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3 大学・短期大学に適用される指定規則大綱化の必要性

(1)  指定規則の意義と問題点
 指定規則は、看護職の国家試験受験資格を付与することができる、一定の水準を備えた学校及び養成所を指定する基準と手続きを定めたものであり、保健婦(士)、助産婦、看護婦(士)教育に関し、教育内容及び施設・設備、教員等の教育条件の水準確保という機能を果たしている。
 しかしながら、指定規則の規定内容は、看護職養成が主として専修学校等で行われてきた状況を踏まえたものになっており、近年における看護学の著しい発展と看護系大学・短期大学の急速な整備充実をかんがみると、大学・短期大学における看護学の発展にふさわしい教育内容及び施設・設備等の教育条件について指定規則の規定を見直すことが急務の課題となっている。
 一方、教育課程を編成する際、指定規則の教育内容の枠組みにとらわれ、大学・短期大学関係者の創意工夫が十分でなかったことも否めない。

(2)  教育内容
1  指定規則では、授業科目名と各科目毎の講義・実習の時間数が定められており、最低でも看護婦(3年課程)は、3,000時間、看護婦(2年課程)は、2,100時間、保健婦は690時間、助産婦は720時間を充足することが求められている。これらの規定に従って大学・短期大学における看護学教育の教育課程を編成した場合、以下のような問題点がみられる。
(ア)  指定規則により授業科目や授業時間数が看護職の課程ごとに個別かつ詳細に規定されているため、各大学・短期大学がその理念・目的に基づいた体系的な教育課程を編成することが難しい。
(イ)  指定規則では、教育内容が授業科目により縦列的に規定されているため、総合的かつ横断的な看護学についての大学教育を教授するにふさわしい教育課程を編成することが難しい。
(ウ)  指定規則による授業科目及び授業時間数だけで教育課程編成の自由裁量の余地が殆どなくなり、社会ニーズ(例:エイズ等感染症看護、がん看護、ターミナルケア等に対応した授業科目の設定)や、学生が自ら選択し学ぶための選択科目の設定が十分にできない。
2  大学設置基準等の大綱化の趣旨を生かすためにも、各大学・短期大学の理念・目的に基づいた特色ある教育課程編成がなされるよう、教育内容に関する指定規則について大綱化の方向で見直す必要があると考える。

(3)  教育条件
 施設・設備等の教育条件に関しては、一部の事項を除き、多くの事項が大学設置基準等により、指定規則と比較してより高い水準が確保されていることから、指定規則の規定を簡素化する方向で見直す必要があると考える。

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