高校生等の冬山・春山登山の事故防止のための有識者会議(第4回) 議事要旨

1.日時

平成29年11月28日(火曜日)16時00分~17時00分

2.場所

スポーツ庁会議室(16F3)

3.議題

  1. (1)高校生等の冬山登山の事故防止のための方策について
  2. (2)その他

4.議事要旨

高校生等の冬山・春山登山の事故防止のための有識者会議(第4回会議)の結果の概要


1.日時:平成29年11月28日(火曜日)16時00分~17時00分

2.場所:スポーツ庁会議室(16F3)

3.出席者:尾形委員,清水委員,新宮領委員,谷口委員,戸田委員,松本委員
  オブザーバー:日本スポーツ振興センター,栃木県教育委員会の担当者
  〔スポーツ庁〕今里次長,藤江審議官,安達健康スポーツ課長,川田同課長補佐

4.議事内容
 (1)高校生等の冬山登山の事故防止のための方策について
  ○本会議の報告書となる「冬山・春山登山の事故防止のための方策について」について、事務局より読み上げ。
  ○各委員からの意見
  ・うまくまとめていただいたと思う。冬山登山は原則として禁止するという方針を堅持すると明記しているし、例外的に実施する場合の条件も非常に厳しいものとなっており、那須雪崩事故の検証委員会でも問題となったことがほぼクリアされているのではないか。
  ・これを受けて、例外的に実施するには慎重に慎重を重ねて実施するということがきちんと受け止めてもらえるような通知を作成して周知してもらいたい。自然を相手にする以上100%安全というのは夏山も含めてあり得ないということを肝に銘じてもらいたい。
  ・教育的意義とリスクは表裏の関係にもあるが、安全対策に最大限配慮する、という言葉に凝縮されている。最優先すべきは安全である。
  ・できるだけ早く周知し、各都道府県で安全のために周知の徹底を図ってもらいたい。
  ・通知を出せば、その時は皆新鮮な気持ちで受け取るが、一定の期間が過ぎると薄らいでいってしまう。いつの間にかなんとなくおろそかにならないようにしてもらいたい。
  ・登山計画審査会について、各都道府県で設置しなさいという通知が別途出されることになるのか?
   >審査会の在り方は各都道府県にゆだねるが、冬山登山を実施する場合は組織を置いてしっかり審査してもらうことは求めたい。
  ・登山計画審査会のメンバーについて、高体連登山専門部の方あるいはそのOBが仲間同士で審査するのでは審査とは言えない。各都道府県の山岳連盟等の外部有識者を必ず含めるべき。
  ○報告書のとりまとめ
  ・この報告書はこの案で取りまとめさせていただいて宜しいか。
   >異議なし

 (2)その他
  ○国立登山研修所29年度の対応について国立登山研修所・宮﨑所長が発表された。
  ・11月3~5日に国立登山研修所において安全登山普及者中央研修会を開催し、高等学校等教職員研修コースを新たに設け、24名の高校教員が参加した。この有識者会議にも出席された北村先生や大西先生が講義を行った。また研究協議として、生徒を引率中に経験したヒヤリハット事例について発表しあい、全員で共有した。
  ・12月10~11日に国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、高等学校等安全登山指導者研修会を開催する。33都道府県から88名の参加を予定しており、内容は登山に関する基礎的な事柄の学習を通して、安全な登山の指導者としての資質向上を図るものとなっている。参加者の内訳は高校の教職員が76名、高専が2名、大学が3名、山岳連盟が5名、学校教員と教育委員会が各1名。
  ○各委員からの意見
  ・那須雪崩事故の検証委員会の提言を速やかに形にしてくれたことに感謝したい。
  ・高体連としても参加の呼びかけを行った。人数枠を拡大してもらって感謝している。参加者の平均年齢がもう少し下がってくればよいとは感じる。
  ○各委員の感想や、今後の期待などについて意見交換
  ・那須の雪崩事故では組織としてきちんとした一体感を持って講習会を運営していなかったところに最大限の原因があった。計画や危機管理をしっかりとマネジメントすることが重要とする提言となったわけだが、それは一高校登山部だけでできることではなく、都道府県や国の支援も必要となる。高校登山をとりまく関係者が栃木県だけの問題ではなく、皆で一緒に考えるべきと広がっていけばよい。
  ・登山研の研修会に参加した各都道府県の先生が、各県やブロックで周知徹底を進めてもらいたい。今の意識を継続していくことが必要。
  ・審査会を設けることを各都道府県がどう判断するか。間に合わないから仕方ない、とならないように、通知を各都道府県でしっかりと受け止めてもらいたい。
  ・指導者が充実しているかどうかが非常に大きなこと。研修会に参加する方は意欲もあると思うが、しない方・できない方にどう伝えていくかが大事。また、いかに参加しやすくできるかというもの国等が考えていくべき。
  ・登山史を振り返っても、大きな事故の直後は徹底されることが、時間が経つとまたなおざりになってしまうという繰り返し。何度も周知し続けることが大切だろう。
  ・県の予算を使って研修に派遣されるというのは稀。学校の先生は出張扱いが多いとは思うが、自費で来ている人もいる。予算の確保も課題。
  ・通常登山研の研修は富山県の研修所で行っているが、今回の研修は初めて外に出て東京での開催。今後も検討していきたい。
  ・研修会への中学校関係者からの参加はないようだが、夏山登山等でも危険はある。このような研修の講義内容が動画で保存されDVD等で配布されるとありがたい。
  ・登山リーダーの不在を問題視しており、日山協では夏山リーダー制度というのを立ち上げて、来年度から講習会を開催する予定。
  ・新たに登山部の顧問になったような若い先生方にも参加してもらって、そこから徐々にレベルアップしてもらいたい。
  ・他の種目についても、オリンピックに向けて強化を進めているが、安心・安全の面についても盛り込んでもらいたい。どんな種目にもリスクは存在する。
  ○座長より
  ・委員の皆様長きにわたり御協力ありがとうございました。本日ここに報告書を取りまとめることができましたが、ようやく器ができただけで、これをいかに周知徹底しながら、関係諸機関でどういった取組を展開するかというのを今後も見守って、効果的に積極的に実践していかなければならないと思う。引き続き各委員の先生方には御支援、御協力のほどお願いする。
  ○スポーツ庁次長より
  ・座長はじめ各委員の皆様におかれましては、本報告書のとりまとめに向けて精力的なスケジュールで御審議していただき、大変感謝いたします。この報告書においては、那須町の大変痛ましい事故を踏まえ、改めて高校生等の冬山登山を原則禁止とする基本的な方針を確認されるとともに、例外的に実施する場合の安全対策、実施上の留意点などについて具体的に示すものとしていただいた。スポーツ庁ではこの内容について速やかに各都道府県教育委員会等を通じて各高等学校等に周知していきます。また、高体連や登山団体に対し外部指導者の派遣等について協力支援を要請していく。また、登山だけの問題でなく、他のスポーツの推進に当たっても、安全・安心を確保してやっていくことは十分に留意していく。


お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課

電話番号:03-6734-3939

(スポーツ庁健康スポーツ課)

-- 登録:平成29年12月 --