コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

京西小学校・用賀小学校・用賀中学校 3校共通資料

1 「ようがの学び舎(仮称)」の誕生

 世田谷区では、国レベルの人事権移譲や学習指導要領の改訂などの動向を踏まえるとともに、世田谷区の保護者の学校教育への強い期待に応え、世田谷区の児童・生徒に適した質の高い、小・中9年間を見通した教育を実現するために、小中一貫教育を研究し、基本方針としてまとめることにした。
 平成19年4月、二つの小学校(京西小学校・用賀小学校)と一つの中学校(用賀中学校)は、世田谷区教育委員会から小中一貫教育研究校の指定を受け「信頼・誇り・責任」をキーワードに、「小中一環・協働の教育」の実践的な研究に取り組みはじめた。

小中一環・協働の教育を推進する”ようがの学び舎”(仮称) 

「ようがの学び舎(仮称)」の誕生

 4月1日の辞令では、3校の教員は三つの学校の兼務発令を受けた。4月4日には、用賀中学校において、第一回合同学校運営委員会・合同学校協議会を開催。それぞれの学校に配置された教員・学校協議会委員・学校運営委員・PTA関係者などが集い、個々の学校の特色を大切にしながらも、同じ地域の学校として、小中一環・協働の教育を推進する「ようがの学び舎(仮称)」が世田谷に誕生した。

2 「ようがの学び舎(仮称)」初年度の取り組み(例)

 教員は「授業交流部会」「児童・生徒交流部会」「キャリア教育部会」のいずれかに所属し、合同研究会部会を行っている。さらに、3校の特色、一校一校の歴史と伝統、保護者・地域とのつながりを生かしながらも、同じ地域にある学校としての連携を深め、協働して教育活動にあたるために、校長・副校長・主幹や部会のチーフが集まって行う連絡会、3校の校長・副校長・PTA会長・副会長の連絡会、副校長とPTA研修部の連絡会など様々な合同会議を開催している。初年度だからこそ様々な合同会議を開いて、調整に励んでいるが、このことが円滑な研究推進につながってきている。

校長・副校長連絡会 

(校長・副校長連絡会)

研究チーフ会

(研究チーフ会)

キャリア教育部会

(キャリア教育部会)

授業交流部会

(授業交流部会)

児童・生徒交流部会

(児童・生徒交流部会)

用賀中学校運動会

(用賀中学校運動会)

 6月2日(土曜日)、用賀中学校の運動会では3校の児童・生徒が用賀小学校を出発し、白バイの先導で、京西小学校を経由し、用賀中学校へ聖火リレーを実施した。沿道には、次第に地域の人々が集まると同時に、「6年生になったら、ぼくもあの聖火を持ちたい。」という児童の声も聞くことができた。
 児童・交流部会の企画で、用賀中学校の学校公開週間では、京西小学校・用賀小学校の児童の作品を展示するコーナーをつくった。授業交流部会ではでは、二つの小学校の学校公開週間で、中学校の教員が授業を行う出前授業等の実践を行いはじめた。
 PTA活動においても、研修部では3校合同でアンケートを実施、二つの小学校の家庭教育学級でも合同で活動する計画をたてている。
 教員育成の観点からも、用賀小学校副校長の発案で「ようが教師塾」を開設、それぞれの学校の人的な特色も生かした活動をはじめた。

小中一環教育校 作品展 京西小学校の作品

3 小中9年間を見通したカリキュラム

 世田谷区では、「美しい日本語を世田谷の学校から」という強い願いのもと、小学校1、2年生用、3、4年生用、5、6年生用と中学校用に「哲学」・「表現」の教科書が完成し、文部科学省の教育特区として教科「日本語」の学習をはじめた

 小中9年間を見通したカリキュラムの詳細に関しては、学習指導要領の改訂を待ってさらに具体的な案を作成することになるが、教科「日本語」は、小中9年間を見通した質の高いカリキュラム編成にもつながるものと考えている。

小中9年間を見通したカリキュラム 1

小中9年間を見通したカリキュラム 2

4 今後の課題

 三つの地域運営学校が、小中一環・協働の教育に取り組みはじめてから、まだ数ヶ月しかたっていない。個々の独立した三つの学校が、連携を強化し「ようがの学び舎」(仮称)として完成するには、まだまだ時間がかかると思うが、「ようがの学び舎」(仮称)の意識は、教員・保護者・地域社会へと着実な広がりをみせはじめている。
 今後、それぞれの学校、歴史に裏付けされた地域の特色を生かしながら、同じ地域の学校として「信頼・誇り・責任」をキーワードにさらに実践的な研究をすすめていく。

-- 登録:平成23年11月 --