コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

平成19年度コミュニティ・スクール推進フォーラム事例発表(東京都世田谷区立用賀小学校・京西小学校・用賀中学校)

学校名 「ようがの学び舎(仮称)」事務局
(京西小学校・用賀小学校・用賀中学校)
所在地 東京都世田谷区上用賀5-15-1(用賀中学校内)
電話番号 03-3700-5600(用賀中学校内)

1 実践発表テーマ

世田谷区教育ビジョン
地域とともに子どもを育てる教育の推進
・・・学校協議会の設置から、地域運営学校の指定・実践・拡大・・・

2 実践の経過

(1)学校協議会の設置と目的

 世田谷区では、平成9年度より、小中学校96校に学校協議会を設置した。

1.児童・生徒の健全育成
2.地域防災
3.学校教育支援

 を協議の柱として、学校・家庭・地域ならびに関係諸機関が連携、協力を一層強化するためのものである。
 しかし、世田谷区内では従来から出張所毎に青少年地区委員会が活発に活動しており、児童・生徒の健全育成のための近隣校合同での連絡協議会等も存在した。玉川地区のある校区の連絡協議会は、小中学校に私立高校・幼稚園を巻き込んで25年以上も継続して活動している。また、青少年委員、民生児童委員、町会の方々は、学校と地域とのパイプ役として積極的に活動していた。ちなみに、本地域の3校連絡会は今年の1学期で第84回を数えている
 そんな中での学校協議会設置は、平成7年の阪神淡路大震災の経験を、他山の石としての「まちづくり」の必要性を強く感じたことが引き金であった。
 人と人との関わりのあるまちづくり、各組織・団体のネットワークづくりを通して学校教育の改善を図ることが大きなねらいであった。子はかすがいである。教育の充実・発展を願う多くの人、組織、関係諸団体・機関が一同に集まれるのは、やはり学校であった。学校協議会フォーラムを毎年開催し、各協議会の実践を交流するエネルギーが、学校・地域に浸透し、大きな変革が始まった。
 平成18年度で10年目を迎えた「学校協議会」が、現在の「地域運営学校」の原点であり、目指していた方向性の到達点の一つでもあると考えている。

フォーラムで学校・地域協同の実践交流

学校協議会地域フォーラムで交流(各総合支所毎)

(2)学校協議会での交流・実践による成果。

〔防災・防犯活動〕

・挨拶、声かけ運動の実施
・災害時の避難所運営マニュアル作成(小中学校全校作成)
・サバイバルキャンプ、震災体験宿泊学習の展開等の実施増加

〔おやじの会結成〕

・各小中学校におやじの会が続々と結成された。世田谷おやじの会結成
・高年齢化した町会の青年部的役割が担われ、まちの活性化になっている。
・子どもを守るパトロール活動(わんわんパトロール、腕章着用等)

〔教育支援活動〕

・保護者、地域のゲストティーチャー活動(生活科、総合的な学習の時間、読み聞かせ、音楽、英語活動等。)
・授業支援会議により、計画から運営実施までの授業参画の実現。(パソコン学習、英語活動、総合的な学習の時間等)

(3)教育ビジョンと学校運営協議会の設置

 世田谷区教育委員会では、学校協議会等での実績を基にして、平成17年度より施行した「教育ビジョン」の第一に(地域とともに子どもを育てる教育)を上げ、より一層の推進を図った。

教育ビジョンと学校運営協議会の設置 

1.(地域が参画する学校づくり)の施策として学校運営協議会を設置

・平成17年4月1日指定(第一期指定)
 城山小学校、用賀小学校、東玉川小学校(小学校3校)
 山崎中学校、八幡中学校(中学校2校)

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づいて、世田谷区学校運営協議会の運営等に関する規則を制定した。同規則により世田谷区では、学校運営協議会の名称を「学校運営委員会」とした。(既存の学校協議会との名称の混乱を避けるため)

2.小中一貫の教育を推進しつつ、指定校を拡大

 第1期の指定校の成果を検証しつつ、第2期へと指定を拡大した。その際、小中の一貫した教育の展開を視野に入れての指定となった。
・平成19年4月1日指定(新規指定校12校は太字)

《小中一貫の教育推進を目指す地域運営学校》
・太子堂小学校・太子堂中学校
・山崎小学校・城山小学校・山崎中学校
・京西小学校・用賀小学校・用賀中学校
・八幡小学校・九品仏小学校・八幡中学校
(2小1中の3校を基盤)

《単独で指定された地域運営学校》
・松丘小学校、給田小学校、砧小学校、船橋中学校
・等々力小学校、・東玉川小学校
 単独での指定校も、その成果を検証しつつ、小中一貫の教育推進の共同指定を目指す。

3 実践の成果と課題

・学校運営協議会設置三年次を迎えるが、5校から17校へと指定が拡大、今後も全校指定に向けての実践が継続される。世田谷区の特色としての地域と協働した教育は、学校選択性をとらずとも切磋琢磨の中での学校改善に成果を上げるために、より一層の充実が必須である。

-- 登録:平成23年11月 --