ここからサイトの主なメニューです

はじめに

 デジタルミュージアムに関する研究会は、次世代型のデジタル技術の活用によって、保存の観点から公開が制限されている価値ある文化財を、劣化や退色のない高精細画像で記録・保存あるいは復元を図ることによって広く国民一般による鑑賞を可能とし、我が国の貴重な文化財の美しさや歴史的価値に触れる機会を拡大することを目的として、文部科学大臣(当時、小坂大臣)のイニシアティブのもと、平成18年9月に発足した。
 ここ数年のデジタル映像技術の発展は目覚しく、特にハイビジョン技術は我が国が世界を大きくリードしている。近い将来、デジタル映像技術がさらに発展することによって社会的イノベーションを引き起こし、ライフスタイルを大きく変貌させることも期待される。また、貴重な文化財や美術作品、学術資料等の文化資源を、国民一人一人がより身近なものに感じられるようにし、同時に世界に向けて発信できる仕組みをつくることは、新しい社会の形成に大きな役割を果たし、国際貢献にもつながるものである。
 本研究会は、これら二つの政策意図が融合し、新しい社会を実現するための一つの構想を提示するものである。本研究会の名称ともなっている「デジタルミュージアム」とは、ガラスケースの中に実物が展示されたミュージアムではなく、次世代型のデジタル・アーカイブ化された文化資源の保存・公開・活用を行う概念であり、単に美術館等の施設の設置や、既存の施設が有する作品のデジタル・アーカイブ化のみを意味するものではない。
 本研究会においては、平成18年9月11日の初会合以来、10回にわたって会合を開催し、先端的な取組や実践を行っている博物館等の視察と意見交換等を精力的に行い、文化資源の次世代型デジタル・アーカイブ化及びアーカイブの活用・流通・ネットワーク化に向けた技術の研究開発や、「デジタルミュージアム」の実証に向けたシステムの研究開発構想について検討を行ってきた。今回、これまでの検討結果を整理するとともに、今後の検討課題を取りまとめ、公表することとした。

次のページへ


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ