コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

平成19年度コミュニティ・スクール推進フォーラムにおける実践発表資料(東京都世田谷区立京西小学校)

学校名 東京都世田谷区立京西小学校
所在地 世田谷区用賀4-27-4
電話番号 03-3700-1128

1.なぜ「学校運営協議会」制度を導入したのか(個別の事情等)

京西学校画像

(歴史的背景)

 明治7年に隣接した地域に学校ができたことを機に、用賀村・瀬田村の人々は自分たちの村にも学校をつくるため、開校資金を集め本校の開校に尽力。「亰西学校と命名しよう。東京の西に新しい学校が生まれた。この地点から未来の日本を背負う若者が育っていくのだ。」との思いで伊藤博文氏が命名し、明治12年12月10日に開校した。
 本校は、開校に至る経過を考えても、地域住民の強い思いが結集した学校である。

(地域・保護者との連携)

 平成7年に完成した第二校庭・フラワーランドについては、地域・学校・保護者の代表から組織する「懇和会」が、わずか数日で8,000名以上の署名を集めるとともに、土地所有者との円滑な折衝にも取り組んでいる。
 近年では、本校児童が考えた標語「挨拶と笑顔が自慢の京西小」が、用賀商店街のキャッチフレーズにつながるとともに、本校の第二校歌的存在の「京西さくら組」が町でも流れている。
 また、町会の「ごみゼロデー」には、本校「子ども会」保護者・児童・教職員も積極的に参加している。
 10年以上実施されている「このゆびとまれ」も、地域の絶大な協力によって運営されている。
 本校は、歴史的にも、今日的にも地域と密接な関連をもっている学校である。したがって、平成19年4月「地域運営学校」の指定を受け、「学校運営協議会(世田谷区では、既存の組織との名称区別のため『学校運営委員会』)」を設置するに至った。

地域・保護者との連携 1

地域・保護者との連携 2

2.自校のコミュニティスクールの特色

(ここが他校とは違う点、ここは汎用性がある点等)
 本校の学校運営委員会では、学校の運営方針の説明と承認・学校の予算執行状況などの基本機能を実施し、広報活動を効果的に行うため、事務局として副校長・主幹・事務を置くとともに、校務分掌組織との有機的なつながりをもちつつある。学校の内部組織として校務分掌組織との連携は本校の学校運営委員会の特色を形作っていくと確信している。
 本年度は、1.学校支援2.環境3.京西アカデミーの三つの学校運営委員会プロジェクトを立ち上げ、より豊かな教育活動の具体化に向け活動をはじめた。
 「学校支援」では、地域住民・保護者が次の世代に伝えたい「学校運営委員が選ぶ、俳句50・ことわざ50」の選定作業を行い、「環境」では自然環境・社会環境の視点から、地域検定の実施に向けて活動をはじめるとともに、エコスクールモデル校として校舎改築を視野に入れた検討を実施している。「京西アカデミー」では、「このゆびとまれ」の伝統を基に、一歩進める企画を立案中である。
 会議体としての意義と、地域の行動体としての意義の双方をもち、歴史と伝統のある本校が、地域社会・保護者との連携の下でさらに豊かな教育活動を行うことを目指していく。

自校のコミュニティスクールの特色

3.過去の課題と克服方法

 本校は、平成19年4月に地域運営学校の指定を受けた。そのため、本項目に対しては未知数のところもあるが、何か新しいことに取り組む時、必ず新しい課題が生まれ、その課題を克服していく過程で次の方向が定まっていくと考えている。
 学校だけでなく、地域社会・保護者が「信頼・誇り・責任」をキーワードに結集することができれば必ずや克服方法もある。

4.コミュニティスクールによる成果と携わっているものとしての実感(手応え)

 多くの学校と同様に、本校も地域運営学校の指定の有無にかかわらず、地域や保護者と密接なつながりをもって学校運営に取り組んできた。けれども、地域運営学校の指定を受けることによって、学校として連携や協働の方向性を明らかにし、一層、密接なつながりをもてるようになってきている。このことは学校・家庭・地域が「信頼・誇り・責任」をキーワードにつながっていく。

5.今後に向けて(検討課題、取組予定等)

 隣接した三つの地域運営学校(京西小学校・用賀小学校・用賀中学校)が、協力・協働し「ようがの学び舎(仮称)」として、一つの中学校と二つの小学校で「小中一環」の教育に向け取り組みはじめた。この取り組みについては、後述3校共通の資料を参照されたい。
 また、本校のホームページ(※京西小学校ホームページへリンク)もご覧いただければ幸いである。

-- 登録:平成23年11月 --