初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第393号(令和2年7月31日)

[目次]

【お知らせ】
(1)令和2年7月豪雨について(文部科学省等の対応)
(2)令和2年6月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介
(3)東京2020教育プログラム「ようい、ドン!」関連事業の実施期間延長について
(4)「日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)」オンライントピックセミナーの開催について
(5)「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」について
(6)「廃校活用マッチングイベント(福岡会場)」開催
(7)令和元年度文部科学白書について

【特別寄稿】県域で取り組むGIGAスクール構想の内容と共同調達
(奈良県域GIGAスクール構想推進協議会 小崎誠二)

【課長コラム】特別支援教育の担当者
(初等中等教育局特別支援教育課 八田和嗣)

【お知らせ(1)】令和2年7月豪雨について(文部科学省等の対応)

〔大臣官房文教施設企画・防災部参事官(施設防災担当)〕

 今般の記録的な大雨による災害で亡くなられた方々に、哀悼の意を表するとともに、被災された方々に対して心よりお見舞いを申し上げます。
 文部科学省のホームページでは令和2年7月豪雨に関する被害情報や、被災した児童生徒等への支援・配慮等についてまとめております。
 引き続き、子供たちの安全・安心な教育環境の確保に向け、関係自治体とも連携し、被災者に寄り添いながら、先手先手で被災地の支援に全力を尽くしてまいります。

○文部科学省HP「令和2年7月豪雨について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/r02gouu7/index.html

(お問合せ先)
大臣官房文教施設企画・防災部参事官(施設防災担当)
電話:03-5253-4111(内線:2290)

【お知らせ(2)】令和2年6月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介

〔初等中等教育局情報教育・外国語教育課〕

 文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、併せて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。

(令和2年6月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介)
※以下、文部科学省特別選定を「特別選定」、文部科学省選定を「選定」として、【作品名】/申請者/利用対象の順に記載しています。

<令和2年6月文部科学省選定作品(学校教育教材等)>
○紙芝居(選定)
・【アオバズクのおうちさがし】/株式会社童心社/小学校低学年児童向き・幼児向き・少年向き

○DVD(選定)
・【Fly to the World!】/株式会社放送映画製作所東京支社/中学校生徒向き
・【中学校の現代的なリズムのダンス授業 ~レクチャームービー~】/株式会社LDH JAPAN/少年向き
・【咲む(えむ)】/一般財団法人全日本ろうあ連盟/青年向き・成人向き・家庭向き 

(お問合せ先)
初等中等教育局情報教育・外国語教育課映像等審査担当
電話:03-5253-4111(内線2417)

【お知らせ(3)】東京2020教育プログラム「ようい、ドン!」関連事業の実施期間延長について

〔スポーツ庁オリンピック・パラリンピック課〕

 東京2020組織委員会は、東京2020教育プログラム「ようい、ドン!」について、以下のとおり関連事業の実施期間等を延長しました。また、関連教材のウェブサイトでの無料配布を継続します。引き続きオリンピック・パラリンピック教育の推進に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

(1)学校事業認証
オリンピック・パラリンピック教育に取り組む学校の教育事業を、「ようい、ドン!スクール」として認証しています。
この度、申請期限を2021年5月28日までに延長しました。

(2)東京2020聖火リレー×教育プログラム
学校等における聖火リレーに関する学習事例レポートを募集しています。
本事業の受付期間を2021年9月10日までに延長しました。

※詳細はこちら
https://education.tokyo2020.org/jp/

(お問合せ先)
東京2020組織委員会教育チーム
電話:0570-00-6620(コールセンター、平日9時~17時)
E-mail:education@tokyo2020.jp

(本件担当)
スポーツ庁オリンピック・パラリンピック課
電話:03-5253-4111(内線3951)

【お知らせ(4)】「日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)」オンライントピックセミナーの開催について

〔大臣官房国際課〕

 「日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)」では、日本型教育を海外展開している事業者による事例紹介や質疑を通して、日本型教育の強みや海外展開の機会について考えることを目的としたオンラインセミナーを開催します。
 今回は、「体育教育」をテーマに、EDU-Portパイロット事業実践機関による事例紹介、スポーツ庁による政策説明等を通して「日本型教育の海外展開」の可能性を皆様と一緒に模索できればと思います。
 同分野に関連する企業の方、体育教育に関心のある教職員・学生の方等、どなたでもご参加いただけます。

■■■開催のご案内■■■
○日時:2020年8月28日(金曜日)16時00分~17時15分
○配信:Zoom
※当日使用するZoomのURLは、参加登録いただいた方に事前にお知らせします。
○参加費:無料
○申込:下記URLにアクセスしてお申込みください。
https://forms.gle/WUz8s2buzrbvtX5a6
○注意:プログラムは、予告なく変更される場合があります。

詳細はこちらをご覧ください。
https://www.eduport.mext.go.jp/news/2020/07/post-21.html
ご参加をお待ちしております!

(お問合せ先)
大臣官房国際課 日本型教育海外展開推進プロジェクトチーム
電話:03-5253-4111(内線3407)

【お知らせ(5)】「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」について

〔研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室〕

 国立情報学研究所(NII)では、遠隔授業等の準備状況に関する情報をできるかぎり多くの関係者間で共有することを目的とし、3月下旬よりこれまで金曜日にオンラインで「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」を開催しています。
 大学をはじめとする関係者の皆様から、遠隔授業に関する様々な取組事例・課題等について幅広く発表・共有いただいており、最近の開催では「ウィズコロナ時代の対話型オンライン授業と授業研究例」「関西創価高等学校におけるオンライン教育の取り組み」「県域同一ドメインによるクラウドサービスの運用及び利用」など、小学校・中学校・高校での遠隔授業に取り組まれる上で参考になるようなご報告をいただいています。
 これらのご報告を含むシンポジウムの講演映像や資料は随時公開されており、第1回から第12回までの延べ参加者はおよそ19,000人、再生回数はおよそ12万回(令和2年7月10日現在)に及んでいます。

※詳細、過去コンテンツはこちら(NIIウェブサイト)
https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/
プログラムや参加方法などは決まり次第上記HPに掲載しますので、ご確認の上、是非お気軽に御参加ください。
 
(お問合せ先)
国立情報学研究所サイバーシンポジウム窓口
E-mail:dc-sympo@nii.ac.jp
※国立情報学研究所では在宅勤務のため電話での応対を休止しています

(本件担当)
研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室学術情報係
電話:03-5253-4111(内線4080)

【お知らせ(6)】「廃校活用マッチングイベント(福岡会場)」開催

〔大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課〕

 1年に発生する廃校は約500校。文部科学省では、「みんなの廃校プロジェクト」として廃校活用を推進しています。
 このたび、廃校活用について学び、廃校を「使ってほしい」自治体と「使いたい」事業者とのマッチングを図るイベントを開催します。是非お越しください!

○開催日:令和2年9月15日(火曜日)14時00分~16時00分(開場13時30分)
○会 場:福岡国際会議場401-403会議室(福岡県福岡市博多区石城町2-1)
○参加費:無料
○申 込:9月1日(火曜日)17時00分まで(先着順、定員100名)
※イベント詳細はこちら
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/1422877.htm

(お問合せ先)
大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課振興地域係
電話:03-5253-4111(内線2001)
E-mail:minpro@mext.go.jp

【お知らせ(7)】令和元年度文部科学白書について

〔総合教育政策局政策課〕
       
 文部科学省では、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術にわたる文部科学省全体の施策を広く国民に紹介することを目的とし、文部科学白書を毎年刊行しています。このたび、令和元年度文部科学白書を公表しました。本白書の特集の内容について、次号以降で紹介していきます。

令和元年度文部科学白書(概要)
【冒頭】大学入試改革の現状について
    新型コロナウイルス感染症に関する対応について
【第1部】特集
特集1 教育の情報化~GIGAスクール構想の実現に向けて~
特集2 ラグビーワールドカップ2019日本大会の軌跡とレガシー
【第2部】文教・科学技術施策の動向と展開
文教・科学技術施策の年次報告として、主な内容を分野ごとに記述しています。

令和元年度文部科学白書(概要)はこちらを御覧ください。
→  https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/07/1418930_00004.htm

(お問合せ先)
総合教育政策局政策課政策審議第一係
電話:03-5253-4111(内線3458)

【特別寄稿】県域で取り組むGIGAスクール構想の内容と共同調達

〔奈良県域GIGAスクール構想推進協議会事務局長 小崎誠二〕

 奈良県では、令和時代のスタンダードな学校像として、ICT環境の充実が必要だととらえ、1人1アカウントをベースとした、学校におけるマルチデバイスが活用できる環境及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備、教育環境で楽しく学べる学校づくりを目指してきました。
 今、私の立場は、その構想を推進する組織「奈良県域GIGAスクール構想推進協議会」の事務局長です。もちろん、奈良県教育委員会として教育の情報化を推進する、奈良県立教育研究所の教育情報化推進部主幹という立場もありますが、県教育委員会が県立学校中心に物事を見ていくのに対し、協議会は市町村立学校の視点から、地域や学校の実情に応じて、関係者と協議しながら教育の情報化を推進していこうという、とても大きな組織運営になります。

(参考)奈良県域GIGAスクール構想推進協議会会則第1条
 奈良県教育委員会及び奈良県内市町村教育委員会等が連携・共同して、文部科学省、経済産業省、総務省が掲げるGIGAスクール構想の実現を目指し、情報通信基盤及び端末等の整備に関する行政運営の簡素化及び効率化に資するため、奈良県域GIGAスクール構想推進協議会を設置する。
http://www.e-net.nara.jp/kenkyo/index.cfm/27,2191,c,html/2191/naragiga_2020yakuin.pdf

 全国の自治体では、今回のGIGAスクール構想を実現するための情報端末やネットワークを整備するための共同調達や協力組織を立ち上げているところが多いのではないかと思います。みなさんの地域はいかがでしょうか。奈良県の場合は、これから数年間にわたって教育の情報化が浸透するまでの組織ですので、一時的なものではなく、県内すべての教育委員会が参加し、奈良県教育長が会長を務めています。
 たとえば、県域で利用していく予定の統合型校務支援システムについても、推進協議会が中心になって進めていくことになります。もし、今後、大型提示装置を導入したい、このコンテンツを導入したい、このようなことをテーマにした研修会を開催したい、新しいサポートが必要ではないかという場合にも、県域で相談して、協力して、調達したり実施したりしましょうか、という協議をする場が用意されているということになります。
 ただし、注意点があります。そのことによってお互いの業務負担が今までより多くなってしまうようでは本末転倒ですから、いかに省力化できるか、みんなで知恵を出し合って、いい意味でみんなが楽になるように助け合いましょう、ということがコンセプトです。
私たちのこの取組は、奈良県立教育研究所のWebサイトですべて公開しています。

「奈良県域GIGAスクール構想の実現」
http://www.e-net.nara.jp/kenkyo/index.cfm/27,2191,109,html

以下、昨年末くらいからこれまでの取組についてWebページに掲載している内容を整理する形でご紹介いたします。

【奈良県の教育の情報化の目的】
〇デジタル社会を生きる子どもたちに必要な知識・技能を身に付けさせる。
〇情報推進技術を導入し、活用することで、教育課題の解決を図る。

【共同調達整備の方針】
〇県内全自治体で協議し、各自治体の希望を確認した上で、希望に応じて、協議会がプロポーザルを実施し、その結果に基づいて各市町村が個別契約をする。
〇OSも端末の種類(Wi-FiかLTEか)も、県域で統一しない。
〇クラウドで利用するサービスやコンテンツは、どの端末でも利用できることを前提とし、県域で統一する。

【共同調達の結果】
http://www.e-net.nara.jp/kenkyo/index.cfm/27,2191,c,html/2191/20200710_gigajissijyokyou.pdf

【共同調達の考え方】
(令和2年6月25日実施「プロポーザル説明会」での説明会会議録より)
 1つめは、共同調達はクラウド活用を前提とし、インストール型のアプリやコンテンツは基本的に対象外とする、という点です。県内すべての子どもたちにGoogleアカウントを付与していますので、端末にインストールされているかいないかで学習状況が影響するのは避けたい、つまり、学校の端末でも個人の端末でも同じことができるようにしておきたいという思いでの調達です。
 2つめは、子どもたちが、安心して利用できるように、しっかりと管理できるようにしたい、という点です。家に持ち帰ること、個人の端末でも学習することを踏まえ、基本的に、端末で管理するのではなく、アカウントで管理できるようにしたい。それをベースにご提案いただきたいという思いです。複雑な操作が必要な状況や、パソコンのプログラムやアプリケーションによる影響で、学習が中断するなどのトラブルが起こるような状況は極力避けたいと思います。
 3つめは、今回の調達は、次は各家庭で個人購入をしていただくということを前提にしているということです。奈良県立の高校や特別支援学校は、BYODで推進していくことを宣言させていただきました。いつからどのようにということは、これから議論を重ねることになりますが、基本的には全員が自分の端末をもっているという教育活動を推進していくことになります。市町村においても、同じような考え方に立脚して予算措置をしていくことになるのではないかと思います。少なくとも5年後には、学校として端末の更新はしない、その頃には、電気、水道、ガス、インターネットの4つが日本社会のインフラになっていて、子どもたちは、例えばランドセルのように、家族に買ってもらった端末を持って、その環境の中で、勉強したり、遊んだりするという社会になっている、という前提です。学校の教室にも、黒板、机、椅子、ロッカー、インターネットという環境があたりまえのようにある。子どもたちは自分に合った、入学祝で家族が用意してくれた愛着がある端末をもって学校に通い、日々の生活を送る。たとえば、文字が見えにくい子どもは、拡大縮小が自由にできる日常生活で使う自分に合った端末を、聴覚が弱い子どもは、専用のアプリと連携できる使い慣れた自分に合った端末を、それぞれが自分に合った方法で学べる、学校にそんな学習環境を創りたいという思いです。「次は、学校からの貸し出しではなく、みなさんに買ってもらいますよ」ということを、県内、ひいては日本中の保護者の方に理解していただくためにも、今から、安価で安心で強くてしっかり使える端末と、ネットワーク環境があればいつでもどこでも最新の状態で使える必要最小限のコンテンツ、というモデルをプロポーザルで御提案いただきたいと、無理を申し上げているところです。
 4つめは、奈良県という自治体の規模で考えると、県内すべての学校が同じプラットフォームで学習していく環境を構築できるのではないか、という判断です。あそこだからできる、あそこだからできない、そういうことは、子どもたちには関係のない話ですから、様々な家庭環境があっても学校に来れば同じ、にしたい。子どもたちが県内のどの学校に通おうとも、先生がどの学校に勤務しようとも、ベースは同じ。整備もどの市町村も置いていかないという、奈良県内のすべての子どもたちにベースとなる環境と端末を届けたい、そういう強い思いで調整してきて、ようやく実施まで漕ぎつけたプロポーザルです。県域の同一ドメインでのアカウント付与も、県内はどこでも同じ、を前提にしていますし、運用をはじめている県域統一の統合型校務支援システムも、同様の考え方に基づいています。

【教員研修の考え方】
〇ICT導入時やそれ以降の研修にいては、集合型にこだわらず、動画を作成して、いつでも必要な時に何回でも見ることができることが望ましい。
〇操作等のハンズオンが必要な場合も、新しい生活様式を学校教育の中に取り入れていくために、可能な限りオンライン研修で実施することが望ましい。

 推進協議会という組織は、まだ誕生したばかりですので、これから奈良県みんなで育てていくことになります。まさに、学習指導要領で示されている「未知の状況にも対応できる、思考力、判断力、表現力」が求められているこの時期に、教育委員会としてすべきことは何か、学校としてすべきことが何か、が問われています。重ねての表現になりますが、

住んでいる地域や
学校の規模や
家庭の環境に関係なく
県内の学校に通う
すべての子どもたちに
最新の(最高の、ではなく)
質の高い(安心安全な)
学習環境を整える

をモットーに、しっかりと地に足をつけて取り組んでいきたいと思います。スタートはまだまだこれから。楽しみです。
 次号では、関係者の生の声をお届けしたいと思います。

【課長コラム】特別支援教育の担当者

〔初等中等教育局特別支援教育課長 八田和嗣〕

 特別支援教育というと、ともすれば、特別支援学校の教職員や、特別支援学級、通級による指導の担当者など、特定の方のみが担当するような先入観を持ってしまいがちです。
 しかし、特別な支援が必要な子供たちは、すべての学びの場に在籍しています。
 すべての教職員の皆様が、特別支援教育の担当者です。

(1)読み書きに時間がかかったり、友達とのコミュニケーションが上手く取れなかったりするなど、障害があることによって学習面や生活面で困難がある子供がいます。まず、その困難さの要因と考えられる障害の特性を、本人や保護者、同僚、関係機関等の専門家から得た情報などを基に整理してみてください。

(2)子供やその保護者の思いは、様々です。一人一人の思いや願いなどに耳を傾け、寄り添いながら、どのような指導や支援をするのがよいかを考えましょう。まず、子供の困難さやその要因と考えられる障害の特性、「こうしたい」という願いを理解しましょう。そして、その子供に合った指導目標を立て、学びやすいように教材や教具を工夫しながら指導を行いましょう。その際、本人の得意な面からアプローチすることが大切です。

(3) 他の子と同じように取り組んでも、上手くいかなかった経験をしている子供がいます。「自分は頑張っても上手くできない」と感じるなど、自分のことを肯定的に受け止めにくい状態にある子供もいます。また、このような子供の様子を見て、「子育ての方法が間違っていたのだろうか」と悩んでいる保護者もいます。そのような思いをもった子供や保護者にとって、安心できる時間や場所となり、子供の自信や意欲につながる指導にすることが大切です。

(4) 指導を行う際、困ったことがあれば、管理職や特別支援教育コーディネーター、学級担任、特別支援学級担任等の校内委員会のメンバーに相談しましょう。また、授業の工夫が得意な教師に相談することも考えられます。大切なことは、子供の指導や支援をチームとして関係者が協力して行うことです。一人で悩むのではなく、気軽に相談してみましょう。

 上記は、文部科学省が本年3月に作成した「初めて通級による指導を担当する教師のためのガイド」(※1)の第1章から、一部変えて引用したものです。
 本ガイドは、表題のとおり、通級による指導を担当することとなった先生向けに、指導を行うに当たってのポイントや実践例をまとめたものですので、原文は通級による指導を前提とした記述となっていますが、敢えて一部変えて記載しました。
 通級による指導の担当者のみではなく、すべての教職員の皆様が、上記のような視線で子供たちや保護者に接していただき、子供たちの困難にいち早く気づき、理解し、それに応じたきめ細かい指導・支援を行っていただきたいと思います。

 そのためには、子供たちの困難を理解するとともに、個々の教育的ニーズに応じて、他の教職員や関係機関と連携しながら学校全体で組織的に対応できるよう、必要な知識や支援方法を身に付けていただく必要があります。
 各教育委員会等が実施する研修や校内研修、上述のガイドをはじめとする文部科学省が提供する情報(※2)、国立特別支援教育総合研究所が実施する研修や提供する情報(※3)等を積極的に活用いただき、まずは目の前の困っている子供のために必要な領域から少しずつ学んでいただきたいと思います。
 すべての教職員の皆様に、特別な支援を必要とする子供たちのため、一人一人に応じた指導・支援を行うための役割を担っていただくようお願いします。

※1:「初めて通級による指導を担当する教師のためのガイド」 https://www.mext.go.jp/tsukyu-guide/index.html
・本資料は、QRコードやURLから参考資料を確認できるようにするとともに、動画資料も添付しています。
 保護者面談の様子 https://www.youtube.com/watch?v=OeQXnRzXeDQ&feature=youtu.be
 子供の指導の様子 https://www.youtube.com/watch?v=EzZ4fvRYklA

※2:文部科学省(特別支援教育) https://www.mext.go.jp/a_menu/01_m.htm
・例えば、障害の状態等に応じた教育的対応については、「教育支援資料」第3編が参考になります。
 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1340250.htm

※3:国立特別支援教育総合研究所 https://www.nise.go.jp/nc/

お問合せ先

初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部

03-5253-4111

(初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部)