青少年の意欲を高め、心と体の相伴った成長を促す方策について(中間まとめ)

平成18年9月28日
中央教育審議会

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はじめに

 平成17年6月、中央教育審議会は、文部科学大臣から「青少年の意欲を高め、心と体の相伴った成長を促す方策について」の諮問を受けた。

 青少年期とは、大人への準備期間として人格の基礎を築き、将来の夢や希望を抱いて自己の可能性を伸展させる時期である。自己や社会の様々な物事に興味・関心を抱き、知識・技能の獲得や課題の克服、目標の達成等へ向かって意欲を持つことが、成長のための行動の原動力となるのであり、青少年期には特に、このような意欲を持って生き生きと充実した生活を送ることが重要である。
 また、次代を担う青少年が大人に成長する意欲を持つことは、我が国の未来へ希望を託すために重要である。このため、社会を構成する我々大人には、青少年に対して特別な配慮と支援を行い、その健全な成長を期する責務がある。

 このような認識の下に、本審議会では、スポーツ・青少年分科会において、青少年の意欲を高めるために大人の責任としてなすべきことについて審議を重ねてきた。
 審議に当たっては、学校教育における学習意欲向上方策の検討も参考としつつ、青少年を巡る現状とその背景を検証するため、青少年の生活実態や青少年を取り巻く現状についてこれまでの調査結果等を整理するとともに、最近の各学問分野の研究成果を踏まえるため、医学、心理学、社会学等の分野の有識者から意見を聴取した上で、青少年の意欲を高めるために重視すべき視点と方策について、青少年の生活習慣の確立や体力の向上、多様な体験活動の推進や有害環境対策といった分野を中心に検討を重ねてきた。

 この中間まとめでは、第1章において、社会的期待として青少年の自立への意欲を高める必要があり、大人の責任としてそのための支援を行うべきであるという本中間報告の基本的立場を明らかにし、第2章において、青少年の意欲をめぐる現状と課題について、理念的な類型化とデータ及び研究成果の整理を行い、これを踏まえて第3章において、青少年の意欲を高め、心と体の相伴った成長を促すために重視すべき視点と具体的方策について、5つの提言を行った。

 この中間まとめを機に、青少年が意欲を持って充実した生活を送ることの重要性について、教育関係者のみならず我々大人一人ひとりの認識が深まり、それぞれの立場で何ができるかを真剣に考え、行動に移すきっかけとなることを期待している。
 今後、本審議会としては、本中間まとめに対して各方面の御意見を頂きつつ、更に議論を深め、より充実した答申を取りまとめていきたいと考えている。

「青少年」の対象年齢について

 本審議における「青少年」の対象年齢については、「青少年育成施策大綱」(平成15年12月9日 青少年育成推進本部決定以下、「大綱」という。)が、おおむね30歳未満の者を対象として以下の各年齢期に応じて青少年育成施策を推進していることを念頭に置いている。

  乳幼児期: 小学校就学前の時期
人間への基本的信頼と愛情を育てていく基礎となる、親や特定少数の人との強い情愛的きずなを形成するとともに、複数の人々とのかかわりを通じて認知や情緒を発達させ人格を形成していくことが重要。

学童期: 小学生期
後の成長の基礎となる体力・運動能力を身に付け、多様な知識・経験を蓄積し、家族や仲間との相互関係の中で自分の役割や連帯感などの社会性を獲得していくことが重要。

思春期: おおむね中学生~高校生に当たる時期
自分らしさを確立するために模索し、社会規範や知識・能力を修得しながら大人への移行を開始することが重要。

青年期: おおむね高等学校卒業以後に当たる時期
親の保護から抜け出し、社会の一員として自立した生活を営み、さらに、公共へ参画し、貢献していくことが重要。


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