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  資料 3  


「総合的な学習の時間」の概要について

1   創設の趣旨・経緯等
   平成8年の中央教育審議会第一次答申においては、
1 [生きる力]が全人的な力であることを踏まえると横断的・総合的な指導を一層推進し得るような新たな手だてを講じて、豊かに学習活動を展開していくことが極めて有効であると考えられたこと、
2 国際理解教育、情報教育、環境教育などを行う社会的要請が強まっており、これらはいずれの教科等にもかかわる内容をもった教育であることから横断的・総合的な指導を推進していく必要性が高まっていること、
から、一定のまとまった時間を設けて横断的・総合的な指導を行うことが提言された。
    (資料4:中央教育審議会 第一次答申(平成8年7月19日)参照

   これを受けて、平成10年教育課程審議会答申では、自ら学び自ら考える力などの[生きる力]をはぐくむことを目指す教育課程の基準の改善の趣旨を実現する極めて重要な役割を担うものとして「総合的な学習の時間」の創設が提言された。創設の趣旨は、以下のとおりである。(資料4:教育課程審議会答申(平成10年7月29日)参照

1 各学校が地域や学校の実態等に応じて、創意工夫を生かした教育活動を展開できるような時間を確保すること、
2 自ら学び自ら考える力などの[生きる力]は全人的な力であることを踏まえ、国際化や情報化をはじめ社会の変化に主体的に対応できる資質や能力を育成するために教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習をより円滑に実施するための時間を確保すること、

   「総合的な学習の時間」は、平成10年に改訂された学習指導要領に位置付けられ、平成14年から順次本格実施されているところである。


2   教育課程上の位置付け
   「総合的な学習の時間」は、学校教育法施行規則及び学習指導要領総則に各教科、道徳、特別活動とともに教育課程を編成するものとして位置付けられ、年間授業時数、各学校において教育課程上必置とすること、ねらい、具体的な学習活動の例、学習活動を行うにあたっての配慮事項等が示されている。
   他方、この時間は、各学校における創意工夫を生かした学習活動を行うものであること、学習活動が各教科等の枠を越えたものであること等から、各教科等のように学習指導要領に内容を規定していない。
   なお、具体的な学習活動の例として、小・中学校においては、1国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題に関する学習活動、2生徒の興味・関心に基づく課題に関する学習活動、3地域や学校の特色に応じた課題などがあげられており、高等学校においては、1に加えて、生徒の興味・関心に基づく課題について知識・技能の深化・総合化を図る学習活動、自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動などが地域や学校の特色、生徒の特性等に応じ、行うこととされている。
    (資料5参照)

【参考】年間授業時数(学校教育法施行規則(小・中学校)、学習指導要領(高校))
   小学校 第3・4学年    105時間(おおむね週あたり3時間)
第5・6学年 110時間(おおむね週あたり3時間)
中学校
第1学年 70〜100時間(おおむね週あたり2〜3時間)
第2学年 70〜105時間(おおむね週あたり2〜3時間)
第3学年 70〜130時間(おおむね週あたり2〜3時間)
高等学
校(卒業まで) 105〜210時間


3   評価の在り方
   平成12年の教育課程審議会答申において、「総合的な学習の時間」の評価の在り方については、各学校において学習活動を定め、学校や児童生徒の実態に応じた特色ある教育活動が展開されるという趣旨から、学習の状況や成果などについて、児童生徒のよい点、学習に対する意欲や態度、進歩の状況などを踏まえて評価することが適当であり、数値的な評価をすることは適当ではないとされた。

   また、学習指導要領に示す「総合的な学習の時間」のねらいなどを踏まえ、各学校において定める具体的な目標や指導内容に基づき、観点を定めて「総合的な学習の時間」の評価を行うことが必要であるとされた。

   以上を踏まえ、小・中学校の指導要録については、「総合的な学習の時間」に行った「学習活動」を記述した上で、指導の目標や内容に基づいて定めた「観点」を記載し、それらの「観点」のうち、児童生徒の学習状況に顕著な事項がある場合などにその特徴を記載するなど、どのような力が身に付いたかを文章で記述する「評価」の欄を設けることが適当であるとされた。(高等学校については、各教科の学習の評価と同様に、欄としては「学習活動」と「評価」から構成しつつも、各学校において定められた観点を踏まえて評価を行う)
   (資料4:教育課程審議会答申(平成12年12月4日)参照


4   平成14年度の実施状況等
   平成14年度の「総合的な学習の時間」の実施状況は、本年2月にまとめられた「平成14年度公立小・中学校における教育課程の編成状況等の調査結果」によれば、以下のとおりである。
   なお、平成15年度の計画状況については、現在、平成15年度の公立小・中学校における教育課程の編成状況等について調査中であり、近々公表する予定である。また、高等学校については、新学習指導要領が今年度から学年進行で本格実施されたところであり、今年度中に公立高等学校における教育課程の編成状況等について、調査を実施する予定である。

(1) 総合的な学習の時間の学習活動(年間を通じて複数のテーマを扱った場合や1つの学習活動に複数のテーマを含む場合、複数回答可)

1小学校
総合的な学習の時間の学習活動−小学校
「外国語会話」の欄には、「国際理解」で外国語会話を取り入れている学校の割合をしめす。

2中学校
総合的な学習の時間の学習活動−中学校

(2) 中学校における総合的な学習の時間の授業時数(年間授業時数の総計)

1第1学年
授業時数
70
71〜99
100
実施校
60.5%
17.7%
21.9%
2第2学年
授業時数
70
71〜104
105
実施校
42.5%
46.7%
10.9%
3第3学年
授業時数
70
71〜104
105
106〜129
130
実施校
37.6%
36.2%
8.1%
4.9%
13.2%


5   外部人材の活用状況
   「総合的な学習の時間」における外部人材の活用状況は以下のとおり。
(※特別非常勤講師の発令の有無を問わない。保護者や地域の人々にボランティアとして協力をしてもらっている場合も含める。)

「総合的な学習の時間」における外部人材の活用状況

 

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