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資料3

中間評価結果

(1)ITプログラム全体に対する評価
 開始より2年が経過した現在において、通信に適した波長帯における単一光子発生素子を世界で初めて実現するなど、世界トップレベルの成果が計画を前倒しして実現されている事例があり、ITプログラムの顔とも言える成果が生み出されていることは高く評価できる。また、研究開発成果の普及から事業化までを展望した体制を産学の連携により構築するなど、実施体制についても、今後の産学官連携プロジェクトにおいて参考になるものと評価できる。
 当初設定された達成目標は、現在の社会ニーズや研究開発の国際的な進展状況との関係でも概ね適切であると認められるが、一部の研究開発課題については達成目標の修正が必要となっている。例えば、超小型大容量ハードディスクの開発においては、開発成果の試作・実証に必要な関連技術の進展速度が当初の見通しより鈍ってきていることから、実証する記録密度を1テラビット毎平方インチから500ギガビット毎平方インチに修正することで、単なる要素技術の開発にとどまることなく、ITプログラムの目指す実証を確実に実現することができる。ただし、記録密度1テラビット毎平方インチに向けた要素技術の研究開発は継続し、知的財産権の確保等に努力することが重要である。
 なお、達成目標の実現に見通しが得られない、実施体制が不適切である、等の問題点が指摘された研究開発課題もあり、今後は抜本的に達成目標や実施体制等を見直すことが必要とされた。その際、何故計画通り進捗しなかったのか原因の把握に努めることが重要である。
今後は、本評価結果を十分に考慮し、今後の研究開発に反映させることを期待する。

 ITプログラムの各研究開発課題の実施にあたっては、これまで研究開発に参画する大学を中心にして人材を育成してきた(平成15年度末において、修士課程学生 228名、博士課程学生 117名、ポスドク 111名)。また、産学連携体制の元、企業に在籍する研究者の育成にも貢献している。
 最近では「科学技術関係人材の育成と活用について」(平成16年7月 総合科学技術会議策定)においても、特に科学技術関係人材の不足している分野として、情報通信分野があげられている。研究開発の実施にあたっては、産学官の連携によって研究開発を一体として進めること等により、産業界のニーズに適応した人材や融合領域研究の促進に寄与する人材の養成・確保の視点を重視して推進することが重要であり、ITプログラムにおけるより一層の人材育成に対する取り組みを期待する。


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