資料1-1_公正な研究活動の推進に関する平成30年度活動実績について

公正な研究活動の推進に関する平成30年度活動実績について

公正な研究活動の推進等に関し、平成30年度には文部科学省において、主に以下の取組を実施した。

1.個別の研究機関への啓発、指導・助言等
(1)チェックリストによる状況の把握及び指導・助言(平成30年度分チェックリスト)
  各研究機関におけるガイドラインに基づく取組の状況を把握するため、文部科学省又は文部科学省が所管する独立行政法人から配分される競争的資金を中心とした公募型の研究資金に応募する研究機関に対し、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に基づくチェックリスト(以下、「平成30年度チェックリスト」という。)の提出を求め、対応が不十分な研究機関に対して指導・助言を実施した。

 ○平成30年度チェックリストについて
  平成30年度チェックリストは、文部科学省又は文部科学省が所管する独立行政法人から配分される競争的資金を中心とした公募型の研究資金及び文部科学省が措置する基盤的経費(以下「競争的資金等」という。)に、平成30年度に応募する、又は平成30年度中にその配分を継続する機関を対象に実施し、各研究機関の体制整備等の状況について報告を求め、2,201機関から回答の提出があった。(提出期間:平成30年4月~平成31年3月)

 ○体制整備等の進捗状況について
  平成30年度チェックリストで回答があった2,201機関について、体制整備の不備がみられた研究機関に対しては指導・助言を行った結果、平成31年4月末時点においても体制整備が完了していない機関は、352機関(約16%)となっており、引き続き指導・助言を進めている。

(2)チェックリストによる状況の把握及び指導・助言(平成29年度分チェックリスト)
  平成29年度チェックリストの対象機関は1,995機関であり、このうち、体制整備等の状況に不備が見られる機関については、必要に応じて、指導及び助言を行った。
  さらに、チェックリストの提出後に行った指導への対応が平成30年6月までに完了しなかった3機関を、平成30年度の体制整備等詳細確認調査の対象とし調査を行った。
  体制整備等の不備が確認された機関に対しては、体制整備等の完了に向けて助言するとともに、早急に体制整備等を完了させるよう指導した結果、平成30年10月までに全ての機関において必要な対応が実施された。調査の対象となった全機関において、ガイドラインに基づく体制整備等が完了したことから、平成30年度は管理条件の付与は行っていない。
 

2.優れた取組事例等の普及・啓発等
(1)「研究活動における不正行為への対応に関するガイドライン」を踏まえた体制整備等の状況に関する実態調査の実施
  研究機関への訪問等により、当該研究機関におけるガイドラインを踏まえた体制整備等の状況を確認するとともに、他の研究機関の参考となる特徴的な取組や、当該研究機関で認識できていない体制整備の不備等を把握するため、実態調査を実施した。
  また、他の研究機関の取組を促進させることを目的に、実態調査の結果を公表した。(結果の詳細については資料1-2参照PDF。)

 ○対象機関:平成29年度チェックリスト及びそのフォローアップの回答から、ガイドラインを踏まえた体制整備等の状況が進んでいると考えられる研究機関の中から、地域性、規模、研究分野、過去の不正事案の有無等を考慮し、対象として15機関を抽出した。

 ○実施時期:平成30年8月~平成30年12月
 〇調査方法:対面での聞き取り、研究者等との意見交換、実態調査事前調査票の記入欄等の確認等
 ○調査内容:
  1.研究不正防止等に係る体制及び規程等の整備状況
  2.研究倫理意識の醸成に向けた取組
  3.一定期間の研究データの保存・開示に関する取組
  4.その他研究不正防止に向けた取組
  ※部局等における取組状況について調査するとともに、研究倫理教育に関しては、受講単元等の教育内容についても調査を行った。
 

3.公正な研究活動の推進に関する施策等の検討に向けた調査
(1)「諸外国の研究公正の推進に関する調査・分析業務」の実施
  我が国を代表する研究機関で相次ぐ研究不正問題は、科学研究の発展を妨げるだけでなく、科学研究に対する社会からの信頼を揺るがすものであり、研究不正の防止に向けて、これまでの取組を不断に見直しながら、より実効性を高めていくことが重要である。このため、諸外国の研究公正システムの実態を把握し我が国にとって有用な知見を得ることを目的として本調査を実施した。

 ○実施時期:平成30年5月~平成31年3月
 〇委託先:PwCコンサルティング合同会社
 〇調査方法:予備調査を踏まえ、研究公正システムの調査対象国として米国、英国、仏国、独国、豪州、韓国、中国の7か国を選定し、文献調査、インタビュー調査等を実施。また、予備調査において研究費の返還を課しているとの回答が得られた機関を対象に調査を実施。

 ○調査内容:
  1.諸外国の研究公正システムに関する調査
       ・研究公正に関する基本政策や法令・ガイドライン
       ・不正調査・認定の実施
       ・不服申立て
       ・権利制限などのペナルティを含む措置
       ・研究公正に関する助言等
  2.研究費の返還措置に関する調査
       ・研究費の返還を科している機関の運用状況等

 ○調査結果:
  調査結果は、国ごとにカントリーレポートとして取りまとめ(資料1-3を参照)。

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究環境課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874
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(科学技術・学術政策局研究環境課研究公正推進室)