平成29年9月26日(火曜日)15時30分~17時30分
文部科学省16階(16F3会議室)
(1)座長の選任等について
○尾形委員が座長に選任され,新宮領委員が座長代理に指名された。
(2)冬山登山の事故防止に関するスポーツ庁等の取組について
○冬山登山の事故防止に関するスポーツ庁等の取組について,資料2-1から2-5に基づき,スポーツ庁から説明を行った。
○委員からの主な意見等は以下のとおり
・スポーツ庁が概算要求した高校教員等向け研修会は,その企画立案にあたって,高等学校体育連盟は教育委員会とどのように連携を図ることができるか。
・国立登山研修所の高等学校等安全登山指導者研修会(新規事業)は,高校登山部顧問等のニーズに合ったものであり,参加可能人数を増やしてほしい。
(3)平成29年3月27日那須雪崩事故検証委員会の取組
○平成29年3月27日那須雪崩事故検証委員会の取組について,資料3-1から3-3に基づき,戸田委員から説明を行った。
・最終報告については,10月半ばに公表する予定。
・複数の高校による合同での活動であり,責任の所在が曖昧であった可能性。
・前例踏襲で計画がなされており,県高体連が主催し多数の学校から参加する講習会という形式で実施されたため,教育委員会の事前審査も対象外であった。
・現地の下見等も不十分で,事故発生後の連絡方法・経路等にも不備があった。
・雪上歩行訓練の目的や活動範囲が明確でなく,参加した教諭の中でも捉え方が様々であった。
・雪崩発生の要因については防災科学技術研究所等で具体的に検証しているが,自然発生的か人為的なものかはわかっていない。最終報告では可能な限り現場の状況を詳細に記載する予定。
・合同の講習会は様々なレベルの参加者が集まる中で,計画・実施のマネジメント方法(計画の変更や有事の対応も含めて)が非常に難しい。
・7年前にも生徒複数名が50~60m流されるという雪崩事故が発生していたが,報告も記録も残っておらず,その後共有されていなかった。
○委員からの主な意見等は以下のとおり
・自校の単独行事であれば安全計画も厳しくチェックするし,状況に応じて中止の決断も行う。合同の講習会ということで根拠のない安心感があったのだろう。
・顧問によほどの経験がないと雪山に生徒を連れていくことはしないが,合同の講習会では経験のない顧問や部員も参加できるため,レベルの差が生じてしまう。
(4)その他
○冬山登山の事故防止に関して委員間で意見交換を行った。
・高体連の中でも雪山での登山活動については,西と東で温度差が大きい。冬山登山が一律禁止ということになれば,著しく活動が制限されるエリアもある。
・昭和39年の高校生の冬山登山原則禁止の通知は「高校生活の2~3年で複雑な日本の冬の気象を知り、判断することは不可能」という考えに基づいている。
・高校生の登山部活動は自立心・協調性の涵養など教育的意義は高く,冬山登山を全面禁止するのではなく,いかに安全に実施できるかを検討すべき。
・冬山登山対策の検討にあたっては地域により気象条件が異なり一律の対応は難しい。
・豊富な経験を持つ登山部顧問には50代が多く,若い顧問にノウハウや登山文化をどうやって伝えていくかが課題。
・登山には多くのリスクが付きまとうが,日常の生活でそれを身に付けるのは困難であり,顧問に対し座学や実技等多様な研修プログラムが必要。また地区を3ブロックに分ける等,複数の場所での開催も検討すべき。
・昭和60年に作成した教本の改訂や,初心者の顧問・生徒向けのハンドブックを作成することも必要。
・長野県では雪山登山に関するガイドラインを県独自で作成する検討会が立ち上がっている。
・外部指導員を活用するにしても顧問のレベルアップは必要。活動計画全体のマネジメントは顧問の仕事。
・次回会議で現場の顧問の意見や具体的な事例をヒアリングしてはどうか。
電話番号:03-6734-3939
-- 登録:平成29年10月 --