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参考資料1

「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」
に関する意見募集結果(全文)



(平成17年9月8日(木曜日)〜平成17年10月7日)
文化審議会 著作権分科会
契約・流通小委員会


No 意見
1 3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
1 非一任型の管理事業に対する規制について 1頁
タイトル:非一任型の管理事業についても規制の対象にすべきではないか
 管理事業法に登録した事業者のみを厳しい管理下におく現状の制度では、一任型として事業者登録をして管理規制を受けるより、非一任型のいわゆる「エージェント」であった方が、厳しい規制も無く”自由”に活動できるという矛盾があるように見られる。
 このままでは非一任型のエージェントはかりが増え、文化庁側もその実態を把握できないまま、著作権という知的財産を取り扱うための理想的な環境づくりが阻害されるのではないかと危惧している。
 本来、管理事業法は”権利”の尊重とともに”適正流通=使用”を図るための法律だったはずであるが、このままでは「非一任型」と称して管理事業法を潜り、強大な権利行使をする団体が出てくる可能性がある。
 事業者の業務実態が一任型なのか非一任型なのかを明確に判断するのは、著作権者側、利用者側の双方ともに困難である。文化庁はなんらかのガイドラインを具体的に制定し、事業者側と利用者側の双方に提供して指導すべきである。
 また、実際には一任型の管理事業を行っているにもかかわらず、非一任型の管理事業者だとして、文化庁長官の登録を受けずに管理事業を行う事業者が現れているのかについても、文化庁側は早急にこれらの実態の把握に努め、適切な措置を講じるべきである。
 著作権者と利用者の間に立つ管理事業者の存在は、今後益々大きなものとなると思うので、これらの矛盾点が著作権を取り巻く大きな問題となる前に、早急な対策を望む。
2 「著作権等管理事業法」見直しに関する検討結果に対する意見書
見直しに関する検討結果全般について
「非一任型」については規則緩和政策の面からも管理事業を規制する必要性はなく、委員会の「法改正必要性はない」という結論に賛成するものである。

「著作権等管理事業法」見直しに関する検討結果に対する意見書
(1) 規制の対象となる事業の範囲
1 非一任型の管理事業に対する規制について
文芸分野等においては、著作者(著作権者)から出版社に管理を委託され、海外への翻訳権の許諾事務や映画化・ドラマ化等の許諾窓口となるケースが多くある。この場合、出版社は著作者(著作権者)の代理として機能し、許諾の条件を含めすべてが著作権者の判断により許諾の許否が決定する。このような実情を考えれば、非一任型の管理業務を規制すべきではないと考える。
また、一管理事業者内における「一任型」と「非一任型」が混在することに関して、文献複写の場合には、その複写利用の目的等により止むを得ないものである。例えば、団体・企業等の内部で利用することを目的とするような場合には包括的「一任型」で対応し、外部頒布を目的とするような場合には「非一任型」で対応するといったことが実情に則していると考えられる。
2 特定分野における管理事業者の一元化について
文献複写の管理を行っている主要3団体は、管理対策著作物が異なり、管理方法についてもそれぞれ独自の方式で行っているが、将来的には一元化の方向で協議が続けられており、現状においても複写利用の円滑さを欠いているとは思えない。したがって。「特定分野だからといって一般の分野よりも厳しい規制をする必要はない」という委員会の結論は正当と考える(次頁につづく)。

「著作権等管理事業法」見直しに関する検討結果に対する意見書
(2) 適格性を欠くと思われる管理事業者への対応
1 登録要件の強化等について
登録要件を強化せずとも、現行法の運用で可能だと考える。

「著作権等管理事業法」見直しに関する検討結果に対する意見書
(3) 管理事業者に対する規制
1 管理事業者の役員の兼職について
「文献複写の分野」において検討されたようであるが、現状においてその運用に問題点を生じているとは考えられない。委員会の結論にある通り、万一弊害が生じるとすれば、独占禁止法等で対応が可能であり、制度の改正を考慮しなくても良いと考える。
2 届出事項の変更届出期間の緩和について
現実に登記事項の変更登記に時間がかかる場合があり、届出期間内に提出が困難な場合がある。したがって、登記事項証明を期間内に提出できないときには、議事録等の提出を以って代替できるようにすべきである。
3 管理業者の守秘義務について
管理事業者は、すべからく「善良なる管理者の注意義務」として守秘義務を負うものである。したがって、いたずらに法規制をせずとも問題はないものと考える。
4 管理している著作物等に関する情報提供について
意見募集の内容にある、「管理事業者が管理している著作物等の情報を提供しないので、事前に管理事業者間の権利競合等が確認できない」とあるが、文献複写の場合、主要管理3団体では著作物ごとの登録をしており、現状では管理団体間での権利競合はない。
また、6にも関連するが、検討結果にある「利用者側から見れば、各管理業者が管理している著作物の題号やその利用方法が常に明らかになっていること」は当然であり、各管理事業者はそれぞれがホームページ上で告知し情報提供している。管理著作物に関する情報提供があってこそ、管理事業は成立するものと考える。
5 管理権限の開示義務について
各管理事業者の管理規定において、管理委託権限に関する委託保証条項を設けることで解決すると考える。規制という形で義務化を図る必要はない。努力義務で十分である。
6 管理委託契約約款・使用料規程のインターネット公示について
「一任型」で運用する場合、その作業量等からみてインターネットを利用した運用が考えられ、当該管理事業者は当然にホームページを開設するものと思われる。今や日本の現状としてあらゆる場面でインターネット公示は現一般的な公示方法になっているものと考える。したがって、現行法施行規則に規定する内容で十分と思われる。事業所内掲示のみで事足りるような管理事業者は、すべからく利用者の信頼を得ることが難しくなり、淘汰されるものと思われる。(次頁につづく)

(4) 使用料規程、協議・裁定制度
1 使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について
現行法13条2項により「利用者または利用者団体から、あらかじめ意見聴取をするよう努めなければならない」という規定は、その制定趣旨は理解できるものの、施行規則14条における「意見聴取に努めたことの疎明書面添付」の弾力的運輸を願うものである。
権利者と利用者とは、その意見を対にするものであり、時には利用者と協議が整わないこともあると考えられる。したがって、委員会での検討結果にあるように、現行法以上の規制・義務化は避けるべきであり、逆に、ある程度の意見聴取に関する疎明があれば、裁定により使用料を法定できるようにすべきであると考える。
2 指定管理業者の使用料規程に関する協議・裁定制度について
指定管理事業者は限られており、現行法でもって対応できるとの委員会の見解を理解するものである。

(5) その他
1 包括利用許諾に係る使用料のあり方について
2 その他
特にコメントなし
3 著作権等管理事業法の見直しに対する意見書
「(4)使用料規定、協議・裁定制度」(資料2 3−4)
1使用料規定の制定・変更時の意見聴取の義務化について」への意見
1. 小規模な事業者の免除規定を設けて通常は義務化とすることが望ましいと思います。利用者団体が存在しない場合でも、管理業者が利用者の意見を聞き取る体制を構築する意志が在れば様々な方法でそれは可能です。(現にこうしてパブリックコメントという制度が行われております。)
2. 使用料規定届出の際、添付が必要だとされる「意見聴取に努めたとされる書面」の内容と実態とが一致するかを調査する体制が必要だと考えます。問題が発覚した場合「実施時期延長最大3ヶ月」を改め、「適正状態回復までの無期限延期」とする必要があると判断します。
2指定管理業者の使用料規定に関する協議・裁定制度」への意見
1. 仲介法時代に制定された使用料規定から現状の規定に継続されている要素に対して、当初からの経緯と現内容の詳細な分析を行い、もし不当な部分があると認められた場合、これを全て解消適正化し管理事業法のもとでの規定に改めさせる経過的措置(附則条項)が必要です。
2. 報告書案は仲介法時代に文化庁の認可体制が十分なものだったとの前提に立っているように思われますが、本当にそうであるのか再度調査検討が必要だと思います。報告書案は、「利用者団体と協議しほぼ合意された」「利用者代表が存在しない場合は関係の利用者団体と協議した」という不可解な記述箇所があり、事業者側の適切な対応が成されていない場合があったのではないかととの疑念を拭えません。実際、現在音楽著作物利用における一般常識から見て異常な高額請求が一部利用区分で起こっております(音楽喫茶ライブハウスなどJASRAC(ジャスラック)演奏権徴収区分業種5の問題)。個人的に調べましたところ、この区分では仲介法時代の特殊事情(著作権法附則14条問題)に関わって不当に高額と思われる使用料が設定され、附則14条撤廃に加え管理事業法に切り替わってからも、実質内容が継続されていることに起因する弊害だと判断します。
4 著作権等管理事業法の見直しに対する意見
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
1 非一任型の管理事業に対する規制について
 非一任型についても、非一任型の特性に対応した規制(ルール作り)は必要ではないかと考える。特に註4記載の学習参考書や試験問題での利用については困難が生じているのは、昨今多くの報道がなされているところであり、このような状態は教育の観点からも問題であろう。
 管理事業は、著作物の利用を容易にするものであるが、かえって利用阻害し、また利用者詐欺的なことがあってはならない。
 情報公開を軸として、権利者の権利を保護する一方で、利用が妨げられ、躊躇されない一定のルール作りが望まれる。
2 特定分野における管理事業者の一元化について
 競争をとるか、一元処理を採るかという問題であろう。
 難しい問題であるが、一点だけ意見するなら、少なくとも情報データベースの一元化ということは、利用促進の観点からも望まれる事項である。
(2) 適格性を欠くと思われる管理事業者への対応
1 登録要件の強化等について
 特に記載すべき意見はなし。

(3) 管理事業者に対する規制
1 著作権等管理事業者の役員の兼職について
 事業者間の競争を図ると言う観点からは妥当ではない。それならば、同一事業者で管理する方が権利処理に簡便であって、著作物の流通促進の資するのではないか。
2 届出事項の変更届出期間の緩和について
 不可能を要求してはいけないが、情報の正確性の担保という観点から早急になされるに越したことはない。実現可能性に即して運用を考えるべきでる。
3 著作権等管理事業者の守秘義務について
 検討の結果同様、特段の規定は必要ないと考える。
4 管理している著作物等に関する情報提供について
 情報不提供については、権利行使につき制限を認めるなどの利用者保護も検討するべきである。
5 管理権限の開示義務について
 管理無権限者の許諾について、被許諾者の免責を認めれば足りると思われる。
6 管理委託契約約款・使用料規程のインターネット公示について
 今日において、公示事項はすべてインターネット上で公示されているのが望ましい。「検討結果」にもあるように、事業者自身で行うことが困難な場合は、文化庁サイトで公表することで足りる。公示すればよいというのではなく、より伝達されやすい手段が採られべきであって、(相応の配慮を払った上で)むしろ義務づけるべきと考える(次頁に続く)。
(4) 使用料規程、協議・裁定制度
1 使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について
 どの時点の利用者側の利益への配慮を図るかという問題であろう。競争ということを意識するのであれば、事後的で足りるが、それが機能していない場合には事前規則をいうことになろう。私的自治を尊重した上で、不当なものについては、事後的に制裁を加えることで担保すれば足りるように考える。
2 指定管理事業者の使用料規程に関する協議・裁定制度について
 (一般的な)利用者代表という概念自体が極めて不明確であるにもかかわらず、それを組織することを義務付けると言うのは不可能の押し付けのように思われる。著作物の利用は産業財産権の利用と異なり、必ずしも業務性を帯びるものではなく、業務利用について組織を義務付けることは必ずしも否定しないが、そうでないものについてまで、そのような義務を概念することは、不当であろう。この点については、強く再考を求める。

(5) その他
1 包括利用許諾に係る使用料のあり方について
 著作権等管理事業者の複数化によって、一者との「包括利用許諾」が他者との「包括利用許諾」にならない、というのは事実であり、利用者にとっては不便になったともいえる。情報提供の一元化ともつながるが、管理事業者間での一定の共同事業が必要となろう。
 自主的判断に委ねたいが、改善されない場合には、法による介入(努力義務から順次)が必要になろう。
2 その他
 特に記載すべき意見はなし
4.まとめ
 「同一分野に管理事業者が複数存在することによる許諾手続きの複雑化」という点には、利用促進という点から極めて問題があるように思われる。だからといって、「規則」の強化という表現が妥当かは別として、一定のルールは必要になろう。
 その意味で、「直ちに管理事業法を改正し対応すべき事項はない」と言い切ることには問題がある。「ただし、非一任型の管理事業の規則、管理事業者の役員の兼職、管理事業者の守秘義務、管理著作物の情報提供、管理権限の開示義務及びインターネット公示については、管理業務の実態をよく調査するとともに、ある程度の機関を経た段階で、改めて制度改正について検討する必要がある」という点は賛同するが、特に公示(情報公開)については、早急にでも改善すべきである。「現行法の枠内で対応可能と考えられるので、文化庁はその手続の改善等に配慮すべきである」との点は、現状を見る限り、文化庁が対応能力を持ち合わせているかについて、疑問があると言わざるを得ない。
5
(1) 規則の対象となる事業の範囲
1. 非一任型の管理事業に対する規制について
【意見】
特に規制を設ける必要はないと思われるが、規模によっては登録を義務づける、同一団体内で一任型と非一任型が混在することを規制するなどの対処があってもいいと思われるが、むしろ、権利の管理情報を一元的に集約する機関を設置することで解決する問題だと思う。(次頁に続く)
2: 特定分野における管理事業者の一元化について
【意見】
1と同様に、管理事業者を一元化するのではなく、管理情報を一元化する機関を設置することが望ましい。

(3) 管理事業者に対する規制
1: 管理事業者の役員の兼職について
【意見】
・兼職は規制するべき
 兼職はしている実態があり、兼職することによって一斉に使用料を値上げするなどの弊害が考えられ、兼職はそのような弊害を導く話し合いなどを隠蔽することを容易にする。また、本来であれば権利者の利益が対立する場合に、健全な議論が抑圧される可能性がる。
4: 管理している著作物等に関する情報提供について
【意見】
管理事業法が施行されてから間もない時期であることを考慮して一定の経過措置を設けるとしても、義務規定にするべき。
 各管理事業者が管理している著作物の題号やその利用方法が常に明らかになっていることが望ましいのはいうまでもなく、管理事業者がこれを明らかにしないことは権利者・利用者双方に不利益が生じる。利用者側からの信頼を得られない管理事業者が整理されることを待つ理由はないのであって、少なくとも、「提供」は義務づけられなければならない。
 「利用者」とは、レコード会社や放送局だけではなく、一般の個人も含まれるものであり、必要に応じて許諾を得て私的使用外の複製や送信可能化を行えるようにするべきである。大規模な企業と個人では開示する情報量に違いがあるのはやむを得ないが、段階的にインターネット上でのデータベースによる公開がなされるようになることを考慮に入れた上で将来像を検討していくべきである、
 なお、個人情報等を除き、提供すべき情報は管理事業者にではなく、利用者が必要とするか否かで決まるものであって、まず利用者の要望を提出することからはじめるべきだと思われる。

5: 管理権限の開示義務について
【意見】
情報提供の義務化の場合と同様、円滑な流通と著作権者、ユーザーの利益のためには、これを開示しない理由はなく、義務として開示されるべきである。ここでも同様に「利用者」は一般の個人も含めて、開示された情報にアクセスできるように配慮すべきである。

(5) その他
1: 包括利用許諾に係る使用料のあり方について
音楽の著作物の放送や演奏、通信カラオケ、インタラクティブ送信等の分野のうち、ライブハウスなどでの実演や放送における突発的な実演(トーク中に歌うなど)を除くものについては、ほぼ楽曲や元となる音源が特定できるものであり、POSシステムやデータベース管理が容易になっていることもあって、個別の利用について利用の実態を捕捉する方向で検討すべきである。
6 「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)に関する意見
3.著作権管理事業法見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
2 特定分野における管理事業者の一元化について
 検討の結果 3/3ページ
一任型と非一任型の管理団体が存在しているが、管理事業者の一元化が求められる。
学術情報流通が阻害されることなく円滑に行うため、一元化が早急に求められる。
財団法人国際医学情報センターで、平成17年4月〜9月の6ヶ月間に依頼があって複製した学術文献をサンプル調査した結果、国内の管理事業者では著作権処理ができないいわゆる「未管理著作物」は3分の1であった。一元化の上、これらの未管理著作物の著作権処理を留保する体制を作ることが急務と考える。
利用者が使いやすく一元化されたシステムで学術文献の著作権の許諾、支払いが可能になるように希望する。
現存する3管理団体では未管理著作物を処理することになっていない。
7 小社は、国語教材を作成する際、観賞の対象としてではなく、文章読解のための例文として文芸作品や論文を使用します。しかも、教科書に準拠した教材が中心になるため、教科書に掲載された作品が許諾の対象になります。許諾申請から使用料支払にいたる過程で膨大な事務量があること、作品点数が多く、しかも同様な仕事をしている出版者が多いこと等から、私たちは、教材作成を業とhしている各社と著作権処理に関し共同作業を行っています。管理団体に管理委託されていない著作者については直接処理を行い、文藝家協会の管理部に委託されている著作者については、管理団体経由の処理にしています。私たちは、複数の児童文学者団体や日本文藝家協会と協定を結び、合意した内容で許諾をいただいております。しかし、著作権管理事業法の枠外で活動している民間業者の存在が、申請許諾という流れを阻んでいる場合があります。非一任型の民間業者は、管理事業法の下での管理団体や個別対応している著作者との契約内容よりはるかに高い使用料を求め、且つ許諾しない場合もあるという現状です。教科書掲載作品を教材に用いるため、許諾が得られる他の作品を使用するというわけにもいきません。管理事業法で認可された一任型の団体で、あらゆる作品が処理できるようになることを強く望んでいます。
また、学校現場で教科書と両輪となって使用されている評価教材については、教科書における特例措置(使用の連絡と保証金の制度)に準じた扱いができるようになれば、教育現場での活用が更に効果的になってくると考えます。
「選択肢のない申請に対し、一般的条件を大きく上回る契約条件を求める民間業者の存在は非常な障壁となります。非認可の業者が活躍できる状況をなくしていただきたいと思います。
8 1検討課題と意見の概要
規制対象となる事業の範囲
 非一任型の管理事業に対する規制
意見  「直ちに管理事業法を改正して対応すべき事項ではない」との契約・流通小委員会の意見に賛成である。非一任型の管理事業の実態を把握することが先であろう。
 特定分野における管理事業者の一元化について
意見  「制度改正の必要はない」との契約・流通小委員会の意見に賛成である。「しかし、利用者の立場を考慮すれば、利用者側の利便性にも配慮したシステムをどのように構築していくかは大変重要なことであり……」との意見も賛成である。
 文献複写を中心にした出版分野の著作権管理事業者は、日本出版著作権協会、日本複写権センター、日本著作出版権管理システム、学術著作権協会の4団体があるが、利用者の利便性を考えるとばらばらの窓口では極めて不便である。著作権等管理事業法の主旨からは、複数の著作権等管理事業者が存在することが自由競争による使用料の適正化を担保する上で有効であるが、窓口がバラバラでは個別許諾、包括許諾を含め利用者が利用しにくく、混乱も招きかねない。
4団体の協同の利用者向け統一窓口、ポールサイトを設け、著作権の流通を円滑化すべきである。そのための予算措置も講じられるべきである。
 日本複写権センターは、本来、複写権についての唯一の集中的処理機構として設立された。その設立の主旨からすれば、構成団体、あるいはそこへの新規加入など、開かれたものでなければばらなかったはずである。しかしながら、事の経緯は、必ずしもそうではなかった。参加出版社数、委託著作物数とも、発行者、発行物の一部にとどまり、積極的な拡大は図られなかった。

 著作権等管理事業法が施行されたことにより、一部未加入の著作権者、並びに、その代理人に対する日本複写権センターの閉鎖性については、別の著作権等管理事業者を設立するという形で一応の解決はみている。ただし、出版分野における著作権問題を考える上で、これまで示された閉鎖性には、看過出来ないものがある。
 貸与権使用料徴収に関するビジネスモデルの構築(貸与権センター)の準備過程においても、出版分野における閉鎖性がまだまだ、色濃くみられたといわざるをえない。例えば、2003年11月14日の第6回文化審議会著作権分科会法制問題小委員会での「貸与権の集中管理を行う管理センターに入っていない出版社等は、管理センターで取り決められたルールに拘束されるのか、また、管理センターは何らかの指導等を行うのか。」との質問に対し、複写権センターの出版者著作権協議会を構成する出版社側代表委員は「(貸与権)管理センターに入っていない権利者は管理センターにおけるルールに拘束されないし、指導することはできない。権利者の意思いによるものと考える。」と答えている。
 同小委員会でのこの応答は、主要な出版者団体で構成できれば事足りるとする、旧来の思考が残ったものといわざるをえない。すべての著作権者が法の平等のもとにその権利を公平に享受出来るという原則を基本にしているとは、少なくとも思われない。
 出版者著作権協議会は、書協、雑協、自然科学書協会、出版梓会、日本図書教材協会、日本専門新聞協会、日本楽譜出版協会の7団体によって構成されている。団体推薦がなければ加盟できないシステムになっていて、日本出版著作権協会の設立の中心になった出版社が組織する出版流通対策協議会(会員100社)は入会を希望したが、推薦を受けた団体が後になって推薦を取り下げてきたりしたため、入会を断念したのである。当時は、複写使用料を徴収する事業は、著作権仲介法による免許事業で、複写権センターがこれを独占しており、加入できなければいくら自分たちの著作の複写使用料を請求したくてもできなかった。(次頁に続く)

 一方、利用者にとって、複写使用料の支払い方法は、包括許諾契約が簡便な方法である。しかし、著作権管理団体を田員一の団体を想定し、企業た大学、公共団体などの利用者からみれば、複写使用の全体に対して支払いをしているという誤解が存在する。複写使用料は、委託著作物への支払いであるから、委託されていない著作物は対象にならないと言っても、利用者とのギャップは否めない。
 こうした異様な状態を解消するため、包括許諾使用料の分配を、関係する出版分野の著作権等管理事業者間で分配するシステムを至急構築すべきであるし、文化庁の早急な指導と、必要な法改正がなされるべきである。

(3) 管理事業者に対する規制
管理事業者の役員の兼職について
届出事項の変更届出期間の緩和について
管理事業者の守秘義務について
管理している著作物等に関する情報提供について管理権限の開示義務について
管理委託契約約款・使用料規程のインターネット公示について 以上については、契約・流通小委員会の意見に賛成である。
(4) 使用料規程、協議・裁定制度
使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について指定管理事業者の使用料規程に関する協議・裁定制度について以上については、契約・流通小委員会の意見に賛成である。
9 「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書」に関する意見
 映像作品に翻案されている原作及び脚本の著作物並びに映像作品に複製されている音楽の著作物について、当該映像作品を二次使用するに際してそれらの原著作物等の著作権者から許諾を得る必要があるが、この場合、原作・脚本には代替性が全くなく、音楽も大体が困難である。
 映像作品の著作権者にとっては、原著作物等の著作権者から許諾を得られなければ自らの財産である映像作品を死蔵させることになる。それを避け、映像作品を広く利用し、もって文化振興に寄与するためには、特定の原著作物の著作権を管理している事業者から許諾を得ることが必須であり、許諾条件が折り合わないからといって他の原作・脚本等に乗り換えることはできない。ここでは市場原理が働く余地は全くないから、このような原著作物等の管理事業を行っている管理事業者については、他の管理事業者とは異なる取扱いが必要である。
 以上の観点から、以下のとおり意見を述べる。
3.著作権等管理事業法見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
1 非一任型の管理事業に対する規制について
 報告書は、結論として、非一任型を管理事業法の対象とすることには慎重であるべきであり、少なくとも現状においては制度改正の必要性は認められないとしている(次頁に続く)。
しかし、非一任型と一任型との区別はあいまいであり、管理の実態が非一任型であっても、管理委託契約書等において委託者が使用料額の決定権限を留保することは必須であり、さらに、旧仲介業務法における使用料の「認可制」に戻すことも検討されるべきである。
2 指定管理事業者の使用料規程に関する協議・裁定制度について
 報告書は、現状では、制度改正の必要性はないとしつつ、「文化庁は、協議・裁定制度が円滑に機能するよう、指定管理事業者に対しては、利用実態の変化に沿った使用料規程上の利用区分の見直しや、利用者側に対しては利用者代表としての組織化や運営のあり方について、指導助言を行っていくことが必要である。」としている。
 文化庁の指導・助言の必要性は、報告書が指摘するとおりである。
 とりわけ、映像作品を二次利用する際の原著作物等の許諾権限を管理している管理事業者については、利用者にとって代替性がなく、管理事業者間の競争を通じ市場原理により適切な額に収斂することが全く期待できないから、協議・裁定の制度を円滑に機能させる必要性は、他の管理事業者の場合と比べて格段に高い。
 そこで、使用料規程上の利用区分の見直しのみならず、協議・裁定制度のその他の点においても、文化庁におる利用者の立場にたった市場・助言が強く求められる。さらに、旧仲介業務法における使用料の「認可制」に戻すことも検討されるべきである。
10 【意見対象】
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
2 届出事項の変更届出期間の緩和について

【意見】
管理事業者が2週間以内に登記事項証明書を準備することが困難な場合に関する取り扱いとして、総会議事録等の提出を認めるべきとの記載があるが、その提出をもって足りる(=登記事項証明書の後日提出による追究も不要)旨を明記すべきである。
11 2.著作権等管理事業の現状について
(著作権分科会(第16回)議事録 、資料2−2へリンク)
 著作物のある分野において、複数の管理事業者が競争するという理念のもとに制定されたのが著作権等管理事業法であると私は理解している。
 しかし音楽分野においては、旧仲介業務法下での長年の活動もあってJASRAC(ジャスラック)が著作権管理の大部分を握っている事実がある。これは管業法の理念からすれば好ましくない事態ではないか。
 これにはJASRAC(ジャスラック)の信託契約の態様が関係していると思われる。JASRAC(ジャスラック)から他の事業者へ管理委託先を変更した場合に、委託者が不利益を被るような契約がなされているためである。
 以前、JASRAC(ジャスラック)との契約を解消した際に、次の契約更改年(の予定だった年)まで”出戻り”できないという規程が存在し、”乗り換え”を防止しているのではないかと言われていた。昨年の、管理事業法に対するパブリックコメント時のJASRAC(ジャスラック)信託契約約款第21条の2項および附則第5条である。これは今年6月の約款変更で削除されているよだが、もうひとつ委託者の”流出”対策と思われるような条項が残っている。

現状として全ての支分権を信託できる業者は、JASRAC(ジャスラック)以外に無く、JASRAC(ジャスラック)から完全に手を引いて”乗り換え”るという選択肢は無いという。そして仮に一部の支分権を別業者に委託しようとした場合、すでいJASRAC(ジャスラック)と信託契約を持っている音楽出版者は、他管理事業者と新たに信託契約を結ぶために新たに事業部を立ち上げて、その事業部が新たにJASRAC(ジャスラック)と信託契約を結ばなくてならない。著作権信託契約約款第6条に、「音楽出版者である委託者(法人に限る。)は、あらかじめ受託者の承諾を得て、その事業部を単位として、受託者との間で二段上の著作権信託契約を締結することができる。この場合、その一の事業部との著作権信託契約は、当該事業部が有するすべての著作権及び将来取得するすべての著作権を信託財産として受託者に移転するものでなければならない」とある。
 複数の管理事業者を競争させるためには、権利者が自由に事業者を選択できるようにすべきであり、それを保障するには自由に委託業者を変更できるようにすることが必須である(そうでなければ、管理事業者の比較など到底できない)。
 こういった事業者の比較を困難にさせるJASRAC(ジャスラック)が反競争状態に持っていくために、JASRAC(ジャスラック)の管理委託約款から当該部を削除すべきである。文化庁の適切な監査を望む。
12 3著作権等管理事業法見直しに関する検討課題と検討結果について
(4) 使用料規程、協議・裁定制度
使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について
音楽の著作権管理に関連して意見を述べます。
現行制度では、使用料の制定、変更に当たっては、利用者又は利用者団体から、あらかじめ意見聴取をするよう努めなければならないことになっているとのことですが、利用者団体が存在する場合は、努力義務ではなく義務とすべきだと考えています。利用者団体が存在しない場合においても、音楽利用が円滑に行われるように配慮した使用料の制定にする必要があり、問題があるようであれば速やかに使用料の変更を行う義務を課すのが望ましいと考えます。
現在、JASRAC(ジャスラック)による音楽著作権使用料の取り立てについて、常識的な範囲を逸脱した高額になっているケースがある、としばしば報道されています。
ジャズやクラシックの演奏に関して高額な使用料の支払いを要求された利用者は、場合に困っては廃業や、演奏中止に追い込まれる場合があると聞き及んでいます。これは、文化の発展を目的とした著作権法規の理念に反したことが生じてしまっているということです。
現行法においても、意年聴取努力義務規定違反や、管理事業者が著しく高い使用料を設定した場合は、文化庁は使用料規程の実施禁止期間の延長命令等により、管理事業者に対し是正措置を求めることができる、とのことですが、現在、死文化しているのではないのかと懸念せざるを得ません。特に利用者団体が存在しなかったいくつかの事例については、この是正措置が適切に運用されていくことで、問題が大きくなることを防止することが出来たのではと考えています。個人利用者であっても裁定制度を柔軟に運用できるようにするなど、生じている問題を確実に汲み取ることが出来るようにすべく、対策が必要と考えます。
今後、より文化的発展に寄与するように制度の運用、改善が行われていくことを望みます。
13 3.著作権等管理事業法見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
2 特定分野における管理事業者の一元化について
権利者は管理事業者を選択できるが、利用者が許諾を得る際に管理事業者を選択できない点にまず問題がある。
現行の状況のまま、管理事業者を一元化した場合、一方的に管理事業者のみが利益を得る状況となってしまう。そのような状況を避けるため、文化庁が認めた管理事業者から許諾を得た場合、全ての著作物を利用可能とすべきである。
こうすれば、利用者はいずれかの管理事業者一つと契約を結べばよく、利便性を損なわない。

(2) 適格性を欠くと思われる管理事業者への対応
特定分野に於いて、その分野に占める割合が60%を占める管理事業者が生じた場合、寡占状態を解消するために分割を行うべきである。独占状態は、適格性を欠く状態であり、改善すべきである。

(3) 管理事業者に対する規制に関して
文部科学省、中でも文化庁に所属した公務員の著作権等管理事業者への天下りを禁止するべきである。
先日の週刊ダイヤモンドにて報道されたJASRAC(ジャスラック)の例を見ても判るとおり、天下りによるズブズブの関係を改善するべきである。
天下り先を確保するため、文化行政が曲げられている状況を修正すべきである。(次頁に続く)

(3) 管理事業者に対する規制に関して
1 管理事業者の役員の兼職について
管理事業者の役員が兼職する場合は、無報酬とするべきである。
また、権利者側である人間(例:レコード会社の社長等)の兼職は禁止するべきである。
まして文化庁の役人の管理事業者への就業はその形態の如何を問わず禁止するべきである。

(3) 管理事業者に対する規制
4 管理している著作物等に関する情報提供について
管理事業者が自分で管理しているもののリスト等を提供するのは当然の義務であり、義務規定とすべきである。
この際、インターネット等利用者が容易に検索し、容易く情報を得られるようにすべきである。

(3) 管理事業者に対する規制
5 管理権限の開示義務について
管理事業者はその管理情報を明確に開示する義務がある。

(4) 使用料規程、協議・裁定制度
1 使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について
2 指定管理者業者の使用料規程に関する協議・裁定制度について
一般の利用者は使用料規定の決定にさいし、何ら関与することが出来ない。
また、利用者団体と協議しとの規定は有名無実と化している。
例:ジャズ喫茶での音楽使用料が、酒場の利用団体との交渉で決定されている。このため、著しく高額な使用料となっている。
利用者代表に対する要件が、厳しすぎるため利用者側は交渉のテーブルに付くことすら不可能である。
かかる一方的な状況を改善することは文化庁の責務である。
一方、元文化庁長官が管理事業者団体に天下っている状況を鑑るに、文化庁による適切な指導が行われているとはとうてい思えない。
文化庁は利用者の立場に立って、管理事業者と交渉し、著作物が利用されるようしていくべきであろう。

(5) その他
1 包括利用許諾に係る使用料のあり方について
社団法人日本音楽著作権協会が大きすぎるために生じる問題であり、文化庁はこれを解体する責務がある。

4.まとめ
適切な管理事業法の運用が行われるために、社団法人日本音楽著作権協会を解体するべきである、
14 3.著作権等管理事業法見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
1 非一任型の管理事業者に対する規制について 1頁
タイトル:非一任型の管理事業についての実態調査を早急に行い、規制すべきではないか
 管理事業法に基づいて登録した事業者は、登録によってさまざまな規制を受けることから、非一任型の事業活動をおこなったほうが、管理事業法に基づく厳しい規制も無く、"自由"に活動できるという考えがあるように思われる。
著作権者が明確な意思表示せずに、事業者へ委託していることを受けて、非一任型の事業にもかかわらず、事業者が強大な権利執行をしたり、著作権者に対して、利用者側から高い使用料を得ることが可能ということを宣伝し、委任契約締結を誘引し、結果として利用者側の利用や著作者の権利行使を妨げるkとおになったりするなどの動きも見られる。
本来、管理事業法は、著作権者の”権利"の尊重とともに”適正使用”を図るための法律だったはずであるが、このままでは「非一任型」と称して管理事業法の網を潜り、強大な権利行使をする団体が出てくる可能性が広がるおそれがある。

今回、『審議会の経過』では、『非一任型の管理事業の実態が十分把握されておらず、具体的な弊害が検証されていないことを理由に、非一任型の管理事業の規制は慎重な検討が必要になることなどから、少なくとも現状においては、制度改正の必要性は認められないと考える。』とされているが、文化庁は早急にこれらの実態の把握に努め、適切な措置を講じるべきである。
また、事業者の実務実態が一任型なのか非一任型なのかを明確に判断し、それによって事業者の事業内容がどのように違ってくるのか、法的な規制はどうなっているのかについては、著作権者側、利用者側の双方ともに十分な知識を持ち合わせているとはいえないのが現状である。文化庁はなんらかのガイドラインを具体的に制定し、事業者側と利用者側の双方に提供して指導すべきだる。
 著作権者と利用者の間に立つ管理事業者の存在は、今後益々大きなものとなると思うので、これらの矛盾点が著作権を取り巻く大きな問題となる前に、早急な対策を望む。
15 3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
1 非一任型の管理事業に対する規制について 5−6頁
非一任型の管理事業を実施していると称して、実際には一任型の管理事業と類似の形態で管理事業を実施しようとしている(利用者にデータの提出を求める)事業者がいる。現状、著作物の利用の円滑化に資していると評価できるような窓口の集中化や権利委託率の上昇は結果として実現できていない。特に、文献複写の分野では、非一任型の管理事業の実態が十分把握されておらず、同一の文化において異なる管理方法を行う事業者が混在することや利用者の便宜を図るようなシステムの提供も行わず、利用者側にのみ処理の負担を押し付けるような実態があり、管理事業法違反(第29条)も検証されていない。
非一任型管理事業者は、利用者と話合いをする必要は無いということで、管理事業者の自由な処理方法および金額で利用者に処理を強要してきている事業者があり、利用者は多大な負担を強いられている。また、委託管理物が競合せず独占的な状況にある分野においては、委託者からの指値ということで、これまで我が国で処理されてきた金額を大きく上回る使用料を提示してきている。
これら事実を認識する必要があり、非一任型の管理事業に対しても著作権等管理事業法と同等の規制が早急に必要である。
 以上

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
2 特定分野における管理事業者の一元化について 6−7頁
文献複写の分野では、利用者からの意見聴取は十分でなく、独占的な管理により競争原理は働かず、高額な許諾料を要求されている。集中処理センターとして、JRRCが本来行うべき権利の委託交渉が、各事業者個別にバラバラに行われており、許諾システム、価格ともに利用者の納得は得られていない。
円滑な利用とは反対の方向に事業者が対応しており、対外的にも望ましい対応とはいえず、国益にも影響する。
 競合しない委託管理物を管理している事業者が複数いるということは、利用者は複数の対応をしなければならない。管理事業法及び本委員会の目的が円滑な利用を考えることにもあるとすれば、もっと利用者の立場を考えることも必要である。今後さらに多くの管理事業者の出現も考えられることであり、管理事業者の一元化は、早急に必要なことと考える。特に海外の管理団体とは、例えばIFRROの正会員が行うべきであり、現在日本から複数の団体が海外の管理団体と交渉しているのは、日本国として問題すべき状況である。
 以上(次頁に続く)

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(2) 適格性を欠くと思われる管理事業者への対応  7−8頁
1 登録要件の強化等について
数年も管理委託契約約款および使用料規程が未提出の状態にある管理団体が登録を廃止し、利用者に対して法的措置も辞さないとの姿勢での対応や、出版物の売上減少を複写による損失とし著作権料に転嫁させるような言動が管理団体の責任者から発せられるのは問題である。
また、厳正な指導監督を行い登録を取り消すことができるとあるが、著作権等管理事業法の事業者を取り消されても、非一任型の管理事業はできるので、著作権等管理事業法の存在意義がなくなってしまう。これらのことからも、管理事業を行おうとする者には全て同様の規制が必要なことが理解できる。
 以上

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者への規制
1 管理事業者の役員の兼職について 8-9頁
管理団体の責任者が別の事業者の役員になっている実態は未だ十分に改善されていない。利用者の及ばないところで、事業者間の情報交換が行われて、利用料規程の調整につながる恐れも払拭できていない。また、文化審議会著作権分科会や小委員会には利用者側がほとんど参加できず、権利者側からや、管理事業の関係者が委員となっていることも、利用者の意見が反映されず、不利益に繋がるものと危惧する。公正な立場での言いンの人選も望まれる。
特に文化審議会著作権分科会関連委員が管理団体の役員になっているケースもあり、委員会での発言が公正さを欠くと誤解されるような状況は回避すべきである。
 以上(次頁に続く)

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者への規制
5 管理権限の開示義務について 12頁
利用者からの求めに応じて、著作物に関する管理権限を明らかにする義務を課すべきである。利用者からは、契約時点で管理事業者からの説明以上の検証ができない状況があり、利用者自らが委託者(著作権者)に確認することは困難である。委託者が委託権限を有していることについて、単に管理委託契約で権限があることを保証するということにとどまらず、著作物ごとに委託権限があることの何らかの証明が無いと、真の権利者の知らないところで、権限を有していると一方的に宣言した者が、不当な利益を受けるという状況になりかねない。また、利用者も管理団体と契約を締結してもこのように委託権限のない著作物につき許諾を受け使用料を支払っても何らコンプライアンスになっていない状況となる。
このように、著作物について権利関係が不明確なまま管理事業が行われることは、正規の利用を保証することにはならず、著作権管理のシステムのものの不透明さを曝露することになり、利用者そして社会の不信を招き、制度そのものの信頼性を失いかねないことを危惧する。
 以上

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(4) 使用料規程、協議・裁定制度
1 使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について 14頁
利用者又は利用団体の意見は必ず聴取すべきである。管理事業者に過度の義務を課すことは適当ではないことの結論であるが、利用者不在での事業展開を阻止することができず、許諾料の引き上げに繋がる恐れも出てきている。
 以上

4.まとめ 18頁
提言のアについて、改めて制度改正について検討する必要があるとしている事項については、現在問題になっており早急に検討すべきであり、検討には利用者の立場の委員を含めるべきである。
 以上
16 「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」に関する意見
インターネットを含むネットワーク上での音楽利用のための許諾ルール制定に向けた情報収集、研究および関係諸団体間の合意形成を目的として設立致しました当協議会の活動に対し、設立以来絶大なるご指導を賜りまして、有り難うございます。
当協議会は2004年9月に、「著作物管理事業法の施行状況等に関する意見募集」につきまして、指定著作権等管理事業者〔社団法人日本音楽著作権協会(登録番号第01001号)等〕・著作権等管理事業者〔株式会社イーライセンス(登録番号第01005号)・株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(登録番号第01011号)・ダイキサウンド株式会社(登録番号第02002号)等と著作権等管理事業法施行後3年間に亘り弊協議会が利用者団体として行ってきた「インタラクティブ配信にかかる音楽著作権協議」を通じて得た諸問題につき、「著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見」として提出致しました。
しかしながら、2005年9月8日付けの「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」では制度論に終始し同法見直し消極的と思われ、既に当協議会会員企業の一部が管理事業法に起因して訴訟を受けているような激烈なビジネスの現場実感とは大きな乖離を感じております。新しい法律のもとで複数の管理事業者が業務を開始したことにより、著作物の利用者である当協議会会員各社には旧来の仲介団体との間では問題とならなかった新たな問題やリスクが生じており、現状では本来法律が期待している趣旨からは程遠い状況がいくつか生じていることから、このような状況を改善するために、以下の諸課題についてより深く検討すべきと考えます。
(以下、著作権等管理事業法を法律、著作権等管理事業者を管理事業者、2005年9月8日付けの「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」を見直し案、と省略します。)

1) 事業者間権利移転の際の使用許諾条件の保持(見直し案に該当する項目無し)
<現状の問題点>
JASRAC(ジャスラック)信託曲を非一任型の事業者や個人に移管する際に、JASRAC(ジャスラック)での許諾条件(包括契約等)も移転先の事業者に引き継がなければ、契約主体者双方の利益が無視されて市場が大混乱を来す。
<解決方法及び提言>
作品Aが事業者XからYに移管された際、Xにおける使用許諾条件は自動的にYにも引き継がれなければならないことを規程化する(ライセンサー移転の際の利用許諾条件の効力持続)。
海外の権利保有者の著作物利用許諾契約においては、権利保有者が移動した際には許諾条件の保持継続は当然のことであり、条件の継続が担保されなければ、前権利者、移転先権利者、利用者の三方全者にとって不利益が生じる。
事業者は仲介業務法時代のJASRAC(ジャスラック)との包括契約において、超長期の許諾期間を前提に事業を企画構築・投資している。当該契約を元に管理事業法との整合性を取るべきと考える。

2) 包括利用許諾契約締結に関する過去の経緯
見直し案3-(5)−に対する補足説明
見直し案における「ウ.検討結果」に記載された内容は実体と異なっている
利用者は、特定の個別管理楽曲(レコード会社専属管理楽曲など)以外はJASRAC(ジャスラック)に使用料を支払うことで適法に利用できるということを前提に包括契約を取り交わし、JASRAC(ジャスラック)は使用料を受け取った。(次頁に続く)

3) 管理事業者の登録要件等の強化と適格性の確保
見直し案3−(2)−に対する意見
<現状の問題点>
(略)利用者から見てその管理事業者としての適格性に著しい問題があると思われる者であっても、その登録がなされており、利用者に混乱を引き起こしている。また、将来的にも同様の不安要因が残る。
<解決方法及び提言>
2004年9月に「管理事業者への登録番号付与については実態のある著作物管理事業業務開始後として欲しい」と提案させて頂いておりますが、更に下記を追加提言致します。
イ) 登録のための要件に例えば次のような項目を追加、強化する
登録申請時に管理できる著作物の権利を有していること、特に、外国曲の権利については、管理事業者が著作権者から本当にその権利寄託を受けているのかについて利用者側から確認できないので、管理事業者の登録要件として、権利者であることを証明できる証拠を提出させ確認のうえとすること
もしくは、過去に権利管理を第三者に委託した経験のある者の推薦があること
一定の実務経験や資格を有する者が登録時に在席すること
ロ) 上記の要件を満たすまでは仮登録機関とし、業務を開始できないようにする。”実体業務を行っている管理事業者と単に登録のみをした管理事業者を明確に分けた上での公表”とすること
ハ) 事業者の信頼性を客観的に確認dけいるようにランク分け(例えば第1種〜第3種)し、それぞれ登録要件の内容に幅を持たせる
第一種:公益法人でかつ権利者から権利を信託されている場合(例:JASRAC(ジャスラック))
第二種:公益法人以外で、権利者から権利を信託されている場合
第三種:権利者から権利を信託されておらず、代理、仲介、海外楽曲のみを扱う場合

3) 管理事業者の情報提供(管理楽曲等)の義務化
見直し案3-(3)−に対する意見
<現状の問題点>
管理事業者が利用者に包括契約を要求しても、管理している楽曲の題号などを公表しないことが許されているが、これでは利用者として契約できず、現実的ではない。
<解決方法及び提言>
現在努力目標となっている、管理事業者の取り扱う著作物の題号等の情報提供を義務化する。

4) 海外楽曲を扱う管理事業者の課題
見直し案3−(3)−に対する意見
<現状の問題点>
上記3)管理事業者の登録要件等の強化と適格性の確保の項でも提言した通り、外国曲の権利について、その管理事業者が正当な権利者であるかどうか、利用者は容易に確認できず、利用者が外国曲利用後に真の著作権者と称する者が現れての無用な紛争に巻き込まれる等恐れがあり、常に契約時に大きな不安とリスクが発生する。
<解決方法及び提言>
イ) 外国曲を扱う場合、事業者が許諾できることを担保し、賠償責任を負うことを法律上明文化する。
ロ) 権利者が分散している場合、管理事業者の内最も大きい比率で権利を有する管理事業者に使用料を支払うことで利用者は免責される制度(例:保証金制度)を新たに設ける。
(次頁に続く)

5) 包括契約における管理事業者間での分配調整
見直し案3-(3)−、に対する意見
<現状の問題点>
法律の施行前、唯一の管理団体であったJASRAC(ジャスラック)と一定の使用料を支払うことで包括的な許諾を得る契約(包括契約)を既に結んでいた利用者が、法律施行後、新規に参入した管理事業者からJASRAC(ジャスラック)との包括契約と競合する許諾条件を求められた場合、その調整は新規管理事業者と利用者間のみで行わざるを得ず、合理性に欠け解決が困難である。(例:通信カラオケ、インタラクティブ配信におけるストリーミングの使用料など)
<解決方法及び提言>
このような場合、JASRAC(ジャスラック)と新規事業者間での分配調整を行うことを規則化し、またその際JASRAC(ジャスラック)が主導して調整しても独禁法に抵触しないような措置を講じる。このようなJASRAC(ジャスラック)主導の調整が不可であるなら、「複数の管理事業者への音楽利用料支払い按分管理の為の第三者機関を設置し利用者の企業秘密保持と公平な按分する」等の措置を講ずる。

6) 利用者と管理事業者間での調整機関の必要性
見直し案3-(4)−、に対する意見
<現状の問題点>
利用者代表が特定できない新しい著作物の利用分野において、使用料規程等の協議を進めることができないため、円滑な著作物の利用が妨げられている。
<解決方法及び提言>
使用料規程等について、利用者と管理事業者間の合意が見られないときは、文化庁長官による裁定制度の他に、より迅速な解決を図るため、みなし使用料等の決定が可能な第三者機関を創設する。

7) 情報管理と守秘義務の強化
見直し案3-(3)−に対する意見
<現状の問題点>
管理事業者に提出される実績報告には利用者の企業秘密が含まれており、管理事業者による流用、漏洩は利用者に多大な不利益、損害をもたらす。
<解決方法及び提言>
著作権等管理事業を行う上で知り得た情報の利用制限(目的外使用の禁止)、守秘義務等の規定を罰則規定と共に法律に盛り込む。また、損害賠償に応じられるように管理事業者に供託金を義務づける。また、上記5)包括契約における管理事業者間での分配調整の項で提言した通り、複数の管理事業者への音楽利用料支払い按分管理の為の第三者機関を設置し利用者の企業秘密保持と公平な按分する」等の措置を講ずる。

8) 一任管理事業と非一任管理事業の分離
見直し案3-(1)−に対する意見
<現状の問題点>
管理事業者が使用料を決定できる作品と、そうでない作品が並行して扱われると、一つの管理事業者の中で作品ごとに使用料が異なるケースが発生し、利用者側に不信感が生じやすい。
<解決方法及び提言>
法律上の管理委託契約(一任型)を権利者と結ぶ事業者は、非一任型の契約を結んではならないように法律を改正するか、規則化する。
補足:意見を広く募集するためにはホームページに告知するだけではなく、前回提出者への案内mail発信やページのブログ化が望ましい。
 以上
17 著作権等管理事業法の見直しに対する意見(1)
1. 項目
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
4管理している著作物等に関する情報提供について
2. 意見
本報告書案において、現状では直ちに制度改正すべき状況ではない旨結論づけているところ、(略)制度改正すべき状況にあるから、結論において妥当でなく、仮に、判断するにおいて時期尚早であるとするならば、再度時限を区切って状況を観察し、見直しを検討する機会を設けることを本報告書案において明治すべきである。
(略)以上。
著作権等管理事業法の見直しに対する意見(2)
1. 項目
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
5管理権限の開示義務について
2. 意見
本報告書案において、情報提供の義務化の場合と同様、事業者間の競争関係を通じ、利用者側からの信頼を得られない管理事業者は整理されていくと考えられるので、直ちに制度改正すべき状況ではない旨結論づけられているところ、(略)制度改正すべき状況にあるから、結論において妥当でなく、仮に、判断するにおいて時期尚早であるとするならば、再度時限を区切って状況を観察し、見直しを検討する機会を設けることを本報告書案において明示すべきである。(略)
以上。
著作権等管理事業法の見直しに対する意見(3)
1. 項目
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(4) 使用料規程、協議・制定制度
1使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について
2. 意見
本報告書案において、管理事業法では、管理事業者の使用料規程は届出制とし、基本的には、事業者間の競争を通じ市場原理により適切な額に収斂するという考え方を採用しているところから、管理事業者に過度な義務を課すことは、この基本原則の大幅な変更にもなりかねず、適当でないことを理由として、使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化を否定している。しかしながら、次に示すとおりに結論において妥当ではない。
管理事業法は、指定著作権等管理事業者以外の管理事業者については、その使用料規程の策定にあたっては、利用者又はその団体からあらかじめ意見を聴取するように努めなければならない旨規定しているのみで(同法第13条2項)、それ以外に何ら規制を課していない。このような規定も努力義務にとどまるため、利用者団体の意見が使用料規程に反映される保障はなく、実際にハ使用料規程は管理事業者が一方的に定めることも可能となっている。また、管理事業者は、使用料規程を届け出たときは、当該届出に係る使用料規程を実施しなければならないとされている。(管理事業法第14条1項及び2項)。これらの規定はこのような届出なされたことが少なくとも利用者団体などに周知されなければ実効性をもたないものであるところ、管理事業法は管理事業者に届出に係る使用料規程の公表を義務付けているに過ぎず(同法第13条3項)、また、公表の方法は特段定められていないため、利用者団体は容易にこれを知ることはできず、これらの規定は画餅に帰してしまっているのが実情である。(次頁に続く)
また、著作物は個性を有するものであって代替性がないことを特徴とするため、市場の原理が働くということは考えられず、使用料規程の策定については原則として管理事業者の幅広い裁量に委ねられているとすると使用料は高くなりがちであるということが本報告書案では失念されている。即ち、代替性がない故に需要が大きい楽曲を有する管理事業者は利用者のない著作物の使用料を定める使用料規程については、このような特殊性に鑑み管理事業者登録時においてその合理性について文化庁において厳密に検討しなければ著作物の円滑な利用を害する結果となる。

(略)管理事業者の使用料規程が届出制となっており、利用者団体等の意見が適切に反映されることが何ら保障されていないこと、それに代わる文化庁の一定の指導・関与も実務上困難であることから、管理事業法の使用料規程に関する規制は利用者の視点を欠き不適切であると言わざるを得ない。

(略)使用料規程への文化庁の監督権限を強化しない限りは(略)極めて不当な請求も容認される可能性があり、一刻も早い制度改正ないしは運用改善が求められるところである。
 以上

著作権等管理事業法の見直しに対する意見(4)
1. 項目
2. 著作権等管理事業の現状について
(3)著作権等管理事業者への指導・監督の状況
2. 意見
本報告書案において、著作権等管理事業者への指導・監督の状況の報告がなされているが、その報告内容が不十分である。即ち、1立入検査の検査項目、2立入検査の検査手続の詳細、並びに3実施された各管理事業者の立入検査結果の詳細について報告すべきである。
特に、本報告書案でも問題点として掲げられているとおり、管理事業法においては、管理事業者には管理著作物等に関する管理権限の開示義務が課されておらず、且つ、利用者の管理事業者に対する管理著作物等の管理権限に関する情報提供を求める手段がないことから、文化庁が立入検査において、管理事業者が使用料を徴収している管理著作物の管理権限の有無に関して調査を行い、その結果を具に報告して公示すべきである。即ち、著作物利用者としては、著作権の信託譲渡を受けておらず権限を有していない管理事業者に対し使用料を支払ったとしても免責せれず、後に正当な権限を有する著作権者あるいは管理事業者から当該著作権の使用料を請求された場合にはこれに応じなければならず、二重払いを余儀なくされることになる。その恐れを可及的に払拭するためには、文化庁は検査結果を公にするべきである。
 以上
18 「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」に対する意見
【意見】
「3.(3)4管理している.著作物等に関する情報提供について」(10頁)
趣旨:
管理事業法第17条の努力義務規定を義務規定とするよう、法改正が必要である。
理由:
そもそも特許等の産業財産権制度においては、権利者や権利内容に対するアクセスが法定され、かつ、こうしたアクセスは国及び権利者の負担において維持更新される。他方、無方式主義を原則とする著作権制度は、任意の登録制度と著作権管理事業法第17条によるほかなく、結果として、権利者や権利内容に対するアクセスは未整備である。権利情報へのアクセスは、正規の権利利用許諾の窓口となるものである。とりわけ管理事業者は権利利用許諾の窓口業務をビジネスとして行っている者であり、いわば自らが取り扱う商品のカタログ情報を自らの負担において整備するのは当然である。
検討の結果には「…現状では、直ちに制度すべき状況ではない…」とあるが、疑問を抱かずにはいられない記述である。
 以上
19 「著作権等管理事業法の見直しに対する意見」
 弊協会は2004年9月に「著作権等管理事業法」施行3年に伴う問題点の抽出と同法の見直し意見を提出いたしました。しかしながら2005年9月8日付けの「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」では制度論に終始し同法見直しに消極的と思われ、既に弊協会会員企業の一部が管理事業法に起因して訴訟を受けているような激烈なビジネスの現場実感とは大きな乖離を感じております。新しい法律のもとで複数の管理事業者が業務を開始したことにより、著作物の利用者である当協議会会員各社には旧来の仲介団体との間では問題とならなかった新たな問題やリスクが生じており、現状では本来法律が期待している趣旨からは程遠い状況がいくつか生じていることから、このような状況を改善するために、以下の諸課題についてより深く検討すべきと考えます。
(以下、著作権等管理事業法を法律、著作権等管理事業者を管理事業者、2005年9月8日付けの「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」を見直し案、と省略します。)

1) 包括利用許諾契約に関する過去の経緯
見直し案3-(5)に対する補足説明
見直し案における「ウ.検討結果」に記載された内容は実体と異なっている。
旧仲介業務法の時代であっても、社団法人日本音楽著作権協会が包括許諾を与えられているのは同協会が管理している作品だけであり、同協会の管理作品以外の作品を利用する場合には別途著作権者から許諾を得る必要があるという点では、現在と変わりはない。
利用者は、特定の個別管理楽曲(レコード会社専属管理楽曲など)以外はJASRAC(ジャスラック)に使用料を支払うことで適法に利用できるということを前提に包括契約を取り交わし、JASRAC(ジャスラック)は使用料を受け取った。(次頁に続く)

2) 管理事業者の登録要件等の強化と適格性の確保
見直し案3-(2)-1に対する意見
<現状の問題点>
(略)利用者から見てその管理事業者としての適格性に著しい問題があると思われる者であっても、その登録がなされており、利用者に混乱を引き起こしている。また、将来的にも同様の不安要因が残る。
<解決方法及び提言>
イ) 登録のための要件に例えば次のような項目を追加、強化する
登録申請時に管理できる著作物の権利を有していること
もしくは、過去に権利管理を第三者に委託した経験のある者の推薦があること
一定の実務経験や資格を有する者が登録時に在席すること
ロ) 上記の要件を満たすまでは仮登録機関とし、業務を開始できないようにする。
ハ) 事業者の信頼性を客観的に確認dけいるようにランク分け(例えば第1種〜第3種)し、それぞれ登録要件の内容に幅を持たせる
第一種:公益法人でかつ権利者から権利を信託されている場合(例:JASRAC(ジャスラック))
第二種:公益法人以外で、権利者から権利を信託されている場合
第三種:権利者から権利を信託されておらず、代理、仲介、海外楽曲のみを扱う場合

3) 管理事業者の情報提供(管理楽曲等)の義務化
見直し案3-(3)−8に対する意見
<現状の問題点>
管理事業者が利用者に包括契約を要求しても、管理している楽曲の題号などを公表しないことが許されているが、これでは利用者として契約できず、現実的ではない。
<解決方法及び提言>
現在努力目標となっている、管理事業者の取り扱う著作物の題号等の情報提供を義務化する。

4) 海外楽曲を扱う管理事業者の課題
見直し案3−(3)−6に対する意見
<現状の問題点>
外国曲の権利について、その管理事業者が正当な権利者であるかどうか、利用者は容易に確認できず、契約時に大きな不安とリスクが発生する。
<解決方法及び提言>
イ) 外国曲を扱う場合、事業者が許諾できることを担保し、賠償責任を負うことを法律上明文化する。
ロ) 権利者が分散している場合、管理事業者の内最も大きい比率で権利を有する管理事業者に使用料を支払うことで利用者は免責される制度(例:保証金制度)を新たに設ける。

5) 包括契約における管理事業者間での分配調整
見直し案3-(3)−45に対する意見
<現状の問題点>
法律の施行前、唯一の管理団体であったJASRAC(ジャスラック)と一定の使用料を支払うことで包括的な許諾を得る契約(包括契約)を既に結んでいた利用者が、法律施行後、新規に参入した管理事業者からJASRAC(ジャスラック)との包括契約と競合する許諾条件を求められた場合、その調整は新規管理事業者と利用者間のみで行わざるを得ず、合理性に欠け解決が困難である。(例:通信カラオケ、インタラクティブ配信におけるストリーミングの使用料など)
<解決方法及び提言>
このような場合、JASRAC(ジャスラック)と新規事業者間での分配調整を行うことを規則化し、またその際JASRAC(ジャスラック)が主導して調整しても独禁法に抵触しないような措置を講じる。

6) 利用者と管理事業者間での調整機関の必要性
見直し案3-(4)−12に対する意見
<現状の問題点>
 利用者代表が特定できない新しい著作物の利用分野において、使用料規程等の協議を進めることができないため、円滑な著作物の利用が妨げられている。
<解決方法及び提言>
使用料規程等について、利用者と管理事業者間の合意が見られないときは、文化庁長官による裁定制度の他に、より迅速な解決を図るため、みなし使用料等の決定が可能な第三者機関を創設する。

7) 情報管理と守秘義務の強化
見直し案3-(3)−3に対する意見
<現状の問題点>
管理事業者に提出される実績報告には利用者の企業秘密が含まれており、管理事業者による流用、漏洩は利用者に多大な不利益、損害をもたらす。
<解決方法及び提言>
著作権等管理事業を行う上で知り得た情報の利用制限(目的外使用の禁止)、守秘義務等の規定を罰則規定と共に法律に盛り込む。また、損害賠償に応じられるように管理事業者に供託金を義務づける。

8) 一任管理事業と非一任管理事業の分離
見直し案3-(1)−1に対する意見
<現状の問題点>
管理事業者が使用料を決定できる作品と、そうでない作品が並行して扱われると、一つの管理事業者の中で作品ごとに使用料が異なるケースが発生し、利用者側に不信感が生じやすい。
<解決方法及び提言>
法律上の管理委託契約(一任型)を権利者と結ぶ事業者は、非一任型の契約を結んではならないように法律を改正するか、規則化する。
●見直し案に該当する項目ではないが、非常に重要な問題と認識しているので追記する。

9) 事業者間権利移転の際の使用許諾条件の保持(見直し案に該当する項目無し)
<現状の問題点>
JASRAC(ジャスラック)信託曲を非一任型の事業者や個人に移管する際に、JASRAC(ジャスラック)での許諾条件(包括契約等)も移転先の事業者に引き継がなければ、契約主体者双方の利益が無視されて市場が大混乱を来す。
<解決方法及び提言>
作品Aが事業者XからYに移管された際、Xにおける使用許諾条件は自動的にYにも引き継がれなければならないことを規程化する。
(ライセンサー移転の際の利用許諾条件の効力持続)。
海外の権利保有者の著作物利用許諾契約においては、権利保有者が移動した際には許諾条件の保持継続は当然のことであり、条件の継続が担保されなければ、前権利者、移転先権利者、利用者の三方全者にとって不利益が生じる。
事業者は仲介業務法時代のJASRAC(ジャスラック)との包括契約において、超長期の許諾期間を前提に事業を企画構築・投資している。当該契約を元に管理事業法との整合性を取るべきと考える。
補足:意見を広く募集するためにはホームページに告知するだけではなく、前回提出者への案内mail発信やページのブログ化が望ましい。
 以上
20
 原文で使用されている丸付き数字は機種依存文字であるため、角括弧付き数字に改めました。
 要領に該当ページを記載する指示がありますが、原文にページ表示がないため、記載していません。
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
〔1〕 非一任型の管理事業に対する規制について
非一任型の管理事業者を必ずしも否定しませんが、非一任型の管理事業者も含めて登録制にするべきと考えます。
非一任型の管理事業者を登録制としないことにより、全体として、どれだけの管理事業者が存在するのか把握できず、管理事業法の目的の1つである『著作物、実演、レコード、放送及び有線放送の利用を円滑にし、もって文化の発展に寄与すること(1条)』を阻害していると考えます。
 非一任型の管理事業者の存在が把握しがたいことにより、著作物を利用しようとする者は、最初に、著作権者に連絡をとらなければならない比率が高くなることが予想でき、管理事業者の存在意義が半減すると考えます。したがって、「報告書(案)にある『著作権者等による自己管理と同視し得る』という指摘は不適切と考えます。
 原文で使用されている丸付き数字は機種依存文字であるため、角括弧付き数字に改めました。
 要領に該当ページを記載する指示がありますが、原文にページ表示がないため、記載していません。(次頁に続く)

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
〔4〕 管理している著作物に関する情報提供について
管理している著作物等に関する情報提供については、原則義務化すべきと考えます。
「報告(案)」に『特に新規事業者のような人的・物的資源に欠ける事業者に提供義務を課すのは負担が大きい』とありますが、現状のように努力義務にとどめておくことは、既に人的・物的資源を有する事業者が情報提供を怠るという状態を招きかねません。
情報提供が事業者にとって負担であるとしても、管理している著作物等に関する情報提供を適切に行い、利用の便を図ることは、管理著作物の利用を促進するであろうことから、権利者や管理事業者の利益にもつながるものと考えます。
これらのことから、例えば、「事業者の設立から1年以内、また、著作物の委託を受けてから30日以内に管理する著作物の情報を提供するもおんとする。」などといった規定を設けるべきと考えます。

 原文で使用されている丸付き数字は機種依存文字であるため、角括弧付き数字に改めました。
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3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
〔5〕 管理権限の開示義務について
管理権限の開示については、原則義務化すべきと考えます。
著作権限の各種支分権の集合であり、理論的には、支分権ごとに別々の事業者に委託ということも考えられるので、〔4〕の「管理している著作物等に関する情報提供」とあわせて、是非とも必要と考えます。
情報提供が事業者にとって負担であるとしても、管理している著作物等に関する情報提供を適切に行い、利用の便を図ることは、管理著作物の利用を促進するであろうことから、権利者や管理事業者の利益にもつながるものと考えます。(次頁は続く)

 原文で使用されている丸付き数字は機種依存文字であるため、角括弧付き数字に改めました。
 要領に該当ページを記載する指示がありますが、原文にページ表示がないため、記載していません。

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
〔6〕 管理委託契約約款・使用料規程のインターネット公示について
管理委託契約約款・使用料規程のインターネット公示については、原則義務化すべきと考えます。
「報告(案)」に『公示の方法を特定の手段に限定するような、制度改正は必要ない』とありますが、特定の方法を義務化することと、限定することは同義ではなく、特定の方法を義務化したとしても、その方法に限定することにはつながらないと考えます。
また、『インターネットによる公示が行うことができない管理事業者も存在すると考えられる』とありますが、インターネットによる管理委託契約約款・使用料規程の公示すらできないような事業者であれば、そもそも管理事業を行うのに不適切な事業者であると考えます。
21 3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
3) 管理事業者に対する規制の部分について
音楽著作権をJASRAC(ジャスラック)等に譲らないといけない信託契約や独占的な委任契約は、著作者が任意の著作権等管理事業者を利用したり、一部の権利を行使しないことを妨げるので、法で禁止すべし。
現実に、音楽著作権者からは、自身の作品について、JASRAC(ジャスラック)に料金を支払わず扱うことが出来ず、著作権法本来の主旨より逸脱している。
音楽著作権者が自作の詩をホームページに掲載するのにも、料金が発生するなど、常識では理解できないことが起きている。

著作権等管理事業者間の公正な競争のため、著作権等管理事業者に委託された著作権等の行使には独禁法を適用すべし。

著作権等管理事業法は、2001年10月の改正でJASRAC(ジャスラック)以外の業者も参入できるようになったが、この改正に合わせてJASRAC(ジャスラック)は著作権信託契約約款を変更し、著作権者がJASRAC(ジャスラック)以外の管理団体に乗り換えるのを阻止しようとしているのは、事実上他の著作権管理業者への移行を妨害しており、独禁法に抵触するものである。

独占的著作権管理業者であるJASRAC(ジャスラック)を解体、あるいは管理できる範囲を一部に制限すべし。
音楽配信等の販売方法では、実際の販売額に応じた課金が可能となり、権利者への配分が可能となる。
ここにJASRAC(ジャスラック)などの管理団体が関与する余地はないはず。
音楽配信に限っては、著作権管理団体を経由せず、著作権使用料の支払いを可能とすべし。

TV局の私用する楽曲についても、きちんとした調査を行えば、まっとうな配分が出切るにもかかわらず、それをしていないのは、JASRAC(ジャスラック)にその能力がないことを示している。
管理能力がないのに、管理をするのは間違っている。ただ単に努力を怠っているというのなら、著作権保有者、そして一般の消費者から不満の声が上がっているのが、まさにこの点、巨額の著作権使用料の流れの不透明さに他ならない。

資料3 文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会委員名簿の部分について

業界と営利関係のない第三者、任意に選んだ音楽著作権者など広く人選をして公正な議論をして欲しい。一方で、デジタル機器に関する基礎知識すらないものが私的録音補償金制度の審議に加わるのは異常。
iPodにコピーできなくすれば問題は解決する」などの稚拙な発言をするような委員を排除すべし。
22 意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
1 非一任型の管理事業に対する規制について
「非一任型」は権利者の意向に基づいて管理業務が行なわれるものであり、これを規制することは権利者の自由な活動と裁量権を奪うことにもなりかねない。規制緩和政策の観点からも「非一任型」管理事業を規制する必要性はなく、見直しは不要である。非一任型の管理事業者における使用料が明確でなく利用者が不便を被っているという状況があるとするならば、それは民間事業者の自由な活動による競争を奨励し、使用料が明確であり、利用者により良いサービスを提供する管理事業者の出現に期待すべきである。政府もそのような管理事業者を育成することが必要であり、規制を強化することによって強制的に事業を拘束することは適切であるとは言えない。
また、同一管理事業者による一任型管理業務と非一任型管理業務の兼業については、利用者の利便性を考慮すると当然起こり得ることであり、やむを得ないことであると考える。権利者の意向を尊重しつつ、利用者の利便性を高めるためには様々な利用形態における実態に即した使用料体系、つまりある部分については「一任型」、またある部分においては「非一任型」を導入しなければ対応できない。その場合、兼業を認めないと一事業者内において「一任型」の管理事業者と「非一任型」の管理事業者と別々に契約しなければならなくなり、利用者にはかえって不便をかけることになる。従って、「一任型」と「非一任型」の混在は認めるべきである。(次頁に続く)

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(1) 規制の対象となる事業の範囲
2 特定分野における管理事業者の一元化について
分権複写の分やにおいては現在複数の管理事業者が存在するが、管理対象となる出版物の種類が異なっているのでそれ程障害があると思えない。しかし利用者の利便性を考慮すると、近い将来複数の管理団体を統合することは必要であると考える。
但し、そのことによって管理事業法で一元化を規制すると、将来全ての分権複写に対応し、既存の団体よりも利便性が高く、より良いサービスを提供する管理事業者の出現も否定されてしまうので、自由な競争が阻害されてしまう結果を招くことになる。
従って、特定分野における管理事業者の一元化は法によって規制すべき問題ではない。
 以上

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
1 管理事業者の役員の兼職について

管理事業者の役員の兼職は、一管理事業者の管理著作物が他の管理事業者に再委託されていることによって起きているものである。本来は競合する管理事業間においては役員の兼職はない方が良いと思われるが、商法においても取締役の兼職は基本的に禁止されておらず、競合する場合においても取締役会の決議があれば役員の兼職は可能であることから、一概に兼職を禁止することはスムーズな管理事業の推進の上でかえって障害となることもある。従って、役員の兼職によって具体的な障害が生じない限り兼職を規制すべきではないと考える。
 以上

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
2 届出事項の変更届出期間の緩和について

届出事項の変更について2週間以内に変更登記し、登記事項証明書を文化庁に提出するのは事実上不可能であると思われる。理事会あるいは総会の議事録をもって登記事項証明書に代替させるべきである。
 以上(次頁に続く)

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
3 管理事業者の守秘義務について

管理事業者が利用者から得た情報について、事業の遂行上公表する必要のある情報を除き、守秘義務が課せられることは事業者として当然のことであり、管理事業法で規制することまでの必要性は見出せない。それでも利用者に不安があるならば管理事業者との利用契約の中で契約事項として確認すれば済むことであり、そもそも守秘義務の保てないの管理事業者はより良いサービスを提供する管理事業者との競合で淘汰されるであろう。
 以上

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
4 管理している著作物等に関する情報提供について

管理事業者が管理している著作物等の情報を公開し、利用者に開示することは事業者として当然のことであり、管理事業法で規制することまでの必要性は見出せない。利用者の利便性を考慮しない管理事業者はより良いサービスを提供する管理事業者との競合で淘汰されるであろう。
 以上

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
5 管理権限の開示義務について

管理事業者が保有する管理権限を必要に応じて利用者に開示することは事業者として当然のことであり、管理事業法で規制することまでの必要性は見出せない。利用者の要望を考慮しない管理事業者はより良いサービスを提供する管理事業者との競合で淘汰されるであろう。
 以上

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
6 管理委託契約約款・使用料規程のインターネット公示について

管理事業者が制定する管理委託契約約款・使用料規程等の文書をインターネットで公開するのは一般化しており、事業者として当然のことであり、管理事業法で規制することまでの必要性は見出せない。利用者の要望、利便性を考慮しない管理事業者はより良いサービスを提供する管理事業者との競合で淘汰されるであろう。
 以上

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(4) 使用料規程、協議・裁定制度
1 使用料規程の制定・変更時の意見聴取の義務化について

管理事業者が利用者団体から使用料規程について意見を聴取する場合、それが意見聴取に止まらず協議となることも実際問題としては有り得る。それは止むを得ないとしても、協議は実際には使用料の額の交渉であり、最終的に金額を双方合意の基に定めるという結果となる。しかしそれは独占禁止法上問となり得る行為であり、更にそれが利用者団体の構成員を拘束することとなると更に問題は大きくなる。協議が使用料規程の額を定めるにあたっての必須条件ではないということを管理事業法に明確にすることが必要と考える。
 以上

意見:以下の通り

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(4) 使用料規程、協議・裁定制度
2 指定管理事業者の使用料規程に関する協議・裁定制度について

利用者団体が指定管理業者に使用料規程に関して協議を申し込んできた場合、指定管理事業者は拒否できないが、協議は実際には使用料の額の交渉であり、最終的に金額を双方合意の基に定めるという結果となる。しかしそれは独占禁止法上問となり得る行為であり、更にそれが利用者団体の構成員を拘束することとなると更に問題は大きくなる。協議が使用料規程の額を定めるにあたっての必須条件ではないということを管理事業法に明確にすることが必要と考える。
 以上
23 3.著作権等管理事業法見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
(1) 管理事業者の役員の兼職について

【意見の概要】
「管理事業者間の役員の兼職」の問題でななく、「管理事業者の役員と隣接著作権事業者の役員との兼務」の問題であるので、手訂正を希望する。

【意見】
「イ.意見募集の内容」で「ある管理事業者の役員が他の管理事業者の役員を兼務している例が見られ」は誤りであるので訂正を希望する。「ある管理事業者の役員が、当該著作隣接権を管理する事業者の役員を兼務している例」の誤りである。したがって、「ウ、検討の結果」も検討を誤っている。問題は、「著作隣接権」を管理する事業者の役員が、「管理事業者」の役員を兼務することによって、原著作権者の利益を害するおそれがあるという問題である。

【意見】
「4.まとめ」において「特に利用者側からは規制の強化を求める意見が多く見られた」とあるが、「管理事業者間の公正な競争が行える環境の整備」が必要であり、「既存の指定事業者」と「新規参入行う指定事業者」が「公正な競争」を行える環境を整備することが求められているとすべきである。規制を強化すべきとする意見が多いとするのは、誤りであるので訂正を希望する。

(5) その他
(1) 包括利用許諾に係る使用料のあり方について
【意見の概要】
1. 現状として「管理事業者が使用料徴収を強化した結果、過去の公正な慣習に基づいて利用していた事業者が過去に遡って包括契約を迫られているという状況がある」という趣旨の文章を追加を求める。
2. 「イ.意見募集の内容」の冒頭「新規参入の管理事業者から利用許諾契約の締結を求められる結果」は適切でないので「管理事業者の新規参入により管理事業者が利用許諾契約の締結を強化した結果」に修正することを求める。
3. 「ウ.検討の結果」に「管理事業法で特別の規定を置いていない包括許諾契約のあり方について、関係団体の意見により検討を深めることが必要である」という趣旨の文章の追加を求める。
【意見】
「ア.現状」において、「管理事業者が管理している全部の著作物の利用を認める包括許諾契約が一般的である。」だけでは現状を表すのに不十分である。特に多数の著作物を有する指定管理業者において、利用実態の把握が十分ではなく、包括契約に基づく権利者に対する分配の根拠も明確でないという批判がある。包括許諾契約における算定方法の現状を明記すべきである。
 さらにこの点が問題になった背景には、「新規参入管理事業者」だけではなく、「従来の公正な慣習に基づいて利用していた利用者」に対して徴収を強化し、過去に遡って請求を行う指定管理事業者がいるという点である。これは、他の新規管理事業者の参入を受けて、使用料額の低下を迫られる現状として明記すべきである。この点が意見募集における問題の指摘につながっていると考える。したがって、現状として「管理事業者が使用料徴収を強化した結果、過去の公正な慣習に基づいて利用していた事業者が過去に遡って包括契約を迫られているという状況がある」という趣旨の文章を追加を尾泊める。

「イ.意見募集の内容」の冒頭「新規参入の管理事業者から利用許諾契約の締結を求められる結果」は、一部の状況のみ取り出したものであり適切ではない。先に述べたように「管理事業者の新規参入により管理事業者が利用許諾契約の締結を強化した結果」であるので、そのように修正することを求める。
また、「イ.意見募集の内容」においても、「新規参入の困難性」の意見のみ取り上げているが、指定管理事業者である「日本音楽著作権協会」の規定している「使用料規程」による算定及び徴収方法での「包括許諾契約」自体の決定過程に問題があったとする意見があったにも関わらず、検討の結果として「法制度の問題ではない」とすることは、報告書として適切でない。
「包括許諾契約のあり方について今後の検討を深めることが必要である。」とすべきである。
24 意見:
2.著作権等管理事業の現状について(2)事業の実施状況
この項目には、
   音楽の内訳:社団法人日本音楽著作権協会110,870百万円(99.3パーセント)、その他820百万円(0.7パーセント)
とあり、日本音楽著作権協会は完全な独占的状態(独占禁止法にいう「独占的状態」の条件を優に満たす)にある。
 この状態が知的財産基本法第十条
   知的財産の保護及び活用に関する施策を推進するに当たっては、その公正な利用及び公共の利益の確保に留意するとともに、公正かつ自由な競争の促進が図られるよう配慮するものである。
に言う「自由な競争の促進」が必要な状況であることは、独占禁止法の目的が同法第1条のとおり「公正且つ自由な競争を促進」することであり、そのために「事業支配力の過度の集中を防止」していることからも、明らかである。
 これについて、契約・流通小委員会はどう考えるのか?
 また、「自由な競争の促進」を図るための具体的な対処をどのようにするつもりなのか?
 例えば、文化庁より日本音楽著作権協会に、民法67条2項に基づき分割を命じるべきではないか?
 あるいは、知的財産基本法の規程に沿った立法措置として、著作権等管理事業法を改正し、日本音楽著作権協会のような著作権等管理事業者は独占禁止法21条の適用除外の例外とすべきではないか?以上
25 過日、公表された文化審議会著作権分科会・契約・流通小委員会による「著作権等管理事業法の見直しに関する報告書(案)」は直ちには著作権等管理事業法の改正や特段の対応をすべき事項はないとしているが、見直しが不十分なものに止まっており、再度、管理事業の現状・実態についての一層の調査を行い、下記の観点より具体的な対応が取られるべきであると考える。

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(2) 適格性を欠くと思われる管理事業者への対応
1 登録要件の強化等について
〔意見〕
1. 管理対象として演奏権を掲げている管理事業者が社団法人音楽著作毛kン協会(以下「JASRAC(ジャスラック)」という)のほかにも存在するが、実際には、それら新規参入の管理事業者は、演奏権の管理業務は行っていないと思われる。
管理事業者の登録する際に管理対象として掲げる支分権については、実際に行っているもののみを登録すべきであり、事業を開始していない場合及び事業を行っていない場合は、当該項目について登録取消が積極的に活用されるべきことはもちろんのこと、更には、利用者側からの登録取消請求の手続が設けられるべきである。
2. 今後は支文献や利用形態の区分によって窓口が分散する可能性もあり得る。利用者側としては、複数の管理事業者の許諾を得たり、さらには複数の管理事業者から利用許諾を求められることにより、これまでより使用料が高額になるといった事態もあり得る。そのような観点からも、不必要に実態の伴わない管理事業者の登録は認めるべきではなく、また、登録後は登録取消がなされるよう上記の登録取消が活用されるべき場を設けるべきである。(次頁に続く)

3.著作権管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(3) 管理事業者に対する規制
5 管理権限の開示義務について
〔意見〕
複数の管理事業者の登録が行われている状況の下、いずれの著作物についてどの支分権が、どの管理事業者によって管理されているのかがわかりにくく、これらの情報が利用者側にわかりやすい形で開示されていない。当該管理事業者が、本当に権利者から著作権の信託を受けているのかどうかを利用者(演奏権使用料を支払う飲食店等)から確認することができないとすると、ただ営利を目的としただけの「著作権等管理事業」と銘打った権利主張が横行することともなる。
 このように、管理事業者は、利用者からの求めに応じて著作物等に関する管理権限を明らかにする実際上の必要性は極めて高い。従って、管理事業者にこのような義務を課する方向で具体的な提言がなされるべきである。(次頁に続く)

3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(4) 使用料規程、協議・裁定制度
1 使用料規程の制定・変更時に意見聴取の義務化について
〔意見〕
1. いわゆる利用者代表以外の利用者の意見が反映されにくく、利用者代表が存在しない利用区分における意見聴取が困難である等、旧著作権仲介業法以来の問題点が解消されていない。また利用区分をどのように設定するか、その点に関する利用者等との協議の機会を手続上保障すべきとの点も改善が必要である。
 今回の報告書案においては、この点に関する具体的な対策が提言されるに至っていない。
2. 既に、登録を経た管理事業者についても、使用料規程の見直しが行われる機会を設けるべきである。管理対象として演奏権を掲げている管理事業者の使用料規程は、その制定に際して、利用者代表との協議もなされておらず(そもそも使用料規程を定めるには利用者代表との十分な協議が必要なはずである)JASRAC(ジャスラック)の規程を参考にする程度である。これがまかり通るならば、いったん登録さえすれば、一方的に使用料規程を定め、使用料を上乗せできることになる。
利用者(演奏権使用料を支払う飲食店等)は、全ての楽曲が包括的に使用できることを前提として現行のJASRAC(ジャスラック)使用料を支払っており、これら使用料だけでも高額な負担となっており、これ以上の負担は不可能えある。新たに使用料が上乗せされ、これ以上の負担が増えるならば、使用料の未払いが横行することになり、業界秩序が乱れることになる。
こうした危惧が現実にならないためにも、管理事業者の登録に際しての審査基準の見直しや監督基準の見直しだけでなく、現行制度中にも、使用料規程の見直しを行う具体的な制度(利用者側からの働き掛けによるもの)が設けられるべきである。
 以上
26 意見
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(5) その他
著作権管理団体のありようについて
 昨年の「輸入権」問題、今年の「私的録音補償金」問題によって、著作権管理団体に対する国民の不満が噴出することとなっている。
 著作権の保護と会員への分配が第一であることは理解できるが、その暴力団まがいの集金や不透明な分配、新たな産業参入への妨害といった「音楽文化の振興」とは逆の活動に対して管轄省庁が適切な指導を行わないでいることは、「癒着」「利権」といったさらなる国民の不信感を高める結果となっている。
 経済活動として見た場合も、それら団体は音楽文化の振興と普及を増大することこそが将来の収益増につながることをよく知るべきで、目先の収益のために音楽文化そのものを破棄するようなことがあってはならない。
 政府は解体やNPO法人化も視野に入れ、この問題を早急に解決するべきである。
著作権料の過剰な集金
「学校のホームページに校歌を掲載していたらJASRAC(ジャスラック)が来た」「経営する店舗で外国音楽の生演奏を行っていたら明細不明の高額な請求がJASRAC(ジャスラック)から来て住居を差し押さえられた」「ダンス教室にも明細不明の高額な請求が来て訴訟を起こされた」など、JASRAC(ジャスラック)の請求に関する不満は高まっている。
 音楽の利用については何らかの請求を発生させることは管理団体の仕事として当然とは思えるが、「音楽文化の振興」を妨げることのないように方法と請求対象を見直すべきである。
非営利の音楽利用からは集金しない。
教育からは集金しない。
一定規模以下のダンス教室や音楽教室からも集金しない。また集金する場合は料率を低く設定する。

街頭演奏の非職業音楽家などからも一定収入以下の場合は集金しない。
請求は遡らない。
1曲ごとの支払いがWebサイトなどから行えるようにする。
など、音楽の振興、すなわち将来的な権利者の収入増につながる活動に関しては集金を行うべきではない(次頁に続く)。
権利者への不透明な分配
 デジタル化により、利用者と権利者の距離が近くなり、例えば通信カラオケなど利用状態がはっきりわかり、また音楽配信においては利用サービスから直接利用料を権利者に支払うことができるようになっているが、JASRAC(ジャスラック)は通信カラオケ等の利用明細提示を拒否し、また、利用サービスから権利者へ直接支払われることも拒んでいる。
 これは権利所有者の権利の保護とは相反する事態であり、「権利の保護というよりはJASRAC(ジャスラック)の保護」などと言われても仕方のないありようとなっている。
 このような態度は早急にあらため、利用者と権利者の間にJASRAC(ジャスラック)などの団体が介入しなくても金銭のやりとりが行えるようにするべきである。
 また放送権や私的録音補償金などで得た収益の分配比率やその理由なども権利者に逐次公開できるようになっていなくてはならない。例えば販売実績は少ないがテレビ等放送でたびたび楽曲が利用される権利者に対して、放送ごとに申請させるような手段はこの時代の利便性に反する。いわゆる丼勘定であっては「権利の保護」とは言い難い。特定の権利者のみが潤っているように邪推されても反論はできない。
「利権団体」でよいのか
 多くの会員権利者を欺くような会計状態で、「天下り先の利権団体」のレッテルを貼られてしまっては今後の外資の参入、または音楽家(楽曲権利等を含む)の海外流出などが盛んになった場合、団体の経営が立ちゆかなく恐れがある。
 管理所団体は危機感を持って「囲い込み」ではなく時代に即した透明度が高くわかりやすいサービスを提供できるように今のうちに改革を行い、まず会員に対して誠意を見せ、さらに国民にも納得ができる団体へと生まれ変わらなければならない。
27 意見
管理事業法全般について(文献複写において)
新規事業者が参入し、複数の管理団体が存在することになり許可手続きの煩雑化、日本国としての諸外国との代表窓口が不明確になってしまったこと、管理事業者の管理体制の不備などを考えると早急に見直しを検討する必要があると思います。
28 上記のような個人を特定する情報をここに記す事により、個人情報漏洩の危険性及び、特定団体からの理不尽な報復等が考えられますので記入いたしません。
・意見
3.著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題と検討結果について
(5)その他 3-5ページ
JASRAC(ジャスラック)の存在意義が判らない
個人経営のJAZZ喫茶に対する不当請求としか思えない額面の算出方法を明示せよ。
何故、額面算出で数年前まで遡れるのか。
その算出元になるソースは?
天下り先となっているJASRAC(ジャスラック)こそ民営化すべき。
週刊ダイアモンドにおけるJASRAC(ジャスラック)の記事に対する正当性を提示せよ。
JASRAC(ジャスラック)常務理事の報酬額は3000万円近いとの話があるが、この金額の正当性を説明せよ。
最後に、
潰れろ、JASRAC(ジャスラック)。

文章中の(略)の箇所については、個人又は法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから公表しないこととした



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