初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第331号(平成30年4月27日)

[目次]

【お知らせ】
□「アクティブ・ラーニング&カリキュラム・マネジメント サミット2018」の開催について
□平成31年度・32年度在外教育施設派遣教師及びシニア派遣教師、プレ派遣教師の募集について
□「文部科学省 情報ひろば」について
□平成30年度日独交流事業 派遣参加者募集について
□第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定について
□「スーパーグローバル大学創成支援事業 グッドプラクティス集」の公表について
【発行】
□「初等教育資料」5月号について
【コラム】
□「すべては子供たちのために」
   初等中等教育局 児童生徒課長  坪田 知広

□【お知らせ】「アクティブ・ラーニング&カリキュラム・マネジメント サミット2018」の開催について 

[初等中等教育局教育課程課]

 新学習指導要領の全面実施に向けて、その趣旨を具体化するための様々な知見の共有を図ります。どなたでも御参加いただけます。
 定員が限られておりますので、お早めにお申し込みください。
日時:5月9日(水曜日)~10日(木曜日)
場所:学術総合センター(東京都千代田区)
〔参加費無料・事前申込制〕
※詳細・申込み(先着順)はこちら
アクティブ・ラーニング&カリキュラム・マネジメント サミット2018

※なお、当日の様子の一部や資料については、後日、文部科学省のYouTubeチャンネル(mextchannel)やホームページへ掲載予定です。

(お問合せ先)
初等中等教育局教育課程課教育課程企画室 
電話:03-5253-4111(内線2368)

□【お知らせ】平成31年度・32年度在外教育施設派遣教師及びシニア派遣教師、プレ派遣教師の募集について

〔初等中等教育局国際教育課〕

 文部科学省では、在外教育施設に教師派遣を行っているところですが、平成29年度に在外教育施設を活用した戦略的なグローバル教師の育成を目指して「トビタテ!教師プロジェクト」を立ち上げ、自治体の姉妹都市等との交流や小学校教師の英語力強化、外国人児童生徒等への対応強化などを目的とした派遣教師優先配置等を設けました。
 希望される現職教師の方は「派遣教師」として各自治体の教育委員会で募集していますので、そちらへお問い合わせください。
 また、退職教師が対象の「シニア派遣教師」に加え、上記プロジェクトで新設された正規採用を目指す方が対象の「プレ派遣教師」については、直接、文部科学省で募集しています。熱意のある方の積極的な応募をお待ちしています。
※プレ派遣教師・シニア派遣教師募集要項はこちら
海外子女教育、帰国・外国人児童生徒教育等に関するホームページ

※トビタテ!教師プロジェクトについてはこちら
トビタテ!教師プロジェクト

(お問合せ先)
初等中等教育局国際教育課教職員派遣係
電話:03-5253-4111(内線2080、2440)

□【お知らせ】「文部科学省 情報ひろば」について

〔大臣官房総務課広報室〕

 旧文部省庁舎を活用したミュージアム・情報発信スペース「文部科学省 情報ひろば」では、教育・スポーツ等の文部科学省の歴史・取組や、歴代大臣が実際に使用した椅子や机を展示した旧大臣室を見学できます。
 また、文部科学省では、この情報ひろばに加えて記者会見室の見学等もできる職員案内による省内見学(対象:小~高校生)を行っておりますので、是非お問い合わせください。
※「文部科学省 情報ひろば」公式HPはこちら
文部科学省 情報ひろば
※「文部科学省 省内見学」についてはこちら
文部科学省見学の御案内


(お問合せ先)
大臣官房総務課広報室事業第二係
電話:03-5253-4111(内線2170)

□【お知らせ】第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定について

〔生涯学習政策局青少年教育課〕

 平成30年4月20日(金曜日)に第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」が策定されました。この計画に基づいて、特に高校生の「不読率(1か月に1冊も本を読まない子供の割合)」の改善に向けて、(1)乳幼児期における読み聞かせや高校生期の知的好奇心に応じた読書など、読書習慣の形成に向けた発達段階ごとの効果的な取組(2)「子ども司書」やビブリオバトルなど、友人同士で本を薦め合うなど読書への関心を高める取組(3)スマートフォンをはじめとした情報環境の変化が子供の読書習慣に与える影響に関する実態把握や分析等を実施します。
 今後とも、関係省庁や地方公共団体、民間団体等の皆様とともに、家庭、地域、学校における子供の読書活動の推進のための取組を実施してまいります。
※本計画の詳細はこちら
第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」について(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます

 また、平成29年度「子供の読書活動推進計画に関する調査研究」で青少年の読書推進に効果のあった取組事例を併せて紹介しています。
※取組事例の詳細はこちら
子ども読書の情報館


(お問合せ先)
生涯学習政策局青少年教育課事業係
電話:03-5253-4111(内線2056)

 □【お知らせ】平成30年度日独交流事業 派遣参加者募集について


〔独立行政法人国立青少年教育振興機構〕

 独立行政法人国立青少年教育振興機構では、文部科学省の委託事業として、日独間の理解と親善を深め、青少年交流の発展を図ることを目的に、日独交流事業を実施する予定です。
 実施に当たり、ドイツを訪問し、実地研修や、関係機関・団体等との意見交換及びホームステイ等を行う派遣参加者を募集しています。参加費は、ドイツまでの航空運賃の半額程度となります。
※事業の詳細や応募方法はこちら
事業申込ページ(Webサイトの最下段「国際交流事業」参照)


(お問合せ先)
独立行政法人国立青少年教育振興機構子どもゆめ基金部国際・企画課 国際事業係
電話:03-6407-7751


(本件担当)
生涯学習政策局青少年教育課国際交流担当
電話:03-5253-4111(内線3487)

□【お知らせ】「スーパーグローバル大学創成支援事業 グッドプラクティス集」の公表について

〔高等教育局高等教育企画課〕

 文部科学省では、大学の国際化を支援するため、スーパーグローバル大学創成支援事業に取り組んでいます。本事業に採択された全国37大学の国際化に向けた様々な優れた取組(グッドプラクティス)を1冊にまとめました。
 進学・留学を考えている高校生やその保護者の方、全国の高等学校関係者など多くの方に各大学の国際化の取組について御覧いただけると幸いです。
※詳細・資料についてはこちら
スーパーグローバル大学創成支援事業に関連する資料


(お問合せ先)
高等教育局 高等教育企画課国際企画室調整係
電話:03-5253-4111(内線:3352)

□【発行】「初等教育資料」5月号について

〔初等中等教育局教育課程課〕

 5月号、特集1のテーマは「学級経営の充実」です。小学校学習指導要領に明記されている学級経営の充実について、解説や対談、事例を通して考えます。
 また、特集2のテーマは理科で、「問題解決の力を育成する」です。解説、論説、そして実践例を通して、4つの「問題解決の力」を育成する重要性と具体策について考えます。
※詳細はこちら(株式会社東洋館出版社HP)
月刊 初等教育資料


(お問合せ先)
初等中等教育局教育課程課教育課程第一係
電話:03-5253-4111(内線2916)

□【コラム】「すべては子供たちのために」

〔初等中等教育局児童生徒課長  坪田 知広〕

 児童生徒課長の坪田知広と申します。平成27年4月に本職に異動してから、早いもので3年が経過しました。「児童生徒課」という課名からは、一見すると何をやっているのかよく分からないと言われることもありますが、学校に通う子供たちの幸せのためなら「何でもやる」課というのがぴったり来るのではないかと、この3年間の経験から感じているところです。
 学習指導要領や教員養成など、個々の制度や事柄を所掌している部署はもちろんあるものの、学校現場に存在する諸課題の中には、児童生徒・保護者の立場に立って横断的に取り組まなければならないものもあるのが現実です。児童生徒課においては、いじめ・体罰などの生徒指導上の課題への対応や、不登校の子供たちへの支援、将来を見据えて学びに向かうためのキャリア教育・進路指導の充実、主体的な学びを支援する学校図書館の整備など、子供たちに関わる広範な課題に日々向き合っています。
 
 特にいじめは、平成25年に「いじめ防止対策推進法」が制定されたにもかかわらず、自殺に至る痛ましい事案がいまだ相次いでおり、そうした事案の報告や報道に接するたび、全国すべての学校で子供たちが安心して学ぶことができる環境を整えることが自分たちの使命であると痛感します。当課で実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、平成28年度に全国の学校で認知されたいじめの件数は、平成27年度の約23万件から大幅に増加し、約32万件に上りました。
 この10万件近いいじめ認知件数の増加の背景には、私をはじめ当課の職員が全国を回って法に基づく積極的な認知をお願いしてきたことがあります。
 いじめは人権侵害であり、起こらないのが一番です。そこには誰も異論は挟まないでしょう。しかしその一方で、いじめはどの学校、学級にも起こりうる、いや法に書かれた定義の広さを考えれば「全ての学校で日々起こっている」というのが現実です。学校の先生方は、日々懸命に子供たちに接し、いじめの「起こりにくい」学級運営をされていることと思いますが、それでもいじめをゼロにすることは極めて困難でしょう。一昔前であれば、「うちの学校は生徒指導が行き届いており、いじめもゼロです!」と自信をもって話されていた校長先生もいらっしゃったでしょうけど(もしかしたら今でもいらっしゃるかもしれません)、今の学校に求められているのは、いじめゼロを誇ることではなく、どんなに小さないじめの萌芽であっても見逃さず、重大な結果を招くことのないよう早期に組織的に対応することです。
 逆説的ではありますが、いじめがあるかもしれないという前提に立って学校を見渡すことが、いじめを減らしていく、いじめの被害を軽減していくために必須であると考え、全国を回ってお伝えしてきたつもりです。
  例えば、仮に文部科学省が「いじめゼロ」を政策目標に掲げたとしましょう。そうすると、(あってはならないことですが)各教育委員会や学校では「この程度は単なる悪ふざけだからいじめにカウントしなくていいだろう」と件数を少なめに報告するかもしれません。また、「○○先生のクラスではいじめなんてないよね?」などと担任教師に対して(善意からかもしれませんが)プレッシャーがかけられることもあるかもしれません。その結果何が起こるかといえば、担任教師が一人で抱え、事態が悪化してしまうのです。これでは子供たちのためになるどころか、子供たちを追い込んでしまう結果を招いてしまいます。学校から教育委員会など設置者に対しても同様の問題(ゼロへのプレッシャーによる報告の上げづらさ)があると思います。
  これは、教育委員会や学校が格別に「報告・相談がしにくい」「風通しが良くない」組織だという話ではありません。他の行政機関・企業・団体でも、ミスを許さないプレッシャーや必罰的雰囲気があれば「これくらいは…」として報告をためらう人も出てきてしまうでしょう。反対に、「ヒヤリハットも含めてどんどん報告するように」「みんなで力を合わせ解決していこう」「それを業務改善・組織改革に必ず生かします」という上司の下であれば、何でも早めに「報告・相談」できるでしょう。つまりはそういうことです。(私も自分の部下にはそのように接しているつもりです。が、なかなか自身の振る舞いを客観的に捉えるのは難しいですね)
 
 このようなことから、研修会や講演の機会には、「いじめ認知ゼロの学校をゼロにしよう」と敢えて呼びかけています。いじめはあって当たり前。平成28年度でも3割の学校が「年間いじめ認知ゼロ」という報告を上げてきていますが、「いじめを訴えても取り合ってもらえない学校もあるのでは」「アンケートだけでいじめの有無を判断している学校もあるのでは」「そもそもいじめの定義を法より狭く限定的に解釈している学校もあるのでは」という疑問を持たざるを得ません。もちろん、児童生徒主体、それも全員当番制でいじめ防止活動を毎朝・毎昼活発に展開し、いじめを許さない雰囲気が漲っている学校や、通年の学校公開により地域の方が校舎内外に隈なく目を光らせ、いじめをするスキがないような学校もあると思いますが、それらが全学校の3割もあるとは到底思えません。いじめの訴え、相談の記録がゼロだった学校、いじめアンケートで「いじめ有」の回答がゼロだった学校は、設置者にゼロで報告する前に一息おいて、児童集会、生徒集会、そしてPTA総会で「本校は昨年度いじめゼロということで報告していいですか」と確認することをお薦めしたいと思います。それでも「いじめゼロ」で異論が出なければ、かなり信ぴょう性が高いといえます。が、それでも本当にいじめゼロなのか、見落としや前さばきはなかったか、今後、より訴えやすい個別面談の方法やアンケートの様式・実施環境はどうあるべきか、など、常に問い続けてほしいと思います。
 
  余談ではありますが、私は大学時代、文部省(当時)のほか、少年非行防止を担う警察庁を志望していました。私の中高生の頃は正に、戦後の非行第三のピークと呼ばれ、学校も全国的に荒れていた時期であり、私が通った学校も多少・・・。その当時の経験が、安心して学べる学校づくりに私を向かわせているのだと、今振り返ってみて改めて思います。結局、御縁あって文部省に入省することとなりましたが、7年後には何の因果か愛知県警察本部に出向し、少年課長として働かせていただく機会を得ました。もちろん、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、私学団体などとは全国の先駆けとなるような連携・協力に努めたつもりですが、警察と学校など教育サイドだけでは限界もありました。貧困や虐待など、子供たちが抱える悩みやその背景に存在する社会課題にも目を向けて取り組むことの重要性を痛感しましたし、大学時代に教わった「最良の社会政策は最良の刑事政策である」という言葉も蘇ってきました。教育も他の行政分野、とりわけ福祉との連携・協働が不可欠であり、当課で配置拡大を目指しているスクールソーシャルワーカーの役割への期待は私自身としても、とても大きいものがあります。また、かつて流行った某刑事ドラマの「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」という台詞にあるように、学校現場に実際に赴いて、教師・子供たちの話を聞くことの重要性や、学校の状況を肌で感じる必要性を強く感じたのも、県警での経験からです。  
  最後になりますが、学校教育の最前線に立ち、子供たちに一番身近な大人として活躍されるのは先生方です。そんな先生方を支え、先生方を通じて子供たちの学びを豊かにすることのできる、こんなにやりがいのある仕事は他にないと思います。今後も、この思いを胸に、引き続き日本の未来を担う子供たちのために微力ながら力を尽くしていきたいと思います。

お問合せ先

初等中等教育局

「初中教育ニュース」編集部
電話番号:03-5253-4111

(初等中等教育局「初等中等教育ニュース」編集部 )

-- 登録:平成30年06月 --