第4節  高齢者との交流を促す学校施設整備の基本的な留意事項

  高齢者との交流を促す学校施設整備の基本方針に基づき,具体的な整備内容を検討する際には,各学校や地域の実情に応じ,児童生徒と高齢者の交流活動が円滑かつ効果的に展開できるよう,以下に示す事柄に留意して学校施設整備計画の検討を進めることが重要である。

  (1)配置計画・平面構成

・ 学校施設全体が地域に開かれた良好な教育環境となるような配慮が必要であり,その中で,高齢者も抵抗なく利用できるよう配慮することが重要である。
・ 交流を行うスペースの設定に当たっては,地域開放施設との一体的な利用を考慮することが重要である。
・ 高齢者との交流を円滑かつ効率的に展開できるよう,交流を行うスペースは,可能な範囲でまとまりのある空間とすることが望ましい。
・ 交流を行うスペースは,利便性や緊急時の避難等を考慮し,可能な限り玄関に近い低層部に計画することが望ましい。
・ 学校を利用する高齢者の利便性,快適性の観点から,交流を行うスペースは,近くに休憩スペースや車椅子での利用が可能な便所があることが望ましい。また,職員室や保健室等の管理関係諸室との連絡がとりやすい位置に計画することが望ましい。
・ 交流により生じる音などが他の授業等の支障にならないような施設配置上の考慮を行うことが重要である。
・ 交流を行うスペースの配置,ゾーニング計画は,将来の交流活動の内容の変化に対応できるよう自由度をもった計画とすることが望ましい。

  (2)動線計画

・ 交流時の利用に加え,緊急時の避難を考慮して,移動経路を分かりやすく,簡潔に設定することが重要である。
・ 交流時において,児童生徒と高齢者の校舎内の移動が同時間帯に集中することを考慮し,高齢者の移動経路は広く設定するほか,校内での衝突事故等を防止するため,安全性に配慮することが重要である。
・ 高齢者が利用しやすいよう,移動動線において,色彩の計画を含め,誘導のための案内板の設置等の表示を工夫することも有効である。
・ 交流を行うスペースを2階以上の階に設定する場合は,エレベータの設置に努めることが望ましい。
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