性を向上させるための産学連携を推進する。産学連携中心大学育成事業として、産学連携中心大学13、産学連携中心専門大学10を選定して支援する。
  さらに、理工系大学の教育水準を向上させ、産業団地のR&Dや人材育成センターとしての役割を担わせる。
• 　産学連携団（大学内の技術・知的所有権を保有する組織）を産学協力の中心に活用する。地域別の拠点大学と産学連携団中心の産学連携ネットワークを構築（Connect Korea、30大学）するとともに、大学や産学連携団が商法上の企業を運営することができるように制度改正し、大学企業（大学内で部品の製造・販売、サービス提供をする組織）に専門的に投資する「大学企業投資Fund」組合の結成を推進する。（2008）
• 　産学協力を活性化させ、支援体制を構築する。一例としては、大学の教員任用時の産業界での経歴認定の拡大や企業の大学への寄付金免税の範囲を拡大する。（免税率：教育研究費50から75パーセント、奨学金5から75パーセント）

• 　国際化、開放化時代に適するように、国民の外国語能力を向上させる。初・中等の英語教育強化のため、水準別の英語教科書作成や初等1、2学年への英語教育の試験的実施と成果分析後の段階的拡大を図る（2008年）。また、韓国人に合った英語活用能力評価の体制と基準を確立する。
• 　海外の人的資源を戦略的に誘致して活用する。外国人留学生を誘致する‘Study Koreaプロジェクト’の積極的推進で、2010年までに5万名の海外からの優秀人材を誘致し、活用する。
• 　国内教育の国際化、世界化を通じて教育競争力を強化する。国内教育、訓練プログラムと学位、資格の国際通用性を確保、優秀人材の海外流出防止による国立大教員の兼職制度の改善、外国の優秀教育プログラムと教育機関の誘致拡大などを実施する。
• 　人的資源の国際的活用体制を構築する。在外同胞の教育支援及び国外の人的資源活用インフラ（国外人的資源の統合データベース）を構築する。また、海外専門家育成及び国際競争力ある人材の海外就業を支援する。一例としては、看護婦などの医療人材を、2006〜2010年間に毎年300名が海外就業できるように支援する。

• 　児童・生徒中心の水準別教育課程の運用を強化する。児童・生徒の水準と適正に合った水準別の移動授業（数学、英語、国語のレベル別クラス編成）の実施高校を拡大する（2004年32.5パーセントから2007年50パーセント以上）。大学の科目先履修（AP）制度を導入（2007）して、優秀学生に学習動機を付与する。
• 　早期進級・卒業制度の運用を活性化する。早期進級、卒業の運営メニューを開発し、すべての学校で運営する。
• 　英才教育の量的・質的水準を向上させる。創意的な問題解決力、指導力、道徳性に焦点をあて、上位5パーセントの学生の成就度を世界1位水準に高める（PISAなど）。また、英才教育の領域を数学、科学以外に情報、芸術、言語などの多様な分野に拡大し、対象者比率は全学生の1パーセント（8万名）に拡大する。
• 　創意的な科学英才の育成による科学技術立国の基盤を構築する。科学英才の発掘、育成の体系化による世界水準の科学者育成及び創意的科学人材を集中育成する。

• 　初・中等教育段階の教育体制を革新する。低出産、高齢化の傾向に対応した幼児、成人学習支援の拡大及び人材の国際移動の加速化を勘案した総合的な学制改編を推進する。例えば、幼児教育の公教育拡大（満5歳以上の無償教育化）や9月学期制度の導入を図る。また、中等段階の基礎教育と職業教育の調和及び高等教育機関との連携案を構築する。
• 　高等教育機関の特性化及び成人の高等教育機会を拡大する。一般大学、専門大学及び産業大学間の機能分化、特性化の誘導及び世界水準の高級専門人材の育成による専門大学院制度の拡大を図る。
• 　全国民の生涯教育支援体制を充実させる。教育と労働市場の連携（School-To-Work、Work-To-School System）が円滑な弾力的教育システムを設計する。さらに、国民の生涯設計支援による国家の進路教育支援体制を構築する。

• 　国家の教育課程を随時改定できる体制に転換する。教育課程審議会の常設・構成・運用、教育課程、教科書、ポータルサイト改善などの国家教育課程の随時改定体制を導入する。
• 　学生の基礎学力を保証し、価値観涵養教育を強化する。国家水準の基本能力の設定及び基礎学力の責任指導制を実施する。学校教育に対する信頼提供及び私教育費負担を軽減するため、2007年中に放課後学校を全面実施する。
• 　教員育成や研修体制を改善する。教科専門性を向上させるための教員研修制度の改編や専門的能力開発型の評価制度を導入する。
• 　初・中等教育の自立化を促進し、教育自治制度を改善する。政府の教育財政の拡充及び民間資本の誘致（BTL）を通じた教育施設及び学生福祉施設の拡充など、初・中等教育環境を改善する。また、地域社会の教育支援活用及び教育工程支援の極大化による一般自治と教育自治の連携強化など教育自治制度も改善する。

• 　学校から労働市場へ円滑な人材移行ができるように職業教育体制を革新する。初・中・高・大学の全般にわたる進路指導と就職支援の強化を図る。また、高等学校段階の職業教育革新により、産業界や地域の需要と密着した特性化高校と統合型高校を拡大する。例えば、2004年に64校であった特性化高校を、2010年までに200校に拡大する。さらに、職業能力開発産業を活用した専門大、技能大、技術大及び大学を、地域社会の教育訓練センターとして機能化し、役割を拡大させる。
• 　実業高校、専門大学の職業教育の充実化及び特性化を支援する。実業高校による産学連携推進プログラムを推進して、次世代成長分野の産業現場に密着した人材を2005〜2008年に1,600名育成する。中小企業特性にあった人材を高校生2万名、大学生1万名育成する。さらに、専門大学の職業教育の充実化による専門大学生の支援として、海外現場実習を1,500名に提供し、勤労奨学金を2万4千名に提供する。
• 　勤労者の持続的な職業能力開発支援を強化する。中小企業勤労者の職業能力開発強化のため、2008年までに60回のコンソーシアムを開催する。また、失業者、中高齢者、脆弱階層などの対象別職業訓練プログラムの開発や勤労者の自立的職業能力開発促進による教育訓練支援システムを革新する。一例としては、勤労者受講支援金の受給者は、2004年は38,908名であったが、2010年には10万人に達するよう支援する。
• 　生涯学習社会の基盤を構築し、成人継続教育の活性化を推進する。大学に成人教育課程を導入して、勤労者の要求に合った‘訪問する大学’の設置などの高等教育機関を活用して成人学習を活性化させる。また、低学力成人階層の生涯学習への参加を向上させる。
• 　e−ラーニングを通じた生涯学習体制の構築を支援する。地域別大学に10のe−ラーニング支援センターを構築し、‘e−ラーニングの産学官クラスター’の形成により地域人的資源開発及び核心人材の育成を強化する。さらに、生涯学習都市などの既存政府事業とe−ラーニング連携の推進による地域革新支援やe−ラーニングを通じた疎外階層に対する教育格差の解消を支援する。

• 　地域の人的資源開発の推進体制を確立する。‘地域人的資源開発協議会’の法定化及、全国地域への拡散、推進により、地域人的資源開発の活性化、中央政府−地方自治体・地方自治体間の協力体制の構築や連携を強化する。
• 　地域人的資源開発の現況及び政策に対する調査・分析・評価を強化する。地域人的資源開発による中長期の戦略計画を策定するとともに、地域人的資源開発政策の調査、分析による‘地域人的資源潜在力指数（RHRD Index）’を開発し、評価した結果を公表する。
• 　地域人材資源開発の政策推進基盤を調整する。地方大学教育の革新による地域産業人材の育成及び農村観光事業などの農村地域開発産業を主導する2,500名の専門人材の育成により農村地域の基盤を強化する。

• 　軍の服務中に中断のない学習環境インフラを構築する。将兵の自己啓発による学習する兵営文化の構築、学科履修単位の取得、教育訓練の学科履修認定、全国10個の地域別大学e−ラーニングセンターと軍との協力体制構築による徴兵軍人向けe−ラーニングセンターの設置、服務中の資格取得機会の拡充などを推進する。
• 　公務員採用障壁の緩和及び選抜方法の先進化により優秀人材を補充する。PSAT（公式適格性評価）の定着、拡大及び面接試験の強化などで優秀人材を選抜する。また、女性、障害者、理工系人材などの社会的少数集団の公式任用を拡大する。
• 　公職分野の人的資源育成システムを革新する。経歴開発制度（CDP）導入による経歴管理方式の改善、政策原案の問題解決中心型の教育訓練を強化する。

• 　女学生の進路指導、高学歴女性の就業促進及び在職女性の能力開発を活性化させる。具体的には、学校−労働市場間の連携強化による大学に「女学生コリア開発センター」の設置、運用や大学出身の優秀女学生の就業推進による「地域社会オーダーメードの就業支援事業」の活性化などを推進する。
• 　専門職業分野での女性進出を拡大させる。科学技術分野などでの専門職業分野の女性進出拡大や公共部門の女性代表制の提供による公共部門の両性平等、採用目標制の持続的推進と5級以上の管理職比率の拡大を図る。例：2007年までに30パーセントの採用目標、
  　女性教員の任用目標制拡大実施：15.8パーセント（2004）から20パーセント（2010）
• 　経歴断絶女性などの女性潜在人材の活用を極大化させる。経歴断絶女性の能力開発及び再就職支援による法的基盤の構築やケア福祉者、障害者統合（格差をなくす）教師、文化ガイド、放課後教師などの有望な社会サービス領域専門の職業訓練を拡充する。また、職業主婦、女性家長、高齢女性などの対象別職業成就プログラム及び就業支援インフラの構築や女性創業者に対するOne-Stopサービス提供などで創業を支援する。
• 　女性の経済活動参加率の向上による女性人的資源開発のインフラを構築する。一例としては、保育料の国庫支給数を2004年の273千名から2010年には870千名に拡大する。さらに、教育−就職の連携システム及び地域の女性人材資源開発の革新ネットワークを構築する。

• 　青少年層の雇用拡大及び職場創出を支援する。中小企業への青年層の流入によるインフラ整備と青年の失業解消による現場研修を実施する。大学、雇用安定センター間の公共プログラムの運用などを通じた大学の再学生就職支援機能拡充を支援する。さらに、創業教育の質的革新による創業教育専門家を750名育成する。また、農村の未来を先導する革新農業後継者の育成支援や介護、障害者福祉の専門人材の育成などによる保健福祉分野の社会的事業を拡充する。
• 　中・高齢層の人材資源の雇用拡大及び雇用の可能性を向上させる。高齢社会に備えた老人の能力と適性に合わせた老人の職場の提供（2005年10万件から2010年33万件）により、職場基盤を拡大する。また、中高齢女性（50歳以上）を幼稚園の有給の福祉人材として活用しながら幼児−女性の老人協力ネットワークの構築を支援する。（年間805名）
• 　低所得層の職業能力強化及び障害者の雇用を拡大させる。低所得層の貧困からの脱出による自活事業の拡充及び勤労有人型給与体制の導入や障害者の求人相談などの雇用支援を拡大（2004年7,400名から2010年9,917名）する。

• 　青少年、失業者などに対する体系的な職業指導及び総合的な就職支援サービスの提供により雇用支援インフラを構築する。パートナーシップを通じた雇用サービスの生成（「地域生産雇用ネットワーク」等）と労働市場統合情報システムの構築と需要者中心のOn-Line情報網を構築する。さらに、求職者の類型別の再就職支援サービスをOne-Stopで提供する。
• 　差別禁止など、雇用慣行を革新する。男女差別と年齢差別の改善と雇用安定強化を通じた人材資源活用の効率化を図る。さらに、障害者の潜在的な人的資源開発を通じた雇用機会及び義務雇用を拡大させる。

• 　多様な人的資源の活用によりボランティアインフラを構築する。ボランティア活動に対する社会的なインセンティブ制度（福祉マイレッジ制度）を導入する。
• 　教育・文化・福祉・環境分野の支援プログラム及びボランティアの活性化を通じた協力ネットワークを構築する。学校教育の人間性、創意性の教育による相談、ボランティア、地域あいさつ運動などの積極的参加を拡大する。また、退職教員などを活用した児童の親への教育の強化、ボランティアの認証管理事業などを通じた社会福祉分野のボランティアの育成（2004年51万名から2010年100万名）を支援する。
• 　国際理解の教育プログラム及び青少年能力開発を支援する。国際社会の平和と多文化理解能力の拡充及び国際理解教育分野での国際的リーダーシップを強化するため、多様な青少年支援プログラムの運用を支援する。
• 　人的資源開発フォーラムを創立する。研究開発と人的資源政策関連情報交流及び協力チャネルのグローバルな人的資源開発フォーラムを創設し、国内人的資源開発（HRD：Human Resource Development）政策の国際的な広報活動を活性化させる。

• 　大学生の奨学金貸出制度を拡大する。貸出期間を最長14年から20年に延長し、貸出対象も登録金（入学金・授業料）ばかりではなく、生活費も含めて限度額を拡大する。
• 　地域内、地域間の教育格差の解消を通じ、公平性を向上させる。都市の貧困地域‘教育福祉投資優先地域’支援拡大により教育、文化、福祉の連携を強化する。また、地域の教育福祉支援ネットワークの構築や農漁村の学校教育環境の改善を増進させる。
• 　教育不適応及び教育阻害階層に対する教育支援を拡大する。学力未達学生指導の強化及び中途脱落学生のための代案学校設立及びプログラムを拡大する。また、障害学生、外国人勤労者の子女などの教育疎外階層に対する教育支援の拡大や低所得層の子女に対する教育支援を拡大する。
• 　低出産時代に備えた人的資源開発対策を樹立する。低出産による学齢人口の減少傾向を反映した学生需要計画及び施設運用計画を策定する。就学前教育の支援（5歳未満の無償教育実施：2005年28.7パーセントから2010年80パーセント）及び幼稚園の24時間化（2005年62.5パーセントから2010年100パーセント）を拡大させる。

• 　国家水準の人材需給情報の収集体制を確立する。中期的人材需給展望の総括、調整及び新旧労働力供給展望、産業別成長展望及び産業、職業、専攻などを考慮した総量人材需給展望、科学技術、産業技術、文化、観光産業、法学、保険医療、経営などの政策需要を考慮した分野別の人材需給展望、などの情報収集を実施する。
• 　科学的な人材需給の情報収集によりインフラを拡充する。産業、職業の細分類水準の統計生産と職業分類外の連携を考慮した経済活動の人口調査の拡大や産業、職業、専攻などの分類体系の整備及び人材需給展望による統計DB生成、管理など人的資源の統計情報体系を構築する。

• 　労働市場情報の収集と補給を支援する。職業情報資料を各級学校に補給して、学生と求職者の進路設計と職業選択を支援し、職業情報ワークネット、韓国職業情報システムなどの職業情報コンテンツを需要者の目線に合わせ、多様に構成する。
• 　教育、労働市場情報の拡充及びHRD−Indexを開発する。教育統計と卒業生調査、管理体系を改善した大学情報公示性などにより、関連情報の生成、管理体系を構築する。さらに、労働市場及び教育市場情報を利用したHRD−Index開発と未来の職業世界の発刊などを通じた進路情報を提供する。
• 　人的資源関連の情報間の連携性を強化する。科学技術、文化産業、教授、研究人材、地域戦略産業人材などの省庁別人材資源情報の生成、管理体系化及び連携性強化を図る。

• 　知識の生成・活用・拡散による知識政策の基本を整備する。知識、情報の創出と管理保護と関連した政策間の有機的連携体制を構築・調整・確立する。さらに、知識情報と関連された各種の統計資料、指標、指数開発及び関連分類基準の開発などの総合的な知識情報管理体系を確立する。
• 　知識保護及び価値保証による革新を促進する。知的財産権侵害物品の持続的な取り締まりと啓蒙を通じた著作権者の権利保護強化を図るとともに、知的財産権関連DB構築と総合サービス提供などの知的財産権の総合管理及び利用を活性化させる。
• 　知識ストック及び知識ロードマップの土台を構築する。学問分野、技術分野別の我が国の知識保有実態を総合分析する（2010）。さらに、BK21（Brain Korea21）（注1）などの財政投資事業と学術政策、技術ロードマップ、知識管理政策などの連携体制構築による知識保有実態の総合分析とロードマップを準備する（2010）。

• （注1）韓国版の21世紀COE（Center of Excellence）プログラム。世界的な研究教育拠点を構築するための重点的な支援プログラム。

• 　資格制度の改編及び資格の信頼性を確保する。産業現場に符合する資格種目と等級体制構築などの現場制密着型資格制度への改善、資格総合情報システム（Q-Net）構築と労働市場情報統合システムとの連携推進を図る。また、国家（技術）資格と民間資格の役割負担を体系化して民間資格の信頼性を確保するとともに、APEC（エイペック）　Engineer 事業から主導権を確保して、資格の国際的な通用性も確保する。
• 　企業の人的資源開発システムを高度化する。企業及び公共部門の自立的HRD投資促進による人的資源開発優秀機関の認定体制（2005年10機関から2010年500機関）を構築する。また、人的資源開発システムの進まない中小企業への人的資源開発コンサルティング支援や中小企業の核心人材強化による中小企業CEO及び労使合同の教育を実施（1万名）する。
• 　教育の質の保証による評価、認証体制を構築する。高等教育評価専担機構である高等教育評価院を設立して、大学評価体制を革新し、大学評価の専門性を確保する。また、市・道教育庁の行財政体制の革新による市・道教育庁評価の充実や工学教育認定、看護教育認定などの教育プログラム評価体制を拡充する。

• 　中央政府と地方自治体、産業界及び労働界が共同参加する民官合同国家人的資源政策の策定及び総括・調整を行う。人的資源開発会議を国家人的資源委員会に拡大改編し、人的資源革新本部を設置、全省庁次元の人的資源開発政策を推進する。また、地域人的資源開発の協議体（RHRD）に企業と勤労者代表、市民団体などが参加できるように運営方法を改善する。さらに、人的資源政策協力網及びNHRD−Netを通じた情報交流活性化などの体制的なモニタリングによる人的資源政策の議題発掘、調整を実施する。
• 　人的資源政策の調査、分析、評価及び還流体制を構築する。政府の各省庁の人的資源開発事業を体系的に管理、評価調整により‘人的資源開発事業の総合情報システム’を構築する。また、人的資源開発事業に対する調査、分析、評価を通じた関連産業の総括、調整及び財政投資の効率性を向上させる。人的資源開発基本計画の中間評価（4年次）導入と連動計画を策定する。
• 　産業、労働、民間の人的資源開発の参加基盤を拡大する。産業別の人的資源開発協議体（Sector Council）運営の活性化を通じた産業界の需要反応によるチャネルの活用を図るとともに、人的資源開発の政策過程における労組、市民団体の参加を拡大させる。

　第2次国家人的資源開発計画の第4章には、国家人的資源開発のビジョンと政策基礎として、その目標と成果指標が掲げられている。

• HRD（HUMAN RESOURCES DEVELOPMENT：国内人的資源開発

主要成果指標		2000年	2005年	2010年
1．国家の成長を主導する核心人材の育成	−世界200位圏内の国内大学数		3校	10校
	−SCIの論文順位	16位	13位	10位
	−世界水準の経営専門大学院の育成			10位
	−大学教育と経済社会の要求符合度	47位中43位	60位中52位	20位圏内
	−英才教育対象		0.9パーセント	1パーセント
	−国内外国人留学生の誘致（百名）	116	225	500
2．国民の基本能力の向上及び生涯学習能力開発	−人的資本（国民平均の教育年数）	10.6年	11.9年	13.5年
	−初等教育の1学級当たりの学生数	35.8名	32.9名	30名
	−国際学業成就度（PISA）	数学2位	数学3位	数学1位
	−生涯学習参加率	17.2パーセント	21.6パーセント	30パーセント
	−生涯学習都市	3ヶ所	33ヶ所	100ヶ所
	−人的資源基盤の優秀機関（企業、公共機関）認定		10ヶ所	500ヶ所
	−民間企業の労働費用中の教育訓練費率	1.4パーセント	1.5パーセント	2パーセント
3．人的資源活用の提供及び教育、文化、福祉の拡充	−女性の経済活動参加率（15歳以上）	48.8パーセント	50.1パーセント	55パーセント
	−満5歳児の教育福祉支援（パーセント）	4.5パーセント	28.7パーセント	80パーセント
	−障害者雇用比率	1.01パーセント	1.18パーセント	2パーセント
	−教育福祉投資の優先地域		15ヶ所	100ヶ所
	−放課後の学校開放		48校	全校実施

　2006年から2010年の5年間の中で、総額50兆8,034億ウオン（年平均11.9パーセント増加）を既存事業の拡大及び新規事業に投資する計画である。下記の基本計画の財政投資案によると4大政策領域の中で、国際競争力ある核心人材の育成、全国民の生涯学習能力の向上、格差社会の是正及び教育福祉の増進に関する事業に重点投資されている。特に、教育基盤整備分野である「格差社会の是正及び教育・文化・福祉の増進」への予算配分額は、全体の57.5パーセントと最も多く、5カ年計画内における予算の平均増加率も16.4パーセントと突出している。

（単位：億ウオン、パーセント）

政策領域	1）国際的競争力ある核心　人材の育成	2）全国民の生涯学習能力の向上	3）格差社会の是正及び教育・文化・福祉の増進	4）人的資源開発のためのインフラ拡充	年度別総計
2006年	15,074.6	20,850	39,264.5	1,244.4	76,433.5
2007年	16,966.8	22,287	53,714.6	1,925.5	94,893.9
2008年	20,061.8	23,648	59,341.6	1,213.5	104,264.9
2009年	20,300.8	23,537	67,493.6	1,176.5	112,507.9
2010年	22,627.8	23,841	72,148.6	1,316.5	119,933.9
領域別総計	95,031.8	114,163	291,962.9	6,876.4	508,034.1
年平均増加率	10.7	3.4	16.4	1.4	11.9
構成比	18.7	22.5	57.5	1.3	100

　また、基本計画の財源構成を見ると、下記の通り国費が全体の71.7パーセントを占めており、その内訳では国庫予算が全体の48.2パーセント、基金が23.5パーセントになっている。その他は地方財政が27パーセントを占めており、公共部門の負担が全体の98.7パーセントに上る。

（単位：億ウオン、パーセント）

	国費			地方財政	民間負担	年度別総計
	合計	国庫	基金
2006年	56,894.5	35,526	21,368.5	17,562	1,977	76,433.5
2007年	68,333.6	44,237.6	24,096	25,248	1,312.3	94,893.9
2008年	74,575.6	51,240.6	23,335	28,565	1,124.3	104,264.9
2009年	79,808.6	54,909.6	24,899	31,678	1,021.3	112,507.9
2010年	84,830.6	59,168.6	25,662	34,011	1,092.3	119,933.9
構成総計	364,442.9	245,082.4	119,360.5	137,064	6,527.2	508,034.1
構成割合	71.7	48.2	23.5	27.0	1.3	100

　大統領を委員長にした「国家人的資源委員会」が、共同課題などの省庁横断的な予算策定に協力したり、国家レベルの重要課題を評価する。また、「国家人的資源開発会議」は教育人的資源部長官を長として、毎月開催され、基本計画の策定、総括、調整業務の円滑化を図るため、各省庁からの代表による合同協議の場として活用される。教育人的資源部の内部では、次官級を本部長にする人的資源革新本部が設置され、全体運営、統合、評価などを実施する体制が構築された。
　200の政策課題は、共通課題23件の他は、19の省庁に配分されており、各省内では、個別の推進体制が取られている。下記は、200の政策課題の分野別・省庁別の件数と年度別・省庁別の投資計画案である。政策課題の省庁別件数では、教育人的資源部が、65件と最も多く、財政資源部や労働部などが次いでいる。

省庁	1）国際的競争力ある核心　人材の育成	2）全国民の生涯学習能力の向上	3）格差社会の是正及び教育・文化・福祉の増進	4）人的資源開発のためのインフラ拡充	合計件数
共同課題	9	2	7	5	23
教育人的資源部	24	20	10	11	65
財政経済部	1				1
科学技術部	7		1	2	10
国防部
行政自治部		1	1		2
文化観光部	7	1		3	11
農林部		2	1		3
産業資源部	11	6	2	3	22
情報通信部	9	1		3	13
保健福祉部	3		7	1	11
環境部	1		3		4
労働部	1	7	5	1	14
女性家族部			3	1	4
中央人事委員会		6			6
企画予算庁
青少年委員会		1	3		4
統計庁
中小企業庁		3	2		5
特許庁	1			1	2
合計19省庁	74	50	45	31	200

　省庁別の投資計画案では21の省庁・委員会と広範囲に渡っており、教育人的資源部が突出している。教育基盤整備分野では、女性の人材資源開発の活性化が政策分野にあげられており、女性家族部の投資計画も他省庁に比べ高くなっている。

省庁	2006年	2007年	2008年	2009年	2010年	合計
科学技術部	2,429.8	3,212.4	3,579.4	3,970.4	4,351.4	17,543.4
教育人的資源部	27,209.4	35,896	41,701	43,394	46,722	194,922.4
労働部	18,119	19,309	17,127	17,403	17,751	89,709
農林部	903	1,053	1,109	1,117	1,126	5,309
農村振興庁	66	66	66	66	66	330
文化観光部	571.3	821.5	920,.5	1,023.5	1,130.5	4,467.3
法務部	28	34	35	42	43	182
健康福祉部	4,900	5,874	6,674	7,650	8,581	33,679
産業資源部	1,712	2,034	2,234	2,149	2,054	10,183
女性家族部	15,775	22,334	26,422	31,311	33,795	129,637
財政経済部	67	48	12	12	0	139
情報通信部	942	975	1,003	1,051	1,073	5,044
中小企業庁	297	295	297	308	308	1,505
中央人事委員会	457	488	508	529	551	2,533
青少年委員会	991	1,086	1,192	1,258	1,392	5,919
統一部	40	55	56	59	60	270
特許庁	145	120	120	120	120	625
海洋水産部	379	486	707	574	306	2,452
行政自治部	174	201	224	257	294	1,150
環境部	35	43	62	84	81	305
国防部	1,193	463	216	130	129	2,131
合計	76,433.5	94,893	104,264.9	112,507.9	119,933.9	508,034.1

　政策課題に対する教育人的資源部と関係省庁との役割分担は下記のようになっている。

区分		教育人的資源部	関係省庁
政策課題の導出		国家的次元での重要課題の導出 関係省庁と協議 政策課題導出時の反映討論要請	今後5年間の関係省庁レベルでの重要で至急に解決可能な課題を20内外選定
政策課題類型	人材育成計画関連課題	人材育成計画の調整による人材需給展望体制の構築	所管産業別、職業別、分野別の人材育成計画策定 人材需給展望体制を構築し、教育人的資源部の人材需給展望体制と連携
	重点推進政策関連課題	重要推進政策に対する国家的次元の政策方向の事前策定	重要推進政策課題が政策課題に含まれる場合、教育人的資源部と協議
政策課題の協議		協議調整案への総括・調整の権限行使	政策課題が他の行政機関と関連する場合、課題方向と内容を協議 総括省庁、主管省庁、協議省庁の明確化
政策課題の確定		政府次元の政策課題 核心課題中心の選定	省庁次元の政策課題・政府次元の政策課題

　人的資源開発基本法の第8条により、教育人的資源部長官が、基本計画及び施行計画の推進実績について、毎年、評価を実施することになっている。評価を実施するときは、大統領令の定めにより構成された評価団（1次評価：人的資源革新本部→2次評価：国家人的資源委員会）によらなければならない。評価結果は、人的資源開発会議に報告し、関係省庁の長に通報しなければならない。通報を受けた関係省庁の長は所管業務にこれを反映させなければならない。この規定で評価できない事項は、「政府業務評価基本法」に従うものとする。
　基本計画の4大政策領域のひとつである「人的資源開発のインフラ拡充」の中に、人的資源開発事業の評価についての記述があり、評価の内容やプロセスなどの理解に役立つので紹介する。

　国家レベルで重点的に推進する重要課題の直接評価、省庁別の自己評価の方法、手続などの客観性・公正性に対する評価を行う。具体的な評価対象事業は、毎年の評価計画に含めて、国家人的資源委員会で審議する。

　評価計画策定情報（革新本部）→資料提出（各省庁）→評価実施（革新本部）→結果報告及び審議（国家人的資源委員会）→事業調整（案）確定及び予算庁通報→予算編成に反映→人的資源開発基本計画の中間評価（4年次）導入及び年度計画策定。

• 1月　調査、分析、評価計画の策定、通報（国家人的資源委員会から関係省庁）
• 2月末　調査、分析、評価の資料提出（関係省庁から国家人的資源委員会）
• 3〜5月　調査、分析、評価の完了及び結果報告（国家人的資源委員会）
• 6〜7月　人的資源開発の事業調整（案）確定及び予算庁通報（国家人的資源委員会）
• 8月　予算編成に反映（企画予算庁）

下記「韓国政府の教育人的資源部」のホームページより入手
http://www.moe.go.kr/main.jsp?idx=0306040101
（※韓国教育人的資源部ホームページへリンク）

• 　大韓民国政府「第2次国家人的資源開発基本計画（2006〜2010）人材強国KOREA（Creative Korea）」2006年11月30日ホームページ登録
• 　大韓民国政府「第2次国家人的資源基本計画の主要政策課題」2005年12月
• 　大韓民国政府「第2次国家人的資源基本計画の細部推進政策課題」2005年12月
• 　教育人的資源部「第2次国家人的資源開発基本計画の策定指針開発の基礎研究」2004年12月
• 　韓国職業能力開発院「第2次国家人的資源開発策定の推進研究」2005年12月