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小・中学校への就学について

義務教育諸学校における居所不明の児童生徒の把握等のための対応について(通知)(平成25年3月)

24初初企第68号
平成25年3月1日


各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国立大学法人の長             殿
義務教育諸学校を設置する学校設置会社を所轄する
構造改革特別区域法第12条第1項の
認定を受けた各地方公共団体の長

文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長
藤原章夫
(印影印刷)

義務教育諸学校における居所不明の児童生徒の把握等のための対応について(通知)

 文部科学省においては「居所不明の、児童生徒に関する教育委員会の対応等の実態調査(平成24年5月1日現在)」(以下「実態調査」という。)を実施し、このたびその調査結果(別紙1)がまとまりました。
 居所不明の児童生徒については、これまでも、「義務教育諸学校における居所不明の児童生徒への対応について」(平成23年4月14日付け23初初企第3号文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長通知)等を通じ、学校・教育委員会が民生委員や児童相談所と連携して情報共有すること等により、適切に対応するようお願いしているところです。
 全ての児童生徒に就学の機会を保障する観点から、学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)では、児童生徒が引き続き7日間出席せず、その他その出席状況が良好でない場合で、保護者が正当な事由なく児童生徒を出席させないときにおける校長から市(特別区を含む。以下同じ。)町村教育委員会への通知等の手続を規定しています。
 こうしたことをはじめ、関係者が居所不明の児童生徒の実態の把握等に努めることは重要であり、各市町村教育委員会及び各義務教育諸学校においては、今回の調査結果も踏まえつつ、必要な対応を進めていくことが求められます。ついては、居所不明の児童生徒の把握等の対応について、下記に御留意の上、より一層の取組を頂きますようお願いします。
 各都道府県・指定都市教育委員会教育長におかれては所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して、各都道府県知事及び構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては所轄の学校及び学校法人等に対して、各国立大学法人の長におかれては附属学校に対して、本通知の趣旨について御周知・御指導ください。
 なお、本通知は、総務省自治行政局、法務省入国管理局、厚生労働省雇用均等・児童家庭局及び警察庁生活安全局と協議済みであることを申し添えます。


1.住民票のない児童生徒を受け入れた場合の対応について
(1)前住所地の教育委員会への通知
 実態調査では、児童生徒が住民票を異動せずに市町村内へ転住してきた場合に、学齢簿を編製して就学を認めた例が6,924件あったが、そのうち1,200件では、その旨を前住所地の教育委員会に通知していなかった。
 全国の市町村教育委員会において学齢簿の適正な管理が保たれ、居所不明の児童生徒についても正確に把握できるようにするため、住民票のない児童生徒を受け入れた場合には、特に以下の点に留意しつつ、就学事務の処理に遺漏のないよう配意されたい。

○ 市町村の区域内に転住してきた児童生徒を学齢簿に記載したときは、当該教育委員会は、その旨を速やかに前住所地の教育委員会に通知する必要があること(「学齢簿および指導要録の取扱について」(昭和32年2月25日付け文初財第83号文部省初等中等教育局長通達))


(2)配偶者からの暴力の被害者の子ども等を受け入れた場合の配慮
 実態調査では、(1)のとおり、住民票のない児童生徒を受け入れたことについて前住所地の教育委員会へ通知していなかった例があったが、その中には、当該児童生徒が配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)の被害者の子どもであり、前住所地の教育委員会等を通じ加害者に情報が伝わる危険を考慮したとしているものも複数あった。
 もとより、配偶者からの暴力の被害者の子ども等の転学先や居住地等の情報に関しては、慎重な取扱いが必要であり、これらの児童生徒を受け入れた場合には、配偶者からの暴力の被害者の子ども等の就学であることを関係者間で共有するとともに、関連情報を知り得る者の範囲を必要最小限に制限するなどの配慮が求められる。
 一方、当該児童生徒の転学先での指導等を円滑に進めていくためには、転出元の学校における指導要録の写し等が確実に引き継がれる必要がある。また、居所不明となっている児童生徒のうち、他の市町村の域内に居住して就学の機会を得ている者があるのであれば、前住所地の教育委員会においてもこれを把握した上で、学齢簿からの消除等の必要な対応を取ることが求められる。
 これらを踏まえ、配偶者からの暴力の被害者の子ども等であって、住民票を異動せずに転住してきたものを受け入れた場合にあっては、以下により、関係市町村教育委員会相互の連携の下に、適切に対応されるよう配意されたい。

○ 市町村教育委員会は、配偶者からの暴力の被害者の子ども等の就学を住民票なしに受け入れ、学齢簿に記載したときは、前住所地の教育委員会に対し、学齢簿に記載した旨の通知を、被害者の意向等を踏まえつつ、可能な限り行うこと。通知に当たっては、転学先や居住地等の情報を知り得る者については必要最小限の範囲に制限するなど、情報の厳重な管理について特に配慮すること。

○ 当該児童生徒の情報については、前住所地の教育委員会等においても、特に厳重に管理するものとすること。転出元の学校から転学先の学校への指導要録の写し等の送付についても、厳重な情報管理の下で適切に行うこと。

○ その他、配偶者からの暴力の被害者の子どもの就学に関する取扱いについては、「配偶者からの暴力の被害者の子どもの就学について」(平成21年7月13日付け21生参学第7号文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長、初等中等教育局初等中等教育企画課長通知)によるものとすること。


2.児童生徒の海外転住の場合の対応について

 保護者の海外転勤など様々な理由により海外に転住した児童生徒のうち、市町村への転出手続が取られていない者については、学齢簿にその記載が残ることとなる。また、これらの者が当該市町村に戻らない場合の学齢簿上の取扱いについては、出国後1年までは欠席扱いとし、1年以上が経過した後には居所不明扱いとすることが通例となっている。実態調査においても、このような経緯により、居所不明扱いとなっていると見られる例が相当数あった。
 日本国籍を有する者の出帰国の記録については、行政機関から東京入国管理局に対し、所定の手続(別紙2)により照会を行うことが可能となっている。
 これらを踏まえ、児童生徒の海外転住の場合における学齢簿等の取扱いについては、以下により、適切に対応することとされたい。

○ 児童生徒が海外転住に伴って学校を退学する場合には、当該学校から市町村教育委員会にその旨を伝えること。海外在留期間が1年以上となる見込みの場合、市町村への転出届を行う必要があることについては、学校等からも保護者へ周知し、転出手続を促すことが望ましいこと。

○ 海外転住した児童生徒で居所不明扱いとなっているものについては、東京入国管理局への出帰国記録照会等の手段も積極的に活用するなどにより、現況の把握に努めること。

○ 海外へ転住し居所不明扱いとなっている児童生徒に関しては、住民基本台帳の記載が消除されるまでの間は、学齢簿の記載を残す必要があるが、市町村教育委員会においては、出帰国照会等により海外へ転出して1年以上が経過していることが確認された場合には、各事案の実情を踏まえつつ、学齢簿の記載の消除の必要性等について検討を行い、住民基本台帳担当との連携により、適切に対応するものとすること。


3.教育委員会相互の情報共有及び関係機関との連携について
(1)教育委員会相互の情報共有
 実態調査からは、1(1)のとおり、住民票のない児童生徒の就学を受け入れた市町村教育委員会が、その旨を前住所地の教育委員会に通知していない例も少なくないことが明らかになった。通知しなかった理由として、劇団公演等による一時的な滞在の間の就学であった例が報告されている。
 このような場合があることも踏まえ、学齢簿に記載した児童生徒が居所不明となっている教育委員会においては、児童生徒の転住先となった可能性がある市町村の教育委員会に対し照会を行うなど、教育委員会相互の情報共有に努められたい。


(2)市町村の住民基本台帳担当との連携
 実態調査では、関係機関との連携の取組として、住民基本台帳担当に居住実態の調査を依頼している例があった。
 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)においては、住民票の記載事項については、市町村長が定期的に調査するものとしており、加えて、市町村長は、必要があると認めるときは、いつでもこの調査をすることができることとしている(同法第34条。また、市町村の) 教育委員会は、例えば、児童生徒が住民基本台帳上の住所地に居住していないと思われるときなど、住民基本台帳・住民票に誤載・誤記があると認めるときは、遅滞なく、その旨を市町村長に通報しなければならないものとされている(同法第13条)。
 市町村教育委員会においては、これらを踏まえ、居所不明の児童生徒に関する情報の共有に遺漏のないようにするとともに、市町村長による調査等への協力を積極的に行うなど、住民基本台帳担当との連携の確保に努められたい。


(3)児童福祉関係機関等との連携
〔1〕 児童福祉関係機関との適切な情報共有等
 実態調査では、居所不明の児童生徒がいるにもかかわらず、日常的な連携体制がないために、市町村児童福祉主管部局、民生委員・児童委員や児童相談所等(以下「児童福祉関係機関」という。)への相談等ができていなかった例や、家庭訪問に出向いても居住の実態を確認しきれない等の状況のまま学校で抱え込み、児童福祉関係機関との情報共有を行わずにいた例が報告されている。
 児童生徒が居所不明となる場合には、児童福祉関係機関による要保護児童の保護(虐待のおそれのある子どもの安全確認など)等の対応が必要となる事案も想定され得ることから、学校・教育委員会においては、速やかに児童福祉関係機関との情報共有を図り、当該事案の実態に応じつつ、相互に連携して適切に対応されたい。


〔2〕 要保護児童対策地域協議会への参加等
 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第25条の2に規定される要保護児童対策地域協議会(以下「協議会」という。)に市町村教育委員会、学校等の関係者が参加し、幅広い関係機関による日常的な情報交換が行われるようにすることは、要保護児童の早期発見や適切な保護を図る上で重要である。また、当該協議会を通じて築かれる関係機関のネットワークは、居所不明の児童生徒の居住実態の確認等の際にも、有効に機能することとなることが期待できる。
 各市町村教育委員会等においては、このことを踏まえ、協議会への参加状況等、児童福祉関係機関等との連携体制の状況について改めて確認し、連携の強化を図ること。


(4)その他の関係機関との連携
 以上のほか、居所不明の児童生徒の居所の把握等を進める上では、個々の事案の特性に応じ、例えば、児童生徒が何らかの事件に巻き込まれたことが疑われる場合には警察に相談するなど、関係機関との連携に努めること。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

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(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成25年03月 --