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第2章   企画,基本設計及び実施設計

第3節   平面計画

第1    基本的事項
     空間構成
    (1)    多様な教育課程や学習・生活集団の編成,弾力的な指導体制等に対応できるよう柔軟な空間構成とすること。
    (2)    幼稚部,小学部,中学部,高等部ごとのまとまりや類似する機能を有する室・空間のまとまり,さらに,幼稚部,小学部,中学部,高等部の各部間で共同利用する室・空間の利用しやすい位置関係に配慮して計画すること。
        【盲学校・聾学校】:臨床実習等で利用する室・空間の利用しやすい位置関係に配慮して計画すること。
    (3)    学習・生活集団の構成に応じ,それぞれの集団の利用する室・空間の相互のつながりやまとまりに留意して平面的・立体的な構成,配置等を計画すること。
        【盲学校】:児童生徒等がわかりやすく,かつ,記憶しやすい空間構成となるよう配慮すること。
        【聾学校】:集団補聴器の利用を計画する室・空間については,漏洩,混信,雑音等の防止・低減や利用範囲の設定に留意して計画すること。
        【病弱養護学校】:病気の種類等に適した環境の構成に留意するとともに,明るく家庭的な雰囲気づくりにも配慮することが望ましいこと。
    (4)    建物内外の各空間相互に,視覚的,感覚的な連続性を確保することが望ましいこと。
    (5)    各室・スペースの計画において,児童生徒等が,能力を最大限活用して自主的,自発的に学習や生活ができるよう配慮することが望ましいこと。特に,幼稚部,小学部においては,各室や空間の広さ,形等に変化を持たせるように配慮することが望ましいこと。
    (6)    間仕切りの位置の変更や教室の増築等を考慮して計画することが望ましいこと。
    (7)    建物内部から利用できるバルコニー,テラス及び屋上その他の空間を,安全管理面等に十分留意しつつ,効果的に学習や生活に活用できるよう設置することが望ましいこと。
    (8)    他の特殊教育諸学校を併置する場合,教育課程等に応じ,室・空間の共同利用について検討し,全体として効率的に利用できるよう構成・配置等を計画すること。
    (9)    地域住民の学習活動等に積極的に対応できるよう空間の構成,配置等を計画することが望ましいこと。
    (10)    教科教室型の場合においては,教室間等の移動,生徒の授業時間外の居場所,持ち物の取り扱い,情報伝達や学級・ホームルーム活動の方法等に十分留意して空間を構成すること。
         
     動線等
    (1)    児童生徒等,教職員,学校開放における利用者,外部からの訪問者などが,学校内のまとまりある活動空間を通り抜けたり,迂回したりすることのないような動線の得られる空間の構成,配置等を計画すること。
        【知的障害養護学校】:児童生徒等の動線は,できる限り単純で明確なものとなるよう計画すること。
    (2)    明瞭で規模に応じた動線を設定できる空間の構成,配置を計画し,避難施設を必要に応じ設定すること。
    (3)    教材,教具や給食等を安全かつ円滑に移動させることができるような動線を設定すること。
    (4)    廊下等の移動のための空間は,その上・下部の空間が各種設備のための配管,配線等の有効な設置空間ともなることを考慮して設定することが望ましいこと。
    (5)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:多様な移動方法に十分留意し,必要に応じ,昇降機等の利用も検討しつつ,安全かつ円滑に移動できるよう空間の構成,配置等を計画すること。
    (6)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等と併置する場合は,病院等との日常的な往来に十分配慮した構成,配置等とすること。
         
第2    学習関係諸室
     共通事項
    (1)    児童生徒等一人一人の障害の特性や発達段階等に応じた学習内容及び学習方法を基に,児童生徒等の行動特性や生活経験の程度等を考慮して,最も適切な空間配分及び位置を計画すること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:可能な限り病院等の協力を得て,病院等の施設内においても,障害の状態等に応じた内容・方法による学習にふさわしい空間配分や位置等が計画されることが望ましいこと。
    (2)    児童生徒等の心身の障害の状態及び特性等を考慮し,必要に応じ,個別指導を行うことのできるスペースを確保すること。
    (3)    必要に応じ,教室等を再構成し又は移動間仕切り,可動間仕切り等により分割して使用できる弾力的な空間として計画することも有効であること。
    (4)    各室・空間は,多様な移動方法と各種の補助用具の利用を考慮し必要な規模を確保すること。
    (5)    教室は,当該地域の気候風土や気候の季節的変化も考慮し,日照,採光,通風等の良好な環境条件を確保できる方位及び位置に設定すること。
        【盲学校】:静寂さや十分な採光を確保できるよう計画すること。
        【聾学校】:補聴器の利用等に配慮し,可能な限り騒音や雑音を避け得る位置に計画すること。また,相手の口の形や顔面の筋肉の動きなどにより相手の言葉を読みとりながら学習等が進められることに留意し,十分かつ適切な照度を確保できるように計画すること。
        【病弱養護学校】:病気の種類等に応じた日照,採光,通風等の適切な環境条件に留意すること。
    (6)    奥行きの深い空間や面積の広い空間は,採光,換気,音響等の環境条件の確保に特に留意し,規模,位置等を計画すること。
    (7)    普通教室を中心として障害の状態及び特性や発達段階等に応じ必要となる学習・生活のための空間を構成し,必要に応じ,個別指導を行うことのできるスペースを確保すること。
         
     普通教室等
    (1)    日照,採光,通風等の良好な環境条件の確保に十分留意し,位置,方位等を計画すること。
    (2)    同一学年の普通教室は,同一階及び同一区画にまとめ,通過動線部分とならないよう計画すること。
    (3)    多様な学習形態に柔軟に対応できるよう普通教室及びその周辺部分を構成すること。
    (4)    【盲学校・聾学校】:小学部の低学年児童の普通教室は,中・高学年の学習・生活空間と区分し,低学年児童のための他の学習・生活空間とまとめて計画すること。また,多目的教室,屋外の作業テラス等の空間と連携できるように計画することが望ましいこと。
    (5)    幼稚部の保育室は,遊戯室その他の保育空間及びテラスや園庭との連携を十分検討し,適切な規模,構成を持つ空間とすること。また,保育室相互のつながりや保護者の動線にも留意し,特に,3歳児の保育室は,教職員室からの見通しが良く,近い位置に配置すること。
    (6)    幼稚部の保育室,小学部の低学年及び心身の発達段階に応じ日常生活に配慮を要する児童生徒等の普通教室については,便所,シャワー室,更衣スペース等と一体的に又は隣接して計画することが望ましいこと。
    (7)    重複障害児の普通教室は,障害の状態に適合する良好な環境を確保できる位置に,更衣室,便所,シャワー室等と一体的に又は隣接して計画すること。また,大型の教材・教具,遊具等を用いた多様な活動に対応できるよう十分な規模を確保すること。
    (8)    児童生徒等の持ち物等を保管するロッカースペースを,各学級ごとの保育室内又は普通教室内若しくは保育室又は普通教室に近接した位置で,各学級の教室と対応するような位置に計画することが望ましいこと。
    (9)    教室から直接行くことのできるテラス,バルコニー等の空間を計画することも有効であること。
    (10)    必要に応じ,保護者の参観や授業への参加,児童生徒等の介助も考慮し,適切な規模を計画すること。
    (11)    各学年の学級数が増減した場合においても学年ごとの空間的なまとまりを崩すことのないよう,増築や室種類を転換することなどが可能な計画とすることが望ましいこと。
    (12)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:障害の状態等により病室等で学習を行う場合は,医療業務等や他の入院患者等の生活などに支障のないよう留意しつつ,学習に必要な教材・教具,教育機器,家具などの導入が可能な学習空間が確保されることが望ましいこと。
         
     多目的教室・プレイルーム等
    (1)    利用内容,利用方法,利用集団の規模等に応じ,保育室又は普通教室と一体的に又は近接して若しくは各部の中心的な位置にホール状に計画するなど,適切な位置,規模,構成等による多目的教室・プレイルームを計画することが望ましいこと。
    (2)    普通教室又は保育室と連続して多目的教室・プレイルームを計画する場合は,児童生徒等の日常の普通教室又は保育室への出入りの動線に留意し,十分な規模の空間を計画すること。
    (3)    ホール状の多目的教室・プレイルームを計画する場合には,利用する集団の規模等に対して十分な広さの空間を確保し,普通教室又は保育室から利用しやすい位置に計画すること。
    (4)    幼稚部の遊戯室は,保育室との連携や降雨,降雪時等の園庭との機能代替性を十分検討し,適切な規模,位置等の下に計画することが望ましいこと。その際,遊具等を収納するための空間,また,必要に応じ,幼児等の発表や観覧,保護者等の交流や学習活動などに必要な設備等を設置する空間を確保すること。
    (5)    学習に必要な教材等の配置により,児童生徒等の自主的,自発的な個別学習,グループ学習等に対応できる学習センター的な機能を持たせることも有効であること。なお,このような空間を教科の特別教室のまとまりの中に計画することも有効であること。
    (6)    各種遊具や訓練器具・機器等の配置により,日常的な養護・訓練の指導の場としても利用できるよう計画することが望ましいこと。なお,このような空間を養護・訓練関係教室のまとまりの中に計画することも有効であること。
    (7)    【養護学校】:特別教室等のまとまりの中に,図画工作,美術,工芸,技術等の諸活動に利用できる多目的作業室として計画することも有効であること。
    (8)    遊具を収納するスペースを確保すること。
    (9)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等に併置する場合,多目的に利用できる空間を病院等に近い位置に計画することも有効であること。
         
     特別教室・教科教室
    (1)    各部,各教科での利用,養護・訓練や日常生活訓練での利用,複数の部での共同利用等を考慮し,必要な種類,規模等の空間を確保すること。
    (2)    同一教科又は関連性の強い教科の特別教室又は教科教室及びその準備室,附属室等は,必要に応じ,相互の連携を図り,まとめて計画することが望ましいこと。また,教科教室型の計画においては,必要に応じ,学級・ホームルーム活動等を行う場として教科教室を割り当てることに留意し,教科教室の配置,構成等を計画すること。
    (3)    学校の規模,学習内容,学習方法等に応じ,特別教室の構成を工夫して計画することも有効であること。
    (4)    特別教室・教科教室に隣接する準備室又は特別教室・教科教室内部の準備コーナーを設けること。
    (5)    普通教室等からの移動及び特別教室又は教科教室相互間の移動を行いやすいよう計画すること。
    (6)    学習内容に応じ,屋外学習施設と容易に行き来できる配置とすること。
    (7)    学習活動に伴い騒音,振動,臭気等を発生する教室は,他の学習空間への影響に留意して配置すること。
    (8)    各教科における多様な形態の学習に弾力的に対応できるよう学習センター等と連携させる計画も有効であること。
    (9)    個別指導等のための室は,各部から利用しやすく,かつ,騒音等の影響を受けにくい位置に計画すること。
        【知的障害養護学校】:学習への集中を促すために,窓外からの刺激を制御することができるようにすること。
         
     【知的障害養護学校】:作業学習教室等
    (1)    中学部及び高等部等の各部,各作業種目ごとに,学習内容,学習方法,指導時数等に応じ,屋外の作業スペースとの連携に留意しつつ,作業学習のための空間を適切な位置,規模で計画すること。また,作業学習のための空間に隣接して,作業学習の準備,工具,用具,薬品等の保管のための準備室及び倉庫を計画すること。
    (2)    作業学習のための空間をまとめたブロック又は独立した作業棟として計画することが望ましいこと。その際,利用する学年や生徒の実態等に即して円滑に移動できるように計画すること。
    (3)    各作業教室は,一人一人の作業空間,移動のためのスペース及び搬出入,運搬のためのスペースを確保できる規模とすること。
    (4)    農業関係の作業に関しては,各種目の品目,生徒数,指導計画等に応じ,必要な規模の農地,温室,作業場,準備室,機械・器具倉庫,用具及び収穫品の保管倉庫,農具等の洗い場等を,相互の位置関係に留意して計画すること。
    (5)    工業関係の作業に関しては,各作業種目,指導計画,生徒の実態及び生徒数等に応じ,必要な設備の設置に留意しつつ教室の配置や規模等を計画すること。
    (6)    家政・家庭関係の作業に関しては,各作業種目,指導計画,生徒の実態及び生徒数等に応じ,必要な規模の作業教室,準備室,倉庫等を,相互の位置関係に留意して計画すること。
         
     養護・訓練関係諸室
    (1)    盲学校養護・訓練関係諸室
      1    各部ごとの利用状況等に応じ,児童生徒等が利用しやすい位置に,感覚機能等の指導のための諸室をまとまりを持たせて計画すること。
      2    感覚機能の指導のための室は,児童生徒等の心身の発達状況等を考慮して適切に区分し,多量の教材・機器等の設置・収納等に応じた適切な規模で計画すること。
      3    日常生活技能の指導等で利用できる実習のための空間を計画することも有効であること。
         
    (2)    聾学校養護・訓練関係諸室
      1    各部ごとの利用状況等に応じ,児童生徒等が利用しやすい位置に,聴力検査室を中心に言語指導の室,聴能訓練室等の養護・訓練関係諸室をまとまりを持たせて計画すること。
      2    聴力検査のための室は,児童生徒等の心身の発達状況等を考慮して適切に区分し,多量の教材・機器等の設置・収納等に応じた適切な規模で計画すること。
      3    日常生活技能の指導等で利用できる実習のための空間を計画することも有効であること。
      4    幼稚部等において,家庭環境を模擬した室・空間等を計画することも有効であること。
         
    (3)    知的障害養護学校養護・訓練関係諸室
      1    各部ごとの利用状況等に応じ,児童生徒等が利用しやすい位置に,各種の教材や訓練機器等を用いた多様な指導の実施に対応できる適切な規模で計画すること。なお,心身の発達状況等を考慮し,各部ごとに計画することも有効であること。
      2    コミュニケーションの指導及び知能検査のための室は,騒音等の影響を受けにくい位置に計画すること。特に,窓外からの刺激を制御することができるようにすること。
      3    運動・動作の指導のための室・空間は,利用集団の規模に応じ,十分な規模を確保すること。また,屋外での体育的活動の実施を考慮し,屋外の活動空間と容易に連携できる配置とすること。
      4    水中での運動・動作の指導のための室・空間は,指導及び指導前後の更衣等の諸行為を円滑に実施できるような規模を確保することが望ましいこと。
         
    (4)    肢体不自由養護学校養護・訓練関係諸室
      1    各部ごとの利用状況等に応じ,児童生徒等が利用しやすい位置に,各種の教材や訓練機器等を用いた多様な指導の実施に対応できる適切な規模で計画すること。なお,心身の発達状況等を考慮し,各部ごとに計画することも有効であること。
      2    運動・動作の指導のための室・空間は,利用集団の規模に応じ,十分な規模を確保すること。また,屋外での体育的活動の実施を考慮し,屋外の活動空間と容易に連携できる配置とすること。
      3    コミュニケーションの指導のための室は,騒音等の影響を受けにくい位置に計画すること。
      4    水中での運動・動作の指導のための室・空間は,指導及び指導前後の更衣等の諸行為を円滑に実施できるような規模を確保することが望ましいこと。
         
    (5)    病弱養護学校養護・訓練関係諸室
      1    各部ごとの利用状況等に応じ,児童生徒等が利用しやすい位置に,各種の教材や訓練機器等を用いた多様な指導の実施に対応できる適切な規模で計画すること。なお,病気の種類や程度,心身の発達状況等を考慮し,各部ごとに計画することも有効であること。
      2    心理的適応や運動・動作のための室・空間は,利用集団の規模や病気の種類や程度に応じ,十分な規模を確保すること。また,屋外での体育的活動の実施を考慮し,屋外の活動空間と容易に連携できる配置とすること。
      3    言語指導のための室は,騒音等の影響を受けにくい位置に計画すること。
      4    水中での運動・動作の指導のための室・空間は,指導及び指導前後の更衣等の諸行為を円滑に実施できるような規模を確保することが望ましいこと。
         
     専門教育関係教室
    (1)    高等部における専門教育に関する教科・科目のための実験・実習室等は,実験・実習の流れに応じた各室・空間の連続性,必要な規模の講義室,多目的スペース,準備室,資料室,ゼミ室,教員研究室その他の附属室等との位置関係に留意して計画すること。
    (2)    教科内容に応じ,屋外の活動空間との連携可能な配置とすること。
    (3)    学習活動に伴い騒音,振動,臭気,排気ガス等を発生する教室は,他の空間に悪影響を与えないように留意して配置すること。
    (4)    実習や課題研究等により制作された作品や専門教育に必要な模型,標本等の教材を展示・収納する空間を計画することが望ましいこと。
    (5)    【盲学校・聾学校】:理療,理容等の実習における外来者の出入口,待合い等のスペースを,外部からの連絡がよく,実習室に近接した位置に計画することも有効であること。
         
     共通学習諸室
    (1)    各部ごとの利用内容に応じ必要な規模を確保するとともに,各教科等における多様な学習内容等に対応できるよう多目的教室・プレイルーム,特別教室,教科教室又は専門教育関係教室との連携を考慮して計画することが望ましいこと。
    (2)    図書室等は,各部ごとの利用状況等に応じ,児童生徒等が日常的に利用しやすい位置に配置すること。その際,必要に応じ,休日の児童生徒や地域住民の学習活動における利用等に対応できるよう配慮することが望ましいこと。
        【盲学校】:高等部においては,専門教育や情報教育に関する図書等のためのスペースを計画することも有効であること。
    (3)    相互に隣接又は近接させて配置し,あるいは,図書,視聴覚教育メディア,コンピュータ等各種の教材・教具,設備等を集約し,教科又は各部等に対応した多様な学習や自主的な学習などに多目的に利用できる学習センターとして計画することも有効であること。
    (4)    図書,視聴覚教育メディア,コンピュータ等を身近な場に分散配置することも有効であること。なお,その場合,各共通学習諸室との役割分担を明確にし,相互の連携に留意して計画すること。
         
     その他の学習関係諸室
    (1)    教育相談・生徒指導・進路指導室
      1    各部ごとの児童生徒等の実態等に応じ,教育相談,生徒指導,進路指導等に必要な室・空間を確保すること。
      2    教育相談,生徒指導,進路指導のそれぞれに必要な面談室,資料室等は,児童生徒等が気軽に行くことができ,かつ,静かで落ち着いて相談等を行うことのできる位置とするなど配置に十分留意して計画すること。
      3    進路指導のための室・空間は,生徒による資料の閲覧や複写,来訪者との応対などに留意し,必要な規模を確保すること。
      4    障害のある児童生徒等やその保護者等に対する早期からの指導や相談等のための室・空間を,必要に応じ,養護・訓練関係諸室との連携にも配慮しつつ計画することが望ましいこと。
      5    諸検査等のための室・空間は,各部から利用しやすくかつ騒音等の影響を受けにくい位置に計画することが望ましいこと。
         
    (2)    特別活動室
      他の室・空間との役割分担を明確にしつつ,多様な活動に応じ,必要となる空間を活動に適した規模で計画すること。
         
    (3)    放送室
      1    教職員だけでなく児童生徒等による放送活動にも便利な位置に計画することが望ましいこと。また,健康安全・体育的行事等における利用も考慮し,運動場等を見渡すことができるように計画することも有効であること。
      2    教材作成等の機能を備えた教材・教具空間や視聴覚教室と連携できるように計画することも有効であること。
         
    (4)    教材・教具空間
      1    各特別教室,教科教室の準備室との役割分担に留意しつつ,教材・教具の種類,数量等に応じ必要な規模を確保し,これらの教材・教具を利用する室・空間との連絡のよい位置に計画すること。
      2    多量な視聴覚教材や大型遊具,遊具製作材料などの収納に十分な規模の空間を確保すること。
      3    教材・教具等の作成の機能を備え,図書室,視聴覚教室,学習センター等と連携した空間として計画することも有効であること。
      4    大型の教材・教具の作成,補助用具の調整等のための作業空間を計画すること。
      5    教材などの複写,印刷等を行う専用のスペースを学習関係諸室のまとまりの中にコーナーとして配置することも有効であること。
         
    (5)    自習スペース
         各部ごとの利用状況等に応じ,共通学習諸室の中に生徒の自習のためのスペース・コーナーを計画することも有効であること。
         
  10    講義室等
       学校種別等に応じ,講義室等を計画する場合は,以下の点に留意すること。
    (1)    講義室は,利用形態に応じ必要な規模,数のものを確保し,関連する他の室・空間との連絡に留意しつつ適切な位置に計画すること。
         なお,必要に応じ,教員用の実験スペースを備えた講義室を計画することも有効であること。
    (2)    ゼミ室合は,利用形態に応じ必要な規模,数のものを確保し,普通教室又は特別教室・教科教室又は実験・実習室との連絡のよい位置に計画することが望ましいこと。
         なお,特色のあるゼミ室を計画することも有効であること。
         
  11    【養護学校】:生活訓練関係教室
       学校種別等に応じ,生活訓練関係教室を計画する場合は,以下の点に留意すること。
    (1)    和室,浴室,調理室等の日常生活訓練のための室・空間は,まとまりを持たせて計画することが望ましいこと。
    (2)    類似の機能を有する室・空間との役割分担や連携に留意して計画することも有効であること。
         
第3    屋内運動施設
     共通事項
    (1)    保健体育(小学部は「体育」。以下同じ。),健康安全・体育的行事,クラブ活動,部活動等における各種の運動を支障なく行うことができるよう必要な規模を確保すること。
    (2)    児童生徒等の移動や他の学習空間へ及ぼす騒音などの影響,運動施設相互の連携などに配慮し,適切な位置に計画すること。
    (3)    学校開放時における利用にも積極的に対応できるよう出入口や便所,更衣室等の附属施設等を含め,空間の構成,配置,規模等を計画することが望ましいこと。
    (4)    他の特殊教育諸学校との併置を計画する場合は,屋内運動施設間の相互利用・共同利用に配慮しつつ,動線を含めそれぞれの体育的活動に必要な環境を確保できるよう数,規模,配置を適切に計画すること。
    (5)    体育教員研究室を設ける場合は,必要な規模を確保し,屋内外の運動施設を管理しやすい位置に計画することが望ましいこと。
         
     屋内運動場
    (1)    学級,学年の枠を超えた学習グループの編成やクラブ活動,部活動の種類,数,補助用具等を利用した児童生徒の特殊な活動内容や多様な器具・設備等の設置に留意し,必要な規模のものを適切な位置に計画すること。
    (2)    気候的条件や学校規模,各部ごとの体育的活動の状況等に応じ,相互の連携に配慮しつつ,複数の屋内運動場を計画することも有効であること。
    (3)    更衣室,便所,運動器具庫等の附属施設と一体的に計画すること。
    (4)    儀式的行事,学芸的行事,各種集会等での利用を予定する場合は,必要な規模のステージ,控え室等の空間を確保することが望ましいこと。
         なお,文化活動の場として講堂や音楽ホール等の専用の空間を別に計画し,屋内運動場に備える運動のための機能を高めることも有効であること。
    (5)    各種トレーニング器具をまとめて配置したトレーニングルームやダンススタジオを計画することも有効であること。
    (6)    【聾学校】:屋内運動場における発声・発語の訓練後のうがいのための水飲み・手洗い等の施設を附属して計画することが望ましいこと。
         
     武道場
       学校種別等に応じ,武道場を計画する場合は,以下の点に留意すること。
    (1)    利用内容等に応じ,柔道,剣道等の武道を行う専用の施設を確保することが望ましいこと。
    (2)    練習中の発声や衝撃などによる校舎等への影響や通風の確保などに十分留意して適切な位置に計画すること。
    (3)    更衣室,便所,防具庫等の附属施設を一体的に計画することが望ましいこと。
         
     屋内プール
    (1)    利用内容に応じ,必要な規模を確保すること。また,養護・訓練での利用を考慮して計画することが望ましいこと。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:プール周辺における補助用具を使用しての移動や這っての移動などを考慮して計画すること。
    (2)    幼児や小学部低学年児童の体格,活動の内容を考慮し,形状等を工夫したプールを計画することも有効であること。
    (3)    維持管理等に十分留意しつつ,温水プールとして計画することが望ましいこと。
         なお,温水化しない場合には,適切に保温できるよう室内の暖房にも配慮しつつ,日照や自然採光を十分確保できる位置に計画すること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:プールの水温を調節できるような仕様のものとすることが望ましいこと。
    (4)    湿気等を防止するため,通風,換気を十分確保できる位置に計画すること。(5)更衣室,便所,シャワー室等の附属施設と一体的に計画すること。
         
第4    動線空間
     共通事項
    (1)    児童生徒等一人一人の実態等に応じ安全かつ円滑な移動を可能とするように規模,配置等を計画すること。
        【盲学校・聾学校】:誘導設備等の設置を考慮して計画すること。
        【知的障害養護学校】:できる限り単純かつ明瞭な構成とすること。また,障害の特性を考慮し,衝突を防止するとともに,指導の場としても有効なように計画すること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:児童生徒等一人一人の多様な移動方法や移動能力等に応じて計画すること。
    (2)    日常の動線と避難動線との関連に十分留意して計画すること。
         
     昇降口等
    (1)    始業時,終業時等における利用人数等に留意しつつ,校舎の規模に応じ適切な配置のもとに,十分な規模の昇降口を計画すること。なお,各部ごとの雰囲気づくりを行う上で,各部ごとに昇降口を計画することも有効であること。
        【盲学校】:白杖を使用しての出入りに留意しつつ計画すること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:補助用具を使用しての出入りに留意して計画すること。
    (2)    校舎内の児童生徒等の学習・生活の中心となる空間と連絡がよく,上履きと下履きの動線が交差することなく,また,校舎等の周囲を迂回せず校門及び屋外運動場に円滑に行き来できる位置に計画すること。
        【病弱養護学校】:病院等に併置する場合,病院等との往来の際の出入口は,病室及び保育室又は普通教室との連絡の良い位置に計画すること。
    (3)    気候的特性に留意して,位置及び出入りの向きを計画すること。
    (4)    情報伝達,展示・掲示の場としても利用できるような入口ホール等の空間と一体的に計画することも有効であること。
    (5)    スクールバスの発着場は,スクールバスの発着,補助用具を使用した児童生徒等の乗降が安全かつ円滑に行えるような規模を確保し,校舎内等への排気ガスの侵入防止等に配慮しつつ,校舎への出入口との連絡のよい位置に計画すること。
        【肢体不自由養護学校】:小学部低学年は普通教室との位置関係に十分配慮することが重要である。
    (6)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:昇降口の近傍に,動線に留意しつつ,利用状況等に応じた規模の車いすの置き場や補助用具等の洗浄施設を計画すること。
         
     廊下,階段等
    (1)    廊下,階段等は,安全かつ円滑な動線としての機能を確保できるように,規模,配置等を計画すること。
        【盲学校】:校舎内における位置認知の起点としての機能を持たせるように階段の位置等を計画することも有効であること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:廊下,スロープ等は,多様な移動方法に十分留意して計画すること。
    (2)    階段には,十分な広さの階段ホールや踊り場等の空間を確保することが望ましいこと。
    (3)    児童生徒等の交流の場や作品等の展示などの場としての利用も考慮して,規模,空間構成等を計画することも有効であること。
    (4)    昇降機やスロープ等を設ける場合は,利用目的に応じ必要な位置に階段との位置関係に留意して計画すること。
         スロープについては,安全な斜度,十分な幅,始終点前面及び踊り場の余裕等を確保できるように,規模,配置等を計画すること。
         昇降機については,その輸送能力,利用状況等に応じ,必要な規模のホール等の空間を計画すること。
    (5)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等に併置する場合,病院等との往来のための通路は,必要に応じ,上屋の設置や車いす等での移動を考慮した規模を確保すること。
         
     ロビー・ラウンジ等
    (1)    ラウンジやアルコーブ等を児童生徒等の日常動線上の各所に分散して配置することが望ましいこと。
    (2)    類似した機能を有する屋外空間との連携を考慮して計画することも有効であること。
    (3)    ロビー・ラウンジの内部に,美術・工芸の作品の展示や情報の提示などのための空間を計画することも有効であること。
         
第5    生活・交流空間
     共通事項
    (1)    学習関係諸室等との間の移動を行いやすい位置に,ゆとりのある空間を構成できる規模で計画することが望ましいこと。
    (2)    他校との交流や学校開放を実施する場合に,他校の児童生徒等や地域住民等も利用しやすい位置に計画することも有効であること。
         
     食堂等
    (1)    食堂は,利用方法等を考慮して適切な規模を確保すること。
    (2)    食堂は,校舎内各所から利用しやすい位置に,良好な環境にも配慮しつつ,調理室や配膳室との位置関係に留意して計画すること。
         なお,寄宿舎を設ける場合には,寄宿舎の食堂との関連に十分留意して計画すること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:車いすやストレッチャーを使用しての食事,抱かれての食事,特殊な補助用具を付けての食事等を考慮して,規模等を計画すること。
    (3)    家庭教室の調理に係る実習のための空間と連携させて配置することも有効であること。
    (4)    生活訓練関係諸室と関連づけて計画することも有効であること。
    (5)    食事指導の方針等に応じ,食事のための空間を普通教室廻り等へ分散配置することも有効であること。その際,適切な食事環境を構成できるように計画すること。
    (6)    調理室は,食事のための空間との連絡がよく,騒音,異臭等により学習活動等に支障を及ぼすことなく,また,外部から車等が進入しやすい位置とすること。
    (7)    売店を設ける場合は,扱う物品の内容に応じ,児童生徒等の生活空間や食堂等との連絡に留意して計画することが有効であること。また,自動販売機を設置する場合は,物品の搬入,ゴミの収集等に十分留意し,適切な位置に設置スペースを計画すること。
         
     寄宿舎
    (1)    当該地域の気候風土や気候の季節的変化も考慮し,良好な環境条件を確保できる方位及び位置に設定すること。
    (2)    舎室,学習空間,生活・交流空間,管理関係室,共通空間を,児童生徒等の生活の自立を促す環境整備に配慮しつつ,適切に構成できるような規模で計画すること。
    (3)    男子用と女子用の空間,個人の生活と集団生活のための空間並びに児童生徒等が利用する空間と管理諸室との分離と連携が適切に保たれるように計画すること。
    (4)    収容人数等の規模に応じ,舎室部分を複数のブロックに分割する計画も有効であること。
    (5)    舎室は,室種類,数等に応じた規模を確保し,良好な日照,採光,通風等を得られる位置に配置することが望ましいこと。なお,複数人で一室とする場合は,発達段階等に応じ個人的な利用のできるスペースを適宜確保することが望ましいこと。
    (6)    明瞭で規模に応じた動線を設定すること。特に,避難階以外の階に舎室を計画する場合は,避難用スロープなどを設置することが望ましいこと。
    (7)    休養室は,舎監室や職員室等の管理諸室に隣接して設けることが望ましいこと。
    (8)    共用施設は,寄宿生が日常的に利用しやすい位置に計画すること。
    (9)    管理諸室は,出入口部分などへの見渡しがよく,寄宿舎内各所への移動に便利な位置,各室相互の連携を考慮し,まとまりのある空間として計画すること。
    (10)    便所は,寄宿舎内の児童生徒等の分布の状況及び動線を考慮し,児童生徒等が利用しやすい位置に,男女別に計画すること。
    (11)    生活用諸施設・設備のための空間は,寄宿舎内の必要な場所にまとまりのあるコーナーとして計画すること。
    (12)    保護者宿泊室は,各舎室との連絡の良い位置に計画すること。なお,一部の舎室を保護者の宿泊や面談に利用できるように計画することも有効であること。
    (13)    浴室は,障害の特性や指導者の介助等を考慮し,洗い場及び更衣スペースを十分確保できる規模のものを,利用しやすい位置に男女別に計画すること。
    (14)    日常生活訓練等の場として,宿泊室,浴室,洗面所,便所,食堂,厨房等を備えたセミナーハウス的な施設を計画することも有効であること。
         
     講堂・ホール等
       学校種別等に応じ,講堂・ホール等を計画する場合は,以下の点に留意すること。
    (1)    学習空間や他の生活・交流空間との関連,児童生徒等利用者が安全かつ円滑に移動できる動線の確保等に配慮して,位置等を計画することが望ましいこと。その際,地域住民の利用を考慮し,外部からの動線に配慮することも有効であること。
    (2)    学校開放時にも利用しやすいよう,便所等附属施設を講堂・ホール等に隣接した位置に適切な規模で計画することが望ましいこと。
    (3)    講堂・ホール等の内部に,美術・工芸の作品を展示できる空間を計画することも有効であること。
         
     ホームベース
    (1)    教科教室型の場合においては,必要に応じ,生徒の持ち物の保管,学級・ホームルーム活動,生徒への情報伝達,休息や自学自習などの場となるホームベースをそれぞれのホームルームごとに計画することも有効であること。
    (2)    ホームベースを設ける場合は,生活集団に応じ必要な規模のものを,各室・空間との間の移動を行いやすい位置に計画すること。
         
     部室
       学校種別等に応じ,部室を計画する場合は,以下の点に留意すること。
    (1)    管理・指導面に十分留意しつつ,活動を行う場との連絡のよい位置に,共同利用できるミーティング室,更衣室,用具収納庫,手・足洗い場などとともにまとまりをもたせて配置することが望ましいこと。
    (2)    部活動の内容等の変化に対応し,間仕切りを変更できるような柔軟な空間として計画することも有効であること。
         
     セミナーハウス
       学校種別等に応じ,セミナーハウスを計画する場合は,利用人数,利用方法等に応じ必要な規模,数の男女別の宿泊室,研修室,図書室,指導員室,浴室,洗面所,便所,食堂,厨房等を,相互の位置関係に留意して計画すること。
         
第6    管理関係室
     共通事項
    (1)    管理関係室は,部・課程の構成等に応じた室・空間の共用等に配慮しつつ,学習関係諸室等と行き来しやすい位置に,まとまりのある空間として計画すること。
    (2)    他の特殊教育諸学校との併置を計画する場合は,管理関係室間の相互利用・共同利用に配慮しつつ,動線を含めそれぞれの校務,教務等に必要な環境を確保できるように,数,規模,配置を適切に計画すること。
         
     教職員諸室
    (1)    学校規模に応じ,校務,教務等の執務内容や方式に基づき,必要な規模の空間を確保すること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等に併置する場合は,病院等の関係者との日常的・定期的な打合せのための室・空間を確保すること。
    (2)    教職員諸室は,相互の機能的な連携が確保できるような位置関係で計画すること。
    (3)    執務,教材作成,会議,休憩,打合せ等のスペース・コーナーを移動間仕切りなどにより構成する計画とすることも有効であること。
    (4)    中央職員室は,屋外運動場やアプローチ部分などへの見渡しがよく,校内各所への移動に便利な位置に計画すること。
    (5)    普通教室周辺の位置に教員コーナー等を分散して配置することも有効であること。なお,その場合,中央職員室との機能分担及び相互の連絡に留意して計画すること。
    (6)    事務室は,外来用玄関との連絡がよく,校長室,応接室等に隣接した位置に計画すること。なお,校内の各種設備の集中管理等を行う場合には,校内各所への移動に便利な位置に計画すること。
    (7)    会議室は,室数の確保に留意しつつ,移動間仕切り等により,必要に応じ,空間を分割して利用できるような規模のものを計画することも有効であること。なお,必要に応じ,児童生徒等との面談や外来者の応対,学校開放に対応できる会議室を設けることも有効であること。
    (8)    用務員室は,用務員の業務内容に応じ,事務室に隣接させたり,防災関係の設備室,サービスエリア等と連絡のよい位置に計画すること。
    (9)    【盲学校】:点字印刷のための室・スペースは,図書室等との連携を考慮しつつ,必要に応じ,点訳や製本のためのスペースも含め適切な規模のものを計画すること。
    (10)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等に併置する場合は,病院等との連携の内容に応じ,病院等と学校との間の児童生徒等の引き渡しのスペースを適切な位置に計画すること。
         
     保健室
    (1)    静かで,良好な日照,採光,通風などの環境を確保できる位置に計画すること。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等に併置する場合は,病院等と日常的な連携を考慮し計画すること。その際,病院等との往来のための出入口部分に計画することも有効であること。
    (2)    特に屋内外の運動施設との連絡がよく,児童生徒等の出入りに便利な位置に計画すること。なお,児童生徒等が日常的に行き来しやすい位置に計画することも有効であること。また,必要に応じ,開放時の利用も考慮して計画することも有効であること。
    (3)    救急車,レントゲン車などが容易に近接できる位置に計画すること。
    (4)    教員室等と連絡のよい位置に計画することが望ましいこと。
    (5)    処置,検査,休養等に必要な空間や保健室に付随した相談室及び医師等の控え室を適切に構成できる規模を確保し,便所等の施設と一体的に配置すること。
         
     保護者等控え室
    (1)    学校種別等に応じ,保護者やボランティアのための控え室を計画する場合は,学習関係諸室や管理関係諸室との連絡に配慮しつつ,外来用玄関との連絡の良い位置に計画すること。特に,幼稚部や小学部の幼児・児童,医療的ケアの必要な児童生徒等の保護者のための控え室は,保育室・普通教室に隣接した観察室や保護者コーナー等として計画することが望ましいこと。
    (2)    スクールバスの運転手のための控え室は,管理関係諸室との連絡に配慮しつつ,スクールバスの発着場と連絡の良い位置に計画することが望ましいこと。
         
     倉庫,機械室等
    (1)    倉庫は,収納し,管理する物品等の現況及び将来の需要を把握し,物品の種類に応じ管理や出し入れのしやすい方式を十分検討して,必要となる空間を確保すること。
    (2)    校内の清掃の方法等に応じ,掃除用具庫を適宜分散して計画することが望ましいこと。また,必要に応じ,施設・設備や庭園・緑地等の維持保全のための作業室を計画することも有効であること。
    (3)    各倉庫は,収納し,管理する物品等の使用する場所と連絡のよい位置にそれぞれ計画することが望ましいこと。
    (4)    ゴミ置き場は,分別収集に対応できる規模のものを,適切な位置に計画すること。
    (5)    機械室や電気室等は,生徒の学習・生活空間から離れ,サービスエリアから連絡のよい位置に計画することが望ましいこと。
         
第7    共通空間
     便所
    (1)    児童生徒等の分布の状況及び動線を考慮し,児童生徒等が利用しやすい位置に,男女別に計画すること。
    (2)    心身の発達状況や障害の程度等を考慮し,保育室,小学部低学年や重複障害児の普通教室に近接又は隣接した位置にも計画することが望ましいこと。
    (3)    教職員や外来者用の便所は,障害者の利用にも配慮しつつ,児童生徒等用とは別に,適切な位置に男女別に計画すること。その際,教員等は休み時間も児童生徒等と過ごすことを考慮し,これらを適切な位置に分散して計画することも有効であること。
         
     洗浄施設等
    (1)    浴槽,温水シャワー等の洗浄設備を設置する空間を,便所と関連させつつ,保育室,普通教室から利用しやすい位置に計画することが望ましいこと。
    (2)    洗浄設備を設置する空間は,着替えのためのスペースの確保や,必要に応じ,車いすでの利用等に配慮しつつ,利用状況等に応じ適切に規模を計画すること。
    (3)    洗濯機や乾燥機等を設置する空間は,洗浄設備を設置する空間と関連させて計画することが望ましいこと。
         
     ロッカースペース
    (1)    各ホームルームごとの保育室内又は普通教室内若しくは保育室又は普通教室に近接した位置にコーナーとして計画することが望ましいこと。
    (2)    教科教室型の場合においては,全校の校内動線の中心的な位置に計画することが望ましいこと。なお,ホームベースを設ける場合は,その区画の中に計画することも有効であること。
    (3)    廊下に計画する場合は,安全に配慮し,ホームルームの教室と対応するように計画することが望ましいこと。
         
     その他
    (1)    生活用諸施設・設備のための空間は,校内の必要な場所に計画すること。
    (2)    足洗い場は,児童生徒等が,主要な出入口に近接した位置に計画することが望ましいこと。
    (3)    【病弱養護学校】:消毒するための設備や感染防止のための殺菌灯付きロッカー等を設置するスペースを適切な位置に計画すること。
         
第8    学校開放のための空間
     共通事項
    (1)    通常の学校運営との連絡調整に十分配慮した学校開放時の管理体制を明確に設定し,当該学校での利用,校舎又は屋内運動施設との役割分担も考慮しつつ,学校開放の状況等に応じ,ミーティング室,管理室,ロッカー室,更衣室,器具庫,便所等の室種類を適切に設定し,必要な規模を確保することが望ましいこと。
    (2)    外部からの出入りに便利で,学校開放時に使用する特別教室・教科教室,屋内外の運動施設等と連絡の良い位置に計画すること。
    (3)    学校開放時に使用する特別教室・教科教室,屋内外の運動施設等の連絡に留意しつつ,総合的に利用できる空間を計画することも有効であること。
         
     校舎開放用クラブハウス
    (1)    学習関係諸室,生活・交流空間等との位置関係に留意するなど校舎全体の室・空間の配置と総合的に計画することが望ましいこと。
    (2)    開放時の動線及び非開放部分の区画を適切に設定しつつ計画すること。
         
     学校体育施設開放用クラブハウス
    (1)    外部からわかりやすい位置に計画すること。
    (2)    更衣室,便所等の附属施設を学校教育においても利用できるように計画することも有効であること。なお,この場合,器具庫については開放専用のものを計画することが望ましいこと。
    (3)    屋外運動施設開放用のクラブハウスは,屋外運動施設,門等との間の移動を円滑に行うことができ,開放時に使用する器具等を円滑に出し入れすることのできる位置に計画すること。

 

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