平成28年 4月5日(火曜日) 16時00分~18時00分
経済産業省 本館17階 国際会議室
(東京都千代田区霞が関1-3-1)
斎藤委員、高橋委員、中野委員、橋本委員、長谷部委員、土方委員、間野委員、三沢委員、山本委員、ジム・スモール委員、田中委員、次原委員 ※欠席:松崎委員
(各委員の主な意見)
○プロ選手としてやってきて、この時期に沖縄を拠点に活動しようという決断に至った背景や意識の変化について聞かせてほしい。
○今年で37歳になるが、同い年には未だに現役の第1線で活躍しているサッカー選手がいる。僕自身も彼らと同様にプレーをできるという思いはある。一方で、ある程度競技をやってきた自負もあるので、次の世代に残していかなければならないという思いがある。
○今、サッカーの日本代表チームが、ワールドカップに出ることが当たり前のようになってきているが、そうではない。今からしっかりとした育成をやっていかなければならない。自分にできることを考えて、子どもたちに何かを残したい。
○あとは自分が第1線から退くか否かの問題だけだった。まだ引退したわけではないのでプレーは続けていくが、沖縄を拠点にする決断をした。
○選手を引退してからすぐに、スポーツ選手を集めた勉強会を始めた。東京で月1回程度、税理士や銀行の方などプロフェッショナルな方々に講師をお願いした。自分が現役のときはなかなか行きやすい環境も無く、引退してから必要性に気づく。
○現役の時にも、セミナーに参加していたがチームの他の選手から怪しいと思われた。自分がアパート経営を行っている雑誌の記事が出たときに、試合会場でヤジが飛んできたことがある。
○アメリカでは引退してから自己破産する選手がいると聞いている。選手が、現役の頃からセミナーや勉強会に参加しやすいような教育的な場所や環境づくりをしたい。
○元アスリートで引退後に活躍している日本人もいる。アスリートはもともともつポテンシャルやエネルギーがあって、真っ直ぐに打ち込むことは得意。ある日突然、一番頑張ってきたものを奪われたときに、必要なことを学べる環境を作っていきたい。それは、知識がないことによって、新たなビジネスや投資の話で失敗することもあるから。
○お二人が沖縄を選んだ理由について聞かせてほしい。スポーツが産業として成立するためには、スポーツを支える関連企業や供給側のメーカー、プロダクション、メディア等の企業や人が地理的に集積することが大事。沖縄は、東京から離れているし、気候だけではなく、沖縄を選んだポイントと沖縄のプラス面、マイナス面を教えてほしい。
○沖縄に家族と移住して5年目になる。現役の時はケガが多く、開放的なよい環境でトレーニングやリハビリをするために毎年沖縄に行っていた。そうした実体験から、沖縄で象徴的な施設ができれば、選手や子供にとってよい環境が作れると思った。
○もっと先の話として、地理的な意味で沖縄はアジアの中心で、いろいろな産業が生まれるのではないか。韓国、台湾、中国などを視野に、スポーツを中心にアジアのハブ都市として沖縄を考えると非常に面白い。
○現在、沖縄でキャンプするサッカーチームは15チーム、野球を含めると1~2月に25チームぐらいが合宿に来ている。プロチームはより暖かい環境で合宿をしたいので、近年沖縄のグラウンドの設備が整備されたこともあり、プロが合宿する環境ができた。
○ドイツのプロチームから「沖縄でトレーニングをしたいので、合宿できないか」という相談を受けたことがある。今の沖縄の現状は、ドイツのプロチームを受け入れる施設や対戦相手を用意できないので、その時は時期尚早だと話した。
○5~10年後を視野に、施設や対戦相手を用意できる環境等があれば、それを情報発信することもできるので、海外からもプロチームが集まって来る。その波及効果として、プラス面、マイナス面の影響が発生すると思う。
○沖縄は日本とアジアの中心にあるので、サッカーが盛んになってきている東南アジアとも連携し、沖縄を中心としたスポーツ産業の可能性は大きく、沖縄の他分野の産業をつなぐことで新たな産業も生まれる。
○スポーツ産業は国内消費に着目することが多いが、インバウンドに対するスポーツサービスやアジアのマーケットに対する輸出産業につながる可能性がある。
○アメリカで子どもの頃は、1つの種目ではなくて、昔はたくさんのスポーツ種目をやっていた。その結果、様々なスポーツを楽しめること、様々なスキルを身に着けることの2つのメリットがある。MLBやNBAの選手のスキル1つをとっても、他の種目のスキルが役に立っている。
○最近、アメリカでも1つの競技種目にスペシャライズしている傾向。それは、競技人口の減少、ケガの問題の2つのリスクにつながる可能性がある。小さい頃から、1つの種目では、例えば、野球のピッチャーが、肘に故障を抱える問題につながる。日本にも同じ問題があり、私の実体験としてコーチや監督が他のスポーツをやらせてくれない。それが原因なのか野球の競技人口が減少している。
○福永さん、高原さんに2つの質問がある。1つの種目だけを実施することに対するコメントと過去に他のスポーツをやっていたら違うキャリアになっていたのかについて教えてほしい。
○子どもの頃から、いろんな種目をやることには大賛成。ラグビーでも元プロ選手がダンスでリズム感を養ったり、バレエで柔軟性を養ったり、メンタルトレーニングを取り入れたりすることが大事。また、そういったアカデミーをスタートする。
○私自身、高校1年生までは野球をやっていた。当時、根性論が主流で、高校には特待生としてピッチャーで期待されて入学した。寮生活で朝から晩まで投げた結果、肘を壊してしまい、特待生で野球ができなくなったので、1年生で退学することになった。それから、岐阜の実家に戻ってラグビーに拾ってもらって今がある。この15歳のときの非常につらい経験が、今のプロジェクトの推進につながっている。
○父親が力士だったこともあるので、ラグビー以外では相撲をやっていたら面白かったかもしれない。スポーツ選手にとって重要なことは、自分の近くの環境に強いチームがあるか、いい環境があるか、親のエゴではなく、子どもたちが選択する環境があることが理想的だと思う。
○自分自身も複数種目は賛成。どの年代から専門性を持ってやるかについては、考え方がいろいろあると思うが、小学生や子どもの段階では、いろんなスポーツに触れる機会が必要。選択肢がたくさんあることが重要で、サッカーをやっていても、テニスのほうが楽しければ選択できればいい。
○体作りの面でも、非常に効果があって、子どもの頃に器械体操をやっていた選手は、体が柔らかくなりケガをしにくい。子どもの時にいろんな経験が最終的に1つ種目に進んだときに役立つ。
○他のスポーツについては、ボールを使うスポーツであれば、きっとトップまでいけていたと思う。子どものときからボールを扱う感覚が優れていた。
○スポーツ産業が産業として成長するためには、国際的に主導的地位を得るという視点が必要。スポーツ産業の成長を支える、スポーツ医学、トレーニング方法、人材や経営のイノベーション的な機能の拠点については首都である東京が考えられる。
○沖縄などの地域(地方)がその機能を担っていけるのか考えてみると、それはスポーツを通じたイノベーションであり、今までのスポーツと地域の関わりを超えた新たなクラスターの視点が生まれる。
○地域とスポーツの関わりは、スポーツの人口を地道に広げ裾野拡大につながる。供給サイドがスポーツ産業や企業を牽引してモノを作るときに、需要サイドに裾野を広げる取り組みがあることが非常に重要で、そこは地域が担うもの。特にツーリズムに関してはその役割が大きい。
○アジア8地域で毎年行っている、訪日外国人観光客の意識調査がある。44項目の中で、スポーツ関係の項目は30位以降の下位を占め、観光目的で日本のスポーツは意識されていない。中身をよく見ると、地域の自然、季節を楽しみながら、登山ハイキング、スノー、マリンスポーツへの関心は比較的高い。スポーツツーリズムが地域の多様性や文化、観光とリンクするとアジアを含めたスポーツ人口が広がる可能性がある。観光についてはDMOの取り組みなど、地域の観光作りが本格化するので、観光政策とリンクしていく形が必要。
○沖縄にある地元企業やツーリズムと連携してやっていきたい。また、沖縄の気候を生かした芝生の育成なども考えられる。現場目線の意見を提案して、よりよいスポーツ環境を作ることが重要。その結果、子供からアスリートまで、充実したトレーニングができるようになり、国内だけではなくアジアにも拡大する可能性がある。
○地域との関わりについて、サッカー以外では、農業と伝統工芸のコラボを進めている。自分たちが畑で耕すことより、畑を始めることが、地域との関わりにつながり、農作物を通じて、直売所などの売る場所、レストランなどの食べる場所につながって、産業や働く人が生まれることにもつながると思っている。
○今の観光客は、観光地を巡るだけではなく、地元の人たちが集まるところに行きたいと思っている。つまり、地域の人が集まる場所を作ることが重要。積極的な取組を行っている自治体と組むことによって、外への情報発信力も高まると思っている。
○沖縄の東側は、西側に比べて人が来ない。それは、単純にホテルなど宿泊施設が少ないため。リゾートでなくても簡易的に宿泊できる場所があれば、地域を見てもらうチャンスが生まれるので、そうしたアイデアも形にしていきたい。
○スポーツ選手の技と体については可視化や言語化ができてきてビジネス化につながっている。しかし、心の部分については、競技の中で主観的に多くのことを感じたり、学んだりしているが、客観的に表現することは難しい。
○イギリスでは心の面にもスポーツ心理学者が係わっているケースがある。心の面のビジネスアイデアについて、イギリスの取組をケーススタディとして学びながら、日本独自のビジネスも作れるのではないか。例えば、イギリスでは、勝つためのメンタルトレーニング以外にも、シーズンオフに、選手の自己探求や自己認識するプログラムを行っている。
○欧米の約6-7割のプロスポーツ選手が個人経営に興味があるといわれていて、引退後には、企業に就職するのではなく、自分でビジネスを行うために、選手オリジナルのブラディングをするためにイギリスのリーグが取り入れている。
○一流選手がビジネスを行う際、言語の使い方の違いが障害になることがある。専門的な話になるが、例えば、「自信」、「平常心」、「ストレス」、「モチベーション」という4つの言葉の定義は、ノンアスリートの社会で使われているものと、マニアックにスポーツを行っている人で異なる。
○スポーツ選手の言葉、特に実績のある選手の言葉は、子供たちや高齢者に対して、説得力があるので、地域においてビジネスにつながる可能性があるからこそ、言葉の使い方の違いなどについても示していくことが必要。
○とてもハイレベルな超トップクラスの競技実績をもつ選手のセカンドキャリアに関しては、個人のブランド力があるので、セカンドキャリア形成できるチャンスがある。一方で、いわゆるトップクラス、例えば、男子バスケのBリーグの選手、サッカーのJリーグの選手といった選手層には、プレーヤーとして多くの所属選手がいるため、個人のタレント性やブランドがそこまで高くないように思う。
○JOCと企業のアスナビという取組の必要性は感じる一方で、企業側が行う選手の労務管理にはいろいろな課題がある。例えば、選手を社員として雇用した場合、勤務時間が普通の社員とは異なる形態になる。対応策として嘱託職員として雇用するといった方法もあるが、労働基準や協定といったものに対する提言も必要。
○沖縄の地域特性は世界的にみても優れた環境であるが、沖縄だからうまくいくという理屈は通らない。なぜなら、スポーツ産業のほとんどは国内内需で、ローカルな産業だから。アメリカでは、フロリダやアリゾナだけが成功しているのではなく、ニューヨークやワシントンなど大都市やクリーブランドの寒い地域でも成功している。
○アメリカの大学がスポーツを通じて稼ぎ、その資金が大学の教育の質の向上につながっているのは、体育局の組織やそのガバナンスが機能していることだけではなく、体育局長に優れた人材を配置できているから。人材が非常に重要だが、日本では優秀な人材がスポーツ界にいないということが問題。
○Jリーグは、ヨーロッパを真似したが、失敗している。その要因の一つとして、選手がプロ化して、次にコーチ・監督がプロ化したが、経営陣がプロ化していないという現状にある。サッカーや野球というスポーツを売っているのではなく、スポーツを含めたエンターテイメントを売るということ。アメリカでは、経営のプロが成功できるモデルで、結果を出している。
○スタジアム・アリーナが地域活性化の核になることは、一丁目一番地の改革。だからこそ、新国立競技場の話ははずせない。このままでは失敗すると思うので、この会議で提言すべき。
○世界の中で日本が優れている分野について、世界に対して積極的に発信していくことも大事。運動・スポーツと健康や病気予防の分野は、平均寿命、健康寿命の延伸につながる。
○次世代のヘルスケア産業協議会では経済産業省、国土交通省などが一体となって協議している。スポーツ庁ができて、文部科学省ともつながり、スポーツを中心に、運動をする人を増やすことが重要だが、議論のための時間が十分でないように思う。
○スポーツ参加人口の拡大については、議論が不足しているので、フィットネスも含めて介護予防など、健康のための身体活動についても内容を加えたいと思う。
○地方自治体がスポーツ振興に貢献できることがある一方で、壁になっていることもある。壁になっている事例としては、地域型のスポーツクラブから学校施設の使用について要望があって、学校の校庭や体育館、プールを拠点に月謝をもらったビジネスとして使用する場合、自治体が壁になる。学校の教育財産を使って収益を上げることへの抵抗感があり、二の足を踏んでしまう現状もある。また夜間に学校のグラウンドでスポーツ教室をした場合、都会では騒音などさまざまなリスクがある。
○好事例もあって、いくつかの保育園が民間のスイミングクラブと連携して、学校の温水プールで午前中の使用していない時間帯に事業を行っている。水泳教室終了後は、民間のスイミングクラブが、次の集合場所や自宅の近くまで送迎するサービスを行っている。保育園で実施できるのは、管轄が文部科学省ではなく厚生労働省というところもある。教育的な縛りがないので、グレーな部分であるが、保護者の了承を得た上で行っている。
○例えば、スポーツ庁と連携して、公共施設を活用したスポーツ特区を作る検討はできないか。地方自治体は、スポーツで稼ぐことへの負の意識が強いと思うので、提言の中で、地方自治体に対するメッセージを送ってほしい。
○健康管理について、学校では子どもたちの健康診断を行っているが、集めたデータは5年程度保存すると破棄してしまう。このデータをデータベース化して、ケガ予防や健康管理につなげる取組を始めようとしている。日本全体でデータベース化して医療分野とマッチングすれば、ケガの減少や生活習慣の改善、アスリート養成にも役立つかと思う。
○日本のスポーツ資源の1つである学校体育施設の有効活用に関する話があってもいいかも。
○母子手帳から、小中学校の健康手帳へつなげていく、電子化してビッグデータとして活用していくなども将来的に面白い話。
○日本のスポーツ産業のデータは整備されていないし、公開しないデータになっている。IOCは、ヨーロッパのスポーツマネジメントスクールを通じて、コンフィデンシャルデータ(非公開資料)を使って事業をやっている。研究者がコンフィデンシャルデータによって、スポーツ団体のリアルな動きを分析することができる。
○一般的な産業と同様のデータを出すために、スポーツ関連の情報を収集する仕組みを作る必要がある。日本にはデータがないのではなく、あるデータを集約できていないことが課題。
○これまでの文部科学省が行っているスポーツに関連するデータは、年に1回、5年に1回といった間隔でよかったが、企業や産業の動きは刻一刻と変動しているので、最低でも四半期でデータを出し必要がある。春夏秋冬で行動パターンは異なるので、サービスの仕方が変わってくるはず。
○産業のデータ整備については、経済産業省の経済産業研究所が収集しているようなデータを研究する機関をスポーツ庁がもつべき。国立スポーツ科学センターに経営情報分析部門を作ってもよいと思う。研究者や投資家が信頼できる産業データの整備が重要。
○東京五輪から今に至るまでのオリンピック選手、約5000人の個人データは誰も把握していない現状。選手のセカンド・デュアルキャリアについて強調したいのは、オリンピック選手、プロスポーツ選手になるということは簡単なことではない。
○東大には3,000人の現役学生がいて、プロ野球は750人、プロサッカー選手は1,300人くらいいる。夏季のオリンピック代表選手は300人。スポーツがもつ素晴らしい人的財産を日本はまだまだ活用しきれていない。引退後の選手を、国の戦力にしていく必要がある。
○地域から一流選手を育成する視点だけではなく、地域住民の健康増進のためにも指導者としての役割を選手が持つという視点もあるべき。プロ選手の育成のための指導者は狭き門だが、日本国民の健康増進に目を向ければ、たくさんの選手たちのセカンド・デュアルキャリアの可能性がある。まずは企業がその価値を認識して、経済的サポートを行う仕組みづくりに官民が連携して積極的に取り組むことが必要。
○ルネサンスの会員推移について、20年間のメンバーが変わらずに60代にスライドしているのか、それとも変動しているのか。どのタイミングで運動習慣をつければ、運動を継続することにつながるのかのヒントになる話が聞きたい。
○若い層はたくさん入会して、1年ですべて入れ替わってしまうくらい、たくさんの方が退会する。逆に、高齢者は、入会者は少ないが入会したらあまりやめることはない。この20年間継続的に高年齢層を迎え入れる仕組みとして、プールには歩くコースを設置している。プールは泳ぐ場所という固定観念を再設定することが大事。
○セカンドキャリア・デュアルキャリアの話を聞いて、優秀なスポーツ人材や指導者がいるのに活用されていないことは非常にもったいない。介護予防は人材不足で困っているので、積極的に一緒にやっていきたい。
○アメリカのプロスポーツはフロントの経営人材がビジネスに特化していて優れている。まずはチケットマーケティングによる営業を徹底して、会場を満員にすることによって、スポンサーがつくという流れをきちんと作っている。一方で、日本はリーグ経営もチーム経営も未熟で、経営人材を育成する土壌として厳しい環境といえる。
○アメリカでは、NBAの会場で、7割くらいはコンサートやミュージカルを行っている。スポーツだけではなくて、観光や文化とタイアップしていくことが必要。
○沖縄では、1万人のアリーナ構想があると聞いている。Bリーグの川淵三郎さんは、1部のチームは5,000人以上のアリーナを作ることを条件にしているが、稼ぐとう意味で5,000人収容のアリーナでは小さいのはでないかと思う。アメリカのNBAの会場は1万人から2万人程度のアリーナで、韓国のKBLでも大きなアリーナがたくさんある。
○経営人材育成の中で、もっとも重要なことはチャレンジすることに対するエネルギーや好奇心をもっていること。次に課題を見つけられること、その課題の解決方法をみつける能力があることが重要。
○bjリーグは全国に24のプロチームが立ち上がったが、地域特性による経営の善し悪しというよりは、やはり経営人材が重要と感じている。大都市よりも田舎の方が成功しているケースが多く沖縄や秋田は成功例といえる。全体の7割は黒字経営だが、3割のチームは赤字で、その課題は環境の問題ではなく、経営者の問題だと感じている。
○体育とスポーツの違いは大まかなとらえ方があると思うが、学校体育のカリキュラムの中に豊かなスポーツライフの形成という項目が入っているので、体育は学校体育にとどまらずに地域でのスポーツ活動やファミリースポーツに広げていこうと取り組んでいる。
○骨子素案の体育やスポーツ、スポーツ教育といった言葉を慎重に使っていく必要がある。
○スポーツキャリアサポート戦略の課題として、セカンドキャリア、デュアルキャリアにおけるターゲットをどうするかという点がある。トップオブトップは自立・自活できるので、それ以外の大部分のアスリートのセカンドキャリアを社会に還元していくターゲットをどこに設定するのか。
○セカンドキャリア、デュアルキャリアという意識を定着させるためには、スチューデントアスリートをターゲットに、企業、教育側、スポーツ界、行政の4者が連携、協働体制を取り、ロールモデルを数多く提供することが必要。
○「ポスト2020年を見据えたスポーツで稼ぎその収益をスポーツへ再投資する自律的好循環の形成」という文言は、2020年後のスポーツへの予算がつきにくくなったときに、totoの売上拡大やスポーツ産業を育成することによって、その収益をスポーツ界へ還元していくと理解をしている。収益を上げたときの再投資先や再投資の仕組みについても、あわせて議論が必要ではないか。
スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当)
-- 登録:平成28年06月 --