学校給食用食材の安全・衛生の確保について |
学校給食用食材の安全・衛生の確保について成長期にある児童生徒を対象とした学校給食が安心して実施されるためには,良質で安全な学校給食用食材の確保が不可欠である。 とりわけ,学校給食における食中毒を予防するため,学校又は共同調理場(市町村において一括購入を実施している場合にあっては市町村)は,納入業者の理解と協力を得て,食材について定期的に点検するとともに,食材の購入に当たり,納入業者の衛生管理水準の維持向上に関して最大限の取組みを促し,もって,食材の衛生管理の徹底を図る必要がある。 一方,学校及び共同調理場においては,納入業者から食材を納入させる場合は,学校及び共同調理場の関係者が必ず立ち会い,検収簿に基づき,食材の品質等について点検を行う必要がある。 また,常温で保存可能なものを除き,食肉類等については1回で使い切る量を納入するようにするとともに,納入された食材は,食材の分類ごとに区分して保管する必要がある。 1 学校給食用食材の定期点検の実施について1 趣旨学校給食における食中毒を予防し,安全な実施に資するため,学校給食において使用される食材について定期的に点検(細菌,農薬,添加物等についての検査。以下「点検」という。)を実施する。 2 市町村立学校における点検 (1)実施者 学校給食用食材の点検は,学校給食を実施している市町村教育委員会が都道府県教育委員会と連携の上実施するものとする。 (2)実施時期 点検は,毎年,少なくとも5月(または6月)及び9月(または10月)の年2回実施するものとする。 (3)実施方法 1)都道府県教育委員会は,あらかじめ地域の実情等に応じて点検を実施する市町村及び調理場数を定めるものとするが,少なくとも1回当たり次の箇所数について実施することとし,点検を実施する市町村教育委員会に対し学校給食用食材の点検を要請する。 単独校調理場 8ケ所 共同調理場 4ケ所 2)都道府県教育委員会から点検の要請を受けた市町村教育委員会は,点検を実施する共同調理場及び単独校調理場をそれぞれ選定し,当該調理場において点検実施する。 なお,点検に当たっては,あらかじめ点検する食材,点検方法及び検査機関等について都道府県教育委員会及び当該市町村又は都道府県の衛生主管部局等と協議の上実施するものとする。 (4)食材納入業者への対応 食材の点検に当たっては,点検実施の趣旨を十分食材納入業者に説明し,その協力を得て実施するものとする。 (5)点検結果に対する措置 1)有害又はその疑いのある食材であることが判明した場合には,市町村教育委員会は当該市町村又は都道府県の衛生主管部局と協議の上,適切に対処するものとする。 2)点検結果の取扱いについては,都道府県教育委員会と事前に連絡調整の上行うものとする。 3 都道府県立学校における点検 学校給食を実施している都道府県立学校については,市町村立学校の実施時期,実施方法等に準じて,当該都道府県の教育委員会が衛生主管部局と適宜協議の上,学校給食用食材の定期点検を実施するものとする。 4 国立・私立学校における点検 学校給食を実施している国立大学附属学校及び私立学校については,市町村立学校の実施時期,実施方法等に準じて,各設置者が学校の所在する都道府県の私立学校主管部局及び衛生主管部局と適宜協議の上,学校給食用食材の定期点検を実施するものとする。 2 学校給食用食材納入業者の衛生管理について安全で良質な学校給食用食材を確保するためには,食材を納入している者が,学校給食の意義役割を理解し,日常的に衛生管理水準の維持向上に取り組むことが重要である。そのため,学校等は,食材納入業者に対して,学校給食の衛生管理の徹底についての啓発に取り組むとともに,食材の購入に当たって,納入業者の衛生管理水準の維持向上に関する取組みを促す必要がある。 1 学校給食用食材納入業者の衛生管理の啓発 安全で良質な学校給食用食材を常に確保するためには,食材を納入している業者が学校給食の意義等に対して真に理解をしておく必要がある。 そのため,食材を購入する学校等と,納入業者又は納入業者の団体等の間に連絡会を設けるなどし,学校給食の意義の役割及び食材の衛生管理の在り方について定期的に意見交換を行い,常日頃から意志の疎通を図っておく必要がある。 2 学校給食用食材納入業者における衛生管理の自主的取組み 学校等は,良質かつ安全な学校給食用食材を確保するためには,食材を納入する業者が,食材の衛生管理について適切に対応している者であることをあらかじめ確認しておくことが必要であるとともに,納入業者及び学校等の双方が食材の衛生管理について共通認識にたって売買契約を行うことが何より重要である。 そのため,学校等は,食材納入予定業者について,納入する食材の品目等に応じ,1)納入業者の立地条件(本社・営業所及び製造加工工場の所在地等),2)従業員等の健康管理状況,3)食材取扱いの実績等について調査を行い,食材納入予定業者一覧等あらかじめ作成するとともに,売買契約書の中で衛生管理に関する事項を取り決め,納入業者に衛生管理についての自主的な取組みを促すなど,売買契約の段階でも食材の衛生管理を担保する必要がある。 (売買契約書に記載又は添付させることが考えられる事項例) (1)製造・加工工場又は食品貯蔵倉庫等への見学等の実施 (2)食品衛生監視表(生鮮野菜・果実,酒類,調味料の販売等該当しない場合を除く。) (3)従業員等の食中毒多発期における定期検便の結果 3 学校給食用食材納入時の検収等の衛生管理について1学校又は共同調理場において,納入業者から食材を納入させる場合は,調理室(厨房)外において,食材の受け渡しを行うとともに,学校又は共同調理場の関係者が必ず立会い,検収簿に基づき,食材の品質,鮮度,品温,異物の混入,包装容器等の状況,品質保持期限(賞味期限)等について点検を行う。なお,食材の検収場には,食材が直接床面に接触しないようスノコ等を設ける。 2缶詰,乾物,調味料等常温で保存可能なものを除き,食肉類,魚介類,野菜類等については,1回で使い切る量を納入するようにする。 3納入した食材は,食肉類,魚介類,野菜類等,食材の分類ごとに区分して保管するとともに, 別表 の保存基準に従い,棚,冷蔵・冷凍設備に保管するよう計画的な改善に努めるものとする。 また,食材の保管場所は常に清掃等を行い,衛生管理に十分留意する必要がある。
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