初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第399号(令和2年10月23日)

[目次]

【お知らせ】
(1)中央教育審議会初等中等教育分科会「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(中間まとめ)」が取りまとめられました
(2)教育データ標準(第1版)の公表について
(3)令和2年度「地域とともにある学校づくり推進フォーラム」in愛媛について
(4)CSマイスターの派遣について
(5)令和2年9月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介
(6)熱意ある挑戦者求む!「Japan Challenge Gate 2021~全国ビジネスプランコンテスト~」開催決定!
(7)地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業の追加募集について
(8)「第30回全国産業教育フェア大分大会(さんフェア大分2020)」の開催について
(9)中学卒業後のもう1つの進路 高等専修学校オンラインセミナー
(10)廃校活用マッチングイベント(東京会場)」開催
(11)多言語発信!新型コロナウイルス感染症に関する放送大学教員からのメッセージ

【発行】
(1)総合広報誌『文部科学広報』9月号発行のお知らせ

【地方教育行政研修生リレーエッセイ】
初等中等教育局児童生徒課 松本卓也(京都市)

【課長コラム】「令和の日本型学校教育」
〔初等中等教育局初等中等教育企画課長 浅野敦行〕

【お知らせ(1)】中央教育審議会初等中等教育分科会「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(中間まとめ)」が取りまとめられました

〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕

 令和2年10月7日に、中央教育審議会初等中等教育分科会において、「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(中間まとめ)」が取りまとめられました。
 「中間まとめ」では、2020年代を通じて実現を目指す学校教育を「令和の日本型学校教育」と名付け、目指すべき学校教育の姿と具体的な施策の方向性が示されましたので、是非ご覧いただければと思います。
 引き続き、中央教育審議会において審議いただき、今年度内に答申いただく予定となっております。

(概要)https://www.mext.go.jp/content/20201007-mxt_syoto02-000010320_1.pdf
(本文)https://www.mext.go.jp/content/20201007-mxt_syoto02-000010320_2.pdf 

(お問合せ先)
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
 電話:03-6734-3570
 E-mail:syokyo@mext.go.jp

【お知らせ(2)】教育データ標準(第1版)の公表について

〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕

 文部科学省では、教育データを効果的に活用するため、データ内容の規格及び技術的な規格を揃える教育データの標準化を進めており、この度、文部科学省「教育データ標準」(第1版)を公表しました。これは、教育データを(1)主体情報、(2)内容情報、(3)活動情報の3つに区分して定義するとともに、学習内容の情報の基盤となる学習指導要領にコードを付与したものです。
 今後、学習指導要領コードが様々なコンテンツに付与されることにより、教科書・教材等の連携やデータベース化などが容易になります。このことにより、例えばデジタル教科書・教材、博物館のデジタルアーカイブなどの関連づけが可能になり、子供たちの学びを広げ、深めることができますので、今後の展開にご期待いただければと思います。

※詳細は、こちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/data_00001.htm

(お問合せ先)
初等中等教育局初等中等教育企画課学びの先端技術活用推進室
 電話  :03-6734-3803
 E-mail:manabisentan@mext.go.jp

【お知らせ(3)】令和2年度「地域とともにある学校づくり推進フォーラム」in愛媛について

〔総合教育政策局地域学習推進課〕

 「社会に開かれた教育課程」の実現に向けて、地域と学校の連携・協働を進めるため、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進を目指します。今年は、ライブ配信及びオンデマンド配信にて開催します。実践的な取組事例の発表やパネルディスカッション等、地域と学校の連携・協働を進めていく上で、非常に参考となる内容となっていますので、多くの方の御参加をお待ちしています。

■愛媛デジタルフォーラム
令和2年11月5日(木曜日) WEBを活用
詳細は、こちらを御覧ください。
https://manabi-mirai.mext.go.jp/2020/10/in-5.html 

 今後は、東京・栃木での開催を予定しています。
 詳細は、こちらを御覧ください。
 令和2年度「地域とともにある学校づくり推進フォーラム」について
https://manabi-mirai.mext.go.jp/2020/10/post-24.html

(お問合せ先)
総合教育政策局地域学習推進課地域学校協働活動推進室地域学校協働推進係 
 電話:03-5253-4111(内線 3720)

【お知らせ(4)】CSマイスターの派遣について

〔総合教育政策局地域学習推進課〕

 文科学省では、コミュニティ・スクール及び地域学校協働活動等について、経験と知識が豊富であり、実践に携わった実績を有する者(CSマイスター)を各地に派遣し、講話や助言などを含めた必要な支援を行うCSマイスター派遣事業を実施しています。現在、申し込みを受け付けておりますので、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動等の推進にぜひ御活用ください。

詳細は、こちらを御覧ください。
・令和2年度「CSマイスター派遣事業」について
https://manabi-mirai.mext.go.jp/2020/05/cs-2.html
・令和2年度CSマイスター 一覧
https://manabi-mirai.mext.go.jp/torikumi/chiiki-gakko/r1cs.html 

(お問合せ先)
総合教育政策局地域学習推進課地域学校協働活動推進室地域学校協働推進係
 電話:03-5253-4111(内線 3720)

【お知らせ(5)】令和2年9月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介

〔初等中等教育局情報教育・外国語教育課〕
 
 文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、併せて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。
                                                     
(令和2年9月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介)
※以下、文部科学省特別選定を「特別選定」、文部科学省選定を「選定」として、【作品名】/申請者/利用対象の順に記載しています。

<令和2年9月文部科学省選定作品(学校教育教材等)>
○紙芝居(選定)
・【とちもち もちもち おいしいね】/株式会社童心社/幼稚園等幼児向き・幼児向き
・【こんやは なつまつり】/株式会社童心社/幼稚園等幼児向き・幼児向き
・【おばけのしんたいそくてい】/株式会社童心社/幼児向き
・【おばあさんとマンガス】/株式会社童心社/少年向き

○DVD(選定)
・【城屋の揚松明 火祭りに込めた祈り】/株式会社CNインターボイス関西支社/成人向き
・【靴ひも】/株式会社マジックアワー/青年向き・成人向き

(お問合せ先)
初等中等教育局情報教育・外国語教育課映像等審査担当
 電話:03-5253-4111(内線2417)

【お知らせ(6)】熱意ある挑戦者求む!「Japan Challenge Gate 2021~全国ビジネスプランコンテスト~」開催決定!

〔初等中等教育局児童生徒課〕

 中小企業庁では、日本の未来を切り開く挑戦者のビジネスプランを表彰する「Japan Challenge Gate 2021~全国ビジネスプランコンテスト~」を開催します。今年度は高校生もターゲットに加え、【地域創造部門】、【高校生部門】の各部門でビジネスプランを募集、優秀なプランには経済産業大臣賞・中小企業庁長官賞(予定)を授与します。

(応募概要)
1.募集期間
令和2年11月30日(月曜日)まで

2.募集対象者
(1)地域創造部門
未創業または創業後5年未満の者で創業支援機関やビジネスプランコンテストの実施団体から推薦を受けた者
(2)高校生部門
全国の高等学校等に在籍する1~3年生の者からなる個人またはチーム

※詳細は、募集要領をよくご確認ください。

(お問合せ先)
【ご応募・ご質問について】
「中小企業庁 令和2年度起業家教育事業」
(事務局)株式会社KADOKAWA/株式会社角川アスキー総合研究所
 E-mail:jcg@lab-kadokawa.com
【その他】
中小企業庁 創業・新事業促進課 創業促進係
 電話:03-3501-1767(内線5342)

(本件担当)
初等中等教育局児童生徒課キャリア教育推進係 
 電話:03-5253-4111(内線4728)

【お知らせ(7)】地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業の追加募集について

〔総合教育政策局生涯学習推進課〕

 文部科学省では 高校中退者等を対象に、高等学校卒業程度の学力を身に付け、それぞれの夢に向かって頑張ることができるよう、一人一人の挑戦と飛躍への「チャンス」を最大化するための学習相談及び学習支援を行う地方公共団体等の取組を支援することを目的に「地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業」を実施しています。

 事業の概要としては、上記に資する取組を行う地方自治体に係る経費の3分の1を国が補助するものです(詳しくはお問合せください)。

 追加募集期間は10月15日~11月13日の予定です。
 誰しもが学び直しのチャンスを活用しステップアップを図るための一助としてぜひ本事業をご活用ください。

本事業を活用した取組事例
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/manabinaoshi/mext_00955.html

(お問合せ先)
総合教育政策局生涯学習推進課職業教育推進係 
 電話:03-6734-3253(直通)     
 E-mail:syokugyou@mext.go.jp   

【お知らせ(8)】「第30回全国産業教育フェア大分大会(さんフェア大分2020)の開催について」

〔初等中等教育局参事官(高等学校担当)付産業教育振興室〕

 全国産業教育フェアは、農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報、福祉などの全国の専門高校等で学ぶ生徒が日頃の学習成果を発表し、専門高校の魅力を発信するとともに、見て体験して楽しめるイベントが多数開催されます。
 将来のスペシャリストたちのすばらしい発想力、高い技術・技能を是非御覧ください。

開催日:令和2年10月24日(土曜日)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を考慮して、参集型開催に加え、インターネットにおいても特設HPにより開催いたします。

〔さんフェア大分2020HP〕会場・実施内容など詳細は、こちらを御覧ください。
http://kou.oita-ed.jp/sanfair2020/
〔インターネット開催特設HP〕10月中旬より随時コンテンツが公開されますので、ぜひ御覧ください。
https://sanfairoita2020.com/ 

(お問合せ先)
初等中等教育局参事官(高等学校担当)付産業教育振興室産業教育係
 電話:03-5253-4111(内線2384)

【お知らせ(9)】中学卒業後のもう1つの進路 高等専修学校オンラインセミナー

〔総合教育政策局生涯学習推進課〕

 文部科学省では、高等専修学校の魅力を、多くの方々、特に中学校の先生方や中学生、その保護者の方々に知っていただくために動画を公開!
 高等専修学校とは、学校教育法に位置付けられた専修学校の一つです。
 中学校卒業者を対象に、実生活に必要となる基礎的な内容を学びつつ、専門知識と技能を身に付けることに重点を置いた教育機関です。
 
○詳しくは、こちらを御覧ください。(掲載場所:文部科学省YouTubeチャンネル)
 中学卒業後のもう1つの進路⇒ 高等専修学校オンラインセミナー
 https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbBS59kT_ATJ8sUkVHXWrIUr 

○高等専修学校の特色
・高等専修学校のカリキュラムは自由度が高い
・資格をとりたい人、興味ある分野を深く学びたい人、普通の高校では馴染めないかもしれない人、不登校や高校中退を経験したけれど再スタートを切りたい人など、多様な生徒たちを受入れ
・一人一人の個性を尊重しながら能力を伸ばし、支援の必要な生徒のケアを手厚く実施

○見ていただきたい方
・中学卒業後の進路を考えている生徒やその保護者の方
・小学校や中学校、大学の教職員の方
・各都道府県の教育部局の方

○動画のポイント
・対談形式で高等専修学校について分かりやすく解説
・高等専修学校6校による高等専修学校の特徴を紹介するPR動画

○協力いただいた高等専修学校
 ・郡山学院高等専修学校 ・東放学園高等専修学校
 ・武蔵野東高等専修学校 ・大阪YMCA国際専門学校
 ・育成調理師専門学校  ・立修館高等専修学校

(お問合せ先)
総合教育政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室
 電話:03-5253-4111(内線2915)

【お知らせ(10)】「廃校活用マッチングイベント(東京会場)」開催

〔大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課〕
 1年に発生する廃校は約500校。文部科学省では、「みんなの廃校プロジェクト」として廃校活用を推進しています。
 このたび、廃校活用について学び、廃校を「使ってほしい」自治体と「使いたい」事業者とのマッチングを図るイベントを開催します。是非お越しください!

開催日:令和2年12月4日(金曜日)13時30分~15時30分(13時00分開場)
会 場:大田区産業プラザPIO(東京都大田区南蒲田1丁目20-20)
     京浜急行「京急蒲田」駅より徒歩約3分  
参加費:無料
申 込:令和2年11月20日(金曜日)17時まで(定員約150名を想定)
※イベント詳細はこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/1422877_00001.htm 

(お問合せ先)
大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課振興地域係
 電話:03-5253-4111(内線2001)
 E-mail:minpro@mext.go.jp

【お知らせ(11)】多言語発信!新型コロナウイルス感染症に関する放送大学教員からのメッセージ

〔総合教育政策局生涯学習推進課〕

 放送大学では、新型コロナウイルス感染症に関して学術的な知見からまとめた番組「新型コロナウイルス流行の中で~放送大学教員からのメッセージ~」の総集編に、英語、ベトナム語の字幕を付け、 放送大学YouTube チャンネルで公開しました。是非御覧いただき、身近な外国人の方々の支援につなげていただければ幸いです。
※詳細は、こちら
https://www.ouj.ac.jp/hp/o_itiran/2020/0929.html 

(お問合せ先)
放送大学学園 総合戦略企画室
 電話:043-276-5111(内線4541)

(本件担当)
総合教育政策局生涯学習推進課放送大学振興係
 電話:03-6734-3459

【発行(1)】総合広報誌『文部科学広報』9月号発行のお知らせ

〔大臣官房総務課広報室〕

 『文部科学広報』は、文部科学省が発行する唯一の総合広報誌(電子book)です。
本誌は、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化・芸術等、文部科学行政全体を網羅し、様々な重要施策や最新情報について、総合的な紹介を行っています。

最新号について
◆Topics
萩生田文部科学大臣が再任 新文部科学副大臣、文部科学大臣政務官就任

◆特集
地域における文化観光の推進について

◆Monthly Line Up
・令和2年度学校基本調査速報公表について
・令和元年度スポーツ功労者顕彰式(プロスポーツ関係者)を開催
・学びを通じたステップアップ支援促進事業~様々な角度からの社会人の学びの応援~
・「文部科学省情報ひろば企画展示室」において新たな企画展示を開始しました!

文部科学広報トップページ
http://www.koho2.mext.go.jp/ 

(お問合せ先)
大臣官房総務課広報室事業第一係
 電話:03-5253-4111(内線2171・2243)

【地方教育行政研修生リレーエッセイ】

〔初等中等教育局児童生徒課 松本卓也(京都市)〕

 涼しさが増し、秋めく季節となった今日この頃ですが、先日、私の派遣元である京都市にとって喜ばしいニュースが立て続けに飛び込んできました。アメリカで最も権威のある旅行雑誌の一つが実施した、「最も魅力的な都市を決める読者投票」において、京都が「初めて世界第1位」に、また、日本のある会社が毎年、調査・発表している「市区町村の魅力度ランキング」でも、京都市が「3年ぶりに第1位」に選ばれたとのことです!これまでとは状況の異なるウィズコロナ時代におきましても、国内・海外問わず、引き続き、多くの方々からご支持いただいておりますことに、一人の市職員としても、大変嬉しく感じるとともに、改めて感謝申し上げる次第です。
 さて、自身のこの半年強を振り返りますと、東京では、3月末にはすでに新型コロナウイルス感染拡大の様相を呈しており、4月に入ってからは緊急事態宣言も出されました。配属されて早々にテレワーク勤務を行うなど、最初は生活・仕事両方に戸惑いもありましたが、文部科学省の職員の方々や他の研修生にも支えられ、ここまでやってくることができました。世界てきにも未曽有のこの1年、残りの期間も全力で乗り切り、得た経験をより良い行政職員になるための糧にしたいと思います。
 最後になりましたが、私の研修生生活に関わっていただいている皆様、誠にありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

【課長コラム】「令和の日本型学校教育」

〔初等中等教育局初等中等教育企画課長 浅野敦行〕

 今月7日、中央教育審議会初等中等教育分科会において、新しい時代の初等中等教育のあり方について、昨年4月の包括的な諮問に対する中間的なとりまとめが行われた。包括的な諮問であるため、広範な内容となっているが、ぜひご一読いただきたい。この中間まとめの議論には、2つの大きな要素が影響している。一つは審議を進めていただいたメンバー。これまでの議論に携わってきた専門家、学校現場や教育行政に携わる方々、様々な団体等に加えて、新しい取り組みを現場で実践している新進気鋭の方々にも参画いただいた。これまで以上に活発な議論を行っていただいたものと確信している。もう一つは審議を取り巻く情勢。今回の諮問後にGIGAスクール構想の急速な進展と、新型コロナ感染症による学びの新たなスタイルの模索が、急遽、被さってきた。昨年の今頃は、初等中等教育分科会においてICTや先端技術の在り方について特に優先的な審議が行われた中にあっても、GIGAスクール構想の芽は地中深く埋まっており、新型コロナウイルス感染症が日本の社会と世界の在り方を大きく変化させることなど予想もされなかった。
 この中間まとめの大きな背骨にだけ言及したい。それは、この副題になっている「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現」である。この副題を掲げた意味は2つの視点から考えられる。1つは、これまでも学習指導要領では一貫して、個人の特性に応じた指導がうたわれてきた。しかしながら、現実にどこまで実現できるかについては、どのような環境の下で行われるかによるところが大きく、これまでの教育でそのことが十分に実現され、個々人の興味・関心や能力、適性等に対応した教育が行われてきたとは必ずしも言い難い。形式的な授業時数の確保や教科書を最初から最後まで教え切るといった点のみが重視され、受け手側の学習者が理解できているか、一人一人にあった学習内容になっているかが、十分に重視されてきたと言えるだろうか。このことは、各教師が担当する児童生徒数の多さやそれをアシストする環境の整備が不十分だったことにも起因する。しかしながら、今後は、GIGAスクール構想によるオンライン・遠隔教育や学習履歴などICTという強力なアシストを得て、児童生徒の個別の学習状況などを教師が把握しやすくなる。さらに担当する児童生徒数を減じることができれば、この副題の趣旨を大きく実現に近づけるチャンスとなるのではないか。これを受けて、中間まとめでは、(1)補充的・発展的な学習指導の充実、(2)特定分野に特異な才能を持つ児童生徒に対する指導に関する実証研究の実施について触れている。
 もう1つは、ICTも活用して基礎基本の習得をより確実にする一方で、AI技術が高度に発達するSociety5.0時代にこそ、児童生徒同士による学び合いなど、協働的な学びの重要性がより一層高まっていくということである。コロナのための臨時休業の長期化による学習の遅れを取り戻す中で、真に学校でやるべき教育はなにかということが改めて問われた。オンラインで指導を行うことができた学校においても、改めて協働的な学びや集団による活動などの重要性が認識されたようである。主体的・対話的で深い学びを実現するためには、対面・集団による協働的な学びが不可欠である。オンライン・遠隔授業では代替が困難な学習であり、学校における教師による指導がより重要となる。このような個別最適な学びと協働的な学びを充実させていく観点から、教科等横断的な視点で教育課程を編成・実施するカリキュラム・マネジメントの重要性が改めて指摘されており、中間まとめの中では、カリキュラム・マネジメントに係る学校裁量の幅の拡大の一環として、教科等の特質を踏まえつつ、教科等ごとの授業時数の配分を一定程度弾力化することが可能となる制度を設けるべきとされている。学校ごとに児童生徒や学校の実態を踏まえながら、カリキュラム・マネジメントが充実され、個別最適な学びと協働的な学びを組み合わせた時間の使い方となることが期待される。
 これまでの我が国の学校教育の良い点を受け継ぎながら更に発展させる「令和の日本型学校教育」は、これまでの教育とあまり変わらないのではと誤解されることもあるが、ここまで説明させていただいたように、実は目標に掲げながら実現できてこなかった教育を目指して初等中等教育を抜本的に変えていくことを示唆している。現在、関係団体からのヒアリングが行われているところであるが、今後、来年早期の答申に向けて更に審議を重ねていただく中で、事務局としても主体的・対話的で深い学びを続けていきたいと思っている。

お問合せ先

初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部

03-5253-4111

(初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部)