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参考資料2−2

著作権管理事業法の施行状況等に関する意見の整理

(備考)
 本資料は、著作権等管理事業法について、施行後三年の施行状況等を踏まえ、必要な見直しの検討を行うため、平成16年8月16日から平成16年9月30日にかけ、文部科学省及び文化庁のホームページ上で著作権等管理事業法の制度及び運用等に関して意見募集を実施し、提出いただいた意見を整理したものである。

(1)規制対象(第2条関係)

制度の概要 意見の概要 参考
1 管理委託契約
   次に掲げる契約であって、受託者による著作物等の利用の許諾に際して委託者が使用料の額を決定することとされているもの以外(注1)のものをいう。

  ア)委託者が受託者に著作権等を移転し、著作物等の利用の許諾その他の当該著作権等の管理を行わせることを目的とする信託(注2)契約

  イ)委託者が受託者に著作物等の利用の許諾の取次ぎ(注2)又は代理(注2)をさせ、併せて当該取次ぎ又は代理に伴う著作権等の管理を行わせることを目的とする委任契約

2 著作権等管理事業
  管理委託契約(委託者と受託者が人的関係、資本関係等において密接な関係を有するものを除く。(注3))に基づき著作権等の管理を行う行為であって、業として行うもの

3 著作権等管理事業者
  文化庁長官の登録を受けて著作権等管理事業を行う者

 
(注1): 非一任型の管理事業を除く趣旨
(注2): 信託、取次ぎ・代理を対象。媒介は規制なし。
(注3): 委託者・受託者間に、人的関係、資本関係等において密接な関係のある契約は除かれる。
(非一任型管理に対する規制の強化)
  ○ 非一任型の事業者にも規制を拡大すべきである。
 【社団法人日本民間放送連盟】
 【社団法人情報科学技術協会】(文献複写)
 【社団法人日本図書館協会】(文献複写)
 【個人】

○ 管理事業者の範囲を非一任型の事業者にも拡大し、非一任型のみの事業を行う「著作権等運用事業者(仮称)」として登録の対象とし、文化庁の管理下に置くべきである。併せて「著作権管理士」の制度を創設し、登録業者は著作権管理士を置くことを義務付けるべきである。
 【個人】
 
(特定分野における管理事業の一元化)
  ○ 出版物の複写権については、事業者又は窓口を一元化すべきである。(医療や科学技術等の特定の分野の文献等に限 った意見を含)
 【社団法人情報科学技術協会】
 【有限責任中間法人日本出版著作権協会】
 【社団法人日本図書館協会】
 【日本製薬団体連合会】
 【個人】

○ 企業内部で行われる少部数の複写については、分類ごとに一団体とすべきではないか。
 【社団法人情報サービス産業協会】

○ 音楽の著作物の特定の利用(演奏等)については、管理事業者を一元化すべきである。
 【社団法人全国生活衛生同業組合中央会】
 【全国社交飲食業衛生同業組合連合会】
 【個人】
文献複写関連の管理事業者
 社団法人日本複写権センター
 有限責任中間法人学術著作権協会
 有限責任中間法人日本出版著作権協会
 株式会社日本著作出版権管理システム
(利用区分毎の管理の適否)
  ○ 一の著作物等について、利用区分(例えば、放送権、録音・録画権、公衆送信(送信可能化)権)ごとの管理を認めることの適否について検討すべきである。
 【日本放送協会】
 
(一任型事業と非一任型事業の分離)
  ○ 一任型事業と非一任型事業を分離すべきである。一任型の事業者は、非一任型の管理委託契約を結んではならないこ ととすべきである。
 【社団法人音楽電子事業協会】
 【ネットワーク音楽著作権連絡協議会】
 
(その他)
  ○ 大口利用者である放送事業者やレコード会社等が行う著作権管理は、利用促進を損なうおそれがあり、規制が必要。なお、著作者から権利の譲渡等を受けて行う自己管理は、原則禁止とすべきである。
 【ネットワーク音楽著作権連絡協議会】

○ 管理事業のために著作権等を移転させる必要はないので管理委託契約について、信託契約は禁止し委任契約のみにすべきである。
 【個人】
信託により管理事業を行っている事業者数:5事業者

(2)事業の登録等(第3条〜第7条関係)

制度の概要 意見の概要 参考
(登録を受ける義務のある者)
  著作権等管理事業を行おうとする者

(登録の実施方法)
  文化庁長官は、登録を拒否する場合を除いて、登録申請者の事業概要を著作権等管理事業者登録簿に登録しなければならない。登録簿は縦覧に供する。

(登録の拒否要件)
  以下に該当する者は、登録を受けることができない。
1 法人でない者
2 他の著作権等管理事業者の名称と同じ又は紛らわしい名称を用いようとする法人
3 登録を取り消されて5年を経過していない法人
4 本法、著作権法に違反し、罰金刑に処せられてから5年を経過していない法人
5 以下のいずれかに該当する役員がいる法人
  イ 成年被後見人又は被保佐人
  ロ 破産者で復権を得ない者
  ハ 登録を取り消された著作権等管理事業者の当時の役員であった者であって、その取消の日から5年を経過していない者
  ニ 禁錮以上の刑に処せられてから5年を経過していない者
  ホ 本法、著作権法、プログラム著作物登録特例法、暴力団対策法、刑法、暴力行為等処罰法の罪を犯し、罰金刑に処せられてから5年を経過していない者
6 財産的基礎を有しない法人
(登録手続の厳格化)
  ○ 登録申請時の添付書類に、委託契約約款及び使用料規程を含め、登録と同時又は一定期間内の提出を義務づけるべきである。
 【社団法人日本音楽著作権協会】

○ 管理事業者の登録は、委託契約約款と使用料規程の受理を持って完結するものとすべきである。
 【社団法人情報科学技術協会】

○ 登録事業者の中には、管理著作物等の公表、検索等の手段を用意していない者がおり、管理事業者への登録番号付与 は、実態のある管理事業開始後とすべきである。
 【ネットワーク音楽著作権連絡協議会】

○ 適格性に著しい問題がある管理事業者が存在するので、登録要件等を強化し、適格性を確保すべきである。
 【社団法人音楽電子事業協会】

○ 管理事業者の登録を、委託契約を可能とする登録と利用許諾を可能とする登録の二段階とすべきである。
 【モバイル・コンテンツフォーラム】

○ 実態のない管理事業者等が登録されないよう、管理事業の新規参入に対し厳格な審査を実施すべきである。
 【全国カラオケ事業者協会】

○ 審査に当たっては、管理事業者が真に権利者から管理委託を受けているかについて、文化庁が一定の確認を行うべきである。
 【株式会社第一興商】

○ 登録を申請する法人に反社会的勢力等が紛れ込むおそれがある点を十分考慮して、詳細なガイドラインを設定、運用する等の配慮が必要である。
 【ネットワーク音楽著作権連絡協議会】
委託契約約款及び使用料規程の未提出事業者数:11事業者(36登録事業者中)
(内訳)
1年以上未提出:9事業者半年以上
1年未満未提出:2事業者
(登録申請書の記載事項)
  1名称
  2役員の氏名
  3事業所の名称及び所在地
  4取り扱う著作物等の種類及び著作物等の利用方法
  5その他の文部科学省令で定める事項
   
  ・会社の場合にあっては、その主要株主の名称又は氏名
  ・他に事業を行っているときは、当該事業の種類
  ・使用料規程の概要の公表の方法
  ・管理委託契約約款及び使用料規程の公示の方法
(登録申請書の添付書類)
  1登録拒否要件36までに該当しないことを誓約する書面
  2登記簿謄本、貸借対照表その他の文部科学省令で定める書類
  ・法人の場合にあっては、登記簿の謄本
  ・法第六条第一項第一号に規定する人格のない社団の場合にあっては、代表者を決定した総会の議事録及び営利をその目的とせずかつその直接又は間接の構成員との間における管理委託契約のみに基づく著作権等管理事業を行うことをその目的とすることを決定した総会の議事録又はこれらに代わる書面・定款若しくは寄附行為又はこれらに代わる書面
  ・貸借対照表
  ・役員の住民票の写し又はこれに代わる書面
  ・役員が法第六条第一項第五号イ及びロに該当しない旨の官公署の証明書(当該役員が外国人である場合を除く。
  ・役員の履歴書
(変更の届出)
 著作権等管理事業者は、登録事項に変更があったときは、その日から2週間以内に、その旨を文化庁長官に届出なければならない。
(変更届出の期間)
○ 登録申請書の記載事項の変更があった時の、2週間以内の届出について実情に配慮した運用とすべきである。(変更届出に添付する書類の取得の期間。特に当該事項が登記事項の場合。)
 【社団法人日本複写権センター】(休日を含めず15日間程度必要)
 【社団法人日本音楽著作権協会】
 【社団法人日本レコード協会】(30日以内が適当) (特定の記載事項の省略)

○ 株式会社にあっては主要株主の名称又は氏名の記載が必要とされているが、主要株主の変更はしばしば起こり得るので、当該事項の記載の省略を要望する。
 【株式会社美術著作権センター】
登録制を取っている他業法の例

(2週間以内の届出としている例)
証券取引法(第30条)
有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(第8条)
抵当証券業の規制等に関する法律(第9条)


(遅滞なく届出としている例)
割賦販売法(第33条の3)
文部科学大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則(第3条)


(30日以内の届出としている例)
旅行業法(第6条の4)
貨物利用運送事業法(第7条)
(変更届出書等)
1  著作権等管理事業者は、法第七条第一項の規定による届出をしようとするときは、次に掲げる事項を記載した変更届出書を提出しなければならない。
  一 名称
二 登録番号
三 変更があった事項(新旧の対照を明示すること。)
四 変更の年月日
2  前項の変更届出書には、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める書類を添付しなければならない。
  一 名称に変更があった場合当該変更に係る事項を記載した登記簿の謄本若しくは抄本又はこれに代わる書面
二 役員に変更があった場合新たに役員となった者に係る第四条第一項第五号から第七号までに掲げる書類、当該変更に係る事項を記載した登記簿の謄本若しくは抄本又はこれに代わる書面及び法第六条第一項第五号に該当しないことを誓約する書面
三 事業所の設置、名称若しくは所在地の変更又は廃止をした場合当該変更に係る事項を記載した登記簿の謄本若しくは抄本又はこれに代わる書面

(3)監督(第19条〜第22条関係)

制度の概要 意見の概要 参考
(報告徴収及び立入検査)
  1 文化庁長官は、本法の施行に必要な限度で、著作権等管理事業者に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、その職員に事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させることができる。
(指導・監督の強化)
  ○ 管理事業者の中に、未だに管理委託契約約款及び使用料規程を文化庁長官に届出していない事業者が存在しており、登録の取消し等の監督強化が必要。
 【社団法人音楽出版社協会】
 【日本放送協会】

○ 定期的な立入検査と結果の一般公表を行うべきである。
 【モバイルコンテンツフォーラム】

○ 文化庁が公表している「著作権等管理事業者に対する指導・監督について」に基づき、定期報告徴収及び実施計画に基づく立入検査による業務の状況や帳簿等の検査を徹底し、利用者の利益を害する事実があると認められる場合には、業務改善命令、更に必要に応じ、登録の取消し、業務の停止処分等が迅速に検討されるべきである。
 【全国カラオケ事業者協会】

○ 特定の利用区分について実際に事業を開始していない場合又は行っていない場合、当該利用区分については登録取消の方向で指導監督されるべきである。
 【全国カラオケ事業者協会】

○ “登録商法”等の問題の多い事業を行なっている一部の団体が、管理事業法の登録の事実や事業者登録番号を、自らの存在の正当性・権威付けの根拠としたり、事業内容の信頼性を信じ込ませる手段として利用していることなどから、文化庁は、このような問題に一般消費者が巻き込まれないよう、同法制度の内容に関する啓蒙活動と同商法への注意喚起を積極的に推進するとともに、そのような団体に対して法第4章に規定された検査・業務改善命令等の監督制度を充分に活用するべきである。
 【日本知的財産協会】

○ 文化庁の監督権限を強化するとともに監督義務・監督責任を明確に規定すべきである。
 【株式会社第一興商】

○ 一部の外国曲について利用の円滑化を阻害する動きがあるので、文化庁及び関係省庁による、問題解決のための指導監督を要望する。
 【社団法人音楽出版社協会】
管理委託契約約款及び使用料規程未提出の管理事業者:11団体(36登録事業者中)
(内訳)
1年以上未提出:9事業者
半年以上1年未満未提出:2事業者

定期報告徴収及び立入検査については、本年度から実施

管理事業法及び管理事業者に関する情報は、文化庁HPにより掲載している。

※個々の事業者の管理事業の事業実績については、本年度より提供予定。
(業務改善命令)
2 文化庁長官は、著作権等管理事業者の業務の運営に関して委託者又は利用者の利益を害する事実があると認めるときは、委託者又は利用者の保護に必要な限度において、著作権等管理事業者に対し、管理委託契約約款又は使用料規程の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
  3 文化庁長官は、著作権等管理事業者が以下のいずれかに該当するときは、その登録を取消し、又は6ヶ月以内の期間を定めて著作権等管理事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
  ア)本法、本法に基づく処分に違反したとき
  イ)不正の手段により登録を受けたとき
  ウ)登録拒否要件のいずれかに該当するようになったとき


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