4.教育水準の確保、評価システムについて

 従来型の大学院修士課程1年制は、主として実務の経験のある者に対し、履修形態の工夫や、一定の職業経験等の成果を生かした指導などカリキュラムの工夫を行うことにより、2年制と同等の教育研究を行い、修士の学位を授与するにふさわしい水準を確保している。
 専門大学院1年制についても、同様の考え方により、修士の学位を授与するにふさわしい水準を確保できると考えて良いか。
 また、実質的に教育水準を確保し、国際的通用性に配慮しつつ教育の質を高めていくためには、 第三者評価システムの整備が重要であると考えられる。このため、専門職業教育の分野毎にアクレディテーション(適格認定)・システムの導入を図ることが必要ではないか。

参考

大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について」(平成10年10月26日)-抜粋-

修士課程1年制コースの制度化

 社会人の大学院修士課程への積極的な受入れを図っていくため,今後は,各大学の選択により,社会人の再学習などの実際の需要に応じ通常の教育方法に加え週末や夏休み期間中などにおいて集中して授業又は研究指導を行うなどの履修形態の工夫や,一定の職業経験等の成果を生かした特定課題研究・修士論文の作成の指導などのカリキュラムの工夫により,1年以上2年未満の修業年限でも修了することが可能なコースを設けることができるような仕組みを導入し,大学院で高度な知識・能力を身に付け社会の各分野で指導的な役割を担う人材の養成に資することが必要である。
 その際,導入の趣旨から,社会人を対象とすることを原則とすること,及び現行の修士の学位を授与するにふさわしい水準を確保することが必要であり,教員数の増などこれを実施するための研究指導体制,教育環境の整備を求めたい。

大学審議会答申「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」(平成12年11月22日)-抜粋-

各種専門職業教育のアクレディテーション・システムの導入・支援

 現在,我が国においては,技術者教育プログラムのうち一定水準を確保しているものについて認定を行うことを通じて教育の質を高めるとともに,当該認定システムを国際的な共通標準に準拠させる仕組みを導入する動きがある。このような取組は我が国の大学教育の国際的な通用性・共通性の向上や国際競争力の強化を図る上で重要な役割を果たすものとなると考えられる。
 今後,我が国において,このような技術者教育をはじめとする様々な専門職業教育の分野でのアクレディテーション(適格認定)・システムが導入されることは,教育の質を向上させる観点から望ましいものであり,その普及,支援を図る必要がある。

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課

-- 登録:平成21年以前 --