本章では、前章で検討した取組課題別の利用イメージを実現していくために、公共図書館の地域公共ネットワークに求められる機能を抽出し、施策としてどのように推進していくべきなのか、検討する。
各利用イメージを実現していくためには、現状の公共図書館の機能やサービス内容を高度化・多様化する必要がある。具体的には、公共図書館が外部機関・外部施設との連携や公共図書館が保有する情報資源の収集・利活用に関する業務面での要件と、公共図書館が利用者に対して提供するサービス面での要件が想定される。その上で、これらの個別要件を組み合わせることによって、それぞれの公共図書館の実情に即した対応施策が策定される事が望まれる。
そこで、本研究会では、研究の目的である公共図書館をハブとしたネットワークの在り方の検討に照らし、より多くの公共図書館に必要と考えられる対応施策として、情報システム面からサポートする公共図書館情報ネットワークの機能を詳細に検討する。また、各利用イメージの実現の際、現在、公共図書館が実施・提供しているサービス内容が、性別・国籍等を問わないあらゆる利用者にとって利用できるように、ICTを活用した快適な利用環境や利用メニューを設けることが必要になる。
また、公共図書館の設置管理者の殆どは、地方公共団体である。従って、本報告書で提言する新しい公共図書館の在り方とそれをサポートする公共図書館情報ネットワーク機能が、全国で採用されるための要件と検証項目について言及する。
1. | 対応施策が具備すべき業務要件及びサービス要件
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-- 登録:平成21年以前 --