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  第3節 コスト回収の考え方と運転経費の確保

   J-PARC、RIBF等の大型研究施設に係る利用料については、その国際公共財としての役割に鑑み、成果公開の場合は無償、成果非公開の場合は有償とすることが考えられている。無償の場合、当該施設の運転経費は基本的に当該施設を所有する機関が措置することが求められる。一方、有償の場合、利用に当たっての支援経費、設備の減価償却費、維持管理費等の負担については、別途行われている先端大型共用研究設備の整備・共用促進のためのシステム構築に係る検討の方向性を注視しつつ、当該施設を所有する機関と利用する者との間で適切な分担が行われるよう検討する必要がある。
 但し、大型研究施設間の国際的な競争を考慮すれば、J-PARC、RIBF等を国の推進すべき先進的な研究プラットフォームとして位置付け、成果非公開であっても研究・利用促進のため国が利用料の一部を負担する、あるいは、我が国の産業競争力強化の観点から、成果非公開であっても我が国の企業が利用する場合には国が利用料の一部を負担する等の仕組みを構築し、国際的に比較優位性のあるレベルでの料金設定を可能とすることも検討していく必要がある。
 一方、J-PARC等の共同利用施設において、研究者の自由な発想による優れた研究課題について無償で利用できる機会を提供(実験費、旅費等)することは、大学共同利用機関としての責務であり、こうした利用枠が設けられることは極めて重要である。

(参考)
 J-PARC中性子ビームの有償利用の場合、中性子源で用いる3ジェブの陽子ビームを生成する加速器、及び中性子源施設の運転経費を年間約110億円と仮定して、全利用時間年間(年間200日)を23本のビームラインが均等に分担する(運営費回収方式)との前提に立って試算すると、約240万円毎日がビームライン当たりの料金として課されることになる。国際的には中性子ビームラインの利用料金は平均約150万円毎日程度とされており、J-PARCで前述の利用料金が課せられた場合、多くの外部利用者は海外のビームラインの利用に流されると予想される。

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