このため、臨床研究や研究者の総合的な支援を行うARO(Academic Clinical Research Organization)を整備し、臨床試験の登録・管理に基づく診療情報の収集・解析等のデータセンターとしての機能・役割や、研究プロジェクトの進捗管理、臨床研究者や支援スタッフに対する教育・研修を総合的に行う機能・役割を担うことが求められる。その際、AROは、医師、疫学・生物統計家、臨床薬理専門家、CRC等の多様な職種・分野の人材に対する教育・研修を一元的に行うとともに、医学生の臨床実習や、大学院生やレジデントの受け入れも担うことも考えられる。このような機能・体制を全ての大学病院に整備することが理想的であるが、既存の大学病院の取組や体制を活用しつつ、段階的に拡大することが現実的であることから、拠点となる大学病院においてAROを整備し、ここを核として専門的人材の養成等の推進を図るとともに、多施設共同の研究・研修等の実施も含め、他大学の臨床研究においても利用可能な体制にしていくことが望まれる。