第2節  複合化整備計画の策定と進め方

  学校と高齢者施設との複合化整備計画を策定する際には,当該地域のニーズを的確に把握し,複合化を計画する高齢者施設の種類,施設内容,機能について十分理解した上で,児童生徒と高齢者施設との連携を進めるための特色ある計画を策定することが重要である。
  また,地域の生涯学習計画,老人保健福祉計画を踏まえ,中・長期的な展望に立った総合的な整備計画を策定することが望ましい。その際,将来の交流活動の変化や施設の利用内容の変化等に柔軟に対応できる施設の配置,平面構成等を検討することが重要である。
  整備計画の策定に当たっては,地域住民を始め,学校関係者,教育委員会担当者のみならず複合する高齢者施設の種類に応じた関係者の間で十分な意見交換を行い,施設計画,交流計画についての共通理解を得る必要がある。

第3節  複合化整備の基本的な留意事項

  複合化整備の基本方針に基づき,複合化する高齢者施設との連携・交流を円滑に実施するための学校施設整備を検討する際には,各学校や地域の実情に応じ,以下に示す事柄に留意して具体的な平面構成,動線計画等の検討を進めることが重要である。

  (1)空間構成

・ 学校と高齢者施設の機能上必要な独立性を確保するために,両施設それぞれが明瞭なまとまりをもつように計画すると同時に,両施設の円滑な連携が図られるような工夫を行うことが重要である。
・ 両施設の接地性,日照,採光,通風などの環境条件や利用時間等を十分考慮し,一方の施設が他方の施設環境に悪影響を与えないよう,両施設を総合的に計画することが重要である。
・ 両施設の互いの存在や活動の様子が自然な形で伝わるような配置計画を行うことが重要である。例えば,中庭を介して相互に視線が届くような配置計画も有効である。
・ 両施設の中間領域に交流を実施するスペースや自発的で自然な交流が起こるスペースを設置することが有効である。
・ 登下校時等に児童生徒と高齢者が互いにすれ違い,あいさつを交わすことができるような計画とすることが重要である。
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