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(2) 近年の取組み
1 第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画等
 学校が抱える課題が複雑化・多様化する中、全国一律に画一的な取組みを進めるのではなく、各学校において、子どもたち一人一人を大切にし、子どもたちの学習状況などの実態や地域の実情に合った効果的な指導、すなわち個に応じたきめ細かな指導を行うことができるよう、新たな学級編制及び教職員配置がますます求められている。
 このため、第6次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画(平成5年度〜12年度)では、学校においてティーム・ティーチング(複数教員による協力的指導)等が行われるよう、多様な教育活動の推進に必要な教職員配置がなされた。
 また、第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(平成13年度〜17年度)では、児童生徒の「生きる力」を育むためにはきめ細かな指導が必要との考えの下、多様な指導形態や指導方法の導入を目指し、学級単位での学習指導だけではない学習集団単位での弾力的な指導も可能とした。これにより、これまでのティーム・ティーチングに加え、習熟度別授業や教科等に応じた20人程度の少人数指導が可能となった。
 現在では、各学校において、それぞれの特色ある教育課程の編成と併せて、少人数指導などのきめ細かな指導が行われており、特に総合的な学習の時間などにおいて多様な指導形態や指導方法を効果的に導入できるようになっている。

2 学級編制の弾力化
 従来、学級編制については、全国的な教育水準の維持向上を図るため、都道府県が定める基準は国が定める標準と同一のものでなければならないとされてきた。
 しかしながら、地域や学校の実情に合わせて、国の定める標準と異なる基準に基づく学級編制を行うことにより、教育上より高い効果が期待できる場合もある。このため、平成13年度から、第7次教職員定数改善計画に併せて学級編制の弾力化が図られ、都道府県が児童生徒や地域・学校の実態を考慮して特に必要があると認める場合には、40人を下回る学級編制基準の設定が可能となった。

3 総額裁量制の導入
 現在、全国的な義務教育水準の維持向上と教育の機会均等を保障するため、公立義務教育諸学校の基幹的職員の給料・諸手当に係る経費については都道府県が負担することとされており、国は都道府県が負担する経費の原則1/2を負担する義務を負う「義務教育費国庫負担制度」が設けられている。従来、国が負担すべき限度額の算定に当たっては、給料・諸手当及び教職員定数ごとにそれぞれの基準をもとに国庫負担額を算定していたが、給料・諸手当についても、国の水準並びではなく都道府県の主体的判断が尊重されるような工夫が必要となった。このため、平成16年度から、義務教育費国庫負担制度において総額裁量制が新たに導入され、各都道府県ごとの標準定数と各都道府県ごとの平均給与単価により算定される国庫負担金の範囲内で、都道府県が柔軟に教職員給与や教職員定数を決め、地域や学校の実情に合わせた活用ができるようになった。
 その結果、上記学級編制の弾力化と相俟って、全国的に40人を下回る学級編制が進み、平成17年度には45道府県において全学年又は一部の学年で少人数学級が実施されている(表1参照)。


表1 【少人数教育の実施状況】(文部科学省調査)

1 少人数指導の実施状況(平成16年度)
〈全体〉
校種 実施校数 割合
小学校 13,609校 59.9%
中学校 8,143校 79.4%
21,752校 65.9%

  〈実施学年〉
○小学校
第1学年 第2学年 第3学年 第4学年 第5学年 第6学年
6,101校
(44.8%)
7,713校
(56.7%)
11,024校
(81.0%)
11,773校
(86.5%)
11,667校
(85.7%)
11,374校
(83.6%)

  ○中学校
第1学年 第2学年 第3学年
7,560校
(92.8%)
7,734校
(95.0%)
7,623校
(93.6%)

  〈実施科目〉
○小学校
算数 国語 総合等 理科 体育 生活 音楽 図画工作 社会 家庭
13,347校
(98.1%)
5,901校
(43.4%)
4,737校
(34.8%)
3,542校
(26.0%)
2,382校
(17.5%)
2,236校
(16.4%)
1,646校
(12.1%)
1,185校
(8.7%)
881校
(6.5%)
766校
(5.6%)

  ○中学校
数学 外国語 総合等 理科 国語 保健体育 社会 技術 家庭 音楽 美術
7,168校
(88.0%)
5,631校
(69.2%)
3,307校
(40.6%)
2,363校
(29.0%)
1,352校
(16.6%)
1,169校
(14.4%)
798校
(9.8%)
600校
(7.4%)
405校
(5.0%)
394校
(4.8%)
256校
(3.1%)

2 少人数学級の実施状況(平成17年度)
  30人 31〜34人 35人 36〜39人 実態に応じ実施 純計
小学校低学年 10県 3県 20道県 2府県 11府県 41道府県
小学校中学年 該当なし 1県 3県 該当なし 9府県 13府県
小学校高学年 該当なし 1県 2県 1県 8府県 12府県
中学校 2県 3県 10県 3県 12府県 27府県
純計 10県 4県 26道県 4府県 13府県 45道府県

(注) 「純計」は複数の区分にまたがって実施している府県について1府県としてカウントした数字である。

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