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1 イギリス

(1) 私的録音・録画に係る議論の経緯
   私的録音・録画問題については、1977年のウィットフォード委員会報告書、1985年のグリーンペーパー、1986年のホワイトペーパーにおいて、いずれも、賦課金制度を採用することが提言されたが、権利者、製造業者、消費者団体等における議論の末、1957年法の全面改正として賦課金制度を導入しない1988年法が1989年8月1日に施行された。
 これは、法が私的領域に立ち入るべきではないというイギリスの伝統的な考え方によるものと考えられる。
(2) 賦課金制度への対応
   イギリス法では、私的録音録画補償金制度を採用しておらず、第70条に放送又は有線番組を私的使用のためにタイム・シフトを目的として録音・録画する行為は、著作権侵害の責を問わない旨の規定がある以外に私的使用目的に録音・録画を認容する規定はない。
(3) EU理事会指令への対応
   イギリス政府は、EU加盟国の多くが採用している補償金制度に同調せず、現在もその姿勢を維持している。また、イギリス法はEU理事会指令が求める水準をすでに満たし、賦課金制度を採る必要がないという考え方を示しており、加盟国政府を拘束するEU指令には抵触しないと明言している。
(4) DRMについて
   DRMについてのイギリス政府の見解は、DRMにより私的録音・録画問題が全面的に解決できると考えている訳ではなく、DRMは比較的新しい技術なので、ビジネスモデルの作成には慎重であるべきと考えている。
 なお、2005年10月から、DRM等の問題について、各界の権利者を集めて、異なる利害を持つ関係者が合意できるような標準を作れるよう、政府が関係者の議論を促進している。

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