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資料8

現行の学習指導要領の成果と課題,見直しに関する意見(例) −家庭,技術・家庭,情報−
(抜粋)

家庭,技術・家庭,情報

○教育課程部会等での意見
中学校卒業で一人前という社会をもう一度取り戻すため,ものづくり教育や職業観を重視し,子どもたちの達成感やものづくりへの個性の反映などを実際に学び取らせることが必要。
日本のものづくりを支えている力を維持する方策の検討が必要。
生活者としての技術教育にとどまらず,科学技術のガバナンスを教えることがなされていないなど,主権者としての国民を育てるという観点の教育がされていない。
国際化,IT化,知的財産権,環境の問題,企業の社会的責任などが日本の社会全体として遅れている。世界的な事象がある程度理解できる素養を身に付ける必要がある。
家庭科や書道といった,生きていく力を養う教科は減らすべきではない。
ITの全面的な展開に子どもたちがのめりこんで,そこから離れられない状況があるが,これに対し,IT教育を無条件に進めることがいいのか,対極の考え方を示すのが良いのか。


●家庭,技術・家庭

主な論点の柱 調査結果等に基づく成果と課題(例)
1知識や技能等の育成

  生活に必要な基礎的な技術を身に付けている。

生活や技術に関する基礎的な事項や生活と技術とのかかわりについて理解し,知識を身に付けている。
【家庭分野】
小学校の家庭科の学習が「よく分かる」「だいたい分かる」と答えた児童の割合は70.2パーセントである。
中学校の内容「A(1)中学生の食事と栄養」の栄養素に関する内容や「A(3)衣服の選択と手入れ」の手入れと補修に関する内容において指導の工夫等が必要。
生活経験の違いや生活技能の低下に対応するための,実習等の時間の確保が課題である。
小,中,高等学校の学習の系統性について一層の検討が必要。
家庭生活の状況が変化しており,食に関する指導の充実,幼児や高齢者との交流や介護の基礎などの指導の充実等が課題である。
販売方法が複雑化する状況の中で,消費者トラブルや若者のカード破産等について,消費者教育の充実が課題である。
【技術分野】
内容「A技術とものづくり」と比較して「B情報とコンピュータ」の知識や技能の習得状況が良好である傾向が見られる。
他教科との連携に配慮した指導計画の作成が課題である。
「B情報とコンピュータ」と高等学校の「情報」に関する教科・科目との連携が課題である。
日常生活におけるコンピュータの普及に伴い,操作の方法の指導をどう扱うか,情報モラルについての指導を充実していくことが課題である。
2思考力や表現力等の育成

  生活について見直し,課題を見つけ,その解決を目指して自分なりに工夫し創造する。
【家庭分野】
小学校の家庭科の学習を家庭生活で「とても役に立つ」「わりと役に立つ」と思う児童の割合は76.0パーセントである。
学習した知識や技能を実生活で生かす指導の工夫が課題である。
小学校の「(8)家庭生活の工夫」における,題材構成の一層の工夫や家庭との連携が課題である。
【技術分野】
生徒のアイデアを生かせる題材の工夫と,実生活に生かす指導の工夫が課題である。
3学ぶ意欲等の育成

  生活や技術について関心をもち,生活を充実向上するために進んで実践しようとする。
小学校の家庭科を「とても好き」「まあ好き」と回答した児童は63.7パーセントである。
中学校の技術・家庭を「とても好き」「まあ好き」と回答した生徒は51.8パーセントである。
ものづくりなど実践的・体験的な学習活動が多いので,児童生徒は完成する喜びや体験する楽しさを感じている。
【家庭分野】
実践的な態度の育成には,家庭生活に関心を向け主体的に生活に関わろうとする意欲を育てる指導の工夫が課題である。
【技術分野】
将来の職業としてIT関係や技術開発等を選ぶ中学生の割合が,他国と比較して少ない状況にある。


●情報

主な論点の柱 調査結果等に基づく成果と課題(例)
1知識や技能等の育成

  情報及び情報技術を活用するための基礎的・基本的な知識を身に付けている。

情報の収集・選択・処理を適切に行うことができる。
各科目とも,知識と技能の習得状況はおおむね良好。
生徒の情報機器の操作技能等は向上している。
コンピュータの操作の仕方など,情報技術の習得に重きを置いた指導が多く,情報手段の特性や情報を適切に扱うための基礎的な理論,情報モラル,マナーや遵法精神などを含むバランスのとれた情報活用能力の育成が課題。
中学校技術「B 情報とコンピュータ」との連携が課題。
国語や数学など,他教科等との連携の強化を図る必要がある。
2思考力や表現力等の育成

  情報活用の方法を工夫したり,改善したりするとともに,情報モラルを踏まえた適切な判断をすることができる。
情報を目的に応じて表現することができる。
各科目とも,思考力や表現力を育むための指導計画や教材の工夫が行われている。
情報を目的に応じて表現する力の育成については,おおむね良好。
体験的な活動を通した情報モラルを育成する教材や指導法の工夫が課題。
発達段階に応じた問題解決能力を育成する教材や指導法の工夫が課題。
コンピュータの操作の仕方など,情報技術の習得に重きを置いた指導に占める時間が多く,合理的判断や創造的思考力,表現・コミュニケーションなどに役立てる力の育成が必要。
3学ぶ意欲等の育成

  情報や情報社会に関心を持ち,身の回りの問題を解決するために進んで情報及び情報技術を活用し,情報社会に主体的に対応しようとする。
実習等の教材や指導計画の工夫によって,生徒の学習意欲はおおむね高い。
学ぶ意欲を育む指導については,おおむね良好。
コンピュータの操作の仕方などの情報技術を習得している生徒への手だてが不十分。


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