(3)各施設の計画

  1.交流を行うスペース

  ア.校舎

・ 高齢者との交流を行うスペースは,多目的スペース,普通教室,特別教室,ホール等を活用し,交流活動の内容,規模により適切に決定することが重要である。
・ 高齢者施設等の高齢者と継続的な交流を実施するためには,交流活動に対応した専用の交流スペースを設けることも有効である。その際,様々な交流活動の実施が可能となるよう,多目的な空間として整備することが重要である。
・ 交流を行うスペースは,高齢者の長時間の利用が可能なように,内装の材質や色彩面での配慮を行うとともに,適宜休憩ができるように休憩スペースや家具等にも配慮することが望ましい。また,利用者の快適性を考慮し,空調設備を設けることも有効である。
・ 高齢者との「ふれあい給食」等の交流の場として,ランチルームを活用することも有効であり,落ち着いた雰囲気のゆとりのある空間となるよう内装,家具等を計画することが望ましい。
・ 地域の高齢者との日常的で自然な交流を進めるため,地域の高齢者が自由に学校を訪れて出入りできる憩いのスペース等を整備することも有効である。

  イ.屋内運動場

・ 校舎内の交流を行うスペースや屋外運動場等との連絡に留意するとともに,出入り口及び便所,更衣室等の附属施設は,高齢者の利用を考慮した計画とすることが重要である。
・ 高齢者との交流活動が他の授業と並行して実施される際の事故を防止するため,必要に応じ,ネット等により空間を間仕切ることができるように計画することも有効である。

  ウ.屋外運動場

・ 必要に応じ,高齢者の休憩スペースとして,日除けのための施設などを設けることも有効である。
・ 必要に応じ,ゲートボール場等の交流のための運動施設を設けることも有効である。

  エ.地域・学校連携施設等

・ 学校開放を支援する地域・学校連携施設等を積極的に活用できるよう,これらの施設についても,高齢者の利用を考慮した計画とすることが重要である。

  オ.屋外環境

・ 高齢者との交流活動の展開を考慮するとともに,休憩スペースとしても利用できるよう,屋内空間と連続した屋外テラス,中庭等を設けることも有効である。
・ 高齢者がゆとりと潤いや学校に対する親しみを感じられるよう,自然環境を導入した豊かな環境を整備することが重要であり,必要に応じ,庭園や散策路を設けることも有効である。
・ 特に,高齢者の屋外での事故を防止するため,雨天時,積雪時等における排水,除雪等を十分考慮した計画とすることが重要である。
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