本年4月からスタート!スポーツを「まちづくり」へ!(第3期「スポーツ基本計画」)


地方の視点での国の計画の見方

 第3期「スポーツ基本計画」を一見すると、第2部第3章(7)「スポーツによる地方創生、まちづくり」のみが、基本計画における地域振興の記載だと誤解されるかもしれません。
 しかし、第2部第3章(7)では、(1)から(12)までの12の国の施策群を地方が活用される、地方に当てはめる際の考え方を整理しているだけです。つまり、第2部第3章(7)は地方の視点から国の計画を参酌する際の「入口」にすぎません。
 
 スポーツによる「まちづくり」には、第2部第3章(1)から(12)までの全ての分野・施策が活用し得るわけです。
 第2部第3章(7)①イの3ポツ目にあるように、スポーツによる「まちづくり」のツールは、地元プロスポーツ、地域スポーツ、障害者スポーツ、
地元アスリート、スポーツ国際交流、スポーツ産業、部活動、地元大学スポーツ、地元スポーツボランティア、地元スポーツ施設等の様々な地域のスポーツ資源の「全て」がなりえるのです。
(もちろん、実際に御地元で何が活用できるかは、地域ごとの特性や事情によっても異なります。)

総論(基本計画第2部第3章(7)①ア・イ)

1 スポーツによる「まちづくり」の全国での加速化(第2部第3章(7)①ア)

  

2 「まちづくり」を進めていくに当たっての発送の転換(第2部第3章(7)①イ)

 地方の視点から第3期「スポーツ基本計画」を読む上で参考としていただきたいポイントについて、記載しています。

 

 

(1)地域をあげて!(第2部第3章(7)①イ1ポツ目)

 1点目です。例えばスポーツ部局、観光部局、健康福祉部局などのタテ割りの枠の中で事務的に取り組むと、間に落ちてしまうものが多いのではないかと思います。
 我々が取り組もうとしているのは単なるスポーツ、観光、健康、福祉といったバラバラな取組ではありません、「まちづくり」です。
 「まちづくり」ですから、首長や企画部局の強いリーダーシップの下に、これらの部局にヨコ串を入れ、さらには、地域住民や民間企業など多様な主体と積極的に連携・協力することが不可欠です。


(2)総合的に取り組もう!(第2部第3章(7)①イ3ポツ目)

 2点目です。「まちづくり」ですから、手法としては、目立ちやすい「スポーツツーリズム」のような外から人を呼び込み稼ぐ「アウター施策」だけでなく、例えば、健康スポーツ教室や総合型地域スポーツクラブなどのような地域住民向けの「インナー施策」も含めて、総合的に進める必要があります。

 

 

(3)全ての地域スポーツ資源を活用しよう!(第2部第3章(7)①イ4ポツ目)

 3点目です。地元プロスポーツ、健康スポーツ、障がい者スポーツ、地域スポーツ、学校部活動、大学スポーツ、地元アスリート、競技大会、国体、スポーツツーリズム、地域スポーツ施設、民間スポーツ産業、国際大会、スポーツ国際交流など、「全て」の地域のスポーツ資源をツールとして積極的に活用することが重要です。
 まだ未活用の資源はもちろん、今活用している資源ももっと活用する余地はないか、改めて見直してみましょう。
 また、「スポーツ」と聞くと、皆さまが無意識にイメージするのは「学校体育」あるいは「競技」としてのスポーツではないでしょうか。
 しかし、スポーツによる地域振興の文脈においては、エクササイズや体を動かす日常的な身体活動全般を広く「スポーツ」と捉えることが可能です。例えば、散歩や草刈り、防災訓練、ゴミ拾い、雪下ろしなど、あらゆる身体活動をスポーツと捉えれば、地域振興としてのスポーツの活用の幅はグッと広がります。柔軟な発想が必要です。

 

 

(4)スポーツを活用し倒す発想で!(第2部第3章(7)①イ5ポツ目)

 最後に4点目です。地域住民のための地方行政ですから、従来から地方スポーツ行政においても当然スポーツによる地域振興は取り組まれています。
 しかしながら、ともすると、その地域振興は、スポーツのついで、競技振興の付随的なものとして取り組まれてはいないでしょうか?
 スポーツを「まちづくり」に積極的に活用するには、むしろ、「まちづくり」にどう「スポーツ」を活かそうか?という逆転のアプローチを取ることが重要です。

各論(基本計画第2部第3章(1)から(12))

(1)「多様な主体におけるスポーツの機会創出」
(2)「スポーツ界におけるDXの推進」
(3)「国際競技力の向上」
(4)「スポーツの国際交流・協力」
(5)「スポーツによる健康増進」
(6)「スポーツの成長産業化」
(7)「スポーツツーリズムの更なる推進等」
(8)「スポーツを通じた共生社会の実現」
(9)「担い手となるスポーツ団体のガバナンス改革・経営力強化」
(10)「スポーツの推進に不可欠な「ハード」「ソフト」「人材」」
(11)「スポーツを実施する者の安全・安心の確保」
(12)「スポーツ・インテグリティの確保」

 

スポーツを「まちづくり」へ!

※スポーツによる「まちづくり」とは?
 社会課題を解決するツールは世の中に様々ありますが、その中でも、自然と人を楽しくさせ、周囲に感動や共感を生むといった不思議なチカラを持つ「スポーツ」は、最適なツールの一つです。
 スポーツによる「まちづくり」とは、スポーツ自体を楽しむこと、スポーツ自体を振興することに加えて、そうしたスポーツのチカラ(楽しさ、感動、共感など)を積極的に活用して、地域の様々な地域課題(地域の少子高齢化、地域住民の健康増進、地域の活性化、地域経済の衰退など)を解決し、地方創生・まちづくりを実現することを意味します。


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スポーツ庁参事官(地域振興担当)

(スポーツ庁参事官(地域振興担当))