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2 教育の目標の実現関係

(1) 子どもの学ぶ意欲と学力の向上について
自分の将来について展望を持っていない学生の意欲と学力をどのように育てるかが重要である。
基礎的な知識・技能の確実な定着とそれらを活用するための思考力・判断力を育成する必要がある。
物事を論理的に考え、スピーチ・ディベートをするなど課題解決能力が重要。
「確かな学力」を育み「わかる授業」を進めるため、1学級あたりの児童数を小学校の低学年で20人、高学年で25人、中学校で30人程度に段階的に進めるなど、少人数指導、習熟度別指導を充実すべき。さらに、児童生徒の興味・関心、意欲を高めるICT活用を充実すべき。
学力について、自分の家で勉強しない高校生が増えており、大きな問題と認識。初等教育から高等教育を含めて一貫した教育プログラムをどう作っていくか非常に重要である。
すべての教科の基本となる国語力の充実を図ることが重要である。
外国語教育の改善や国際理解教育の推進が重要である。また、これまで実施されてきた教員、中高生の海外派遣等の事業があるが、景気に左右されることなく、長期的な視点でどのようなプランが必要なのか明確に打ち出す必要がある。
家庭と連携し、基本的な生活習慣・学習習慣の確立を重視する必要がある。
学校週5日制の下で子どもたちが幅広い学力を身につけられるよう、地域の教育力の充実が必要がある。
教育の質の向上を図る上で、主たる教材として重要な役割を果たす教科書の質・量両面での充実が必要である。
学校図書館の支援に重点を置くべき。地方財政措置を通じて冊数を増加しているが、一番重要なのは、司書等の専門的支援者の資質・能力の向上であり、本の予算を増やすよりも、まず司書を置く必要がある。また、世界中の本がオンライン化で国会図書館などの図書にアクセス可能となる電子化への支援等が必要ではないか。
ユネスコにおける教育の提言(ESD:持続可能な開発のための教育)を導入すべき。ESDが青少年に浸透すると、自分たちが勉強していることが、地球環境を維持するということに役立つことが明確になり、学習に対する意欲や目標が明確になる。

(2) 豊かな心と健やかな体について
知・徳・体をバランスよく養うことが重要であるため、自然の中での長期にわたる体験活動、社会体験や奉仕活動など様々な体験活動の充実が重要。
これまでの大学入試は知に偏ってきたので、徳・体を試す試験を大学入試に導入すべきではないか。
全ての青少年が体験活動の機会を得ることができるよう、地域や学校における自然体験活動等の体験活動推進体制の整備や指導者の充実を図るとともに、青少年の意欲向上と自立支援を推進することが重要である。
子どもの体力の低下や希薄な対人関係、交流体験の少なさなどが指摘される中で、スポーツ活動や特に長期にわたる体験活動、奉仕活動などを通じて、体力の向上を図るのみならず、ルールや連帯感、コミュニケーション能力など豊かな人間性を育むことが重要である。
子どもの体力を向上、学校体育及び運動部活動の充実、生涯スポーツ社会の実現(成人の週1回以上のスポーツ実施率を50パーセントにする)が望まれる。
生活の夜型化、朝食欠食など基本的生活習慣の乱れが指摘される中で、学力の育成、スポーツ活動や体験活動を支える基本的な生活習慣を身に付けさせること、とりわけ健全な食習慣を確立することが重要である。
学校給食の活用等、学校における食育を推進し、子どもに食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けさせる食育の推進。
子どもの心身ともに豊かで健康な学校生活が送れるよう、学校保健の充実、学校安全の充実が重要である。また、学校における個人の健康増進、あるいは、危機管理という観点から、健康状態の把握、利活用(個人情報に配慮)が重要である。
子どもの読書活動を推進(本を読まない子どもを減少させ、1ヶ月の読書量を増やす)。

(重点的に取り組むことが考えられるものとして、次のような意見があった。)
学校や総合型地域スポーツクラブへのトップレベル競技者の派遣(子どもに夢を持たせ、スポーツへの意欲を高める)が必要。
親子でスポーツすることなどを通じた幼児期からの運動習慣の定着(「家族とスポーツ週二時間」などのスローガンの提唱)。
外部指導者の育成と採用の促進、外部指導者の円滑な活用システムの整備が必要。
学校教育における部活動の制度上の位置づけの明確化が必要である。
学校内外における運動環境の整備充実が必要(グラウンドの芝生化、公園における夜間照明や球技用の柵の設置等)。
生涯スポーツ社会の実現を目指す総合型地域スポーツクラブの拡充を図るべき。また、総合型地域スポーツクラブ等における異世代交流を促進すべき。
トップレベル競技者を評価し処遇するシステムの整備(憧れの対象となる競技者(ヒーロー)の創出)。
食育を担える教員の育成、栄養教諭の発令促進、食育における地域の人材の活用(特別非常勤講師の採用等)。
青少年教育施設の活用促進。
人と人との関わり方やコミュニケーションスキルを育てる場として、学校体育の重要性は高まっていると思うが、体育の授業時間は削減され、教育課程の中でクラブ活動や部活動の位置づけが曖昧になっていることを踏まえた検討が必要。
子どもの体力の低下は大変問題であり、幼児期からの身体活動ということをかなり意識しておくことが必要。
スクールカウンセラーの活用など教育相談体制の整備充実を通じた、子どもの心のケアの充実が必要。

(3) キャリア教育・職業教育について
発達段階に応じて、勤労などの概念の理解・定着を図るキャリア教育の充実が必要ではないか。
最近は8割近くの学生が普通科高校に通っているが、大学進学のための教育がなされている高等学校の普通科において、職業教育や就職支援が十分でないため、職業人として必要な知識・技能を蓄積しないまま社会へ出ていくことが多い。
高等学校の段階で、全員が大学進学のための教育だけを受けるのではなく、卒業後、職業人となるための質の高い大学や専門学校における職業教育を受けられるようにすべき。
働いて喜ぶという若者を育てることが今の日本にとって大事。振興計画の中にニート等の若者がもっと減少するような対策が必要である。専修学校は、職業の喜びを伝えるために、職業について教え育むことを理念としており、ニート対策などに専修学校の活用についても盛り込むことが必要。
職業教育における、専修学校の役割は重要であり、専修学校の振興について明記すべき。
7割が高等教育機関へ進学する社会的背景の中、大学におけるキャリア教育が重視されつつあり、高等教育の質的変化、構造改革が迫られているが、専門的な職業教育だけではなく、意欲や一般的なコンピテンス(教養教育)を育て人格を形成することが重要。
学校・企業・地域社会が連携し、社会全体として職業教育を充実することが重要。また、職業能力開発等を推進する関係省庁と連携し、政府全体の計画として策定する必要がある。
義務教育以降、職業教育の学校へ進む生徒の割合を増やしてはどうか。その場合、職業教育の学校からも大学進学が可能な道をつくれば中卒後に職業教育を選択させてもいいのではないか。
職業高校を出た生徒が、夢をもって就職できる状況にない。職業教育に影響を与える社会への言及が不可欠。
中小企業に優れた人が集まるよう、高等学校と中小企業のコミュニケーションを深めるべき。

(4) 文化芸術・歴史への理解について
日本の文化を理解し、大事にしていくということは、同時に外国人がそれぞれの国の文化を大事にしていくということに通じる。
日本の文化芸術等を体験する機会を充実する必要がある。
文化については「伝統文化」、「芸術」「現代文化」も重要。国語力の充実のための取組も重要である。
文化活動における、博物館、美術館の役割が重要である。例えば、子どもたちが日本画、古美術等の伝統文化の本物に触れる機会を提供する美術館や、郷土を学ぶ機会を提供する地域の郷土博物館の振興を図るとともに、これら施設の学芸員等専門家の今後の養成のあり方等を盛り込む必要がある。

(5) 環境教育について
子どもの自然離れ、理数離れ等の問題に対する具体的な取組を検討することが必要である。
青少年の環境教育の推進し、自然を尊重し、環境保全に向けた意識を涵養することが必要である。
動物園、植物園、水族館で、自然に暮らす動物、植物、あるいは海や川の生き物との共存や、環境保全、生態系の保護等に関わる様々な体験学習ができる博物館の振興を盛り込んではどうか。
環境教育は、全ての学校で環境教育の計画をつくることを位置付け、同時に地域、家庭、企業と連携した幅広い地域の人材の参画を求めていってはどうか。

(6) 理数教育の充実について
子ども達が「もの」に即して「科学」と「技術」に触れ、体感しながら学習できる環境を提供し、各子どもの理解度に応じた木目の細かい指導によって基礎・基本の確実な定着を図る教育環境の強化が必要である。(科学技術関係人材の裾野の拡大)上記を可能とする理数教育カリキュラムの見直しと、教科書、理科設備等の充実(フィンランド等の充実例に学ぶ)
同時に、関心・理解度の高い子どもの能力を適性に応じて伸ばし、科学技術分野で卓越した人材を育成することも必要である。(卓越した科学技術関係人材の育成)
子どもの理解度に応じたきめ細かい指導ができていないのではないか。また、実験や観察の時間が少なく、教員の数を増やす必要がある。修士の教員については、学校現場のニーズと必ずしも合っていないのではないか。
自然科学の様々な資料や、自然科学の法則を機材でもって実体験できる博物館、科学館、天文台等の一層の振興が重要であり、また、高度の専門性を持った学芸員の養成の必要性について盛り込むべき。

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