初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第407号(令和3年2月26日)

[目次]

【お知らせ】
(1) 「多様な通信環境に関する実証」成果報告会の開催について
(2) 「社会教育士」特設サイトがオープンしました!
(3) 第5回コロナ×こどもアンケート -こどもの声から、学校を元気に-
(4) 京都コングレスにおいて法教育サイドイベントを開催します!

【地方教育行政研修生リレーエッセイ】
〔初等中等教育局幼児教育課 松本光泰(大阪府松原市)〕

【課長コラム】生徒の個性等をセンターにした多様で社会と直結する高校教育
〔初等中等教育局参事官(高等学校担当) 塩川達大〕

【連載企画】入門!「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)~「令和の日本型学校教育」ってなに?~

【お知らせ(1)】「多様な通信環境に関する実証」成果報告会の開催について

〔初等中等教育局情報教育・外国語教育課〕

 文部科学省では、GIGA スクール構想の実現に向けて、様々な学校の規模・ニーズ等に対応できるよう、多様な通信環境に関する実証事業を実施しています。
 1人1台端末環境 ・クラウド活用の下での教育コンテンツ活用に向け、学校外における通信環境を最適化するための検討方法についてご提案します。
 また、自治体における通信環境の整備例についても紹介します。学習系のネットワーク環境をご検討されるみなさま、ぜひご参加ください!

■ 日  時:令和3年3月11日(木曜日)14時00分~16時00分
■ 開催形態:オンライン(サイバー大講堂:Webex)
       サイバー大講堂の詳細
       https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/ca.html
■ 参 加 料:無料
       
※参加申込はこちら
https://info.bizdrive.ntt-east.co.jp/20210311?NewForm=bi_se_015

(お問合せ先)
初等中等教育局情報教育・外国語教育課学習情報係
 電話:03-5253-4111(内線3263)

【お知らせ(2)】「社会教育士」特設サイトがオープンしました!

〔総合教育政策局地域学習推進課・教育人材政策課〕

 文部科学省では、今年度から新しくスタートした「社会教育士」についての特設サイトと活躍事例動画を公開しました!
・「社会教育士」特設サイトはコチラ!
https://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/mext_00667.html
・活躍事例動画はコチラ!
https://youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbCo8aO3SUJQi0kE-0WaCLRq

 「社会教育士」は、【学びを通じた人づくり・つながりづくり・地域づくりの専門人材】で、ファシリテーション能力・プレゼンテーション能力・コーディネート能力などの専門性を持ち、行政や企業、NPO、学校などの様々な場所で活躍することが期待されています。

 この特設サイトを通して、より多くの方に「社会教育士」を知っていただき、地域の「社会教育士」と連携・協働していただけるように、さらには、自分自身が「社会教育士」になって活動していただけるように「社会教育士」制度について詳しく解説するとともに活躍事例を紹介する動画も公開しています。
○特設サイトの主な内容
★社会教育士ってなに?
★社会教育士の活躍事例
 ・活躍事例を動画で紹介!
  【福祉×社会教育士】
  【防災×社会教育士】
  【多文化共生・観光×社会教育士】
★社会教育士になりたい方へ
 ・社会教育主事講習、養成課程について

「社会教育士」に興味がある方もない方も是非、一度、御覧ください!

(お問合せ先)
総合教育政策局地域学習推進課地域学習推進係
総合教育政策局教育人材政策課社会教育人材研修係
 電話:03-6734-4111(内線2974・2962)

【お知らせ(3)】第5回コロナ×こどもアンケート -こどもの声から、学校を元気に-

〔総合教育政策局地域学習推進課〕
 
「自分が思っていることをこのアンケートで出して心の整理が出来たので良かったです」(小学生女子)

 コロナ禍におけるこどもの生活と健康に関するオンラインアンケートを2021年3月21日まで実施中です。
 先生方の呼びかけで多くのこどもや保護者の声が集まると、社会を動かす大きな力が生まれます。こどもにとっては、その呼びかけ自体が、おとながこどもの声に関心を持っているというメッセージになるかもしれません。
 アンケート参加方法およびこれまでの調査結果はホームページよりご覧いただけます。あわせて案内用のリーフレットもぜひご活用ください。
 
(1)アンケート参加方法
 https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/survey.html#3tab
(2)これまでの調査結果
 https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/related_info.html#3tab
(3)案内用のリーフレット
 https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/posterA4color0916.pdf
 https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/posterA4monoqlo0918.pdf

(お問合せ先)
国立成育医療研究センター 社会医学研究部内 コロナ×こども本部
 E-mail: co_kodomo@ncchd.go.jp
 電話: 03-3416-0181(内線4362)※担当者在宅勤務のため、なるべくメールでお問合せください

(本件担当)
総合教育政策局地域学習推進課青少年教育室事業係
 電話:03-6734-2971

【お知らせ(4)】京都コングレスにおいて法教育サイドイベントを開催します!

〔初等中等教育局教育課程課〕

 3月7日(日)から12日(金)まで,犯罪防止・刑事司法分野における国連最大の国際会議である「京都コングレス」が開催されます。京都コングレスでは,全体テーマの一つとして「法の支配の推進」が掲げられており,「法遵守の文化を醸成することを含む社会的,教育的その他の関連方策を検討すること」が議題の一つとされています。
 このため,法務省では,3月11日(木),法遵守の文化の醸成,法の支配の促進に当たってのグッドプラクティスとして,日本で実践している法教育普及のための取組などを紹介するサイドイベントを開催します。このサイドイベントでは,ビデオクリップで実際に行われた法教育授業の様子も紹介される予定です。
 サイドイベントは,法務省の「京都コングレス オンラインイベントポータル」を通じて視聴することが可能です。法教育にご関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら,是非ご覧ください。

※京都コングレス オンラインポータルはこちら
 http://www.moj.go.jp/KYOTOCONGRESS2020/participants_info/portal_site.html

(お問合せ先)
法務省大臣官房司法法制部司法法制課司法制度第二係
 電話:03-3580-4111(内線2364)
 E-mail:houkyouiku@i.moj.go.jp

<本件担当>
初等中等教育局教育課程課企画調査係
 電話:03-5253-4111(内線2565)

【地方教育行政研修生リレーエッセイ】

〔初等中等教育局幼児教育課 松本光泰(大阪府松原市)〕

 令和2年度も残り1か月半となりました。年度末でお忙しいとは思いますが、このような機会をいただきましたので、私の派遣元である松原市について、紹介させていただきたいと思いますので、お仕事の合間に読んでいただければと思います。

 私の出身地である松原市は大阪府のほぼ中央に位置しており、大阪市や堺市などと接しています。市域には、全国5位の規模を誇る河内大塚山古墳や、日本最古の国道と称され、平成29年度に文化庁より「日本遺産」に認定された竹内街道が通っており、歴史をちょっとだけ感じることが出来る街です。
 また、明治初期より140年間合鴨づくり一筋のお店があり、新鮮でおいしい「河内鴨」を楽しむことが出来ます。(ふるさと納税の返礼品として河内鴨の商品があるので、ぜひ興味のある方は松原市をふるさと納税先の一つに入れていただければと思います。)

 さて、思い返せば4月になにもわからないまま東京都にやってきました。来た直後に緊急事態宣言が発令されたことに伴い、窓口業務のある市ではなかなか経験出来ないテレワークでの業務をはじめ、さまざまな業務に携わらせていただきました。私の研修期間は2年間の予定なので、もう1年文部科学省での業務に携わらせていただき、多くのことを学びたいと思っております。
 今年度にご縁あって関わった職員の皆さんや研修生との繋がりを大切にしつつ、来年度に出会う職員の皆さんや研修生と楽しく一緒に業務ができればと思っております。

【課長コラム】生徒の個性等をセンターにした多様で社会と直結する高校教育

〔初等中等教育局参事官(高等学校担当) 塩川達大〕

1.中教審答申及び高校ワーキンググループ審議まとめ
 新高等学校学習指導要領の令和4年度からの実施に先立つ一年前の今、中央教育審議会では「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」を取りまとめました。高等学校については、「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ」での審議を踏まえて答申に至っております。(審議まとめはこちらをご覧願います。https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/sonota/1395249_00003.htm

 同審議まとめでは、
・現在普通科のみとされている、普通教育を主とする学科について、学際的な学びや地域社会に関する学びに重点を置くといった、特色・魅力ある教育内容の体を表す名にふさわしい学科設置の弾力化等(普通科改革)や、産業界を核として地域の産官学の関係者が主体的・協働的に専門高校の教育課程を開発実践する専門学科改革、
 さらには、全ての高等学校共通のテーマとして、
・学校の設置者が期待される社会的役割、目指すべき学校像を明瞭な言葉で再定義・公表(スクール・ミッションの再定義)や入学から卒業まで体系的で一貫した教育活動の3方針(「育成を目指す資質・能力に関する方針」「教育課程の編成及び実施に関する方針」「入学者の受け入れに関する方針」(スクール・ポリシー))を明瞭な言葉で策定・公表すること等を掲げております。なお、スクール・ポリシー等を通じた各高等学校の実像把握は進路指導の充実にも資するものです。
 中学校の先生方等におかれましても、これらの取組を通じた、変革する高校の現状・実態の認識をお願いしたいと思います。

2.生徒視点、人生百年時代・Society5.0の教育課程の実現を
 審議まとめや答申で提言されている高校改革は、新高等学校学習指導要領と異なるものでなく、その実施に向けた具体の実践方策であり、以下の新指導要領が大事にする点を踏まえた各学校等での取組を改めてお願いします。

<生徒の学びを中心にした教育課程の実現>
 これからの学校には、一人一人の生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手のとなることができるようにすることが求められます(指導要領前文)。

<高校の特性を踏まえた社会に開かれた教育課程の実現>
 指導要領前文の再びの引用ですが、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという、社会に開かれた教育課程の実現が重要となります。

3.生徒、各学校の特性を踏まえたオーセンティックラーニングを
 これらは初等中等教育段階の全ての学校に通底するものですが、その最終段階である高等学校では、義務教育で培われた基礎の上で、卒業後の社会的自立に向けて、社会の創り手となる資質・能力の育成、則ち、中教審初等中等教育分科会の荒瀬会長のお言葉を拝借すれば、「必要な時に自分で学べる力を育成することが重要」です。また、現実課題に近似した学びこそが現実の問題解決につながるというオーセンティックラーニングの考えからも、高等学校では、地元、さらには国の内外の産業界、大学、研究機関といった、生徒が近未来に進む蓋然性が高いフィールドでの体系的な学習が望まれます。新学習指導要領が目指す高校版社会に開かれた教育課程の実現を目指し、各学校、生徒の特性を踏まえた、生徒中心のオーセンティックな学びの実践が普通科に限らず全高校改革のターゲットと言ってもよいのではないでしょうか。そして、こうした社会と同期連結した教育課程を進める高校改革の要は、学びの専門職たる当該高等学校の教職員の主体的な取組であり、その取組に向けて皆様へ期待することを申し上げます。
 ひとつは、主体的な学校経営です。法令上卒業要件単位は74単位以上、いわゆる必履修教科科目の単位数は35単位以上、学校長の裁量で、半分以上学校設定科目を設けることも可能です。その一方、同じ地域の学校で、学校や生徒の特色、多様性があまり顧みられることなく同じような教育課程が編成されている事例もあります。当該学校の生徒にとって適切な教育課程の再検討等を行い、中学校よりも多種多様な高等学校における、より柔軟な教育課程編成権限を生徒第一で実行して頂きたいと思います。
 次に、前述と重複しますが、オーセンティックな実学を進める高等学校の教育課程は、より一層社会と連携した有機的体系的であることが本質的に求められます。「オープンイノベーション」の視点を取り入れて、各教科等の中にも教科横断的にも、さらには学校に閉じることなく、教育課程の再検討・再構築を図って頂きたく思います。地域産業やグローバルな課題研究を扱う際、データの散らばりや変量間の関係に着目した分析・考察・判断の学びは決して一つの教科科目に完結するものではないところ、そうしたことを共有した上での教育課程・指導計画づくり・授業実践等をお願いします。
 初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第383号のコラムでは、「僕は子どものころ、自分は文系だと思っていたのに、エレクトロニクスが好きになってしまった。その後、「文系と理系の交差点に立てる人こそ大きな価値がある」と、僕のヒーローの一人、ポラロイド社のエドウィン・ランドが語った話を読んで、そういう人間になろうと思ったんだ」(「スティーブ・ジョブズ I(講談社)」より)を引用しました。
 「サイエンス」の必要性は、例えば、社会学や教育学等でも高まっていることは言を俟ちません。どの専門分野に進み、どのような職業人となろうとも、社会の革新とともに自らの学びをアップデイトできる力の育成は、今の大人が経験している社会に比して圧倒的に求められます。その「効能の高い処方箋」が、「多種多様なひと・ものが交わる」交差点をたくさん設ける学びであり、社会に開かれた高校版教育課程の実現です。そして、こうした学びの実現によってこそ、いわゆる文系理系の分断といった現在指摘されている課題解決につながるものと管見しております。(因みに上記ジョブズ氏自伝の邦訳、原典の英語ではHumanitiesやArtsが文系に、Sciencesが理系とされています。既に経済学がSciencesに位置付けられているように、我が国の大学受験で想起されるいわゆる文系理系とは必ずしも一致を見ないところです。)。
 最後にこれまた繰り返しになりますが、こうした学びの実現は、学校、生徒の特性を誰よりも知悉し、学びのファシリテーターとしての専門性ある当該学校の教職員の先生方の双肩にかかっております。来年度、高校改革グラウンドゼロの年の取組の在り方が生徒の、日本の未来を豊かにする分岐点となるものです。文部科学省も国の役割としてできること、お声を聴きながら進めたいと思いますし、未来志向の生徒一人一人を中心とした高校改革の取組、切に期待申しあげる次第です。

【連載企画】入門!「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)~「令和の日本型学校教育」ってなに?~

 「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」(令和3年1月26日)より、今回は、「令和の日本型学校教育」について紹介します。

 まず、「日本型学校教育」とは、学校が、学習指導のみならず、生徒指導等の面でも主要な役割を担い、児童生徒の状況を総合的に把握して教師が指導を行うことで、子供たちの知・徳・体を一体で育むことを特徴とする我が国の学校教育のことを指しています。
 本答申では、150年に及ぶ日本型学校教育の成果と直面している課題を踏まえ、学校における働き方改革やGIGAスクール構想の実現といった動きを加速・充実させるとともに、新学習指導要領を着実に実施しつつ、従来の日本型学校教育を発展させていくことが必要とされました。
 また、これまで日本型学校教育が果たしてきた、(1)学習機会と学力の保障、(2)全人的な発達・成長の保障、(3)安全・安心な居場所・セーフティネットとしての身体的、精神的な健康の保障という3つの保障を学校教育の本質的な役割として重視し、これを継承していくことが必要であることも示されました。
 その上で、2020年代を通じて目指すべき学校教育が「令和の日本型学校教育」と名付けられ、その姿が、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」と描かれました。さらに、これを踏まえ、各学校段階における「子供の学び」、「教職員の姿」、「子供の学びや教職員を支える環境」のそれぞれについて、目指すべき姿が示されました。

<参考>
・日本型学校教育の成果と直面する課題について:総論第2章(本文5~15P、概要1P)
・「令和の日本型学校教育」について:総論第3章(本文15~22P、概要2~3P)

 次回は、令和の日本型学校教育が目指す「個別最適な学び」と「協働的な学び」について御紹介します。

<文部科学省HP>「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/sonota/1412985_00002.htm

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