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第2章   企画,基本設計及び実施設計

第2節   配置計画

第1    校地利用
     土地利用計画
    (1)    各施設部分を,相互に均衡のとれたゾーニングの下に,設定された施設機能に応じて配置し,全体として効率がよく,かつ,ゆとりの感じられる構成とすること。
    (2)    必要に応じ,学習や生活に弾力的に利用できるようなゆとりの空間を各施設廻り等に確保できるよう各施設部分を配置することが望ましいこと。
    (3)    将来予想される増改築等に柔軟に対応できるよう各施設を配置すること。
    (4)    施設等の開放を行う場合は,学校教育に支障を及ぼすことなく開放が円滑に行えるようアプローチを考慮しつつ各施設の配置を検討すること。
    (5)    地盤状況を的確に把握し,地震,台風その他の災害時や不同沈下等に対する安全を確保できるように各施設部分を配置すること。
    (6)    自然の地形を有効に活用できるよう各施設部分を適切に配置することが望ましいこと。
       
     配置構成
    (1)    各施設部分は,相互の機能的な連携を通じそれぞれの施設機能を十分に発揮できるよう相互の位置関係に十分留意して配置すること。
    (2)    児童生徒等及び訪問者の動線,学校開放時の利用者の動線,スクールバス,自家用車,サービス車両等の動線を合理的に設定できるよう校門や各施設部分を配置すること。
         また,避難時の動線の設定に十分留意しつつ,児童生徒等にとってわかりやすく,かつ,記憶しやすいように各施設部分を配置すること。
        【知的障害養護学校】:児童生徒等の活動範囲を規定しやすいよう各施設部分の配置を計画すること。
    (3)    各施設部分で行われる活動の雰囲気づくりに配慮して配置すること。
    (4)    各施設部分について適切な自然環境を確保できるように配置すること。
        【病弱養護学校】:病気の種類等に応じ適当な自然環境を制御できるように配置すること。
    (5)    施設全体の調和,周辺の町並みとの調和等に配慮した配置構成とすること。
    (6)    他の文教施設等との複合化を計画する場合は,施設間の相互利用・共同利用や管理運営が円滑に行われるよう各施設を適切に配置すること。なお,誘導設備等の設置に関しては,施設全体として一貫性をもたせること。
    (7)    幼稚部,小学部,中学部,高等部のうち複数の部を有する場合には,全体のまとまりとともに各部ごとの屋内外施設のまとまりを確保できる配置構成とすること。
    (8)    他の特殊教育諸学校を併置する場合は,施設間の相互利用・共同利用,管理運営や相互の交流等が円滑に行われるようそれぞれの学習・生活に必要な環境を確保しつつ,各施設を適切に配置すること。
    (9)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:必要に応じ,併置する病院等との間の行き来において伝染経路を絶つことができるような各施設の配置とすること。
       
第2    校舎・屋内運動施設
     建物位置
    (1)    建物の敷地は,できる限り盛土部分を避け,異なる地質や地盤条件をもつ部分にまたがらず,また,土砂の流出するおそれのある部分に近接していないことが望ましいこと。
    (2)    校舎は,外部騒音の影響を可能な限り避けることができるように配置すること。
    (3)    屋外運動施設への日照に支障を生じることのないような相互の位置関係に配慮した配置とすること。
    (4)    周辺住宅等との間で,日照やプライバシー等における相互の影響に配慮した配置とすること。
    (5)    学校開放を実施する場合の利用者の動線に留意し,外部から利用しやすいよう開放部分の配置を考慮して計画することが望ましいこと。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等に併置する場合には,病院等からの利用も考慮して施設の配置を計画することが望ましいこと。
    (6)    寄宿舎を設ける場合は,校舎との連絡や良好な環境条件の確保などに十分配慮し,適切に配置すること。
       
     建物構成
    (1)    校舎等は,できる限り低層の建物として計画すること。
    (2)    建物相互間において,必要な隣棟間隔を確保すること。
        【聾学校】:視覚的に空間のわかりやすさに配慮すること。
    (3)    校舎廻りの屋外空間を,安全管理面に十分留意しつつ積極的に取り入れた構成とすることが望ましいこと。
    (4)    緊急時の避難,施設の小修理その他の維持管理等に支障の生じないよう配慮して配置すること。
    (5)    複数の部を有する場合には,全体のまとまりとともに各部ごとの独自性を確保できること。
    (6)    【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:各建物は,児童生徒等の多様な形態による建物間の移動に対応できるよう配置すること。
       
第3    屋外運動施設
     施設配置
    (1)    屋外運動場,各種コートは,方位に留意しつつ,良好な日照,通風等を確保できるとともに,校舎や周辺地区に砂塵,騒音等の悪影響を及ぼさないよう,また,周辺の住宅等の間で相互にプライバシー等に支障を生じないよう十分留意して配置すること。
    (2)    屋外プールは,良好な日照,通風等を確保できるとともに外部からの視線の防止に配慮し,また,校舎や更衣室との円滑な移動にも留意して配置すること。
    (3)    各施設部分は,学校開放への要請に対応しやすいよう外部から利用しやすい位置に計画することが望ましいこと。
        【肢体不自由養護学校・病弱養護学校】:病院等に併置する場合には,病院等からの利用も考慮して配置を計画することが望ましいこと。
    (4)    【聾学校】:集団補聴器の利用を計画する場合には,周辺地区からの騒音や,住宅等との間における電波に関する相互の影響等に留意しつつ,集団補聴器の利用範囲を適切に設定できるよう配置すること。
    (5)    【養護学校】:保健室との連絡が良く,救急車等が出入りしやすいよう配置すること。
       
     施設構成
    (1)    各施設部分は,相互に近接したまとまりのある配置とすること。
    (2)    校舎,屋内運動施設等との連絡のよい配置とすること。
    (3)    観覧のための施設を必要に応じ計画することも有効であること。
       
第4    屋外教育環境施設等
     屋外教育環境施設
    (1)    校舎,屋内運動施設,屋外運動施設等との関連を総合的に考慮して計画すること。
    (2)    半屋外空間との連携や役割分担に配慮し,これらの空間を含め計画すること。
    (3)    遊び庭,屋外の運動広場,学習園,自然体験広場,屋外作業スペース等は,屋内での学習活動との関連性等を考慮し,利用する各部ごとの移動その他利用しやすい位置に計画すること。
    (4)    屋外の集会施設は,日常の生活領域あるいは動線との関連に配慮して配置すること。
    (5)    幼稚部・小学部における遊び場,中学部・高等部における屋外の作業スペース等の設定を考慮して,各施設の配置を計画すること。
       
     緑地
    (1)    緑地の効用を考慮し,維持管理に十分留意しつつ,積極的に緑地を導入することが望ましいこと。
    (2)    校地内に均衡よく,それぞれにまとまりをもたせて配置すること。
       
第5    その他の施設
     校門
    (1)    児童生徒等の安全上及び教育上支障がなく,周辺の地域住民の生活等に支障を及ぼさないような位置に配置すること。
    (2)    利用者が,校舎等の出入口の位置を認識しやすく,かつ,校舎等へ円滑に移動できる位置に配置することが望ましいこと。
       
     【知的障害養護学校】:囲障等
       飛び出しを防止するため設置する囲障等については,安全対策に十分配慮すること。
       
     駐車場
    (1)    スクールバス,保護者等の車の駐車場は,乗降のための十分なスペースを確保できる規模で,昇降口との連絡のよい位置に,児童生徒等が建物に出入りしやすいよう計画すること。
    (2)    学習活動や児童生徒等の安全及び健康への影響に十分配慮しつつ,各部ごとの利用状況等に応じた適切な規模,配置とすること。
       
     サービス施設
    (1)    荷物や食材運搬,管理上の戸外作業等のためのサービス用車両等の一時駐車のサービスエリアを,必要に応じ,適切な位置に配置すること。
    (2)    設備系の諸室を別棟とする場合は,適切な位置に,安全性に十分配慮して配置すること。
       
     その他
    (1)    屋外倉庫,焼却炉,ゴミ置き場などの施設,設備は,利用しやすく,かつ,学習活動等に支障の生じない位置に配置すること。
    (2)    焼却炉,ゴミ置き場等は,安全に十分留意して計画するとともに,校舎及び周辺地区にばい煙,臭気等の悪影響を及ぼさないよう配慮して配置すること。

 

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