資料3 専門大学院制度の概要及び専門大学院1年制に関する主な論点

大学院(修士課程)の構造

 図

専門大学院の特色

 専門大学院は、高度専門職業人の養成に特化した実践的な教育を行う大学院修士課程として、その目的に即した質の高い教育研究を確保するために、下記の点で従来型の大学院修士課程とは異なる特色のあるものとなっている。

  1. 教員組織(従来の2倍、相当数の実務経験者が必要)
  2. カリキュラムや授業方法(ケーススタディ、演習、フィールドワーク、インターンシップ等)
  3. 修了要件(論文に代えて特定の課題についての研究の成果を審査)

参考

大学院設置基準-抜粋-

(専門大学院の教員組織)

  • 第三十二条 前条第一項に規定する修士課程を置く大学院(以下「専門大学院」という。)には、専攻ごとに、文部科学大臣が別に定める数の大学設置基準第十三条に定める専任教員の数に算入できない第九条第一号に規定する教員を置くものとする。
  • 2 前項の教員のうち相当数は、専攻分野における実務の経験を有する者となるよう配慮しなければならない。

(専門大学院の教育課程)

  • 第三十三条 専門大学院は、その教育上の目的を達成するために専攻分野に応じ必要な授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。
  • 2 専門大学院においては、その目的を達成し得る実践的な教育を行うよう専攻分野に応じ事例研究、討論、現地調査その他の適切な方法により授業を行うなど適切に配慮しなければならない。

(課程の修了要件の特例)

  • 第三十五条 第三十一条第一項に定める修士課程に対する第十六条の規定の適用については、同条第一項中「修士論文の審査」とあるのは「特定の課題についての研究の成果の審査」と、同条第二項中「特定の課題についての研究の審査をもつて修士論文の審査に」とあるのは「修士論文の審査をもつて特定の課題についての研究の審査に」とする。

(修士課程の修了要件)

  • 第十六条 修士課程の修了の要件は、大学院に二年(二年以外の標準修業年限を定める研究科、専攻又は学生の履修上の区分にあつては、当該標準修業年限)以上在学し、三十単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う修士論文の審査及び試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては、優れた業績を上げた者については、大学院に一年以上在学すれば足りるものとする。
  • 2 前項の場合において、当該修士課程の目的に応じ適当と認められるときは、特定の課題についての研究の成果の審査をもつて修士論文の審査に代えることができる。

専門大学院と従来型の大学院との修業年限の比較

  標準修業年限2年
(優秀者は短期修了可)
標準修業年限2年超 標準修業年限
1年以上2年未満
専門大学院 不可
従来型の大学院

専門大学院に1年制が導入されていない理由

 大学審議会の審議において、従来型の大学院については、現状にかんがみて1年制の設置も可能との判断がなされた。一方、専門大学院については、国際的に通用する内実を持った質の高いものとして歩みだすために、1年制の導入については可能との意見もあったものの、当面、見送ることとした。

参考

 大学審議会「21世紀の大学像と今後の改革方策について」(H10.10.26)-抜粋-
 修士課程1年制コースを高度専門職業人の養成に特化した修士課程に適用することについては、高度専門職業人の養成に特化した修士課程の設置状況等に配慮しつつ検討することが必要である。

課題

 現在専門大学院は学生の8割を社会人が占めるが、2年制大学院に通い学修を行うことは社会人にとって容易ではなく、このような学生の修学上の困難さが、専門大学院の設置の促進に当たって支障となっているとの声がある。

方向

 社会人が短期で集中して高度な専門職業教育を受ける機会を拡大する観点から、専門大学院に1年制を導入することがふさわしいのではないか。

論点

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課

-- 登録:平成21年以前 --