(1)免許状の対象範囲
|
|
○ |
特別支援学校教諭免許状(仮称)は、学校種に対応した免許状として、特別支援学校の教員が有することを原則としつつ、小・中学校等の通常の学級に在籍する障害のある児童生徒を担当する教員や、特殊学級担当の教員の専門性向上にも資するものとして位置付けることはどうか。
|
|
○ |
これと併せて、小・中学校等の通常の学級等におけるLD、ADHD、高機能自閉症等の障害のある児童生徒への対応については、小・中学校等の教員免許状を取得するための「教職に関する科目」の中で、障害のある児童等の心身の発達及び学習の過程について含めて扱うこととなっていることから、当面、大学の教職課程において、特別支援教育に関する内容の充実を促すこととしを徹底するとともに、今後、小学校等の教員養成カリキュラム全体の見直しを行う際にの中で、教職に関する科目等の中でにおいて、特別支援教育に関する科目等が適切に位置付けられることが必要であるとするか。
|
(2)障害種ごとの専門性の確保の在り方
|
|
○ |
特別支援学校教諭免許状に担保することが求められる資質能力としては、新たな特別支援教育の理念や、様々な障害種に共通する基本的な知識等が想定されていることから、従来の特殊教育免許に比して修得すべき内容が増加することとなるが、小学校等の基礎となる免許状に加えてこの免許状を取得することが必要であることを踏まえ、大学における教職課程の編成にあたり工夫が必要ではないか。
|
|
○ |
具体的には、現在の特殊教育免許取得に必要な単位数から若干増える単位数を設定し、例えば、特別支援教育に関する基本的な事項について、各障害種で重複する部分はできる限りまとめることとして、障害のある児童生徒の心理・生理・病理、教育課程の総論や各障害種ごとの指導法の導入部分も含めて概論としておさえつつ、各障害種ごとの指導法の詳細については、複数の障害種の指導法を重点的に修得するものとしたらどうか。
|
(3)特別支援学校教諭免許状(仮称)の種類・内容
|
|
○ |
現行の教員免許制度の趣旨を踏まえて特別支援教育担当教員の資質の維持・向上を図るため、他の教員の場合と同様、特別支援学校教諭免許状(仮称)として、普通免許状、特別免許状、臨時免許状の3種類を設け、大学における養成を原則とする普通免許状を中心としたらどうか。
|
|
○ |
普通免許状の種類としては、修業年限や修得単位数に応じて多様な大学等から人を得ることにより教員組織全体の活性化を図るとともに、上位の免許状等の取得を目指すことによる現職教員の自発的な研修を促すため、他の教員の場合と同様、専修免許状、一種免許状、二種免許状の3種類を設けることとしたらどうか。この中でも大学における4年間の養成を経た一種免許状を標準とし、各免許状に以下のような内容を想定したらどうか。
|
|
|
 |
一種免許状
特別支援教育を担当する教員の標準的な免許状として、全ての障害に共通する最低限必要な基礎的・基本的知識や指導方法を基にして、例えば視覚障害や聴覚障害など、特定の障害を選択して一定の専門的な知識、指導方法等を身に付ける。
|
 |
専修免許状
特定の障害に対するより深い専門的知識、指導方法等に加え、重度・重複化への対応、地域の小・中学校等における特別支援教育を視野に入れたコーディネートや、特別支援学校のセンター的機能を総合的にコーディネートするために必要な知識や技能を身に付ける。将来、特別支援学校等において指導的立場になろうとする者が積極的に身に付けることを想定する。
|
 |
二種免許状
一種免許状の取得を原則としつつ、特別支援教育についての専門性のある教員を少しでも多く確保するため、全ての障害に共通する最低限必要な基礎的・基本的知識や、各障害に対応した指導方法の基礎を身に付ける。
この免許状は、特殊教育担当教員を確保するための経過措置として、当面、特殊教育免許の保有を要しないこととしている法律上の措置と相俟って、新たな特別支援学校(仮称)の教員の免許状取得率向上を図るために取得すべき免許状として捉える。
また、小・中学校等の通常学級や特殊学級担当教員等が取得することを目指すものとしても想定し、二種免許状取得後、特別支援教育を担当する教員が有することが原則である一種免許状の取得を目指すものとする。
|
|
(4)特別支援学校教員の養成カリキュラムの在り方
|
|
○ |
特殊教育免許を総合化し、全ての障害種に共通する事項を修得することとしても、現在の特殊教育免許を取得するために修得することが必要な「特殊教育に関する科目」について、その専門分野に応じた科目区分の大枠は維持することが適当と考えられることから、引き続き、「特別支援教育に関する科目(仮称)」として、教育の基礎理論、障害児の心理、生理及び病理、障害児の教育課程及び指導法、障害児の教育実習について、必要単位数を修得することとするのはどうか。(具体的には、別紙の内容を想定)
|
|
○ |
新たな特別支援教育の理念等を理解した上で全ての障害種に対応する基礎を身に付けるため、特別支援教育に関する基本的な事項や全ての障害種に共通する基本的な事項について修得するものとして、例えば、「特別支援教育概論(仮称)」として、修得すべき基礎理論に関する科目に位置付けたらどうか。
|
|
○ |
上記の「特別支援教育概論(仮称)」において、全ての障害種の心理、生理及び病理、教育課程及び指導法の基礎を含めて修得することとする一方、障害児の心理、生理及び病理や、障害児の指導法の区分については内容と単位数を厳選し、より専門性の深い内容を身に付けることとするのはどうか。
|
|
○ |
重度・重複障害のある児童生徒等への指導に対応するため、「特別支援教育概論(仮称)」や障害児の教育課程及び指導法に関する科目等の中で、重度・重複障害に関する内容を含めることとするか。
|
|
○ |
自立活動に関する内容については、これまで免許状の種類を別にして、教員資格認定試験等により授与し専門性を確保してきたが、これは本来、特別支援教育を担当する全ての教員に求められる資質であることや、大学における教員養成の原則を踏まえ、特別支援教育概論(仮称)や、各障害児の教育課程及び指導法に関する科目において取り扱うこととし、養成カリキュラムの開発を大学等の関係機関に促すこととするのはどうか。
|
|
○ |
障害児の教育実習については、大学の講義等において学修した知識や理論を特別支援教育を行う学校現場での実践につながるようなものとすべきか。その際、小学校等の基礎となる免許状を取得するに当たって5単位程度教育実習を行っていることや、小・中学校の教員免許状取得の際に義務付けられている介護等体験の中で、2日間程度特殊教育諸学校における体験が行われていることなどを踏まえた内容とすべきか。
|
|
○ |
なお、特別支援教育を推進するために必要となる、個別の教育支援計画を作成するために必要な資質能力、特別支援学校のセンター的機能、特別支援教育コーディネーターの役割等、教員がチームとして障害のある個々の児童生徒に対応していくために必要な知識等については、上記の「特別支援教育概論(仮称)」においてその基礎となる知識等を修得するとともに、指導的立場やコーディネーターとなる者等が、専修免許状取得の際に更にそれらの知識等を深める学修を積むことや、現職研修を積極的に実施することが必要であることとするか。
|