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5. おわりに
 当基本部会は、自然放射性物質の規制免除について、本年2月以来、ICRPの勧告や欧州委員会の報告書で示された自然放射性物質の規制に関する考え方を基に、各国の動向、国内の利用実態等も踏まえつつ、被ばく評価を行うなど様々な角度から我が国独自の調査を進めてきた。その結果、物質の状態による区分とそれに適した規制の対応を明らかにし、各区分の特性に応じた規制免除を適用することが適切であるとの結論を得た。今後、関係行政機関において具体的な規制を行うにあたっては、実際の使用状況等を十分に勘案し適切な規制が行われることが望ましい。また、これらの区分と規制免除については、今後の自然放射性物質の利用の展開にも十分耐え得るものと考えられるが、これまでに想定されていない事態が起こった場合には、この考え方をもとに柔軟な規制方法を検討することが望まれる。
 自然放射性物質は、人工放射性物質とは異なり、これを含む物質を利用する際に濃度が特定されず、しかも取扱う量が様々であるため濃度や放射能による免除レベルを規定することは困難である。そこで、数量や濃度ではなく被ばく線量に基づいた方法で、規制免除の規準を定める方法を提示した。
 今回この報告書においては、自然放射性物質の規制免除における基本的な方針についてまとめたが、実際の規制では、自然放射性物質を含む物質の利用状況やその特性が多種多様であることを鑑み、それぞれの利用形態に応じて被ばくを評価し、放射線障害の防止の観点から適切な措置をとることが重要であり、併せて、関係団体等への説明会やホームページなどを通じ、自然放射性物質に関する正しい知識を十分に普及啓発することが望まれる。


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