第7節構造設計 |
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第1 |
基本的事項 |
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1 |
安全性 |
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(1) |
多数の生徒等が学習,生活等の場として1日の大半を過ごすだけでなく学校開放時や緊急の災害時に多数の住民等が利用することも考慮し,十分な安全性を確保するよう計画し,設計すること。 |
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(2) |
外力に対し,耐力計算に余力をもたせて構造上十分安全に設計すること。なお,二次部材についても十分な安全性を確保するよう設計すること。 |
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(3) |
必要とされる学校固有の空間の構築に対し,十分安全な構造を計画し,設計すること。 |
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(4) |
必要となる空間,設備等の改造等に対し構造上十分な余裕を確保した設計とすることが望ましいこと。 |
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2 |
耐久性 |
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(1) |
経年に対する十分な耐用性を確保できるよう設計すること。 |
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(2) |
環境条件による影響に対し十分な耐久性を確保できるよう設計すること。なお,二次部材についても十分な耐久性を確保するよう設計すること。 |
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第2 |
上部構造 |
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1 |
建物形状 |
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(1) |
変形,ねじれ,力の集中等をできるだけ生じさせないよう構造的に均衡のとれた形状とすること。 |
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(2) |
建物の高さと幅との関係に十分留意して計画すること。なお,構造的な均衡,将来の室機能及び設備の変動等に留意し,階高及びスパン割を適切に設定すること。 |
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(3) |
複数の構造種別を組み合わせる場合や不整形あるいは細長い形状の建物となる場合には,建物各部に不均衡な力が生じないよう構造的に適切に分割して設計すること。 |
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2 |
鉛直力に対する設計 |
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(1) |
建物自重及び積載荷重を実状に応じ設定し,当該建物に掛かる鉛直力を適切に算定して設計すること。 |
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(2) |
構造形式を適切に設定し,当該構造形式に応じ,柱等の部材の必要な断面を確保すること。 |
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(3) |
はり等の横架材の配置及び床版の面積を適切に設定し,横架材,床版等の部材の必要な断面を確保すること。 |
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3 |
地震,風等による水平力に対する設計 |
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(1) |
地盤条件や建物形状等に留意しつつ,当該建物に掛かる水平力を適切に算定して設計すること。 |
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(2) |
構造上支障となる変形,ねじれ,力の集中などを生じないよう構造形式を適切に設定し,構造種別に応じ,構造要素を各階各方向に釣合よく配置すること。 |
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(3) |
二次壁を設ける場合には,それらの取り付く柱,はり等の剛性への影響に十分留意し,せん断破壊等を生じないよう設計すること。 |
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(4) |
ピロティを設ける場合や屋内運動場を校舎と重ねる場合などにおいては,当該層の水平剛性を上下の層と著しく異なることのない範囲に設計すること。 |
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(5) |
各階各方向には十分な耐震壁を配置すること。なお,耐震壁を十分取ることができない場合においては,架構に余力をもたせた設計とすることが望ましいこと。 |
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(6) |
建物の上層階に荷重の大きいものを設ける場合等においては,建物の振動性状について十分検討すること。 |
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(7) |
鉄骨造及び木造の建物は,変形が過大とならないよう設計すること。また,高層化する場合は,風等による振動や構造体の変形等に十分留意すること。 |
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4 |
積雪に対する設計 |
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(1) |
当該建物に掛かる積雪荷重を適切に算定して設計すること。 |
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(2) |
大スパンの構造物は,屋根の形状を十分考慮して積雪荷重を設定すること。特に,屋根面の積雪の分布が著しく偏る状態が予想される場合には,その影響について十分検討すること。 |
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(3) |
多雪地域において屋根に雪の落下を抑制する措置を講じる場合には,屋根面の積雪荷重の設定に特に留意すること。 |
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5 |
その他 |
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(1) |
建物から突出する部分は,必要な耐震,耐風,耐寒冷性等を確保するよう設計すること。 |
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(2) |
広い面積を有する屋根は,各構成部材に十分な強度を有するものを使用し,各部材相互を確実に緊結すること。 |
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第3 |
基礎構造 |
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1 |
共通事項 |
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(1) |
直接基礎におけるスラブ形式又は杭基礎における杭の工法及び種類を適切に設定すること。 |
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(2) |
構造的に一体となる建物は,基礎形式を1種類とし,良質かつ同一の地盤に支持させること。なお,建物周囲の構築物の沈下にも十分留意すること。 |
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(3) |
施工に伴う周辺への影響等に十分留意し,適切な基礎工法を計画すること。 |
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2 |
鉛直力に対する設計 |
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(1) |
直接基礎の場合においては,支持させる地盤の土質,地耐力等に応じ,十分な接地面積を確保し,断面形状を適切に設計すること。 |
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(2) |
杭基礎の場合においては,中間層の土質,支持層の地耐力等に応じ,支持方式を適切に設定し,杭の種類,断面形状等を適切に設計すること。 |
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(3) |
地盤沈下を生じている地域及びその可能性がある地域において杭基礎を用いる場合には,必要に応じ,負の摩擦力の検討を行うこと。 |
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3 |
水平力に対する設計 |
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(1) |
直接基礎の場合においては,雨水等による洗掘,寒冷地における凍上等に留意しつつ,水平力に対する抵抗を考慮し,基礎の根入れ深さを適切に設定すること。 |
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(2) |
杭基礎の場合においては,必要に応じ,負担する水平力に対する杭の安全性を検討すること。 |
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(3) |
杭基礎の場合においては,地震等により建物に掛かる水平力を確実に地盤に伝えることができるよう基礎スラブと杭頭との接合部に必要な強度を確保すること。 |
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第4 |
その他の構造 |
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1 |
建物付設物 |
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(1) |
塔屋,高架水槽,屋外突出煙突等の建物付設物は,設計震度を建物より大きく設定して設計すること。 |
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(2) |
建物との接続部分は,十分な強度を確保するよう設計すること。 |
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(3) |
建物の屋外に避難階段を設ける場合には,基礎,建物との接合部等に十分な耐力を確保すること。 |
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2 |
渡り廊下 |
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(1) |
渡り廊下を設ける場合には,基礎,架構等の各部材及び接合部に十分な耐力を確保すること。 |
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(2) |
渡り廊下と校舎,屋内運動場等との取合い部は,構造的に分割するなど地震時等に被害を受けないよう留意して設計すること。 |
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3 |
屋外施設 |
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(1) |
フェンス,バックネット等を設ける場合においては,基礎の根入れ深さを適切に設定し,基礎,支柱等の各部材,接合部等に十分な耐力を確保すること。 |
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(2) |
門柱,塑像,石碑等を設ける場合においては,基礎等の根入れ深さを適切に設定し,基礎,台座等の各部材,接合部等に十分な耐力を確保すること。 |
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(3) |
組積造の塀を必要とする場合においては,基礎の根入れ深さを適切に設定し,配筋及び控壁の設置などに留意しつつ,基礎,壁体等の各部材,接合部等に十分な耐力を確保すること。 |