学校の取組例
北海道帯広柏葉高等学校
GIGAスクール環境と1人1台端末を活用した
地域全体で「質の高い学びの実現」を目指す
「帯柏 Obihaku」の挑戦
【中等教育資料 令和7年1月号記事】(文責:校長 鈴木究)
北海道帯広柏葉高等学校は、令和5年度から文部科学省リーディングDXスクール事業の指定校として、これまでに培った教育実践にICTを効果的に組み合わせ、生徒を主語にした授業づくりに取り組んでいる。令和6年度は自校のみならず近隣の高等学校と協働した授業づくりや、授業での生成AIの活用に向けた取組を進めている。
-端末とクラウドを活用した授業実践
-授業での生成AI活用に向けた実践
-管内※1の高等学校との協働によるICTを活用した授業づくり
※1 管内:十勝管内を指す。北海道の南東部地域に、小中高等学校を合わせ150校余りを擁する。
(監修:GIGA StuDX推進チーム)
北海道帯広柏葉高等学校は、令和5年度から文部科学省リーディングDXスクール事業の指定校として、これまでに培った教育実践にICTを効果的に組み合わせ、生徒を主語にした授業づくりに取り組んでいる。令和6年度は自校のみならず近隣の高等学校と協働した授業づくりや、授業での生成AIの活用に向けた取組を進めている。
(令和7年1月16日掲載)
-端末とクラウドを活用した授業実践
-授業での生成AI活用に向けた実践
-管内※1の高等学校との協働によるICTを活用した授業づくり
※1 管内:十勝管内を指す。北海道の南東部地域に、小中高等学校を合わせ150校余りを擁する。
端末とクラウドを活用した授業実践
生徒が自ら学習を調整できるよう、端末とクラウドを活用した授業改善に取り組んでいる。例えば国語科では文章を読んだ後、共同編集機能を活用し、グループで筆者の問題提起と結論をまとめたり、外国語科(英語)ではソーシャルメディアの使用について中学生に英語でアドバイスをするという課題を設定し、生徒一人一人が収集した情報を基に説明内容を考え、仲間と情報を共有・対話しながらまとめたりする。クラウドを活用することで他者の考えを参考にすることができ、学びを深めるとともに、自分自身の取組を見直しながら学習を進めている。


スライドをクラウド上で作成。他者のスライドを白紙の状態から適時参照したり、
協働したりすることを通じてよりよい考えを創出。
協働したりすることを通じてよりよい考えを創出。
授業での生成AI活用に向けた実践
国のガイドライン※2を踏まえ、「生成AI自体を学ぶ」「使い方を学ぶ」「使用時の情報モラルを理解する」の三つを柱に、1年生の生徒を対象とした事前学習を行った。ICT担当の教師が一斉配信する授業を生徒は各教室で視聴し、担任のサポートを受けながら、ファクトチェックの重要性を確認したり、生成AIの操作体験を行ったり、実際の学習場面を想定したロールプレイ等を行ったりした。今後、各教科の授業等で試行的な実践を進め、効果を検証していきたい。
※2 ガイドライン:初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン(Ver1.0 令和5年7月4日/文部科学省)
参考:初等中等教育段階における生成AIの利用に関するガイドライン(Ver2.0 令和6年12月26日/文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/mext_02412.html
※2 ガイドライン:初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン(Ver1.0 令和5年7月4日/文部科学省)
参考:初等中等教育段階における生成AIの利用に関するガイドライン(Ver2.0 令和6年12月26日/文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/mext_02412.html

生成AIについて正しく理解・利用するため、第1学年全体で事前学習を実施。
ICT担当教員が授業を一斉配信し、担任が生徒をサポート。
ICT担当教員が授業を一斉配信し、担任が生徒をサポート。
管内の高等学校との協働によるICTを活用した授業づくり
ICTを効果的に活用した授業モデルを横展開することをねらいとして、帯広柏葉高等学校と近隣の道立・私立高等学校の教師とで授業創出チームを結成した。チーム員は指導案の検討や、授業での効果的なICT活用について検討と実践を重ね、帯広柏葉高等学校を会場に開催された「十勝ICTサミット」において、1人1台端末とクラウド、生成AIを活用した授業を複数教科で公開した。加えて、研究協議会では参加者に授業解説を行うなど、共同実践の成果を発信した。
こうした取組により、帯広柏葉高等学校の教師は授業改善に対する意識を一層高めた。また、生徒は課題解決に向けて自己調整を図りながら思考し、他者と協働して考えを整理・表現できるようになってきている。こうした変容は、変化の激しい社会を自ら切り拓いていく資質・能力の育成に資するものだと私は確信している。
こうした取組により、帯広柏葉高等学校の教師は授業改善に対する意識を一層高めた。また、生徒は課題解決に向けて自己調整を図りながら思考し、他者と協働して考えを整理・表現できるようになってきている。こうした変容は、変化の激しい社会を自ら切り拓いていく資質・能力の育成に資するものだと私は確信している。


近隣の高等学校の教師で授業創出チームを結成し、今求められる授業について
実践・協議を重ねるとともに、チームで作成した指導案による授業を公開。
実践・協議を重ねるとともに、チームで作成した指導案による授業を公開。

管内では、全校種の学校で構成する「十勝ICT授業推進プロジェクト」を発足。
情報交換等を行う「十勝ICTサミット」を年間複数回開催。
情報交換等を行う「十勝ICTサミット」を年間複数回開催。
GIGA StuDX推進チームより 地域全体でICT端末を活用し、生徒の協働的な学びを形成していこうとする意欲と、組織的・継続的な取組への意思が感じられます。十勝管内の150を超える学校同士が、校種を越えて情報交換し、日々の実践に生かしていく仕組みは、教師相互にとって新たな授業づくりへの刺激となり、大きな財産になると思われます。各教科の授業実践に、生成AIの助力が加わることで、授業のあり方がさらに深い学びをもたらすものへ変容していくことが期待されます。 |
(監修:GIGA StuDX推進チーム)