「地方独立行政法人会計基準」及び「地方独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A 第5章

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5章 貸借対照表

Q 53―1
(1) 現物出資された無形固定資産の減価償却の会計処理はどうなるのか。次の方法のうちいずれか。(無形固定資産は減価償却累計額を控除した未償却残高を表示することとなっているから、2の方法となるのか。)
1  (借)損益外減価償却累計額 /(貸)無形固定資産
2  (借)資本剰余金/(貸)無形固定資産
(2) 償却完了後は、「資本剰余金」がマイナス(借方残)として残ることになるが、それで良いのか。
 (関連項目:第55資本の表示項目、第84特定の償却資産の減価に係る会計処理)
A
1  現物出資された無形固定資産については、各事業年度にその取得原価を減価償却の方法により配分することになるが、現物出資された有形固定資産と同様、会計基準第84の特定の償却資産に該当する限り、減価償却費については損益計算上の費用として計上しない。貸借対照表上無形固定資産については、減価償却累計額を控除した未償却残高を記載するとされているため、その会計処理として、「(借)損益外減価償却累計額/(貸)無形固定資産」の処理を行うこととなる。なお、会計基準第84の特定の償却資産に該当しない場合においては、減価償却費を損益計算上の費用として計上する。この場合の会計処理は、「(借)減価償却費/(貸)無形固定資産」となる。
2  現物出資された無形固定資産の減価償却相当額は実質的に資本価値の減少と考えられるため、損益外減価償却累計額が借方残として残ることは資本価値の減少を表わし、広義の「資本剰余金」(狭義の資本剰余金と損益外減価償却累計額の合計)がマイナスになる場合もあり得る。

Q 55―1
(1) 施設費で購入した償却資産に係る減価償却相当額は、会計基準第55第2項にいう損益外減価償却累計額に表示するという理解で良いのか。
(2) 現物出資財産の減価償却相当額はどこに表示することとなるのか。
(3) 施設費の損益外減価償却累計額とあわせて表示することで資本剰余金がマイナスになることも想定しているのか。
 (関連項目:第84特定の償却資産の減価に係る会計処理)
A
1  施設費で購入した償却資産に係る各期の減価償却相当額は、当該償却資産が会計基準第84にいう特定資産に該当する場合において、期末の貸借対照表の資本の部における損益外減価償却累計額に控除項目として蓄積されることとなる。
2  現物出資財産の減価償却相当額も、施設費で購入した償却資産の場合と同様である。
3  控除項目である損益外減価償却累計額が狭義の資本剰余金を上回り、広義の資本剰余金合計額がマイナスになる場合もあり得る。


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-- 登録:平成21年以前 --