3−9 | まとめ これまでのテレメトリデータの分析、地上燃焼試験を含む各種実験及びシミュレーション解析結果等から推定すると、以下の過程で右側のSRB−Aが分離失敗に至った可能性が高いと考えられる(図2−3−13)。 なお、SRB−Aは、SRBと比べて高燃焼圧力化したことによる流体力学的な環境の変化が、背景として以下の現象に大きな影響を与えていると考えられる。
なお、SRB−Aの開発段階の地上燃焼試験から6号機の左側のSRB−Aまで、燃焼ガスの漏洩の発生を示唆する現象はない。一方、6号機の右側のSRB−Aに、特につながる製造上の特異性も発見されていない。 CFRP製のノズル部に発生する局所エロージョンは、微細なメカニズムに起因する確率的な現象であることから、その位置とその深さは、確定的に求められるものではない。高燃焼圧力化に伴い流体力学的環境が当該の部位では苛酷となり、新たな知見として得られたCFRPの層間剥離の進行とあわせ、より深い局所エロージョンが発生し破孔に至る可能性が、現在のノズル設計では、潜在していたと考えられる。 局所エロージョンが、ライナアフトB2のどこに発生するかを予測することは困難であり、また、一度表面後退の加速が始まると、そのメカニズムの特性上、集中的に進行し続けるものである。それが6号機の右側のSRB−Aにおいて、初めて破孔に至るまでに顕在化したものと考える。 |
←前へ | 次へ→ |
ページの先頭へ | 文部科学省ホームページのトップへ |